「文の京」自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 文京区 | 自治体コード | 13105 |
都道府県名 | 東京都 | 都道府県コード | 00013 |
人口(2015年国勢調査) | 240,069人 |
条例データ
制定年 | 2004年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_kikaku_kuminkensyo.html |
条例本文
「文の京」自治基本条例
平成十六年十二月十三日
条例第三十二号
改正 平成一九年 三月 一日条例第四号
目次
前文
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 自治の理念と基本原則
第一節 自治の理念(第三条)
第二節 基本原則(第四条―第七条)
第三章 区民等の権利と責務
第一節 区民の権利と責務(第八条・第九条)
第二節 地域活動団体の権利と責務(第十条・第十一条)
第三節 非営利活動団体の権利と責務(第十二条・第十三条)
第四節 事業者の権利と責務(第十四条・第十五条)
第四章 区の責務(第十六条―第十九条)
第五章 区議会の責務
第一節 区議会の役割(第二十条―第二十三条)
第二節 区議会議員の責務(第二十四条)
第六章 執行機関の責務(第二十五条―第三十条)
第七章 協働・協治の推進
第一節 情報の公開(第三十一条―第三十四条)
第二節 参画(第三十五条・第三十六条)
第三節 意思の表明(第三十七条―第三十九条)
第四節 協働・協治の推進体制(第四十条―第四十三条)
付則
文京区は、歴史的文化的遺産に恵まれた緑豊かな地域です。文京区に集う私たちは、文化の香り高いまち文京区を誇りとし、様々な可能性に富んだこの地を将来に向かって、さらに発展させたいと願っています。
私たちが良好な環境を維持しながら真に文化的にしあわせに暮らすためには、この地に住み、学び、活動するすべての人々が自律した存在として尊重されるとともに、守るべきもの、育むべきものを確かめ、自立した存在として、互いに合意を形成し、協力し合うことが必要と私たちは考えます。
そして、地域社会を豊かなものにするためには、区民、地域活動団体、非営利活動団体、事業者、区が相互に協力し、地域社会の課題を解決するための住民自治の原則を共有のものとすることが大切と考えます。
私たちは、この原則を、ともに活動し、ともに地域社会の課題を解決するという意味で、「協働・協治」と呼び、「文の京」文京区の自治の理念として位置づけます。
私たちは、文京区の自治の理念や基本的なしくみを明らかにし、文京区の自治に関する基本条例として、この条例を定めます。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、文京区の自治の基本理念としての協働・協治の考え方並びに区民、地域活動団体、非営利活動団体及び事業者の権利と責務並びに区の責務を明らかにするとともに、協働・協治の基本的事項を定めることにより、豊かな地域社会を実現することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 各主体 区民、地域活動団体、非営利活動団体、事業者及び区のそれぞれをいう。
二 区民等 区民、地域活動団体、非営利活動団体及び事業者をいう。
三 区民 区内に住む人、働く人及び学ぶ人をいう。
四 地域活動団体 地域の課題の解決及び地域住民の連携を図るため、自主的に活動を行う地域に根ざして形成された団体をいう。
五 非営利活動団体 公共的な課題に関して、自主的に活動を行う団体で、前号以外の非営利に活動する団体のうち、協働・協治の担い手になりうるものをいう。
六 事業者 区内において事業活動を行うものをいう。
七 区 区議会及び執行機関により構成されるものをいう。
八 協働・協治 区民、地域活動団体、非営利活動団体、事業者及び区が対等の関係で協力し、地域の情報、人材、場所、資金、技術等の社会資源を有効に活用しながら、地域社会の公共的な課題の解決を図る社会のあり方をいう。
第二章 自治の理念と基本原則
第一節 自治の理念
(協働・協治)
第三条 各主体は、協働・協治の考え方に基づき、相互に理解を深め、それぞれの果たすべき役割と責任を分担し、助け合いながら自主的・自律的に活動を行う。
第二節 基本原則
(参画と協力)
第四条 各主体は、地域の課題を解決するための活動に積極的に参画するとともに、自主的に調整し、協力し合い、連携を図る。
(情報共有)
第五条 各主体は、個人情報の保護に配慮しつつ、それぞれが保有する地域の課題及び地域の課題を解決するための活動に関する情報の共有を図る。
(対等な立場の尊重)
第六条 各主体は、豊かな地域社会の実現に当たり、相互理解を深め、信頼関係を築き、対等な立場を尊重し、地域の課題を解決するための活動を担う。
(自己決定・自己責任)
第七条 各主体は、自ら決定し、自らの責任において活動する。
第三章 区民等の権利と責務
第一節 区民の権利と責務
(区民の権利)
第八条 区民は、地域社会の一員として協働・協治の社会の実現に参画する権利を有する。
2 区民は、地域の課題を解決するための活動に関する情報を求めることができる。
(区民の責務)
第九条 区民は、地域の課題を解決するための活動に自主的な判断により参画する。
2 区民は、自主的・自律的な活動を行うとともに、自らの発言及び行動に責任を持つ。
第二節 地域活動団体の権利と責務
(地域活動団体の権利)
第十条 地域活動団体は、地域社会の一員として協働・協治の社会の実現に参画する権利を有する。
2 地域活動団体は、地域の課題を解決するための活動に関する情報を求めることができる。
(地域活動団体の責務)
第十一条 地域活動団体は、地域の課題の解決及び住民相互の連携を図る活動を行う。
2 地域活動団体は、自主的・自律的な活動を行うとともに、自らの発言及び行動に責任を持つ。
第三節 非営利活動団体の権利と責務
(非営利活動団体の権利)
第十二条 非営利活動団体は、地域社会の一員として協働・協治の社会の実現に参画する権利を有する。
2 非営利活動団体は、地域の課題を解決するための活動に関する情報を求めることができる。
(非営利活動団体の責務)
第十三条 非営利活動団体は、自らの目的に沿った活動を通じて、地域の課題の解決に取り組む。
2 非営利活動団体は、自主的・自律的な活動を行うとともに、自らの発言及び行動に責任を持つ。
第四節 事業者の権利と責務
(事業者の権利)
第十四条 事業者は、地域社会の一員として協働・協治の社会の実現に参画する権利を有する。
2 事業者は、地域の課題を解決するための活動に関する情報を求めることができる。
(事業者の責務)
第十五条 事業者は、協働・協治に関する理解を深め、地域において他の主体と対話し、協働に努める。
2 事業者は、その社会的責任に基づいて事業活動を推進する責務を有する。
第四章 区の責務
(区の基本的役割)
第十六条 区は、地方自治の本旨に基づいて、住民の福祉の増進に向けて、必要な施策を実施し、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
2 区を構成する各機関は、それぞれの責務を果たすことを通じて、共通の目標である協働・協治の社会の実現を図る。
3 区は、持続可能で健全な区政を実現する。
(保証役としての役割)
第十七条 区は、自ら公共的サービスを提供する役割を担うだけでなく、適切な公共的サービス水準の設定及び区民等の活動の支援を通じて、区民等により公共的サービスの提供が適正に行われることを保証するよう努める。
(調整役としての役割)
第十八条 区は、必要に応じて、区民等の間の調整を行う役割を担う。
(地域の担い手の支援)
第十九条 区は、区民等の自主性及び自律性を尊重しつつ、地域の課題を解決するための活動に取り組む人々や団体が自主的・自律的に活動できるように支援する。
第五章 区議会の責務
第一節 区議会の役割
(区議会の基本的事項)
第二十条 区議会は、住民の直接選挙により選ばれた議員で構成する意思決定機関であり、執行機関の区政運営を監視し、及び牽(けん)制する機能を有する。
(区議会の責務)
第二十一条 区議会は、法令に定める権限を行使し、及び政策論議・立法活動の充実を図ることにより、区政の発展及び区民の福祉の向上に努める。
(情報の共有と説明責任)
第二十二条 区議会は、積極的に情報を提供することにより、区民との情報の共有を図るとともに、区民への説明責任を果たす。
(区民参加と活性化)
第二十三条 区議会は、区民との直接対話の場を設けるなど、区議会への区民参加を推進し、区議会の活性化を図り、開かれた区議会を目指す。
第二節 区議会議員の責務
(区議会議員の責務)
第二十四条 区議会議員は、区民の代表者として品位と名誉を保持し、自己研鑚(さん)に努めるとともに、常に区民全体の利益を行動の指針とし、誠実に職務遂行に努める。
第六章 執行機関の責務
(執行機関等の基本的事項)
第二十五条 区長及び副区長並びに行政委員会等は、協働・協治の推進のために、その権限と責任において公正かつ誠実に職務の執行に当たる。
(執行機関の責務)
第二十六条 執行機関は、区民ニーズの把握に努め、補助機関の各部署の情報共有と連携・協力により、適正かつ迅速に公共的サービスを提供する。
2 執行機関は、常に補助機関の活性化を図るとともに、簡素で機能的かつ柔軟な組織とすることを目指す。
(情報の共有と説明責任)
第二十七条 執行機関は、職務の執行に当たり積極的に情報を提供することにより、区民との情報の共有を図るとともに、区民への説明責任を果たす。
(政策立案・実施・評価の各段階への区民等の参画)
第二十八条 執行機関は、協働・協治の視点に立って、政策の立案、実施及び評価の各段階において、区民等の参画を図り、開かれた区政を目指す。
(区長の責務)
第二十九条 区長は、文京区の代表者として、公正かつ誠実に区政の執行に当たる。
2 区長は、区政の執行を通じて実現すべき政策を区民等に対して明らかにし、その達成状況について区民等に報告する。
3 区長は、効率的・効果的な行財政運営を行わなければならない。
(職員の責務)
第三十条 職員は、職務の遂行に必要な知識の取得及び技能等の向上に努め、公正かつ能率的に職務を遂行しなければならない。
第七章 協働・協治の推進
第一節 情報の公開
(区政に関する情報の公開)
第三十一条 区は、区民等の行政情報を知る権利を保障するとともに、区政に関する情報を積極的に公開する。
2 区は、区政に関する情報を公開するに当たっては、個人情報の保護に配慮しなければならない。
(区の説明責任)
第三十二条 区は、政策の立案から実施及び評価に至るまでの過程において、区政について、区民等にわかりやすく説明する責任を果たさなければならない。
(区民等の情報公開)
第三十三条 区民等は、それぞれが保有する公共的な活動に関する情報を共有することができるよう、個人情報の保護に配慮しつつ、その公開に努める。
(区民等の説明責任)
第三十四条 区民等は、自らが行う公共的な活動について、相互に説明するよう努める。
第二節 参画
(区への提案制度)
第三十五条 区は、区民等が区政に関する公共的な提案ができるようにし、その提案に対しては、協働・協治の視点に立って適切に対応しなければならない。
(各主体相互の活動への参画)
第三十六条 各主体は、地域の課題を解決するための活動に相互に参画し合い、連携を図るために対話し、交流し、学び合う。
2 区は、区民等が活動に相互に参画し合えるしくみをつくる。
第三節 意思の表明
(区の政策等の周知)
第三十七条 区は、区政の基本的な指針、政策及び計画について、その内容を明確にし、区民等にわかりやすく周知しなければならない。
(区民等の意見表明)
第三十八条 区民等は、区の重要な政策及び計画の策定に関して、意見を表明することができる。
2 区は、重要な政策及び計画の策定に当たり、区民等からの意見を聴取し、その意見に対する考え方を公表しなければならない。
(住民投票)
第三十九条 区は、文京区に係る重要事項について、直接区民の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができる。
2 住民投票の制度及び実施に関し必要な事項は、別に条例で定める。
第四節 協働・協治の推進体制
(社会資源の活用等)
第四十条 各主体は、協働・協治の推進に当たっては、それぞれが社会資源を活用するとともに、自ら社会資源を創出し、相互に提供し合うよう努める。
(区外の人々との連携・協力)
第四十一条 各主体は、多様な取組や活動を通じて、区外の人々、団体、行政機関等と積極的に連携・協力する。
(協働・協治の推進のしくみ)
第四十二条 区は、区民等とともに、地域の課題の解決に向けて多様な取組を進めるための協働・協治の推進のしくみをつくる。
(区における条例の尊重義務)
第四十三条 区は、条例の制定、政策の実施等に当たり、この条例の趣旨を尊重しなければならない。
付 則
この条例は、平成十七年四月一日から施行する。
付 則(平成一九年三月一日条例第四号)
この条例は、平成十九年四月一日から施行する。