飯田市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 飯田市 | 自治体コード | 20205 |
都道府県名 | 長野県 | 都道府県コード | 00020 |
人口(2015年国勢調査) | 98,164人 |
条例データ
制定年 | 2006年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.iida.lg.jp/site/assembly/jitikihonn01.html |
条例本文
○飯田市自治基本条例
平成18年9月21日
条例第40号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 自治の基本原則(第4条―第7条)
第3章 市民等の役割(第8条―第10条)
第4章 地域自治(第11条―第15条)
第5章 市政運営(第16条―第21条)
第6章 市議会の役割(第22条―第27条)
第7章 市の執行機関の役割(第28条―第34条)
第8章 住民投票(第35条)
第9章 条例の見直し(第36条)
附則
わたくしたちの住む飯田市は、美しい自然に恵まれ、地域の風土に根付いた伝統や文化に支えられた人情豊かなまちとして知られ、伊那谷の中心都市として躍進しています。
わたくしたちは、これまで互いに助け合い協力し、特色のある地域活動やまちづくりを実践してきました。
わたくしたちは、分権型社会や少子高齢社会の到来により、社会構造が大きく変化する中で、まちづくりに進んで参加する「ムトス」の精神を、次の時代へ確実に引き継がなくてはなりません。
わたくしたちは、飯田市市民憲章にうたわれた市民としての心構えと理念を尊重し、協働して、市民が主体の住みよいまちづくりを推進するため、ここに、新たな自治の仕組みを定める飯田市自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市の自治の基本的な原則及びまちづくりに関する市民、市議会及び市の執行機関の役割を明らかにするとともに、市政運営についての基本的な指針を定めることにより、市民が主体のまちづくりを協働して推進することを目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、自治及び市政に関する基本的な原則を定めた最高規範であり、市民及び市は、この条例を誠実に遵守するものとします。
2 市は、条例、規則等を解釈し、又は制定、改廃する場合には、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合性を図ります。
3 市は、基本構想等の計画の策定、政策の立案及び実施に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合性を図ります。
(用語の定義)
第3条 この条例において使用する用語の意義は、次のとおりとします。
(1) 市民 市内に住所を有する人(以下「住民」といいます。)、市内で働き、若しくは学ぶ人又は市内において活動する人若しくは団体をいいます。
(2) 市民組織 市民により自主的に形成され、まちづくりのために、互いに協力し多様な活動を行う組織をいいます。
(3) 事業者 市内で、事業を営む個人及び法人その他の団体をいいます。
(4) 市 市議会及び市の執行機関で構成する地方公共団体をいいます。
(5) 市の執行機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。
(6) まちづくり 「ムトス」の言葉に象徴される、まちを活気のある明るく住みよくするための事業や活動を総称します。
(7) 自治 市民が市政に参加し、その意思と責任に基づき市政が行われることのほか、地域の公共的活動を自ら担い、主体的にまちづくりを推進することをいいます。
(8) 協働 まちづくりのために、市民と市とが情報を共有し、それぞれの役割を担いながら対等の立場で協力し、共に考え行動することをいいます。
(9) 基本構想 本市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本となる考え方をいいます。
第2章 自治の基本原則
(自治の基本原則)
第4条 市民と市とは、この章に掲げる自治の原則に基づき、協働して自治を推進するものとします。
(市民主体の原則)
第5条 まちづくりは、市民一人ひとりが主体となり、市民相互及び市と協調することにより推進します。
2 市民は、地域社会の一員として尊重され、その個性や能力を十分発揮することができます。
(情報共有の原則)
第6条 まちづくりは、市政についての情報が市民に公開され、市民が市政について意見を提出し、その情報や意見を市民と市とが共有することにより推進します。
(参加協働の原則)
第7条 まちづくりは、市民に市政への多様な参加の場と機会とが保障され、市民と市とが適切に役割分担し、協働することにより推進します。
第3章 市民等の役割
(市民の権利)
第8条 市民は、まちづくりの主体として、まちづくりに参加する権利を有します。
2 市民は、市政に関する計画や政策の立案段階から参加する権利を有し、意見を述べることができます。
3 市民は、市政についての情報を知る権利を有し、市に対し市が保有する情報の公開を求めることができます。
(市民の役割)
第9条 市民は、まちづくりの主体として、市と協働し、地域社会の発展に寄与するよう努めます。
2 市民は、互いの活動を尊重し、自らの発言と行動に責任を持つものとします。
(事業者の役割)
第10条 事業者は、地域社会の一員として、地域社会との調和を図るとともに、従業員の行う地域活動にも配意し、まちづくりに寄与するものとします。
第4章 地域自治
(市民組織の尊重)
第11条 市は、市民組織の自主性及び自立性を尊重し、市民組織が活動するために必要な支援を行います。
2 市民は、市民組織がまちづくり推進の主要な担い手であることを認識し、市民組織を尊重し、守り育てるものとします。
(地域自治の推進)
第12条 市は、地域の特性と自主性が生かされた、個性豊かで魅力ある地域のまちづくりを推進するため、自治の基本原則に基づき、分権によるまちづくりの仕組みを目指します。
(地域自治区)
第13条 市は、市民に身近な事務事業を市民の意見を反映させて処理するとともに、地域の自治を促進するため、法律に基づく地域自治区を設けます。
2 地域自治区に置かれる地域協議会は、地域の住民により構成され、地域の意見を調整し、協働によるまちづくりを推進します。
(まちづくりのための委員会等)
第14条 市は、市民組織が地域のまちづくりに取り組むため組織する委員会等の自主的及び自立的な運営を尊重します。
(自治活動組織)
第15条 市民は、地域社会の一員として、自治活動組織(地域市民により形成され、まちづくりに取り組む市民組織をいいます。)の役割について理解を深め、協力するとともに、自治活動組織への加入に努めます。
2 市民は、可能な範囲内で、自治活動組織の活動に参加し、地域社会において個性や意欲を発揮することができるものとします。
3 自治活動組織は、地域市民の加入や参加が促進されるために必要な環境づくりに努めます。
第5章 市政運営
(協働して行う市政運営)
第16条 市は、市政に関する計画や政策の立案段階から市民の参加を促進し、市民と協働して市政運営を行います。
2 市は、市民の多様な参加の機会を整備し、協働のまちづくりを推進し、自治の拡充を図ります。
(市民意見の公募)
第17条 市は、別に定めるところにより、重要な計画及び政策の策定又は変更について事前に案を公表し、市民の意見を求めます。
2 市は、市民から提出された意見を尊重し、意見についての考え方を公表します。
(附属機関の委員の任命)
第18条 市の執行機関は、特定事項について審議又は調査等を行う附属機関に、市民の多様な意見が反映されるように委員を任命します。
(情報の公開)
第19条 市は、公正で開かれた市政の実現を図るため、市政についての情報の公開に関する総合的な施策に基づき、積極的に情報を公開します。
2 市は、市民の必要とする情報について、適切かつ速やかな提供に努めます。
(個人情報の保護)
第20条 市は、市民の個人情報に関する権利を保障するとともに、個人情報を適正に管理します。
(基本構想等)
第21条 市は、まちづくりの理念に基づき、市議会の議決を経て基本構想を定め、総合的かつ計画的な市政運営に努めます。
2 市は、基本構想、基本計画その他市の施策の基本となる計画を策定するに当たっては、市民参加の機会を保障します。
第6章 市議会の役割
(市議会の責務)
第22条 市議会は、市民の代表機関として、市という団体の意思決定機関であり、法律若しくはこれに基づく政令又は条例の定めるところにより議決の権限を行使し、市民の意思が的確に反映されるよう活動します。
2 市議会は、市の執行機関の活動を監視、評価することにより、適正な行政運営の確保に努めます。
3 市議会は、政策の立案、提言の内容の充実を図るための調査研究活動に努めます。
4 市議会は、合議体として論点、課題等について議論を深めるため、議員相互間の自由な討議を重んじて活動します。
(開かれた議会運営)
第23条 市議会は、市議会が保有する情報を公開するとともに、会議及び委員会等を公開し、並びに議会活動について市民に説明することにより、市民との情報の共有に努めます。
2 市議会は、市民の意見を聞くため議会活動への市民参加を推進し、市民に開かれた議会運営に努めます。
3 市議会は、議会報告会の開催等を通じ、前2項に規定することの実現に努めます。
(市議会議長の責務)
第24条 市議会議長は、市議会を代表し、公正中立に職務を遂行するとともに、円滑かつ効率的な議会運営を図るよう努めます。
2 市議会議長は、市議会に関する事務を統一的に処理するため、議会事務局の職員を適切に指揮監督し、職員の能力の向上を図るよう努めます。
(市議会議員の責務)
第25条 市議会議員は、市民の意向把握や情報収集に努め、市民全体の利益を優先して政策提言を行います。
2 市議会議員は、政治倫理の確立に努め、公正かつ誠実に責務を遂行し、市民の負託にこたえます。
3 市議会議員は、市議会の役割及び責務を自覚し、その誠実な遂行のため自己研鑽に努めます。
(政策の調査、審議のための機関)
第26条 市議会は、政策の調査、立案のために必要な専門的事項に係る調査、審議を、学識経験を有する者等に求めることができます。
2 市議会は、前項の学識経験を有する者等の指定に当たっては、市民の多様な意見が反映されるようにします。
(市議会事務局職員の責務)
第27条 市議会事務局職員は、市議会の持つ権能が十分発揮されるよう、全力をあげて市議会の活動を補佐します。
2 市議会事務局職員は、職務の遂行に必要な知識と能力の向上に努めます。
第7章 市の執行機関の役割
(市長の責務)
第28条 市長は、市の代表者として公正かつ誠実に市政を運営します。
2 市長は、自治の基本原則に基づき、市の計画及び政策の策定、実施、評価等を行います。
(市の執行機関の責務)
第29条 市の執行機関は、条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく事務を適正に管理、執行します。
(市の執行機関の組織運営)
第30条 市の執行機関は、行政組織について効率的かつ機能的なものとするとともに、相互の連携を図り、最小の経費で最大の行政効果を上げるよう運営します。
2 市の執行機関は、職員を適切に指揮監督し、職員の能力の向上を図るよう努めます。
(説明責任)
第31条 市の執行機関は、行政運営の透明性を高めるため、市政について、市民に分かりやすく説明する責任を果たします。
2 市長その他の執行機関は、市議会に対して、市政に関する意思決定の過程及び行政運営の状況を随時報告するものとします。
(行政評価)
第32条 市の執行機関は、市の施策や事務事業の執行状況を、基本構想等に基づき検証し、継続的な見直しを行い、効果的に執行します。
2 市の執行機関は、施策や事務事業の達成状況を公表し、市民から理解を得られる行政運営を進めます。
(財政状況の公表)
第33条 市長は、市の財源の確保とその効率的かつ効果的な運用により、財政の健全性に努めます。
2 市長は、財政状況を市民にわかりやすく公表するように努めます。
(市の執行機関の職員の責務)
第34条 市の執行機関の職員は、全体の奉仕者として、公平、公正かつ誠実に、全力をあげて職務を遂行します。
2 市の執行機関の職員は、職務の遂行に必要な知識と能力の向上に努めます。
第8章 住民投票
(住民投票)
第35条 市は、市政の特に重要な事項について、直接住民の意思を確認する必要があるときは、市議会の議決を経て住民投票を実施することができます。
2 市は、住民投票の結果を尊重します。
3 住民投票の実施に関し必要な事項は、その都度条例で定めます。
第9章 条例の見直し
(条例の見直し)
第36条 市は、社会の変化に対応して、本条例が第1条の目的を達成するために必要があるときは、条例の見直しを行います。
附 則
この条例は、平成19年4月1日から施行します。
附 則(平成23年11月30日条例第25号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成25年3月25日条例第2号)
この条例は、公布の日から施行する。