条例

海老名市市民参加条例

自治体データ

自治体名 海老名市 自治体コード 14215
都道府県名 神奈川県 都道府県コード 00014
人口(2015年国勢調査) 136,516人

条例データ

条例本文

○海老名市市民参加条例
平成17年4月4日
条例第36号

海老名市市民参加条例
海老名市は、市民と行政が相互にパートナーとしての立場で互いに補完し合いながら、協働して「住みよいまち」をつくることを目指しています。
そのため、市民と行政が情報を共有しながら、市民が市政についての情報を迅速かつ容易に得ることができ、市民が市政に参加するしくみをつくることが必要です。
共育の精神の下、市民と行政が協働することで互いの能力が向上し、また、相互理解と信頼感が醸成され、市政の透明性・公平性を図ることができます。
市民と行政が一体となって「住みよいまち」を実現するため、ここに「海老名市市民参加条例」を定めます。
(目的)
第1条 この条例は、市民が市政に参加するための基本的な事項を定め、市民の参加する権利を保障するとともに、市民と行政の役割を明らかにし、協働して住みよいまちをつくることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例で使われている言葉の意味は、次のとおりです。
(1) 市民参加 政策立案及び形成、計画の策定、事業の実施並びに事業実施結果の評価及び見直しの一連の過程において、市民が意見を述べ、提案を行うことにより市政に参画することをいいます。
(2) 市民 市内に住所のある人、市内に事務所のある個人、法人及び団体、市内に在勤及び在学の人並びに市内で活動を行う人をいいます。
(3) 行政 市長、教育委員会、農業委員会、選挙管理委員会、監査委員及び固定資産評価審査委員会(それぞれ職員を含みます。)の執行機関をいいます。
(4) 協働 市民と行政が、自主性を尊重しながら、相互にパートナーとして意見を出し合い、相補い、協力することをいいます。
(市民の役割)
第3条 市民は、「海老名が自分たちのまち」という意識を持ち、自らの意見や提案を積極的に提出し、行政と一体となってより良い地域づくりに努めます。
2 市民は、住民自治の主体であることを自覚し、自らの発言と行動に責任を持って市民参加することに努めます。
3 市民は、地域社会の主体的な役割を認識し、尊重し、育てるように努めます。
(行政の役割)
第4条 行政は、市政について市民に説明する責務及び市民の市政への意見や提案を的確に把握する責務があることを常に自覚します。
2 行政は、よく整理された的確な情報を市民が迅速かつ容易に得ることができるように努めます。
3 行政は、市民が意見、提案等をする機会の拡充に努めます。
4 行政は、この条例を遵守し、誠実かつ公正に責任を持って職務の遂行に努めます。
(情報提供)
第5条 行政は、市民が市民参加しやすいように、原則として、市政に関する情報をわかりやすい表現で説明し、適切かつふさわしい方法により積極的に提供します。
(個人情報保護)
第6条 行政及び市民は、個人情報の保護に最大限の配慮をします。
(市民参加の対象)
第7条 市民参加の対象とする事項(以下「対象事項」といいます。)は、次のとおりとします。
(1) 行政の基本構想、総合計画その他施策の基本的な事項を定める計画等の策定、変更又は廃止
(2) 市政に関する基本方針を定める条例の制定、改正又は廃止
(3) 市民に義務を課し、又は市民の権利を制限することを内容とする条例の制定、改正又は廃止
(4) 市民生活に重大な影響を及ぼす制度の導入、変更又は廃止
(5) 前各号に掲げるもののほか、行政が市民参加の対象とすると認めた事項
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するものは、対象事項としないことができます。
(1) 軽易なもの
(2) 緊急を要するもの
(3) 法令の規定により実施の基準等が定められており、その基準等に基づいて行うもの
(4) 行政内部の事務処理に関するもの
(5) 市税の賦課徴収に関するもの
3 行政は、対象事項について、企画・立案、実施及び評価の全ての過程において市民参加の確保に努めます。
(市民参加の方法及び実施)
第8条 市民参加の方法は、次のとおりとします。
(1) パブリック・コメント 行政が対象事項の趣旨、目的、内容等の案を公表し、この案に対して市民が意見を提出する機会を設け、提出された意見に対する行政の考え方や結果を公表する一連の手続きをいいます。
(2) 市民政策提案 市民が具体的な政策等を提案し、その提案に対する行政の考え方等を公表するとともに、提案を出した市民に回答する一連の手続きをいいます。
(3) 公聴会 政策等に対して市民の意見を聴くため、行政が行う会合を開催する一連の手続きをいいます。
(4) 審議会等の委員公募 法律、条例、要綱等に基づいて設置された審議会、協議会、委員会等(以下「審議会等」といいます。)に、公募により委員として意見を述べる一連の手続きをいいます。
(5) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める方法によります。
2 行政は、市民参加の実施に当たり、対象事項に応じて適切な時期に、前項に定める方法のうちから1以上の方法で行います。
3 行政は、より多くの市民の意見を求める必要があると認めるときは、複数の市民参加の方法で行うように努めます。
(パブリック・コメント)
第9条 行政は、パブリック・コメントにより意見を求めようとするときは、事前に次の項目を公表します。
(1) 対象事項の案及び関係資料
(2) 意見の提出先、提出方法及び提出期間
(3) 前2号に掲げるもののほか、行政が必要と認める項目
2 行政は、パブリック・コメントにより提出された意見についての検討を行い、意思決定を行います。
3 行政は、意思決定の結果を公表します。ただし、結果のうち公表することが不適当と認められる部分(以下「不開示情報」といいます。)については、公表しません。
(市民政策提案)
第10条 市民は、自発的に政策の提案をすることができます。
2 行政は、対象事項についての提案を求めようとするときは、事前に次の項目を公表します。
(1) 目的
(2) 提案の方法及び提出期間
(3) 提案に関して必要な事項
3 行政は、提案について総合的に検討を行い、その結果を提案した市民に通知又は公表します。ただし、結果のうち不開示情報については、通知及び公表しません。
(公聴会)
第11条 行政は、公聴会を開催しようとするときは、事前に次の項目を公表します。
(1) 公聴会の開催の日時及び場所
(2) 対象事項の案及び関係資料
(3) 公聴会に出席して意見を述べることができる者の範囲
(4) 意見の提出先、提出方法及び提出期間
(5) 前各号に掲げるもののほか、行政が必要と認める項目
2 行政は、提出期間内に意見の提出がなかったときは、公聴会を中止し、その旨を公表します。
3 公聴会は、行政が指名する者が議長となり主宰します。
4 議長は、公聴会を開催した都度、会議録を作成し、行政に提出します。
5 行政は、公聴会が終了した時は、前項の規定により提出された会議録を公表します。ただし、不開示情報については、公表しません。
(審議会等の委員公募)
第12条 行政は、審議会等の委員を選任するときは、原則として、委員の一部又は全部を公募の方法により選出します。
2 行政は、審議会等の委員を選任するときは、男女比率、年齢構成、在期数、他の審議会等との兼職状況を考慮します。
(審議会等の会議の公開)
第13条 行政は、審議会等の会議を公開します。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、会議の全部又は一部を公開しないことができます。
(1) 法令等の規定により公開しないと定められている場合
(2) 審議等の内容に不開示情報が含まれている場合
(3) 会議を公開することにより、公正かつ円滑な議事運営に支障が生ずると認められる場合
2 行政は、前項に規定する審議会等の会議を開催しようとするときは、事前に会議名、会議開催の日時、場所、傍聴等の手続きについて、公表します。ただし、緊急に会議を開催する必要があるときは、この限りではありません。
3 行政は、速やかに審議会等の会議録を作成し、公表します。ただし、不開示情報については公表しません。
(実施状況等の公表)
第14条 市長は、毎年度1回、市民参加の実施状況及び実施予定を取りまとめ、公表します。
(公表等の方法)
第15条 前条までの規定による公表、公募及び公開は、次に掲げる方法のうち全部又は一部の方法により行います。
(1) 「広報えびな」への掲載
(2) 市ホームページへの掲載
(3) 対象事項の所管課、情報公開コーナー、出先機関又は公共施設での閲覧
(4) 海老名市公告式条例(昭和30年条例第3号)第2条第2項に規定する掲示場への掲示
(5) 前各号に掲げるもののほか、行政が適当と認める方法
(条例の見直し)
第16条 市長は、社会情勢及び市民参加の状況に応じて、この条例の見直しを行います。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において、規則で定める日から施行します。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、既に着手され、又は準備がされている対象事項であって、時間的な制約その他正当な理由により市民参加の方法をとることが困難な場合は、第7条から第13条までの規定は適用しません。
(平成17年規則第28号で平成17年10月3日から施行)