条例

上田市自治基本条例

自治体データ

自治体名 上田市 自治体コード 20203
都道府県名 長野県 都道府県コード 00020
人口(2015年国勢調査) 156909人

条例データ

条例本文

上田市自治基本条例

平成23年3月28日
条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 市民の権利及び責務(第6条・第7条)

第3章 市議会の役割及び責務(第8条・第9条)

第4章 市の役割及び責務(第10条―第12条)

第5章 地域コミュニティ(第13条―第15条)

第6章 情報共有(第16条―第18条)

第7章 行政運営(第19条―第28条)

第8章 住民投票(第29条・第30条)

第9章 協力、連携、交流等(第31条―第34条)

附則

私たちのまち上田市は、北に菅平高原、南は美ヶ原高原などの美しい山々と千曲川をはじめ多くの清流に恵まれた自然豊かなまちであり、信濃国の政治、文化の中心の地と伝承される信濃国分寺跡や国宝安楽寺八角三重塔をはじめ、遺跡や歴史的建造物が数多く残されています。そして、この地を治め、武勇に優れ知将として名を馳はせた真田一族発祥の郷でもあります。

明治期以降は、先進な蚕種の開発により、全国の蚕糸業を支えた蚕都さんととしての隆盛が礎となり、様々な産業が発展しつつ、児童自由画教育や自由大学など自己教育運動がこの地から派生し、学びへの高い意識が今に受け継がれるなど、歴史と伝統が息づく、文化の薫るまちです。

近年、少子高齢化の進行や人口の減少とともに、社会情勢が大きく変動する中、様々な社会的課題が生じています。更に、地方分権社会の進展に伴い、私たちはよりいっそう自らが考え行動し、責任を持って課題の解決を図っていく必要があります。

このような中、上田市は、近接する4つの市町村が互いの自治を認め合い、明るく希望に満ちた新たな時代を拓ひらくため、平成18年3月6日合併し、誕生しました。

私たちは、誰もが住み続けたいと思う魅力あふれるまちを創造するとともに、未来を担う子どもたちが、夢と希望を抱き、より豊かなまちを築いていけるよう、自然や歴史、文化を次世代に引き継いでいかなければなりません。

そのためには、自治の主体である市民、市議会及び市は、市民が主権者であることを確認し、一人ひとりを尊重するとともに認め合い、それぞれの役割と責任のもと、参加と協働により自治を推進し、活力ある自立した地域社会を実現していく必要があります。

私たちは上田市民憲章を尊重し、持続可能な上田市の発展を願い、ここに、本市の自治の最高規範として、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本市における自治の基本理念及び基本原則を明らかにするとともに、市民、市議会及び市の役割並びに市政の基本事項を定め、自治を推進することにより、活力ある自立した地域社会を実現することを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。

(1) 市民 次に掲げるものをいいます。

ア 市内に居住する者

イ 市内に通勤し、又は通学する者

ウ 市内で事業活動その他の活動を行うもの

(2) 市 市長その他の執行機関をいいます。

(3) 自治 自らの地域を自らの意思と責任において治めることをいいます。

(4) まちづくり 誰もが住み続けたいと思う魅力あふれる豊かな上田市にしていくための活動をいいます。

(5) 地域コミュニティ 市内において、地縁に基づき自主的に形成された自治会等の団体及び公益性を有する活動を行う団体並びにこれらを含む総体をいいます。

(6) 協働 自立した主体が、互いの自主性を尊重し、対等な立場で相互に連携し、協力し合うことをいいます。

(7) 参画 市の政策、施策等の企画又は立案段階から市民が主体的に関わり、行動することをいいます。

(条例の位置付け)

第3条 この条例は、本市の自治の基本を定めるものであり、市民、市議会及び市は、この条例を遵守し、この条例に定められた役割、責務等に従い、自治を推進します。

2 市議会及び市は、他の条例、規則等の制定改廃に当たっては、この条例に定める事項との整合を図ります。

(自治の基本理念)

第4条 本市における自治の基本理念は、次のとおりとします。

(1) 市民が主権者であることを確認し、一人ひとりを尊重するとともに互いに認め合い、参加と協働により自治を推進すること。

(2) 地域の個性及び特性を尊重した地域内分権により地域の自治を推進すること。

(自治の基本原則)

第5条 前条の基本理念に基づき、自治の基本原則を次のとおり定めます。

(1) 人権尊重の原則 ともに個人として認め合い、互いの人権を尊重すること。

(2) 参加の原則 市議会及び市が、市民の参加のもとで市政を運営すること。

(3) 協働の原則 市民、市議会及び市が、それぞれの役割及び責務のもと、協働してまちづくりを行うこと。

(4) 情報共有の原則 市民、市議会及び市が、市政に関する情報を共有すること。

第2章 市民の権利及び責務

(市民の権利)

第6条 市民は、まちづくりに自由に参加できるとともに、市政に参画することができます。

2 市民は、市議会及び市が保有する市政に関する情報について知ることができます。

3 市民は、法令等の定めるところにより、市の行政サービスを等しく受けることができます。

(市民の責務)

第7条 市民は、個々の力を生かし、まちづくりに積極的に参加するよう努めます。

2 市民は、市政に関心を持ち、市議会及び市が提供する市政に関する情報を積極的に取得するよう努めます。

3 市民は、市政への参画に当たっては、自らの発言と行動に責任を持つよう努めます。

4 市民は、法令等の定めるところにより、行政サービスに必要な経費について、応分の負担をします。

第3章 市議会の役割及び責務

(市議会の役割及び責務)

第8条 市議会は、直接選挙で選ばれた市議会議員で構成する本市の議事機関として、条例、予算その他の重要事項について、市民の多様な意見が反映されるよう意見の集約に努め、本市の意思を決定します。

2 市議会は、執行機関による適正な行政運営を確保するため監視し、けん制します。

3 市議会は、政策立案及び政策提言による政策形成機能を強化します。

4 市議会は、市議会が持つ情報を積極的に提供し、意思決定の経過と内容を適切に市民に説明することにより、開かれた議会運営に努めます。

(市議会議員の責務)

第9条 市議会議員は、市民の代表として、常に自己の見識を高めることにより、広く市民の信託に応え、議会機能を発揮させるよう誠実かつ公正に職務を遂行します。

第4章 市の役割及び責務

(市長の役割及び責務)

第10条 市長は、本市を代表し、市民福祉の増進を図るため、誠実かつ公正に市政を運営し、本市の自治を推進します。

2 市長は、必要な財源の確保に努めるとともに、最少の経費で最大の効果が挙がるよう、地域の資源を最大限活用して市政を運営します。

3 市長は、補助機関である職員を適切に指揮監督するとともに、職員を育成します。

(市の役割及び責務)

第11条 市は、その権限と責任において、多様化する行政の課題に対応するため、適切な施策を講じます。

2 市は、行政への市民の参加を促進するため、多様な制度を整備します。

3 市は、協働によるまちづくりが進められるための仕組みの整備その他の必要な措置を講じます。

(職員の責務)

第12条 職員は、自らを律するとともに、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を遂行し、市民との信頼関係を構築するよう努めます。

2 職員は、市民の視点に立って職務を遂行するとともに、市民の一員として、まちづくりに積極的に参加するよう努めます。

3 職員は、高度化する行政需要に的確に対応するため、職務に必要となる知識の習得及び技能の向上に努めます。

第5章 地域コミュニティ

(地域コミュニティの役割)

第13条 地域コミュニティは、自主的及び自立的に活動するまちづくりの重要な担い手として、市民が安心して心豊かに暮らすことができる地域を自ら形成していく役割を有します。

2 地域コミュニティは、地域住民相互の連携を促進するとともに、地域の課題の解決に向け、必要に応じ、協働してまちづくりを行うよう努めます。

(地域コミュニティへの参加)

第14条 市民は、地域コミュニティが行うまちづくりに積極的に参加し、活動することにより、これを守り育てるよう努めます。

(地域コミュニティへの支援)

第15条 市は、地域コミュニティの役割を尊重するとともに、その活動が促進されるよう、公益性を有する個々の活動又は連携した活動に対し、必要に応じて支援を行います。

第6章 情報共有

(情報の提供)

第16条 市議会及び市は、市政への市民の参加が促進されるよう、市政に関する情報を分かりやすく公正に提供することにより、市民との情報の共有に努めます。

2 市は、市民から提供された情報を適正に管理するとともに、市が保有する情報の提供に当たっては、市民のまちづくりへの関心が高まるよう努めます。

(情報の公開)

第17条 市議会及び市は、市政について市民に説明する責務を全うするため、求めに応じ、保有する情報を適正に公開します。

(個人情報の保護)

第18条 市議会及び市は、個人の権利利益を保護するため、個人情報の取扱いについて、必要な措置を講じます。

第7章 行政運営

(行政運営の基本)

第19条 市は、次に掲げる事項を基本として、行政運営を行います。

(1) 法令等を遵守し、倫理の保持に努め、市民に信頼されること。

(2) 市民の要望を的確に把握し、速やかに政策等に反映すること。

(3) 質の高い行政サービスの提供に努め、市民の満足度の向上を図ること。

(地域内分権の推進)

第20条 市は、地域の個性及び特性を尊重し、地域の力が発揮されるまちづくりが行われるよう、必要な体制の整備に努めます。

2 市は、地域の重要事項の決定に市民の意見を反映するための附属機関を設置します。

3 市は、前項の附属機関の設置及び運営に当たっては、地域の意見が集約される仕組みの構築に努めます。

(総合計画)

第21条 市は、総合的かつ計画的にまちづくりを行うため、総合計画を策定し、その実現を図ります。

2 市は、他の重要な計画の策定に当たっては、総合計画との整合を図ります。

3 市は、前2項の計画の策定及び見直しに当たっては、市民が参画するための必要な措置を講じます。

(財政運営)

第22条 市は、財政状況を的確に把握し、持続可能な財政運営を行うことにより、財政の健全性を確保します。

2 市は、財務等に関する資料を作成し、財政運営の状況を分かりやすく市民に公表するよう努めます。

(附属機関)

第23条 市は、附属機関の委員の選考に当たっては、中立性、公平性及び専門性に配慮するとともに、積極的に市民を公募するよう努めます。

2 市は、附属機関の会議を原則として公開します。

(行政手続)

第24条 市は、市民の権利利益を保護し、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、処分、行政指導及び届出に関する手続を適正に行います。

(説明責任)

第25条 市は、行政に関する事項について、市民に分かりやすく説明するよう努めます。

(応答責任)

第26条 市は、市民から提出された意見、提案、要望等(以下「意見等」といいます。)について、適切に応答します。

(意見等の公募)

第27条 市は、行政に関する事項について、市民の意見等を公募するよう努めます。

2 市は、公募により提出された意見等を尊重し、意思の決定を行うとともに、その意見等の概要及び市の考えを市民に公表するよう努めます。

(行政評価)

第28条 市は、効率的かつ効果的な行政運営を行うため、行政評価を実施し、その結果を市民に公表するとともに、政策等に反映するよう努めます。

第8章 住民投票

(住民投票の実施)

第29条 市長は、市政に関する重要事項について、住民の意思を確認するため、条例で定めるところにより、住民投票を実施することができます。

2 前項の条例は、それぞれの事案に応じ、投票に付すべき事項、投票の手続、投票資格要件その他住民投票の実施に必要な事項を定めるものとします。

(住民投票の請求等)

第30条 本市の市議会議員及び市長の選挙権を有する者は法令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、住民投票を規定した条例の制定を市長に請求することができます。

2 市長は、前項の請求があったときは、法令の定めるところにより、直ちに請求の要旨を公表するとともに、意見を付けて、これを市議会に付議しなければなりません。

3 市長は、法令の定めるところにより、住民投票を規定した条例案を市議会に提出することができます。

4 市議会議員は、法令の定めるところにより、議員定数の12分の1以上の議員の賛成を得て、住民投票を規定した条例案を市議会に提出することができます。

第9章 協力、連携、交流等

(国及び県との協力)

第31条 市議会及び市は、本市が国及び県と対等な立場であることを踏まえ、国及び県と適切な役割分担のもとで相互に協力します。

(他の地方公共団体等との連携)

第32条 市議会及び市は、広域的課題又は共通する課題を解決するため、他の地方公共団体及び関係機関と連携し、協力します。

(市外の人々との交流)

第33条 市民、市議会及び市は、市外の人々との交流を通して連携を図るとともに、その交流から得られた識見、提言等を本市のまちづくりに生かすよう努めます。

(多文化共生)

第34条 市民、市議会及び市は、多様な文化の共生を目指すまちづくりを進めるため、互いの国籍、民族又は文化を理解し、尊重し合うよう努めます。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成23年4月1日から施行します。

(条例の見直し)

2 市長は、この条例の施行後、5年を超えない期間ごとにこの条例の見直しを行うものとし、市民の意見を反映するための必要な措置を講じます。