牧之原市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 牧之原市 | 自治体コード | 22226 |
都道府県名 | 静岡県 | 都道府県コード | 00022 |
人口(2015年国勢調査) | 43,502人 |
条例データ
制定年 | 2011年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/soshiki/6/1872.html |
条例本文
牧之原市自治基本条例
平成23年3月28日
条例第2号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 情報の共有(第3条―第5条)
第3章 市民参加の推進(第6条―第14条)
第4章 市政運営(第15条―第20条)
第5章 他の自治体等との連携・協力(第21条・第22条)
第6章 議会及び議員(第23条・第24条)
第7章 市長及び職員(第25条・第26条)
第8章 自治基本条例の実効性の確保(第27条―第30条)
附則
前文
牧之原市は、恵み豊かな駿河湾と日本一の大茶園をはぐくむ牧之原台地に抱かれた自然豊かなまちです。
平成17年10月11日に相良町と榛原町が合併して誕生し、まちづくりの基本理念「幸福実現都市」のもと、新たな歩みを始めました。
私たちには、多くの人々の英知とたゆまぬ努力により成長してきたこのまちを、誰もが希望と誇りをもって心豊かに安心して暮らしていけるまちへ発展させ、未来の世代へ引き継いでいく責任があります。
私たちは、人と人とのつながりを大切にし、自らの意思と責任に基づいて互いに支えあう協働のまちづくりを進めることにより、一人ひとりの思いが生かされる牧之原市を目指します。
私たちは、このような認識のもとに、市民、議会、行政が一体となってこのまちを築いていくため、ここに自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、牧之原市のまちづくりに関する基本的な事項を定め、協働のまちづくりを推進し、もって地方自治の本旨の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住所を有する者及び事務所又は事業所を有する法人をいう。
(2) 市長等 市長(公営企業管理を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(3) まちづくり 快適な生活環境の確保、地域社会における安全及び安心の推進など、暮らしやすいまちを実現するための活動をいう。
(4) 協働 市民、市長等及び議会が、自らの果たすべき役割及び責務を自覚して、自主性を相互に尊重しながら、協力又は補完し合うことをいう。
第2章 情報の共有
(情報共有の原則)
第3条 市民、市長等及び議会は、協働のまちづくりを進めるため、市政に関する情報を共有する。
2 市民は、まちづくりについて、市長等及び議会が保有する情報の提供を受け、自ら取得する権利を有する。
3 市長等及び議会は、前項の市民の知る権利を保障するとともに、十分な説明責任を果たすものとする。
(情報提供)
第4条 市長等及び議会は、まちづくりに必要な情報について、適切な情報伝達手段により、速やかに、かつ、分かりやすく市民に提供するよう努めるものとする。
(個人情報の保護)
第5条 市長等及び議会は、個人の権利利益の保護及び市政の適正な運営に資するため、その保有する個人情報を適正に取り扱わなければならない。
第3章 市民参加の推進
(市民参加の原則)
第6条 市長等及び議会は、市民がいつでも市政に参加できるようにし、また、市民の参加の意欲を高めるため、恒常的な参加の制度を確立するとともに、参加の機会を多様に提供することを基本にまちづくりを進めるものとする。
(市民参加の権利)
第7条 市民は、まちづくりの主体者としてまちづくりに参加する権利を有する。
2 市民によるまちづくり活動は、自主性及び自立性が尊重されなければならない。
(参加機会の保障)
第8条 市長等及び議会は、市政への市民参加を保障するものとし、そのための制度の充実に努めるものとする。
2 市長等及び議会は、市民参加により表明された意見や示された提案を総合的に検討し、その結果を市民に公表するとともに、適切に市の仕事へ反映するよう努めるものとする。
(審議会等の運営)
第9条 市長等は、市政に関する提言等を求めるための組織として、審議会等を設置する場合は、広く市民の意見が反映されるよう配慮しなければならない。
(市民投票制度)
第10条 市長は、市政にかかわる重要事項について、直接、市民の意思を確認するため、市民投票の制度を設けることができる。
(まちづくりにおける市民の責務)
第11条 市民は、まちづくりの主体者であることを認識し、まちづくりに参加するに当たっては、自らの発言と行動に責任を持つとともに、市民相互の連帯及び責任に基づき、互いの意見及び行動を尊重しなければならない。
(コミュニティにおける市民の役割)
第12条 市民は、コミュニティ(多様な人と人とのつながりを基礎として、共通の目的を持ち、地域にかかわりながら活動する自治会等の地域の組織、市民活動団体等をいう。以下同じ。)への参加を通じて、共助の精神をはぐくみ、地域の課題の解決に向けて行動するよう努めるものとする。
(市とコミュニティのかかわり)
第13条 市は、コミュニティに対して、その自主性と自立性を尊重しつつ、公共の福祉に反しない限り必要に応じて支援することができる。
(対話の場とひとづくり)
第14条 市は、自由な立場でまちづくりについて意見交換できる対話の場を設置するよう努めるものとする。
2 市は、協働のまちづくりを進めるための人材の育成に努めるものとする。
第4章 市政運営
(計画の策定等にかかる原則)
第15条 市長等は、総合的かつ計画的に市の仕事を行うために、基本構想及びこれを具体化するための基本計画(以下「総合計画」という。)を策定するものとする。この場合において、基本構想は、議会の議決を経て定める。
2 市長等は、市の重要な計画を策定するときは、総合計画との整合を図らなければならない。
3 市長等は、総合計画その他の重要な計画の策定に当たっては、市民の多様な参加を保障するものとする。
(財政運営)
第16条 市長は、総合計画に基づいた財政計画を定め、財源の確保やその効率的、効果的な活用を図り、健全な財政運営を行うものとする。
2 市長は、市の保有する財産の適正な管理や効率的な運用に努めるものとする。
3 市長は、財政や財産の状況を分かりやすく市民に公表するものとする。
(行政評価)
第17条 市長等は、市の仕事の成果、達成度等を明らかにするため、行政評価を実施し、その結果を分かりやすく市民に公表するものとする。
2 市長等は、行政評価の結果を市の仕事に適切に反映させるものとする。
(組織)
第18条 市長等の組織は、市民に分かりやすく、効率的かつ機能的なものであるとともに、社会経済情勢の変化や新たな行政需要に的確に対応できるよう編成するものとする。
(行政手続)
第19条 市長等は、市民の権利利益の保護に資するため、市長等が行う許認可等の手続について、その基本的な事項を定め、公正の確保及び透明性の向上を図るものとする。
(危機管理)
第20条 市長等及び議会は、緊急時に備え、市民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、市民及び関係機関と協力、連携し、総合的かつ機動的な危機管理の体制を強化するよう努めるものとする。
第5章 他の自治体等との連携・協力
(国、県等との関係)
第21条 市は、国、県等とそれぞれ適切な役割分担のもと、対等な関係を確立するものとする。
(他の自治体等との連携)
第22条 市は、広域的な課題の解決を図るため、他の自治体等との連携及び協力をするよう努めるものとする。
2 市は、まちづくりに関する情報を広く発信するとともに、社会、経済、文化、学術、芸術、スポーツ、環境等に関する取組を通じて、市外の人々の知恵や意見等を積極的に取り入れ、まちづくりを行うものとする。
3 市は、自治の確立と発展が国際的にも重要なものであることを認識し、海外の自治体等との連携、交流等を積極的に推進するよう努めるものとする。
第6章 議会及び議員
(議会の役割及び責務)
第23条 議会は、市民の代表で構成される市の意思決定機関である。
2 議会は、議決機関として、市の政策の意思決定及び行政行動の監視並びに条例を制定する権限を有する。
3 議会は、市民に、議会における意思決定の内容及びその経過を説明するとともに、広く市民の声を聴く機会を設けるものとする。
(議員の役割及び責務)
第24条 議員は、この条例に定める議会の役割及び責務を果たすため、総合的な視点に立ち、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 議員は、前項に規定する任務を遂行するため、市民と連携し、かつ市長等との緊張関係を維持して、不断に議会改革を推進しなければならない。
第7章 市長及び職員
(市長の役割及び責務)
第25条 市長は、この条例の趣旨を遵守し、市政の代表者として市民の信託に応え、公平、公正かつ誠実に市政を執行しなければならない。
2 市長は、その権限の行使に当たっては、常に市民の権利を保障することを基本としなければならない。
3 市長は、毎年度、市政運営の方針を定め、これを市民及び議会に説明するとともに、その達成状況を報告しなければならない。
4 市長は、市の職員の適切な指揮監督と能力向上を図るとともに、その能力が最大限発揮できるような良好な職場環境の形成を図らなければならない。
(市の職員の役割及び責務)
第26条 市の職員は、全体の奉仕者として市民の視点に立って職務を遂行しなければならない。
2 市の職員は、自らも地域の一員であることを認識して市民との信頼関係づくりに努め、まちづくりに積極的に取り組まなければならない。
3 市の職員は、協働のまちづくりの推進及び市政の運営に必要な能力の向上に絶えず努めなければならない。
第8章 自治基本条例の実効性の確保
(牧之原市自治基本条例推進会議)
第27条 市長は、この条例の実効性を確保するため、牧之原市自治基本条例推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
(この条例の見直し等)
第28条 市長は、この条例の見直し等に当たっては、推進会議に諮問しなければならない。
(この条例の位置付けと体系化)
第29条 市長等及び議会は、この条例に定める事項を最大限に尊重し、各行政分野の基本方針等を定める条例の制定に努めるとともに、他の条例、規則その他の規程の体系化を図るものとする。
(委任)
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、平成23年10月1日から施行する。