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条例

駒ヶ根市協働のまちづくり条例

自治体データ

自治体名 駒ヶ根市 自治体コード 20210
都道府県名 長野県 都道府県コード 00020
人口(2015年国勢調査) 32,202人

条例データ

条例本文

○駒ヶ根市協働のまちづくり条例
平成20年6月25日
条例第14号

目次

前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 基本理念等(第4条・第5条)
第3章 まちづくりに関する情報の共有(第6条―第8条)
第4章 地域自治の確立(第9条―第11条)
第5章 市民自治の確立(第12条―第14条)
第6章 市民参加と協働(第15条―第18条)
第7章 各推進主体の役割(第19条―第21条)
第8章 地域活動及び市民活動の推進(第22条―第24条)
第9章 行財政運営(第25条―第27条)
第10章 市民会議(第28条)
第11章 条例の見直し等(第29条・第30条)
附則

駒ヶ根市民憲章は、「アルプスがふたつ映えるまち」に象徴される豊かな美しい自然や先人が積み重ねてきた歴史、育んできた文化を未来に継承し、地球人としての理想を掲げつつ、互いに手を携えて、愛と誇りと活力に満ちた駒ヶ根市を築きあげることを理念としています。
私たちは、この理念に基づき、
安全と安心に包まれ、いきいきと生活できるまちづくり
次代を担う子どもたちが、夢と希望を抱き、健やかに成長できるまちづくり
人と人との 絆きずな を大切にし、共に支えあえるまちづくり
意欲と喜びをもって働くことのできるまちづくり
にぎわいと活力に満ちたまちづくり
自然と調和し、環境にやさしいまちづくり
を進めています。
時代は絶え間なく変化しており、少子高齢化や価値観の多様化が進むなど、まちづくりにおいて様々な課題が生じてきています。これらの課題を克服し、一層まちづくりを進め、未来を担う子どもたちに魅力あふれるまちを引き継いでいかなければなりません。
そのためには、人と人との 絆きずな を大切にする地域共同体をまちづくりの基盤として、自らの役割を担い責任を分かち合い、ともに手を携えて英知を結集し、この地域の個性や財産を活かした市民主体のまちづくりを行うことが必要です。
そこで、私たちは、まちづくりの理念を共有し、私たち自身がまちづくりの主体であることを自覚して協働のまちづくりを進め、魅力あふれる自立した駒ヶ根市を創造するため、この条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、まちづくりの基本理念等を明らかにするとともに市民参加及び協働のまちづくりに関する基本的な事項を定めることにより、活力ある豊かな地域社会の実現を図ることを目的とします。
(用語の意義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 市内に住所を有する者又は居住する者をいいます。
(2) 市民等 市民、市内で働く者又は学ぶ者、事業者、自治組織及び市民団体等をいいます。
(3) 自治組織 区、自治組合及びこれに類する地縁により構成された団体をいいます。
(4) 市民団体等 公共的かつ公益的な活動(政治活動、宗教活動等を除きます。)を行う営利を目的としない団体をいいます。
(5) 市民活動 市民団体等による活動をいいます。
(6) 地域自治 自治組織の活動を通じて、豊かな地域社会を実現することをいいます。
(7) 市民自治 市民活動を通じて、豊かな地域社会を実現することをいいます。
(8) 住民自治 地域自治及び市民自治の総体をいいます。
(9) 市民参加 市が行う主要な計画の策定、事業の実施等に対し、市民等が主体的に参加することをいいます。
(10) 協働 市民等は相互に、市民等及び市は互いに、その立場を認め合い、対等の関係で役割分担しながら、連携・協力して公共的又は公益的な課題に取り組むこと、又は、環境を改善するための行動を自発的かつ協調的に起こすことをいいます。
(11) まちづくり 公共的かつ公益的な活動を通じて心豊かに安心して暮らせる環境及び豊かな地域社会を創ることをいいます。
(12) 地域づくり 自治組織により行われるまちづくりをいいます。
(条例の位置付け)
第3条 市民等は、まちづくりを推進するにあたり、この条例に定める事項を最大限に尊重します。
2 市は、条例等の制定、基本的な計画の策定、事業の実施等にあたり、この条例の趣旨を最大限に尊重します。
第2章 基本理念等
(まちづくりの基本理念)
第4条 市民等は、身近な地域課題について、自ら主体的に取り組むことを住民自治の起点として、多様な主体と協働してまちづくりを行うとともに、多くの市民等がまちづくりの担い手となることにより地域への愛着を育み、市民等及び地域の力を活かした市民主体のまちづくりを進めます。
2 市は、市民等と連携・協力し、自立した基礎自治体を確立します。
(まちづくりの基本原則)
第5条 市民等及び市は、次に掲げる原則に基づき、自治の実現と協働のまちづくりを進めます。
(1) 公共的かつ公益的な活動に対する主体性、自主性及び自立性を尊重すること。
(2) 社会における責任ある行動のもとに、多様な価値観が尊重されること。
(3) まちづくりに関する情報を共有すること。
(4) 地域的課題及び社会的課題への取組み、公共サービスの提供等公共の領域を分任すること。
(5) 役割分担を明確にし、連携・協力すること。
(6) まちづくりの原点は、人づくりにあることを基本としていること。
(7) 市民参加によるものであること。
(8) 世代を超えた地域の持続的な発展及び地域に根ざした文化の継承に寄与するものであること。
(9) 健全財政を基本とする行政運営を行うこと。
第3章 まちづくりに関する情報の共有
(まちづくりに関する情報の共有の推進)
第6条 市民等及び市は、自らが主体的にまちづくりに取り組むという自治及び協働の理念を実現するために、まちづくりに関する情報の共有に努めるものとします。
(まちづくりに関する情報の公開及び提供)
第7条 市は、まちづくりに関する情報を公開するとともに、適正でわかりやすい情報を市民が迅速かつ容易に得られるよう情報提供の充実に努めるものとします。
(説明責任)
第8条 市は、施策の立案、実施及び評価のそれぞれの段階において、その内容及び必要性を市民等にわかりやすく説明することに努めるものとします。
2 市は、市民等の市政に関する意見及び要望に対し、迅速かつ誠実に応答するよう努めるものとします。
第4章 地域自治の確立
(自治組織の意義及び地域住民の責務)
第9条 市民は、互いに助け合い、地域の課題に自ら取り組むことで、心豊かに安心して暮らせる生活環境を築いている自治組織の意義を認識し、尊重します。
2 市民は、全員が自治組織に加入し、自治組織を通じて行動することで、地域の一員としてその責務を果たしていくことに努めるものとします。
3 自治組織に加入することができない特別な事情がある場合は、自治組織に加入した場合に準じて、地域における負担を分任し、地域で生活していくうえで責任ある行動に努めるものとします。
4 市は、自治組織の自主性及び自立性を尊重し、協働してまちづくりを進めるものとします。
(自治組織の活性化)
第10条 自治組織は、時代の変化による住民の生活様式及び価値観の多様化等を認識し、地域自治を推進するためにふさわしい運営をするとともに地域内の住民全員が加入できる組織づくりに努めます。
2 自治組織は、自らの役割及び活動に関し、地域住民の理解を得るように努めるとともに、地域づくりのための活動を通じて地域自治意識の高揚に努めます。
3 区の代表者により組織される区長会は、地域自治を総合的に推進するための組織であって、市民は、その活動を理解し、協力します。
4 事業者は、この条例の趣旨を理解し、自治組織への加入の促進に協力するよう努めるとともに、地域社会の一員として自治組織の活動に協力するよう努めるものとします。
5 市は、自治組織及び区長会並びに事業者と連携・協力し、自治組織の活性化に努めるものとします。
(地域づくりの推進)
第11条 市は、区長会及び自治組織等と連携・協力し、地域づくりを推進します。
第5章 市民自治の確立
(市民自治の意義)
第12条 市民等は、社会的課題の解決に取り組むため、自主的かつ主体的に組織された市民団体等が市民自治の担い手であることを認識し、これを尊重し、市民活動が健全に展開される豊かな市民社会の形成に努めます。
2 市民団体等は、自主及び自立のもとに地域性、専門性、機動性等の特性を活かしながら市民活動を推進することで、市民自治の確立に努めるものとします。
(市民活動の推進)
第13条 市民等は、積極的に市民活動に参加するよう努めるものとします。
2 市長は、市民活動を推進するために、情報の提供、相談、財政的支援その他の必要な措置を講ずるものとします。この場合において、市長は、市民活動に参加する市民等の自主性及び自立性を尊重し、総合的かつ計画的に行うものとします。
(公共サービスの分担)
第14条 市民団体等は、その自主性及び自己の責任に基づいて、公共サービスの提供を広く担うことができます。
2 市長は、市民団体等が公共サービスの提供を担うための環境の整備に努めるとともに、公共サービスの充実を図るため、市民団体等と市との協働に努めるものとします。
第6章 市民参加と協働
(市民参加の推進)
第15条 市民等及び市は、地域社会における課題及び行政課題を相互に共有し、その解決に向けて協働して取り組むことができるよう市民参加を推進するものとします。
2 市民等は、市における課題の把握並びに計画等の策定、事業の実施及び評価の各段階において参加することができます。この場合において、市長は、多様な市民参加の機会を設けるよう努めるものとします。
3 市長は、市の基本的な計画又は特に重要な政策等を策定する場合は、効率的かつ効果的な市民参加の手続きを経るものとします。
4 市長は、まちづくりに関する市民等からの提言、提案、意見等をその施策に反映させるよう努めるものとします。
(協働の推進)
第16条 市民等は相互に、市民等及び市は互いに、その立場を認め合い、対等の関係で役割分担しながら連携・協力し、協働のまちづくりを推進します。
2 前項の規定により協働のまちづくりを進める場合は、その事業内容及び事業の実施過程について透明性を確保するとともに公開に努めるものとします。
3 市長は、多様な主体が協働のまちづくりの意義及び目的を共有し、共に活動できるよう支援するとともに、協働のまちづくりを推進するための総合的な施策を講ずるものとします。
(公共領域の役割分担)
第17条 市民等及び市は、適切に役割を分担し、協働して公共の領域を担うものとします。
2 市は、個人又は住民自治の力では解決できない課題について、連携・協力のもとに役割分担するものとします。
(自治組織及び市民団体等の連携)
第18条 自治組織及び市民団体等は、相互の特性を理解したうえで、主体的に連携・協力し、協働のまちづくりを推進するよう努めます。
第7章 各推進主体の役割
(市民等の役割)
第19条 市民等は、地域社会の課題の解決及び住みよい豊かな地域社会の構築に向けて自ら行動し、相互に協力することを基本とする住民自治を推進するとともに、その活動が広く市民に理解されるよう努めるものとします。
2 市民等は、前項の規定による住民自治を推進する活動(以下「住民自治活動」といいます。)を行うときは、相互に多様な価値観を認め合い、自らの発言と行動に責任を持つとともに、自治の主体であることを自覚し、協働して取り組むものとします。
3 市民等は、住民自治活動を通じて公共における役割を分担するとともに、公共サービスの享受に伴う負担を分任するものとします。
(市長の役割)
第20条 市長は、協働のまちづくりを推進し、自治の実現に努めます。
2 市長は、協働のまちづくりの推進にあたっては、行政によってのみ確実かつ効率的に実施できる事業等を分担します。
3 市長は、市民等が主体的に行う住民自治活動を推進し、これをまちづくりに活かします。
4 市長は、まちづくりの推進にあたって、自立した基礎自治体として健全な財政運営、計画的な事業の実施及び必要とする行政サービスの確実な提供に努めるものとします。
(議会の役割)
第21条 議会は、市政の審議及び議決機関として、市民の意思を代表し、住民自治の実現を推進するとともに、議会の活動に関する情報を市民にわかりやすく提供し、開かれた議会運営に努めるものとします。
2 議員は、議会がその権限を適切に行使できるように、地域の課題及び市民の意見を把握するとともに、議員活動を通じて協働のまちづくりの推進に努めるものとします。
第8章 地域活動及び市民活動の推進
(拠点施設及び推進体制)
第22条 市民等及び市は、協働のまちづくりを推進するため、市民等による主体的な運営を基本とする拠点施設及び推進体制の整備を行うものとします。
(市の事業の協働化)
第23条 市民等は、市の事業を協働して実施することにより、当該事業をより効果的に実施できるものについて、市長に対し提案することができるものとします。
2 市長は、市が行う事業のうち市民団体等の特性を活かすことのできるものについては、適切な方法により市民団体等と協働して実施できるよう努めるものとします。
3 市長が、前項の規定により事業を実施するにあたっては、透明性を確保するとともに、当該事業を実施する市民団体等との対等な関係を保つものとします。
(支援制度)
第24条 市長は、自発的かつ主体的に行われる非営利の活動で、不特定かつ多数の利益の増進に寄与することを目的とする公共的かつ公益的な活動について、その活動を促進するための適切な支援策を講じるよう努めるものとします。
2 市長は、前項の規定により支援策を講じる場合は、活動を行うものの自主性及び自立性を尊重するとともに、支援を実施するにあたっては、公平性及び透明性を確保するものとします。
第9章 行財政運営
(行財政運営の基本)
第25条 市長は、基本構想及び基本計画に基づき、総合的かつ計画的な行政運営に努めます。
2 市長は、効率的かつ効果的な施策の実施により、健全な財政運営に努めるとともに、市の財政状況をわかりやすく公表するものとします。
3 市長は、自立した基礎自治体を確立するため、経済基盤の確立に向けた施策を講ずるものとします。
(行財政改革の推進)
第26条 市長は、財政の健全化及び自立的な財政基盤の確立に努め、受益者負担の原則及びこの条例で定める公共領域の分任の原則に基づき、市民負担の適正化を図るものとします。
2 市長は、必要とする行政サービスを確実に提供できるよう常に行政サービスの見直しに努めるものとします。
3 前2項に基づき行財政改革を推進する場合は、総合的かつ計画的に実施するものとします。
(行政評価の実施)
第27条 市長は、前条の行財政改革を推進し、効率的かつ効果的な行政運営を進めるため、市民参加による行政評価を行い、その結果を公表するものとします。
第10章 市民会議
(協働等を推進するための市民会議)
第28条 市長は、協働のまちづくり等に関し、広く市民等の意見を聴くため、市民会議を設置します。
2 市民会議は、この条例の運用状況を検証し、協働のまちづくりを推進するための施策等について提言することができます。
第11章 条例の見直し等
(条例の見直し)
第29条 市長は、この条例の施行後、5年を超えない期間ごとに、この条例に定める自治の実現及び協働のまちづくりの推進等に関する事項について、社会情勢との適合性を検討するものとします。
2 市長は、前項の規定による検討の結果を踏まえ、この条例及びこの条例に基づく制度等の見直しが適当であると判断したときは、必要な措置を講ずるものとします。
3 市長は、第1項に規定する検討及び前項に規定する必要な措置を講ずる場合は、市民参加の機会を設けるものとします。
(委任)
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めます。

附 則
この条例は、平成20年7月1日から施行します。