練馬区政推進基本条例
自治体データ
自治体名 | 練馬区 | 自治体コード | 13120 |
都道府県名 | 東京都 | 都道府県コード | 00013 |
人口(2015年国勢調査) | 752,608人 |
条例データ
制定年 | 2010年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 区民投票 |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/omonajorei/kusei_kihon/kuseikihon/index.html |
条例本文
練馬区政推進基本条例
平成22年12月16日
条例第45号
目次
前文
第1章 総則(第1条-第4条)
第2章 区民等の権利および責務(第5条)
第3章 議会の役割等(第6条)
第4章 執行機関の役割等(第7条-第9条)
第5章 参加・参画および協働の推進(第10条-第12条)
第6章 区政運営の基本的仕組み(第13条-第21条)
第7章 区民投票(第22条)
第8章 国等との関係(第23条・第24条)
第9章 条例の位置付け等(第25条・第26条)
付則
練馬区は、昭和22年8月1日、自立を求める人々の努力が実を結び、板橋区か
ら分離独立して23番目の特別区として誕生しました。以来、都心に近接する住宅
地域として、多くの人々を受け入れてきました。その過程で、区民と区とが力を
合わせて、都市基盤や公共施設の整備などのまちづくりに取り組み、今や人口70
万を超える、23区有数のみどり豊かな住環境に恵まれた都市として発展していま
す。
一方、時代の経過に伴い、災害や治安に対する安全安心意識の高まり、少子高
齢社会と核家族化の進行、近隣や人と人とのつながりの希薄化など、地域での対
応が必要となる課題が生じてきています。区民にとって最も身近な基礎自治体と
しての練馬区には、自らの判断と責任により、区民の信託に応える区政運営が求
められています。
これからも区政は、人権が尊重され、多様な価値観や文化を認め合う、誰もが
安心して暮らせる練馬区を、主権者である区民と区とがともに築き、発展させる
ことを基本に置きます。未来へ向けて、練馬区の自治のあり方と区政運営の仕組
みを明らかにし、区民と区とがそれぞれの役割と責務のもと、より自律的な地方
政府としての練馬区を実現するため、この条例を定めます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、練馬区の自治の基本理念、区民等の権利および責務ならび
に議会および執行機関の役割等を明らかにし、参加・参画および協働の推進な
らびに区政運営の基本的仕組みについて定めることにより、練馬区にふさわし
い自治の実現を図り、もって区民福祉の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、つぎの各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定め
るところによる。
? 区民 練馬区の区域内(以下「区内」という。)に居住する者をいう。
? 区民等 区民、区内に存する事務所または事業所に勤務する者、区内に存
する学校に在学する者および区内において事業活動その他の活動を行う者ま
たは団体をいう。
? 執行機関 区長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員および農業委員
会をいう。
? 区 議会および執行機関をいう。
? 地域コミュニティ 地域を基盤とした活動、特定のテーマを目的とした活
動等の多様な活動によって、自らの地域を自らより良くしていく地域社会を
いう。
? 協働 多様な活動主体および区または活動主体同士が、それぞれの役割を
明確にし、互いの特性を理解しおよび尊重した上で、地域課題の解決という
共通の目的に向かって、連携しおよび協力して活動することをいう。
(基本理念)
第3条 練馬区は、区民等および区が、情報を共有し、それぞれに果たすべき役
割および責務を分担し、協働することにより、区民による区民のための自律的
な地方公共団体を目指すものとする。
(区政運営の基本原則)
第4条 区は、基本理念を実現するために、つぎに掲げる基本原則に基づいて区
政を運営するものとする。
? 区民等の権利および自主性を尊重しつつ、公益の実現を図ること。
? 公平、公正および透明性を確保すること。
? 区民等の主体的な参加・参画のもと、地域コミュニティに関わる活動主体
と協働すること。
? 総合的、計画的かつ効率的な区政経営を行うこと。
第2章 区民等の権利および責務
第5条 区民等は、区とともに練馬区の自治を担い、育むよう努めるものとする。
2 区民等は、区政に参加・参画するとともに、地域コミュニティの活動に関わ
り、区と協働することができる。
3 区民等は、区が管理する情報を知ることができる。
4 区民等は、区政に参加・参画するに当たり、自らの発言と行動に責任を持つ
ものとする。
第3章 議会の役割等
第6条 議会は、選挙により選ばれた区民の代表者である議員の活動により運営
され、その持てる権能を発揮して、区民の信託に応える。
2 議会は、議決機関として条例の制定および改廃、予算、決算の認定等を議決
する。
3 議会は、執行機関が行う事務・事業について、検査、調査、意見聴取等によ
り、適正に執行されているかを監視し、およびけん制する。
第4章 執行機関の役割等
(執行機関の役割)
第7条 執行機関は、その権限と責任において、公正かつ誠実に事務を管理し、
および執行する。
(区長の役割および責務)
第8条 区長は、練馬区を統轄し、これを代表する。
2 区長は、多様な地域資源を有効に活用し、質の高い行政サービスを効果的か
つ効率的に提供する区政経営を行い、区民の信託に応える。
3 区長は、議会への議案の提出、予算の調製および執行、公の施設の設置およ
び管理等の事務を行う。
4 区長は、その補助機関である職員を指揮監督し、職務の執行に必要な能力を
増進および発揮させるよう努めなければならない。
(執行機関の職員の責務)
第9条 執行機関の職員は、効果的かつ効率的に行政サービスを提供し、区民等
との協働を柱とした区政運営を担い、自ら考え行動するよう努めなければなら
ない。
2 執行機関の職員は、職務の執行に必要な能力の増進に努めなければならない。
第5章 参加・参画および協働の推進
(参加・参画の推進)
第10条 区は、区民等とともに区政を進めるよう、区民等の区政への参加・参画
を推進するものとする。
2 区長は、区民等の区政への参加・参画を推進するため、基本的な仕組みの整
備その他必要な施策を講ずるものとする。
(地域コミュニティへの支援)
第11条 区は、地域コミュニティに関わる活動主体がその有する特性および長所
を生かして行う活動について、その自発性および主体性を尊重するものとする。
2 区長は、地域コミュニティに関わる活動主体および活動に対して必要な支援
を行うものとする。
(協働の推進)
第12条 区長は、地域コミュニティに関わる活動主体との協働のあり方を明らか
にし、協働を推進するため、基本的な仕組みの整備その他必要な施策を講ずる
ものとする。
第6章 区政運営の基本的仕組み
(基本構想等)
第13条 練馬区は、総合的かつ計画的な区政運営の指針として、議会の議決を経
て、基本構想を定めるものとする。
2 区長は、基本構想の実現を図るため、総合的な施策に関する基本計画等を策
定し、これに即して計画的に区政経営を行うものとする。
(区民意見の反映)
第14条 執行機関は、総合的な施策に関する基本計画、基本的な制度を定める条
例等(以下これらを「計画等」という。)の策定に当たっては、区民等の意向
の把握を行い、それらを反映するよう努めるものとする。
2 前項に規定する区民等の意向の把握に当たって、執行機関は、計画等の案を
公表して、区民等からの意見を広く募集し、提出された意見およびそれに対す
る見解を公表するものとする。
(情報の公開および説明責任)
第15条 区は、区民等の知る権利を保障し、区が保有する情報を適正に管理し、
公開するものとする。
2 区は、区政に関する情報を正確に分かりやすく公表しおよび提供するよう努
めるものとする。
(個人情報の保護)
第16条 区は、個人情報を適正に管理し、個人情報に関する権利を保障するもの
とする。
(行政手続)
第17条 執行機関は、処分、行政指導および届出に関する手続に関し、共通する
事項を定めることによって、区政運営における公正の確保と透明性の向上を図
り、区民等の権利および利益を保護するものとする。
(要望等に対する応答)
第18条 執行機関は、区民等から区政に関する要望、意見、提案等を受けたとき
は、迅速かつ誠実にこれに応答するよう努めなければならない。
(行政評価)
第19条 執行機関は、定期的に施策を点検し、施策の達成状況について評価を行
うものとする。
2 執行機関は、前項に規定する評価の結果について、区民等に公表し、区民等
の参加のもと第三者による評価を受けるものとする。
3 執行機関は、前2項に規定する評価の結果を区政運営に反映するよう努めな
ければならない。
(財政運営)
第20条 区は、最少の経費で最大の効果を挙げるよう努め、自主的な財源の確保
等、自律的な財政運営を行うことにより、財政の健全性を確保するものとする。
2 区長は、歳入歳出予算の執行状況等の財政状況を区民等に分かりやすく公表
するものとする。
3 執行機関は、練馬区の財政的援助に関わる事業について執行状況を把握する
とともに、当該事業を担うものについて適切な指導を行うものとする。
(附属機関等の会議の公開等)
第21条 附属機関、附属機関に準ずる懇談会、協議会等(以下「附属機関等」と
いう。)は、原則としてその会議を公開する。
2 執行機関は、附属機関等の設置目的に応じて、附属機関等の委員に区民等が
参加・参画する機会を設けるものとする。
第7章 区民投票
第22条 区長は、練馬区の存立に関わることその他の練馬区に重大な影響を及ぼ
す事項について、直接区民の意思を確認するため、事案ごとに条例で定めると
ころにより、区民投票を実施することができる。
2 前項の条例においては、投票に付すべき事項、投票の手続、投票の資格要件
その他区民投票の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
第8章 国等との関係
(国および東京都との関係)
第23条 練馬区は、国および東京都との役割分担を明確にし、対等で協力的な関
係の確立を目指すものとする。
(他の地方公共団体等との関係)
第24条 練馬区は、他の地方公共団体および国と連携を図り、協力して共通の課
題の解決に取り組むものとする。
第9章 条例の位置付け等
(条例の位置付け)
第25条 区は、他の条例、規則等の制定または改廃に当たっては、この条例の趣
旨を尊重し、整合を図らなければならない。
(条例の改正)
第26条 区長は、この条例を改正する必要があると認めたときは、審議会を設置
し、改正すべき事項について、諮問しなければならない。
2 前項の審議会は、同項の規定による諮問に対して審議を行い、その結果を区
長に答申する。
付 則
この条例は、平成23年1月1日から施行する。