苫小牧市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 苫小牧市 | 自治体コード | 01213 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 170,113人 |
条例データ
制定年 | 2006年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/shisei/shisei/shiminjichi/kihonjorei/jichiki.html |
条例本文
○苫小牧市自治基本条例
平成18年12月21日
条例第39号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 まちづくりの基本原則
第1節 基本原則(第3条)
第2節 基本原則に基づく制度等(第4条―第7条)
第3章 市民(第8条・第9条)
第4章 議会(第10条―第12条)
第5章 市長等(第13条―第15条)
第6章 市政運営の原則(第16条―第27条)
第7章 条例の位置付け(第28条・第29条)
第8章 苫小牧市民自治推進会議(第30条)
附則
私たちのまち苫小牧市は、樽前山や野鳥の聖域としての指定を受けたウトナイ湖などに象徴される豊かな自然のもと、製紙工場の立地や国内初の内陸掘込港の建設等を契機として、北海道における産業の拠点として発展を遂げてきた。
また、人間環境都市を理想の都市像と定め、郷土の発展を願う先人たちの英知とたゆみない努力によりまちづくりが進められてきた。
私たちは、このまちの歴史と伝統を継承し、豊かな自然を守り、産業の拠点としての基盤を発展させるとともに、文化の薫り高く潤いがあり、すべての市民が生き生きと活気にあふれ心豊かに暮らせるまちを築かなければならない。
私たちは、市民が主体となって、自ら考え、行動し、決定することによりまちづくりを行っていくという市民自治の考え方を基本として、個人の尊厳と基本的人権が尊重される地域社会を創造する取組を通じ、市民であることが誇りに思えるまちを築くことをまちづくりの理念として定める。
私たちは、この理念にのっとり、市民自治によるまちづくりを推進するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、まちづくりの基本原則を定め、市民及び市の責務等を明らかにするとともに、市政運営の原則等を定めることにより、市民自治によるまちづくりの推進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住所を有する者、市内で働き、又は学ぶ者及び市内で活動する法人その他の団体をいう。
(2) 市 議会及び市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)をいう。
第2章 まちづくりの基本原則
第1節 基本原則
第3条 市民及び市は、まちづくりの理念にのっとり、次に掲げる原則に基づき、市民自治によるまちづくりを推進するものとする。
(1) 情報共有の原則 市民及び市がまちづくりに関する情報を共有すること。
(2) 市民参加の原則 市民の参加の下に市政運営が行われること。
(3) 協働の原則 市民及び市がそれぞれの役割及び責任に応じ、対等な関係で協力すること。
第2節 基本原則に基づく制度等
(情報提供及び情報公開)
第4条 市は、まちづくりに関する情報の市民との共有の推進を図るため、適時に、かつ、適切な方法により、分かりやすく、まちづくりに関する情報を市民に提供する措置を講じるとともに、別に条例で定めるところにより、市民の請求により市が保有する情報を開示する制度を設けるものとする。
(市民参加)
第5条 市は、市政運営への市民の参加(以下「市民参加」という。)を推進するため、別に条例で定めるところにより、市民参加に関する制度を設けるものとする。この場合において、当該条例には、次の事項を定めるものとする。
(1) 市民参加の方法及びその適切な選択並びに市民参加の実施の周知に関する事項
(2) 審議会等に原則として公募による委員を加えることに関する事項
(3) 市民がまちづくりに関する政策を提案するための仕組みに関する事項
(4) その他市民参加に関し必要な事項
(住民投票)
第6条 市は、市政の重要な課題に関する市民の意思を直接確認するため、別に条例で定めるところにより、住民投票を行うことができる。
2 市は、前項の住民投票の結果を尊重するものとする。
(協働の推進)
第7条 市は、市民と協働してまちづくりにおける課題の解決を図るために必要な措置を講じるよう努めるものとする。この場合において、市は、市民の自主的かつ自立的な活動を尊重しなければならない。
第3章 市民
(市民の権利)
第8条 市民は、政策の立案、実施及び評価の過程に参加する権利を有する。
2 市民は、市の保有する情報について知る権利を有する。
3 市民は、前2項の権利を行使し、又は行使しないことを理由に不利益な取扱いを受けない。
(市民の責務)
第9条 市民は、まちづくりの主体としての役割を自覚し、市民相互の自主性及び自立性を尊重するとともに、自ら又は協働して市民自治によるまちづくりの推進に努めるものとする。
2 市民は、市民参加又は協働において、自らの発言及び行動に責任を持つとともに、将来の世代に配慮するよう努めるものとする。
第4章 議会
(議会の役割)
第10条 議会は、市民の代表者である議員により構成された議事機関として、市の重要な意思決定を行うとともに、市長等による事務の執行を監視し、及び政策を立案する権限を有する。
(議会の運営)
第11条 議会は、討議を充実させることにより、その役割を果たすものとする。
2 議会は、議会の会期、議案の内容、審議の経過その他の議会の活動に関する情報を市民に分かりやすく提供するものとする。
3 議会は、必要に応じ、公聴会の開催その他市民の意見をその活動に反映させるために必要な措置を講じるよう努めるものとする。
4 議会は、議会運営を効果的に行うため、議会事務局の機能の充実に努めるものとする。
(議員の責務)
第12条 議員は、市民の信託に応えるため、その職務を誠実に果たさなければならない。
2 議員は、議会の機能が十分発揮されるようにするため、市政に関する調査研究に努めるものとする。
第5章 市長等
(市長の責務)
第13条 市長は、市の代表者として市民の信託に応えるため、市政運営を総合的かつ効率的に行うとともに、その公正の確保と透明性の向上を図らなければならない。
2 市長は、市政運営に関する各年度及び中長期の方針並びに当該方針に基づく政策、財源等について明らかにしなければならない。
3 市長は、常に簡素で効率的な組織の運営に努めなければならない。
(執行機関の責務)
第14条 執行機関(市長を除く。)は、その権限に基づき、自らの判断と責任においてその職務を誠実に管理し、及び執行しなければならない。
(職員の責務)
第15条 職員は、市民の視点に立って、誠実、公正かつ効率的にその職務を遂行しなければならない。
2 職員は、まちづくりの課題に適切に対応する能力の向上に努めなければならない。
第6章 市政運営の原則
(説明責任)
第16条 市は、市民に対し、市政運営に関する内容及び経過を分かりやすく説明する責任を有する。
(総合計画)
第17条 市長は、市政を総合的かつ計画的に運営するため、基本構想を定めるとともに、その実現を図るための基本的な計画及び実施に関する計画を定めるものとする。
2 市長等は、総合計画(前項に規定する基本構想、基本的な計画及び実施に関する計画をいう。以下同じ。)以外の計画の策定及び実施に当たっては、総合計画との整合性を確保するよう努めるものとする。
3 市長等は、総合計画その他の計画の策定に当たっては行政評価の評価基準となることを考慮するとともに、その実施に当たっては進行状況を適切に把握し、定期的に当該計画の内容について検討するものとする。
(健全な財政運営)
第18条 市長は、すべての会計を通じた財政運営の状況を分析するとともに、財政運営に関する計画を定めることにより、財政の健全な運営に努めなければならない。
2 市長は、予算の編成に当たっては、総合計画との整合性を確保するとともに、行政評価の結果を反映させるよう努めなければならない。
3 市長は、予算及び決算の内容並びに財政運営の状況を市民に分かりやすく公表しなければならない。
4 市長は、必要に応じて専門家による財政診断又は外部監査契約(地方自治法第252条の27第1項に規定する外部監査契約をいう。)による監査を行うものとする。
(出資法人等)
第19条 市長等は、市が出資し、若しくはその運営のための補助をし、又は職員を派遣している法人その他の団体(以下「出資法人等」という。)に関し、市からの出資、補助及び職員の派遣の状況等を定期的に公表するものとする。
2 市長等は、出資法人等に対する出資、補助及び職員の派遣の目的、効果及び必要性について定期的に調査及び検討を行い、その結果を公表するものとする。
(政策法務)
第20条 市は、まちづくりに関する政策を実現するため、必要に応じて条例、規則その他の規程(以下「条例等」という。)の制定及び改廃を行うとともに、法令等の自主的かつ適正な解釈及び運用に努めるものとする。
(職員の任用及び育成)
第21条 市は、まちづくりの課題に適切に対応できる職員を公正かつ適正な手続により任用するものとする。
2 市は、適材適所の職員配置を行うとともに職員研修の充実に努めることにより、職員の政策形成能力、法務能力その他のまちづくりに必要な能力の向上を図るものとする。
(行政手続)
第22条 市長等は、条例等に基づく処分、行政指導及び届出に関する手続並びに規則等を定める手続に関して共通する事項を定めることにより、行政手続における公正の確保と透明性の向上を図らなければならない。
2 前項に規定する手続に関して共通する事項は、別に条例で定める。
(行政評価)
第23条 市長等は、効果的かつ効率的な市政運営を図るため、市の政策等について適切な評価基準に基づく行政評価を実施し、その結果を政策等に反映させるよう努めるとともに、行政評価に関する情報を分かりやすく市民に公表するものとする。
2 市長等は、市民、専門家等による外部評価の仕組みを整備するよう努めるものとする。
(個人情報の保護)
第24条 市は、市民の個人情報の保護を図るため、別に条例で定めるところにより、市が保有する個人情報の開示等を請求する権利を保障するとともに、個人情報の収集、利用その他の取扱いを適正に行うものとする。
(意見、要望等への対応)
第25条 市は、市政運営に関する市民からの意見、提案、要望、苦情等に対し、速やかに調査、検討その他の必要な措置を講じ、誠実に対応しなければならない。
(危機管理)
第26条 市長等は、災害等の緊急時に備え、市民の生命、身体及び財産の安全性の確保及び向上並びに総合的かつ機能的な危機管理の体制の整備に努めなければならない。
2 市長等は、危機管理の体制を強化するため、市民の危機管理に対する意識を醸成し、並びに市民、関係団体等との連携及び協力を図るよう努めるものとする。
(他の市町村等との連携協力)
第27条 市は、共通する課題の解決を図るため、他の市町村と相互に連携を図りながら協力するものとする。
2 市は、政策を実施するため必要があるときは、国及び北海道との役割分担を踏まえ、国及び北海道に対して適切な措置を講じるよう提案するとともに、相互に連携を図りながら協力するものとする。
第7章 条例の位置付け
(条例の位置付け)
第28条 市は、条例等の制定及び改廃、法令等の解釈及び運用その他市政運営に当たっては、この条例の趣旨を最大限に尊重して行わなければならない。
2 市は、この条例の趣旨に基づき、各分野における基本条例等を制定し、及びこれらの条例と他の条例等とを体系的に整備するよう努めなければならない。
(条例の見直し)
第29条 市は、この条例の施行の日から起算して4年を超えない期間ごとに、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとする。
第8章 苫小牧市民自治推進会議
第30条 市長の附属機関として、苫小牧市民自治推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、市長の諮問に応じ、この条例の運用の状況及び市民自治によるまちづくりに関する基本的事項について調査審議するほか、市民自治によるまちづくりの推進に関し市長に意見を述べることができる。
3 推進会議は、委員10人以内をもって組織する。
4 委員は、市民及び学識経験者のうちから市長が委嘱する。
5 委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。
2 苫小牧市特別職の職員の給与に関する条例(昭和29年条例第9号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)
附 則(平成23年9月28日条例第15号改正)
この条例は、公布の日から施行する。