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条例

羽生市まちづくり自治基本条例

自治体データ

自治体名 羽生市 自治体コード 11216
都道府県名 埼玉県 都道府県コード 00011
人口(2015年国勢調査) 52,862人

条例データ

条例本文

○羽生市まちづくり自治基本条例
平成21年11月30日
条例第30号

目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの基本原則(第4条―第11条)
第3章 市民の権利及び責務(第12条―第14条)
第4章 議会の権限及び責務(第15条―第17条)
第5章 市の責務(第18条―第20条)
第6章 コミュニティ(第21条・第22条)
第7章 情報公開及び個人情報の保護(第23条・第24条)
第8章 参画及び協働(第25条―第29条)
第9章 市政運営の原則(第30条―第36条)
第10章 危機管理(第37条)
第11章 交流及び連携(第38条―第41条)
第12章 その他(第42条―第44条)
附則

前文
羽生市は、関東平野の中央に位置し、雄大な利根川と田園の広がる水と緑に恵まれた自然豊かなまちです。私たちは、幾多の先人の英知と汗を結集し、伝統を活かしながら新しい産業や文化を取り入れ、人と人とのつながりを大切にしたまちづくりを進めてきました。
私たちは、この羽生の豊かな自然環境、独自の文化・伝統、そして培ってきた市民の誇りを次世代に引き継ぐとともに、市民一人ひとりがそれぞれの人格に配慮し、相互に高めあい、認めあいながら、子どもから高齢者までが安心できる、暮らしやすい地域社会を築き上げていかなければなりません。
そのために私たちは、地域社会の主体であることを自覚し、自らの手で私たちのまちを創り上げていくという強い信念を持ち、信託した市政が私たちの意思を反映して行われるよう、その運営に率先して参画し、互いに協働し、時代に適合したまちづくりに取り組む必要があります。
私たちは、羽生市民として誇りを持ち、公正・公平で一人ひとりの人権が尊重される「誰もが幸せを感じる、住み続けたいまち」の創造を目指します。
私たち羽生市民は、市民自治の基本理念を明らかにし、市民、議会及び市がまちづくりの担い手であることを自覚するとともに、それぞれの役割及び責務を明確にし、市民がまちづくりの主役となることを実現するためこの条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、羽生市における市民自治の基本理念を明らかにするとともに、市民の権利及び責務、議会及び市の役割及び責務並びに参画及び協働の仕組みに関する基本事項を定めることにより、市民、議会及び市が相互に理解し、協力し明るく豊かで活力に満ちたまちを実現することを目的とする。
(この条例の位置付け)
第2条 この条例は、羽生市におけるまちづくりの最高規範とする。
2 議会及び市は、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用並びに施策の実施に当たっては、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。
(用語の定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市の区域内に住所を有する者はもちろんのこと、市内に居住し、通勤し、又は通学する者及び市内において事業を営み、又は活動するものをいう。
(2) 市民自治 市民が主体的にあらゆる課題の解決に向けてともに考え行動することをいう。
(3) 参画 市の政策立案、実施、評価等の各段階に市民が主体的に参加し、市政の意思決定にかかわることをいう。
(4) 協働 市民、議会及び市が、それぞれの果たすべき役割及び責務のもと、自主性を尊重し、協力してまちづくりを進めることをいう。
(5) まちづくり 市民が幸せに安心して暮らせるまちをつくるためのすべての活動及び事業をいう。
(6) コミュニティ 地域社会をより良くするため、多様な活動への参加を行うことを目的として結ばれたものをいう。
(7) 市 市長を代表とする羽生市のすべての執行機関をいう。
第2章 まちづくりの基本原則
(市民自治の原則)
第4条 市民は、それぞれの人格に配慮し、相互に高めあい、認めあいながら、市民がまちづくりの主体として、互いの人権と自主性を尊重した個性豊かで活力のあるまちづくりを進めることを原則とする。
(情報共有の原則)
第5条 市民は、市政に関する必要な情報の提供を受け、自ら請求し取得する権利を有するとともに、市民、議会及び市は、市政に関する情報を共有することを原則とする。
(参画の原則)
第6条 市民は、まちづくりに関するそれぞれの過程において、自主的に参画する権利を有することを原則とする。
(協働の原則)
第7条 市民、議会及び市は、それぞれの知恵と力を出し合い、互いの存在を尊重しながら、役割及び責務を分担し協働することを原則とする。
(地域尊重の原則)
第8条 市民、議会及び市は、地域の文化、歴史、伝統等の特徴を活かしながら、住みやすく暮らしやすい地域社会を実現するために、地域の特性を尊重するとともに、市はその支援を行うことを原則とする。
(人権尊重の原則)
第9条 市民、議会及び市は、性別、年齢、国籍及びそれぞれの人格に配慮し、公正・公平で、かつ、互いの人権を尊重することを原則とする。
(環境保全の原則)
第10条 市民、議会及び市は、自然環境を守るため環境への影響を優先的に配慮し、温室効果ガス削減を積極的に行うなど、環境への負荷の少ない循環型社会を基調としたまちづくりの推進に努めることを原則とする。
(子どもの健全育成の原則)
第11条 市民、議会及び市は、次世代を担う子どもたちの健全な育成に努めることを原則とする。
第3章 市民の権利及び責務
(市民の権利)
第12条 市民は、個人として尊重され、自らの生命・健康、自由及び幸福追求に対する権利を有するとともに、自治運営の主権者として、次に掲げる権利を保障される。
(1) 行政運営及び執行に関する情報を知ること。
(2) まちづくりに関する政策の形成、執行及び評価の各過程に参画すること並びにその過程において意見を表明又は提案をすること。
(3) 行政サービスの提供を等しく受けること。
(4) 市の保有する自己に関する情報について、保護及び修正を求めること。
(市民の責務)
第13条 市民は、法令等を遵守し、主体的にまちづくりに参加することにより、健全で豊かな地域社会の形成に努めるものとする。
2 市民は、まちづくりにおいて、自らの発言や行動に責任を持つものとする。
3 市民は、別に条例の定めるところにより、行政サービスに伴う適正な負担をするものとする。
(事業者の責務)
第14条 事業者は、前2条に規定する権利及び責務を有するほか、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図るとともに、公益的な活動に協力・参加し健全な事業活動に努めなければならない。
第4章 議会の権限及び責務
(議会の権限及び責務)
第15条 議会は、直接選挙により市民の信託を受けた議員によって構成される羽生市の議決機関であり、市政運営を監視し、けん制し、及び調査する権限を有する。
2 議会は、法令等に定める権限を行使するとともに、政策立案機能を強化し市民自治の推進に努めるものとする。
(開かれた議会)
第16条 議会は、議会活動に関する情報及び市政に関する状況を市民にわかりやすく説明するものとする。
2 議会は、会議の公開及び情報の積極的な提供により、市民と情報を共有し、開かれた議会運営に努めるものとする。
(議員の責務)
第17条 議員は、市民の信託にこたえ、公正・公平かつ誠実に職務を遂行するものとする。
2 議員は、市民の代表者としての責務を自覚し、常に市民全体の奉仕者として行動するものとする。
3 議員は、議会の職務を遂行するため、常に自己研鑽し、市の政策水準の向上と市政運営の円滑化に努めるものとする。
4 議員は、別に議会の定めるところにより、高い倫理規範のもとで行動するものとする。
第5章 市の責務
(市長の責務)
第18条 市長は、市民の信託にこたえ豊かな市民生活の実現を目指すとともに、執行機関の最高責任者として公正・公平かつ誠実に職務を遂行し、この条例の規定に基づいて市政を運営しなければならない。
2 市長は、市民の意向を適正に判断し、まちづくりの課題に対し、自らの判断と責任において必要な施策を的確に選択し、総合的かつ計画的な市政運営を行わなければならない。
3 市長は、市政運営が硬直化することのないよう、効率的で、公正かつ透明性の高い市政運営を行い、計画的で健全な財政運営に最大の配慮を行うとともに、行財政改革に努めなければならない。
4 市長は、その職務遂行に当たっては、遅滞なくこれを執行しなければならない。
5 市長は、職員の配置及び登用に当たっては適材適所に努めるとともに、職員を指揮監督し、かつ、人材の育成を図らなければならない。
6 市長は、市民の意向等を知るために、諮問機関等を設置することができる。
7 市長は、羽生市が出資する法人等の運営内容がその設置の目的等に適合しているかについて確認をするため、当該法人等に報告を求めるとともに、必要に応じて当該法人等に対し適切な指導等を行うものとする。
(市長を除く執行機関の責務)
第19条 市長を除く執行機関は、総合的な計画を策定し、他の基本計画等と調整を図りながら、総合的かつ計画的な行政運営に努めなければならない。
2 市長を除く執行機関の行政運営については、この条例の規定に基づき、市民の福祉の増進を目的として行うとともに、次に掲げることを原則とする。
(1) 市政に関する情報については、市民との共有を推進するものとする。
(2) 情報の公開においては、市民にわかりやすく提供するものとする。
(3) 市民の個人情報の取り扱いについては、個人の権利利益及びプライバシーが侵害されることのないよう、必要な措置を講じるものとする。
(4) 市民の自主的な活動を尊重するとともに、市民との協働による施策、事業等の推進を図るものとする。
(5) 市民の意思を市政に適切に反映するため、市民の参画を推進するものとする。
(6) 市民からの提案等については、的確かつ迅速な対応を行うものとする。
(7) 総合的かつ柔軟な行政運営に努めるとともに、縦割り行政の弊害を排除しなければならない。
(8) 施策及び各種の事務・事業の実施に当たっては、公正かつ透明性を確保するとともに、効率的かつ総合的に行い、常にその改善に努めるものとする。
(職員の責務)
第20条 職員は、全体の奉仕者として市民の負託にこたえることを自覚し、法令等を遵守して、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 職員は、まちづくりの課題等に適切に対応するため、政策立案能力の向上に努めなければならない。
3 職員は、職務における権限と責任を自覚し、自己改革とともに組織改革に努めなければならない。
4 職員は、高い倫理規範意識を持ち市民から信頼されるよう努めなければならない。
5 職員は、政策や事業等の執行において公正な市政を妨げ、又は市に対する市民の信頼を損なう行為により、市民全体の利益等公益に反する恐れのある事実を知った場合、規則等で定める機関に当該事実を通報する責務を有する。この場合において、当該職員が正当な通報をしたときは、市は当該職員が当該通報をしたことを理由に、不利益な取扱いをしてはならない。
第6章 コミュニティ
(コミュニティ)
第21条 市民は、コミュニティ活動に関心を持って自発的に参加するよう努めるものとする。
2 市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、別に規則等の定めるところにより、その活動を支援する施策を講ずるものとする。
3 市民及び市は、まちづくりにおけるコミュニティの役割を尊重し、これを守り育てるよう努めなければならない。
(子どもの健全育成)
第22条 コミュニティ、市民及び市は、互いに協力・連携しながら、次世代を担う子どもたち一人ひとりが、希望に満ちあふれた未来を描くことのできるよう、別に規則等の定めるところにより、子どもの健全な育成に取り組まなければならない。
第7章 情報公開及び個人情報の保護
(情報公開)
第23条 市は、開かれた市政の実現のため、別に条例の定めるところにより、市民の知る権利を保障し、市の保有する情報を積極的に公開及び提供することにより市民との情報共有に努めなければならない。
2 市は、情報の公開においては、市民にわかりやすく提供するよう努めるものとする。
3 市は、市民にわかりやすく情報を提供するため制度の整備に努めるものとする。
(個人情報の保護)
第24条 市は、別に条例の定めるところにより、個人情報の取扱いにおいて個人の権利利益及びプライバシーが侵害されることのないよう、個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を策定し、かつ、実施する責務を有する。
第8章 参画及び協働
(参画)
第25条 市民は、まちづくりに関する政策の形成、執行及び評価の各過程に参画する権利を有する。
2 市は、市民の参画を保障するため、その機会の拡充に努めるものとする。
(協働)
第26条 市民、議会及び市は、互いの役割を尊重し、協働してまちづくりを進めるように努めなければならない。
2 市は、前項に規定するまちづくりを進めるに当たり、市民一人ひとりが自主的に持てる力を出し合うことの出来るよう、協働の場の提供、機会の拡充等その支援に努めるものとする。
(審議会等の委員の選任)
第27条 市は、審議会等の委員の選任に当たっては、法令等に定めのあるもののほか、市民からの公募によることを原則とし、男女の比率、年齢等委員の構成に配慮するとともに、審議会等の設置の目的に応じ識見を有する者を選任するものとする。
2 審議会等の委員の選任等に関し必要な事項は、規則等でこれを定める。
(意見提出制度)
第28条 市は、重要な政策及び条例を定めようとする場合には、当該政策及び条例並びにこれに関連する資料をあらかじめ公表し、広く市民の意見を求めなければならない。
2 意見提出制度の実施等に関し必要な事項は、規則等でこれを定める。
(住民投票)
第29条 市は、市政に関する重要事項について、市民の意思を確認するため住民投票を実施することができる。
2 市及び議会は、前項の規定により実施された住民投票の結果を尊重しなければならない。
3 住民投票の実施等に関し必要な事項は、条例でこれを定める。
第9章 市政運営の原則
(総合振興計画)
第30条 市は、総合的かつ計画的な市政運営を行うため、この条例の趣旨をふまえて基本構想及び基本計画(以下「総合振興計画」という。)を市民参画のもとで策定しなければならない。
2 市は、総合振興計画を効果的かつ着実に実行するため、定期的な進行管理を行うとともに、新たな行政需要に応じた見直しに努め、必要に応じてその状況を公表するものとする。
(健全な財政運営)
第31条 市は、中長期的な展望に立ち、財源の確保及び効率的な財政運営を図ることにより、財政の健全化に努めなければならない。
2 市は、市の財産の保有状況を明らかにし、財政状況について市民にわかりやすく公表しなければならない。
(組織)
第32条 市の組織は、政策を着実に実現するため、地域社会の変化に応じ機動的に編成しなければならない。
(行政手続)
第33条 市は、市民の権利利益を保護するため、公正な行政手続きの確保に努めなければならない。
2 行政手続に関し必要な事項は、条例でこれを定める。
(説明責任)
第34条 市は、政策の計画、実施状況及び結果について、市民にわかりやすく説明する責務を有する。
(意見及び要望への対応)
第35条 市は、市民からの意見及び要望があった場合は、その内容について速やかに調査し、事実関係を把握したうえで、迅速かつ誠実に対応するとともに市民の権利利益を保護するよう努めなければならない。
2 市民からの意見及び要望への対応に関し必要な事項は、規則等でこれを定める。
(行政評価)
第36条 市は、効率的かつ効果的な市政運営を行うため、市民参加による外部評価を取り入れた行政評価を実施し、政策の決定、予算の編成及び総合振興計画の進行管理に反映させるとともに、当該行政評価の実施状況及び結果について公表しなければならない。
2 外部行政評価を含め行政評価の実施手続等に関し必要な事項は、規則等でこれを定める。
第10章 危機管理
第37条 市は、災害その他の不測の事態に際しては、市民の生命及び財産を守る責務を有するものとする。
2 市は、災害その他の不測の事態に備え、国及び他の自治体と連携を図りながら、緊急時の対応と復旧に関する計画等を策定するとともに、その危機管理体制の整備に努めなければならない。
第11章 交流及び連携
(民間の非営利組織の活用等)
第38条 市は、施策及び各種の事務・事業の実施に当たり民間活力の活用を図っていくものとする。
2 市は、民間の非営利組織の育成及び活用の推進を図るよう努めるものとする。
(市外の人々等との交流)
第39条 市民は、様々な活動を通じて市外の人々及び団体と広く交流し連携を深めることにより、知り得た知恵や意見をまちづくりに活用するよう努めるものとする。
(広域連携)
第40条 市は、近隣自治体との共通の課題解決をはじめ、安全で安心なまちの実現に向けて、国、他の自治体及び関係団体と積極的に連携を図るものとする。
(国際交流)
第41条 市は、まちづくりにおいて国際交流の重要性を認識し、他の国並びに他の国の人々及び団体と交流及び連携を図るよう努めるものとする。
第12章 その他
(この条例の見直し)
第42条 市は、この条例の施行後5年を超えない期間ごとに、この条例の施行状況について検討を行い、必要があると認めるときは、その結果に基づいて見直し等の必要な措置を講ずるものとする。
(羽生市まちづくり自治基本条例委員会)
第43条 市は、前条に規定する条例の見直し等を行うときは、羽生市まちづくり自治基本条例委員会(以下「委員会」という。)を組織し、条例の見直し等に関する意見を聴くものとする。
2 委員会の委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 公募による市民
(2) 市内で事業を営み、又は活動するものの代表者
(3) 地方自治に識見を有する者
(4) 市議会議員
(5) 市職員
3 前項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則等でこれを定める。
(他の条例等の整合)
第44条 市は、既存の条例、規則等に関し、この条例との整合性を図るため必要な措置を講ずるものとする。

附 則
この条例は、平成22年4月1日から施行する。