江別市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 江別市 | 自治体コード | 01217 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 121,056人 |
条例データ
制定年 | 2009年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/life/1/12/53/ |
条例本文
江別市条例第22号
江別市自治基本条例をここに公布する。
平成21年7月1日
江別市長 三 好 昇
江別市自治基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条-第5条)
第2章 市民(第6条-第8条)
第3章 議会及び議員(第9条・第10条)
第4章 市長及び職員(第11条・第12条)
第5章 行政運営(第13条-第20条)
第6章 情報共有の推進(第21条-第23条)
第7章 市民参加・協働の推進(第24条・第25条)
第8章 住民投票(第26条)
第9章 他の自治体等との連携及び協力(第27条)
第10章 市民自治によるまちづくりに関する施策等の評価(第28条)
第11章 条例の見直し(第29条)
附則
わたしたちは、豊かな流れの石狩川と原始の姿を今にとどめる森に囲まれたまち江別市に集いました。
江別市は、屯田兵らによって開拓され、恵まれた自然を生かした農業やれんが産業、川を利用した物資流通の拠点として栄えてきました。今日ではやきものの街としても知られ、また、道央圏において有数の文教都市として発展を遂げています。
わたしたちは、先人が切り拓き守ってきた自然と、たゆまぬ努力と英知によって興し育ててきた産業や伝統、培われた文化を受け継ぎ、未来の世代へ引き継いでいかなければなりません。
わたしたちは、江別市民憲章に掲げられた理念に沿って、命をはぐくむ水と緑の大いなる自然と都市が調和しているこのまちの魅力を生かして、教養ある文化のまちを目指し、お互いを尊重し、支え合う地域社会を大切にする、人中心のまちづくりを進めていきます。
ここにわたしたちは、江別市の市民自治の基本理念と基本原則を掲げ、市民及び市それぞれの役割と責務を明らかにするとともに、市民自治の意識の高揚を図りながら、かけがえのない愛する郷土、個性あふれるまちを創るため、江別市の最高規範として、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、江別市の市民自治の基本理念及び基本原則並びに自治運営の基本的な事項を定め、市民の信託に基づく議会及び市長等の役割及び責務を明らかにするとともに、市民自らが考え、行動する、市民自治を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住所を有する者、市内で働き、若しくは学ぶ者又は市内で事業活動その他の活動を行う者若しくは団体をいう。
(2) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(3) 市 議会及び市長等をいう。
(4) まちづくり 暮らしやすく、魅力あるまちを実現するためのすべての公共的な活動をいう。
(5) 協働 市民及び市が、それぞれの役割及び責任を理解し、互いに尊重しながら協力して取り組むことをいう。
(市民自治の基本理念)
第3条 市民一人ひとりが自治の主役として、市政に関する情報を共有し、自らの責任において主体的に考え、積極的にまちづくりに参加及び協働しながら、より良いまちづくりを推進することを市民自治の基本理念とする。
(市民自治の基本原則)
第4条 市民及び市は、次に掲げる基本原則に基づき、市民自治を実現するものとする。
(1) 情報共有の原則 市民及び市は、まちづくりに関する情報を共有すること。
(2) 市民参加・協働の原則 市民は、まちづくりの主体として、まちづくりへの参加及び協働を進め、市は、それを尊重すること。
(3) 信託と責任の原則 市は、市民の信託に基づき、公正かつ誠実に市政を運営する責任を負うこと。
(この条例の位置付け)
第5条 この条例は、江別市の自治の基本を定める最高規範であり、市民及び市は、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。
2 市は、他の条例、規則等の制定及び改廃並びに法令等の解釈及び運用に当たっては、この条例の規定との整合を図らなければならない。
第2章 市民
(市民の権利)
第6条 市民は、市政に関する情報について知る権利を有する。
2 市民は、市政に参加する権利を有する。
3 市民は、まちづくりに関する意見を表明し、提案する権利を有する。
(市民の責務)
第7条 市民は、まちづくりの主体であることを自覚し、互いの活動の自主性及び自立性を尊重し、協力しながら市民自治によるまちづくりの推進に努めるものとする。
2 市民は、まちづくりに参加するに当たっては、自らの発言及び行動に責任を持つものとする。
3 市民は、市政に関する認識を深め、市と協働して地域社会の発展に寄与するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第8条 事業者は、地域社会を構成する市民の一員としての社会的役割を認識し、地域社会との調和を図りながら市民自治のまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
第3章 議会及び議員
(議会の役割と責務)
第9条 議会は、選挙により信託を受けた議員によって構成される議決機関であり、本市の重要な意思決定を行うとともに、市長等による事務の執行を監視及びけん制し、市民の意思を政策形成に反映させるものとする。
2 議会は、まちづくりの課題を明らかにし、審議の過程その他議会の活動に関する情報を市民に提供し、市民に開かれた議会運営に努めなければならない。
(議員の責務)
第10条 議員は、市民の信託に応え、総合的視点に立ち、公平、公正かつ誠実に職務を遂行するものとする。
2 議員は、広く市民の声を聴くことにより市民の意思を把握し、これを政策形成に反映させるよう努めなければならない。
3 議員は、自らの活動及び議会の活動を市民に分かりやすく説明し、情報提供に努めなければならない。
4 議員は、議会における審議及び政策立案活動の充実を図るため、積極的に調査研究に努めなければならない。
第4章 市長及び職員
(市長の役割と責務)
第11条 市長は、市民から信託を受けた本市の代表者として、この条例を遵守し、市民自治のまちづくりを推進しなければならない。
2 市長は、公平かつ誠実な行政運営を行わなければならない。
3 市長は、市政に関する情報を市民に分かりやすく説明しなければならない。
4 市長は、補助機関である職員の能力向上を図るとともに、効率的な組織の運営に努めなければならない。
(職員の役割と責務)
第12条 職員は、この条例を遵守し、市民の視点に立って公正かつ効率的に職務を遂行しなければならない。
2 職員は、市民自治によるまちづくりを推進するために必要な能力の向上に努めなければならない。
第5章 行政運営
(総合計画)
第13条 市は、総合的かつ計画的な行政運営を図るため、総合計画を策定するものとする。
2 市は、総合計画を策定するに当たっては、多くの市民意見を反映させるため、必要な情報提供に努めるとともに、市民参加を積極的に進めるものとする。
3 市は、総合計画の達成目標を明らかにするとともに、その内容及び進行状況に関する情報を市民に分かりやすく提供するものとする。
4 市は、総合計画が社会の変化に対応できるよう検討を加え、必要に応じて見直しを行うものとする。
(財政運営)
第14条 市長は、財政の状況を的確に把握し、予算の編成に当たっては、総合計画及び行政評価の結果を反映させることにより、将来的な財政見通しに立った健全な財政運営に努めなければならない。
2 市長は、財政状況に係る情報並びに予算及び決算に係る情報を市民に分かりやすく公表することにより、財政運営の透明性の確保に努めなければならない。
(行政評価)
第15条 市長等は、効果的かつ効率的な行政運営を図るため、行政評価を実施し、その結果を施策等に反映させるとともに、市民に分かりやすく公表するものとする。
2 市長等は、市民、専門家等による外部評価の仕組みを整備するよう努めなければならない。
(政策法務)
第16条 市は、自主的な政策活動を推進するため、必要に応じて条例、規則等の制定及び改廃を行うとともに、法令等の調査研究を重ね、主体的かつ適正な解釈に努めなければならない。
(危機管理・防災)
第17条 市長等は、市民の生命、身体及び財産を保護するため、情報の収集及び提供並びに必要な対策を実行できる体制の整備に努めなければならない。
2 市長等は、市民の防災意識の向上を図るとともに、災害発生時に備え、市民、事業者及び関係機関との連携及び協力を図るよう努めなければならない。
(行政手続)
第18条 市長等は、行政運営における公正の確保及び透明性の向上を図るため、処分、行政指導等に関する手続きを定めるものとする。
2 行政手続に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(外部監査)
第19条 市は、適正で効率的な行政運営を確保するため、必要に応じて外部の監査人その他第三者による監査を実施することができる。
(公益通報)
第20条 市長等は、市政の適法かつ公正な運営を確保するために、違法な行為について通報を行った職員等が、通報により不利益を受けないよう必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第6章 情報共有の推進
(情報共有)
第21条 市は、まちづくりに関する情報を市民と共有するため、速やかに、かつ、分かりやすく情報提供するとともに、制度及び体制の充実に努めるものとする。
2 市は、市民からの意見、要望、提案等に対し、速やかに、かつ、誠実に対応するとともに、市民と情報を共有するため、必要に応じてその対応状況を公表するよう努めなければならない。
3 市民は、まちづくりに関する情報を共有するため、これに対する関心を高め、必要な情報の収集に努めるものとする。
(情報公開)
第22条 市は、市民の市政に関する情報について知る権利を尊重し、市政に関する情報を公正かつ適正に公開するものとする。
2 情報公開に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(個人情報の保護)
第23条 市は、個人情報の収集、利用、提供、管理等を適正に行うとともに、自己に係る個人情報の開示、訂正等を請求する市民に対し適切な措置を講じなければならない。
2 個人情報の保護に関し必要な事項は、別に条例で定める。
第7章 市民参加・協働の推進
(市民参加の推進)
第24条 市は、まちづくりへの市民参加を推進するため、制度の充実に努めるものとする。
2 市は、政策の立案、実施及び評価の各段階における市民参加を推進し、市民の意見が適切に反映されるよう努めなければならない。
3 市は、市民参加において、性別、年齢、障がいの有無、経済状況、宗教、国籍等によって市民が不当に不利益を受けないよう配慮するものとする。
4 市長等は、広く市民の意見を聴き、その意見を反映させるための仕組みづくりに努めなければならない。
5 市民参加に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(市民協働の推進)
第25条 市民及び市は、協働のまちづくりを推進するための環境づくりに努めなければならない。
2 市は、市民のまちづくり活動における自主性及び自立性を尊重し、必要な制度の整備を行うものとする。
3 市は、市民が協働のまちづくりに参加しないことにより、不当に不利益を受けないよう配慮するものとする。
4 市民協働の推進に関し必要な事項は、別に条例で定める。
第8章 住民投票
(住民投票)
第26条 市は、市政に関する重要事項について、直接、住民(市内に住所を有する者(法人を除く。)をいう。)の意思を確認するため、住民投票を行うことができる。
2 市は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
3 住民投票を実施しようとするときは、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めるものとする。
第9章 他の自治体等との連携及び協力
(他の自治体等との連携及び協力)
第27条 市は、共通するまちづくりの課題を解決するため、広く他の自治体及び関係機関と相互に連携し、協力するよう努めるものとする。
2 市は、政策を実施するため必要があるときは、北海道及び国と連携を図りながら協力するとともに、北海道及び国に対して適切な措置を講ずるよう提案するものとする。
第10章 市民自治によるまちづくりに関する施策等の評価
(市民自治によるまちづくりに関する施策等の評価)
第28条 市は、市民自治によるまちづくりに関する施策又は制度がこの条例の趣旨に沿って整備され、又は運用されているかについて評価し、必要な見直しを行うための仕組みを整備するよう努めなければならない。
2 市は、前項の規定による評価に当たっては、市民の意見が適切に反映されるよう努めなければならない。
第11章 条例の見直し
(条例の見直し)
第29条 市は、この条例の施行の日から起算して4年を超えない期間ごとに、この条例の規定について検討し、その結果に基づいて見直しを行うものとする。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。