茅野市パートナーシップのまちづくり推進条例
自治体データ
自治体名 | 茅野市 | 自治体コード | 20214 |
都道府県名 | 長野県 | 都道府県コード | 00020 |
人口(2015年国勢調査) | 56,400人 |
条例データ
制定年 | 2003年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | その他 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.chino.lg.jp/soshiki/partnership/102.html |
条例本文
茅野市パートナーシップのまちづくり基本条例
平成15年12月25日
条例第27号
はじめにそれぞれの思いがあった。
「誰もが充実した人生を送りたい。お互いに思いやり支え合いながら、いつまでも元気で長生きしたい」
「きれいな空気や水を贈ってくれる緑の山や川、心を和ませてくれる恵まれた自然をいつまでも残していこう」
「このまちの将来を担う子どもたちと、子どもたちを育む家庭を、地域の明るい笑顔で包んであげたい」
こんな思いを、かたちにしたい、とそれぞれ得意の分野、興味のある分野でまちづくりを考える仲間ができた。
行政の意識も変わり、「21世紀のまちづくりは市民と一緒になって取り組んでいこう」と、同じ仲間になった。
仲間の輪は徐々に広がり、新しい分野にも新しい輪ができた。
ひとりひとりの思いが形になってくると、楽しさもふくらんできた。
「ごしたいけどおもしろいな」。こんな言葉があちこちで交わされ、「みんなで知恵を出し合い、ずくを出し、汗を流そう」を合い言葉に、茅野市のパートナー
シップのまちづくりは広がっていく。
*「ごしたい」この地域で使われる方言で「疲れた」を意味します。
*「ずく」この地域で使われる方言で「ものごとに立ち向かう気力や活力など」を意味します。
これは市民のみなさんの「パートナーシップのまちづくり」に取り組んできた経過とまちづくりへの思いです。
この条例は、「パートナーシップのまちづくり」に取り組んできた市民のみなさんにより検討していただきました。
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 パートナーシップのまちづくり(第3条)
第3章 パートナーシップのまちづくりの基本原則(第4条―第8条)
第4章 パートナーシップのまちづくりの推進(第9条・第10条)
第5章 市の責務(第11条-第15条)
第6章 パートナーシップのまちづくり推進会議(第16条―第20条)
附則
茅野市は、昭和63年に「りんどうの里 高原生涯学習都市 茅野」として、生涯学習都市宣言を行って以来、「茅野市民憲章」の具体化を目指して生涯学習活動を進めてきました。そうした活動の中から、地域の課題、まちづくりの課題は「行政に任せるのではなく、市民ひとりひとりが自覚に基づいて取り組むべきだ」という共通の認識と理念が生ま
れました。すなわち、まちづくりとは、市民・民間が主導し、行政はそれを支援して共に取り組んでいく。これが「パートナーシップのまちづくり」の原点なのです。具体的には、福祉・環境・教育の三つの分野を大きな柱として進めてきました。
市民ネットワークは、福祉・環境・教育の三つの分野から、次第に情報化や国際化、さらには公共施設の建設の分野へも広がりを見せています。
「パートナーシップのまちづくり」の理念と実践をさらに広げていくためには、それぞれの分野で活動している分野別の市民ネットワークと、日々の生活の拠点となっている地域コミュニティと、行政とがいっそうの連携と協力をしていくことが重要になります。
これからも、より多くの市民と行政とがパートナーシップを結んで真の住民自治である地域主権のまちづくりを目指すことを基本理念とし、この条例を制定します。
*「地域主権」まちづくりの主権は、地域住民にあることをいいます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、パートナーシップのまちづくりの理念と手法に関する基本的な事項を定めることを目的とします。
(用語の意義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1) 市民等 市民、団体、NPO、事業者、滞在者をいいます。
(2) 公民協働 市民等と市が、それぞれの役割を認識し、目的達成に向けて一緒になって取り組むことをいいます。
(3) 分野別の市民ネットワーク 市民生活におけるさまざまな分野の課題解決に向け、それぞれの分野において、市や市民等に対して必要な提言を行うとともに、自ら実践するために市民等によって構成された団体をいいます。
(4) 地域コミュニティ 地域における課題解決に向け、地縁を単位として活動するために市民等によって構成された区、自治会等の団体やその集合体をいいます。
第2章 パートナーシップのまちづくり
(パートナーシップのまちづくり)
第3条 パートナーシップのまちづくりとは、まちづくりに市民等が主体的にかかわり、市がそれを支援し、公民協働で取り組むまちづくりのことです。
第3章 パートナーシップのまちづくりの基本原則
(自主性の尊重)
第4条 パートナーシップのまちづくりは、市民等のそれぞれの自主性に基づき行われるものとします。
(市民等と市の信頼関係)
第5条 パートナーシップのまちづくりは、市民等と市が対等、協力の立場において、お互いの信頼関係に基づき行われるものとします。
(情報の共有)
第6条 市民等と市は、パートナーシップのまちづくりを推進するため、必要な情報をお互いに共有するよう努めるものとします。
(市民等の権利)
第7条 市民等は、パートナーシップのまちづくりの企画、立案の段階から参画する権利を有します。
(市民等の役割)
第8条 市民等は、自らがパートナーシップのまちづくりの主体であることを自覚し、パートナーシップのまちづくりに関する市民等の役割を果たすよう努めるものとします。
第4章 パートナーシップのまちづくりの推進
(パートナーシップのまちづくりの推進)
第9条 市民等と市は、分野別の市民ネットワークや地域コミュニティの活動を通じて、まちづくりに対する市民等の意見の反映、市民等の相互の合意や市民等と市との合意の形成を図り、公民協働でパートナーシップのまちづくりを進めます。
(分野別の市民ネットワークと地域コミュニティの連携、協力)
第10条 分野別の市民ネットワークと地域コミュニティは、市民等の意見が反映できるまちづくりのため、それぞれの活動を尊重し、必要な連携、協力を図るよう努めるものとします。
第5章 市の責務
(市民等の活動への支援)
第11条 市は、パートナーシップのまちづくりに関する市民等の活動への支援を行います。
2 市は、分野別の市民ネットワークと地域コミュニティとの連携、協力の活動のための支援を行います。
(施策の推進)
第12条 市は、パートナーシップのまちづくりに関する施策を積極的に推進します。
(情報の提供)
第13条 市は、パートナーシップのまちづくりに関する情報の提供に努めます。
(情報の公開)
第14条 市は、パートナーシップのまちづくりに関する情報の積極的な公開を行います。
(説明責任)
第15条 市は、パートナーシップのまちづくりに関し、市民等に説明する責任を全うするよう努めます。
第6章 パートナーシップのまちづくり推進会議
(パートナーシップのまちづくり推進会議の設置)
第16条 市民等と市は、パートナーシップのまちづくりを推進するため、茅野市パートナーシップのまちづくり推進会議(以下「推進会議」といいます。)を設置します。
(所掌事項)
第17条 推進会議の所掌事項は、次のとおりとします。
(1) パートナーシップのまちづくりに関する情報や意見の交換
(2) パートナーシップのまちづくりを推進するための連携や協力
(3) パートナーシップのまちづくりを推進するための啓発事業の企画、実施
(組織の構成)
第18条 推進会議の委員は、次に掲げる者をもって組織します。
(1) 分野別の市民ネットワークの関係者
(2) 地域コミュニティの関係者
(3) 市民等からの公募
(4) その他推進会議が必要と認めた者
(会議の公開)
第19条 推進会議の会議は、原則公開とします。
(委任)
第20条 この章に定めるもののほか、推進会議に関し必要な事項は、別に定めます。
附 則
この条例は、公布の日から施行します。