日光市まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 日光市 | 自治体コード | 09206 |
都道府県名 | 栃木県 | 都道府県コード | 00009 |
人口(2015年国勢調査) | 77,661人 |
条例データ
制定年 | 2008年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.nikko.lg.jp/seisaku/gyousei/shisei/machizukuri_kihon/index.html |
条例本文
○日光市まちづくり基本条例
平成20年3月19日
条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 各主体の権利と責務(第4条―第7条)
第3章 情報共有(第8条―第10条)
第4章 まちづくりへの参画(第11条・第12条)
第5章 協働(パートナーシップ)体制の整備(第13条―第15条)
第6章 まちづくり団体(第16条―第18条)
第7章 住民投票(第19条)
第8章 行政及び財政の運営(第20条―第22条)
第9章 危機管理(第23条)
第10章 連携(第24条―第26条)
第11章 条例の位置づけ(第27条・第28条)
附則
私たちのまち日光市は、四季折々の豊かな自然、そして歴史を語る文化遺産・産業遺産など、世界に誇る多くの財産や多様な観光・地域資源を有しています。
そして、先人たちはこの恵まれたまち日光に誇りを持ち、心をひとつにこの貴重な財産を守り育んできました。
“日光市は住んでいる人も訪れる人も「心」を感じるまちでありたい。”
時の流れとともに見失いつつある「心」。私たち日光市民は、先人の残してくれた自然や文化、産業などの貴重な恵みを生かしながら、未来にわたって愛し続けることができるまち“心を感じるまち日光”を力を合わせて創っていかなければなりません。
“私たちにできることがある。私たちがすべきことがある。”
それは、まさに市民一人ひとりが自ら考え、決定し、行動すること、すなわち、主体的にまちづくりに関わることです。
私たちは、このまちづくりを通して、人と人との絆の大切さを再認識し、豊かな心を育て、互助の精神を身につけた元気な市民となることができるのです。子どもからお年寄りまでのみんなの元気、私たちの暮らす地域の元気、それが日光市の元気へとつながって、市民自治のまちの実現に向けた大きな力となるのです。
私たちは日光を愛する市民として、一人ひとりの心を大切にし、「心が通う温かい市民自治のまち日光」を創るため、日光市の最高規範としてこの条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、日光市のまちづくりに関する基本理念を定め、市民、市議会及び市の役割並びに責務を明らかにするとともに、市が行うまちづくり施策の基本的事項を定め、もって多様な価値観を認め合う、市民自治の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) まちづくり 市民それぞれの住む地域及び市全体を将来にわたって暮らしやすく、かつ、快適なものとしていくための公益的な取り組みをいう。
(2) 市民 日光市に居住する者、働く者、学ぶ者並びに市内において活動する団体及び事業者をいう。
(3) 共有 市民、市議会及び市又は市民同士が情報、資源等を共に保有することをいう。
(4) 参画 市民がまちづくりに主体的に関わり、行動し、又は責任を果たすことをいう。
(5) 協働 市民、市議会及び市が、互いの役割及び責任のもとに、まちづくりのために共に考え、協力し、又は行動することをいう。
(6) まちづくり団体 自治会、市民活動団体等市民が互いに助け合い、そして思いやりのある社会を形成するために組織している団体及び集団をいう。
(平24条例7・一部改正)
(基本理念)
第3条 市民、市議会及び市は、共有、参画及び協働のもとに、相互理解及び信頼による市民自治の振興を図らなければならない。
2 市民、市議会及び市は、まちづくりに関する情報、資源、責任、負担、課題及び成果を互いに共有することを基本としなければならない。
3 市は、まちづくりにおける市民の参画を保障するとともに、市民は、自主的及び自立的に参画する権利並びに責務を有するものとする。
4 市民、市議会及び市は、まちづくりにおいて、互いの立場を尊重するとともに、市民一人ひとりの基本的人権及び多様な価値観を認め合いながら協働の推進に努めなければならない。
第2章 各主体の権利と責務
(市民の権利)
第4条 市民は、まちづくりの主体として、自らまちづくりに関し、意見を述べるとともに、参画する権利を有する。
2 市民のうち、年齢満18歳未満の青少年は、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参画する権利を有する。
3 市民は、まちづくりに参画するために必要な情報を知る権利を有する。
4 市民は、まちづくりへの参画又は不参画によって、何らの不利益な扱いを受けることがない。
(令4条例21・一部改正)
(市民の責務)
第5条 市民は、第3条の基本理念にのっとり、共有、参画及び協働を基本とし、まちづくりに参画しようとする意識を持つよう努めなければならない。
2 市民は、まちづくりに参画するにあたり、自主性及び自立性を持つとともに、自らの発言及び行動に責任を持つものとする。
(市議会の責務)
第6条 市議会は、市民の代表から構成される市の意思決定機関として、市政の発展と市民福祉の向上のため、その権能を行使するとともに、市政経営の監視及び抑制をするものとする。
2 市議会は、公正、公平な開かれた議会運営を行うとともに、市民の意見を市政に反映させ、市議会に対する市民の関心を高めるよう努めなければならない。
3 市議会は、議会を活性化し、政策提言及び政策立案のため、積極的な調査活動を行うものとする。
4 市議会の議員は、議会の役割及び責務を認識し、市民の信託に応えるため、誠実に職務を遂行しなければならない。
(市の責務)
第7条 市は、第3条の基本理念にのっとり、共有、参画及び協働を基本とし、まちづくりを推進しなければならない。
2 市は、市民に対し、まちづくりに関する情報を分かりやすく提供するとともに、当該まちづくりに関して市民に説明し、及び市民の疑義に応答する責任を果たさなければならない。
3 市は、より多くの市民がまちづくりに参画できるよう、多様な参画方法を用意しなければならない。
4 市は、市民の自治能力形成のため、市民の自主的及び自立的活動を支援し、市民との協働に努めなければならない。
第3章 情報共有
(情報の共有)
第8条 市は、市民の知る権利を保障し、市民及び市が互いに情報を共有するために、市のまちづくりに関する情報を市民に分かりやすい形で提供しなければならない。
2 市は、まちづくりに関する条例の制定及び施策の実施については、その過程において、市民から広く意見を求めるとともに、当該意見に対する市の考え方を公表するよう努めなければならない。
(説明・応答の責任)
第9条 市は、まちづくりに関する事項に関し、市民に分かりやすく説明する責任を負わなければならない。
2 市議会及び市は、市民からの意見、要望等に対し、速やかに応答する責任を負わなければならない。
3 市民は、意見、要望等を述べる場合及び必要により応答する場合には、常に公共性を意識するよう努めなければならない。
(個人情報の保護)
第10条 市議会及び市は、個人の権利及び利益を守るために、個人に関する情報の保護に努めるとともに、その必要な措置を講じなければならない。
第4章 まちづくりへの参画
(市の役割)
第11条 市は、まちづくりへの市民の参画が保障されるよう、市のまちづくりに関する条例の制定、計画の策定及び施策の実施にあたっては、その企画立案、実施、評価等の各段階において、分かりやすく情報を提供するとともに、多様な参画方法を用意するよう努めなければならない。
(市民の役割)
第12条 市民は、市のまちづくりに関する条例の制定、計画の策定及び施策の実施にあたっては、その企画立案、実施、評価等の各段階において、自主的及び自立的に参画するよう努めなければならない。
第5章 協働(パートナーシップ)体制の整備
(協働のための環境整備)
第13条 市は、市民との協働によるまちづくりを進めるために、人材育成、活動拠点、情報提供等の協働を支える環境を整備するものとする。
(生涯学習によるまちづくり)
第14条 市民及び市は、誰もが自ら学びたいときにいつでも学べる環境を整えるよう努め、生涯学習を通じたまちづくりを積極的に進めるものとする。
2 市は、市民の自治能力形成を支援し、まちづくりへの参画を促進するために、生涯にわたる多様な学習機会を提供するとともに、その学習成果をまちづくりに生かすことができるよう努めるものとする。
(人づくり)
第15条 市民は、協働の大切さを認識するために、様々な機会をとらえて、まちづくりに関する学習に努めるものとする。
2 市は、市民との協働によるまちづくりをより確かなものとするために、様々な機会をとらえて、市職員等の研修及び学習に努めるものとする。
第6章 まちづくり団体
(まちづくり団体の役割)
第16条 まちづくり団体は、それぞれの団体の自主性並びに主体性を尊重するとともに、相互に連携し、及び助け合うものとする。
(自治会への参加及び支援)
第17条 市民は、地域を基盤とした互助による活動を行う自治会に参加し、地域に根ざしたまちづくりに努めるものとする。
2 市は、自治会の自主性及び主体性を尊重し、その活動に対して必要な支援をするものとする。
(市民活動団体への参加及び支援)
第18条 市民は、市内に活動の拠点を置き、かつ、ボランティア活動等営利を目的としない団体である市民活動団体に参加し、それぞれの目的に応じたまちづくりに努めるものとする。
2 市は、市民活動団体の自主性及び主体性を尊重し、その活動に対して必要な支援をするものとする。
第7章 住民投票
(住民投票)
第19条 市は、まちづくりに関する重要な事項について、直接市民(市内において活動する団体を除く。)の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができる。
2 住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に関し必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定める。
3 市長は、前項の規定による住民投票に関し定める条例に基づき住民投票を行うときは、その目的及び投票結果の取扱いを事前に明らかにしなければならない。
第8章 行政及び財政の運営
(総合計画等)
第20条 市は、総合的かつ計画的な市政の経営を図るための基本構想及びこれを実現するための基本計画並びに個別分野ごとの計画(以下「総合計画等」という。)を策定しようとするときは、この条例の基本理念にのっとり、市民の参画を得ながら策定するものとする。
(まちづくり評価)
第21条 市は、まちづくりの課題及び市民のニーズに対応した能率的かつ効果的な市政経営を進めるための評価(以下「まちづくり評価」という。)を行い、その結果を市民に公表するものとする。
2 前項のまちづくり評価は、社会情勢、市民意識等の変化に対応し、常に最も効果的な方法で行うものとする。
(財政の仕組み)
第22条 市は、前2条の規定による総合計画等及びまちづくり評価を踏まえた財政の仕組みを確立するとともに、財政状況を市民に公表するものとする。
第9章 危機管理
(平24条例7・追加)
(危機管理)
第23条 市は、常に緊急時や不測の事態に備え、市民の身体、生命及び財産の安全性の確保及び向上に努めるとともに、総合的かつ機動的な危機管理の体制を強化するため、市民及び国、県その他の関係機関との協力、連携及び相互支援を図り、安全で安心して生活できるまちづくりを推進しなければならない。
2 市民は、自ら災害等不測の事態に備え、地域において相互に助け合えるよう連携及び協力体制の整備に努めなければならない。
(平24条例7・追加)
第10章 連携
(平24条例7・旧第9章繰下)
(地域間の連携)
第24条 市民は、それぞれの地域が育んできた歴史、文化等を認め合いながら、地域間での連携を図り、まちづくりを推進するものとする。
(平24条例7・旧第23条繰下)
(広域連携)
第25条 市は、他の市町村、県、国及びその他の機関との情報共有並びに相互理解のもと、広域的な連携を図り、まちづくりを推進するものとする。
(平24条例7・旧第24条繰下)
(国際的な連携)
第26条 市は、国際感覚豊かな人材を育成するとともに、積極的に国際的な連携を図り、国際観光文化都市としてのまちづくりを推進するものとする。
(平24条例7・旧第25条繰下)
第11章 条例の位置付け
(平24条例7・旧第10章繰下)
(最高規範性)
第27条 この条例は、日光市におけるまちづくりの最高規範であって、まちづくりのあらゆる活動は、この条例の規定に即して実施されなければならない。
2 市は、他の条例、規則その他の規定の制定及び改廃に当たっては、この条例の規定に即し、かつ、適合させなければならない。
(平24条例7・旧第26条繰下)
(条例の検討及び見直し)
第28条 市は、この条例の施行から4年を超えない期間ごとに、この条例を守り育てるための検討をしなければならない。
2 市は、前項の検討の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて必要な措置を講じなければならない。
(平24条例7・旧第27条繰下)
附 則
この条例は、平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月1日条例第7号)
この条例は、平成24年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月9日条例第21号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。