江南市市民自治によるまちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 江南市 | 自治体コード | 23217 |
都道府県名 | 愛知県 | 都道府県コード | 00023 |
人口(2015年国勢調査) | 98,255人 |
条例データ
制定年 | 2011年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | 本条例の関連条例として、2013年に江南市市民参加条例が制定された。 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.konan.lg.jp/kurashi/shimin/1005024/1005735.html |
条例本文
○江南市市民自治によるまちづくり基本条例
平成23年3月23日
条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市民自治によるまちづくりの基本原則(第4条―第7条)
第3章 市民及び事業者等(第8条―第10条)
第4章 協働によるまちづくりの推進(第11条―第14条)
第5章 議会、議員、執行機関等及び市職員(第15条―第18条)
第6章 市政運営(第19条―第24条)
第7章 住民投票制度(第25条)
第8章 国及び他の地方公共団体との連携(第26条)
第9章 条例内容の検証(第27条)
附則
前文
いま、わが国は、少子高齢化のもとで人口減少段階に入るとともに、世界を一つの市場に巻き込んでいくグローバリゼーションと呼ばれる地球的な規模の大きな流れの中で、産業構造や環境条件の変化に対応するために、国家や社会のあり方についての模索を続けています。その一つの動きが地方分権の推進であり、わが国の地方自治は、市民自治の一層の発展に向けて大きな転換期を迎えています。
江南市では、次世代育成や高齢者の生きがいづくりなどの支えあいの福祉の推進による安心かつ安全で温かい生活環境づくり、男女共同参画と多文化共生による平和で明るく豊かな人間関係の育成、先人が切り拓いてきた貴重な郷土の歴史と温暖な自然環境を活かした美しくうるおいのある生活と文化の継承や発展のために、総合計画に基づいて、力強くまちづくりを進めています。これからも、まちづくりの担い手である市民や事業者等、市が一層強い協働の関係を築き、地域の総力を結集する仕組みを作っていく必要があります。
私たち江南市民は、市民一人ひとりが自治の主体であることを自覚し、市民一人ひとりの思いを活かした市民自治によるまちづくりの推進を目指します。また、市は、市民の信託に応えて効果的に市政を運営し、よりよい市政の実現のため、これからも自らの責任を果たしていきます。そのために必要な基本的な理念とルールを確認し、共有するため、ここに江南市市民自治によるまちづくり基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、江南市における市民自治によるまちづくりの基本原則、市民の権利及び責務等並びに市の役割及び責務を将来にわたって明らかにするとともに、市政運営のあり方を定め、地方自治をより身近なものとし、もって自立した地域社会を実現することを目的とします。
(条例の位置づけ)
第2条 この条例は、江南市の市民自治によるまちづくりに関する最も基本的な意思の表明であり、その趣旨は最大限尊重されなければなりません。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 市内に在住し、在勤し、在学し、又は市内で公益的活動を行う個人をいいます。
(2) 事業者等 市内で事業を営む法人、個人事業主、公益的活動を行う組織等をいいます。
(3) 市 議会及び執行機関等で構成する地方公共団体をいいます。
(4) 執行機関等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び消防長をいいます。
(5) まちづくり 地域課題の解決、地域の価値の創造その他の地域を活気があり、明るく住みよいものとすることを目的とする公益的な活動をいいます。
(6) まちづくり組織 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」といいます。)第260条の2第1項に規定する地縁による団体(以下「地縁による団体」といいます。)、まちづくりのために構成されたNPO(特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいいます。)等の組織をいいます。
(7) 市政 まちづくりのうち、市の活動をいいます。
(8) 市民参加 市民が、まちづくりの立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、自主的に加わり行動することをいいます。
(9) 協働 市民、事業者等及び市が、それぞれの立場及び特性を相互に尊重した上で、それぞれの役割及び責務を自覚し、対等な立場で目的の遂行に向かって協力することをいいます。
(10) 市民自治 市民が、主体的に自らの意思及び責任に基づいてまちづくりに参加し、行動することをいいます。
第2章 市民自治によるまちづくりの基本原則
(市民自治の原則)
第4条 まちづくりは、市民自治のもとに行われます。
(協働の原則)
第5条 市民、事業者等及び市は、協働して、まちづくりを推進します。
(平等の原則)
第6条 市民は、年齢、性別、国籍等にかかわりなく、まちづくりに平等に参加できます。
(情報共有の原則)
第7条 市民、事業者等及び市は、まちづくりに関する情報を共有します。
第3章 市民及び事業者等
(市民の権利)
第8条 市民は、自らまちづくりを行う権利を有するとともに、執行機関等が行う政策の形成、執行及び評価の過程に参加し、自らの意思を表明する権利を有します。
(市民の責務)
第9条 市民は、市民自治の主体であることを自覚し、まちづくりに参加するに当たっては、自らの発言及び行動に責任を持つものとします。
(事業者等の役割)
第10条 事業者等は、地域社会の一員としての責任を認識し、まちづくりを推進する役割を持ちます。
第4章 協働によるまちづくりの推進
(市民及び事業者等のまちづくりへの参加)
第11条 市民及び事業者等(まちづくり組織を除きます。)(以下「市民等」といいます。)は、まちづくり組織の活動に、自主的に参加するよう努めます。
2 前項の規定による参加をする市民等は、交流しながら相互に助け合うとともに、地域課題の解決等に向けて協力し、行動するよう努めます。
3 執行機関等は、まちづくりへの参加者の対等性を確保するために、子どものまちづくりへの参加、多文化共生への配慮等をするよう努めます。
(地域の自治力の向上)
第12条 地縁による団体は、地域住民の自主的な参加のもとに、地域課題の解決を図るなど、まちづくりを推進することにより、自治力の向上に努めます。
(まちづくり組織の運営)
第13条 まちづくり組織は、誰もが参加しやすい運営に努めることとし、必要に応じて他の組織と協働しながら、地域課題の解決等を図ります。
(まちづくり組織への執行機関等の支援)
第14条 執行機関等は、市民等がまちづくり組織の活動に参加しやすい環境づくりを積極的に行うものとします。
2 執行機関等は、まちづくり組織の設立及び活動を支援するよう努めます。
3 執行機関等は、まちづくりを推進する人材の育成を図ること、まちづくり組織間の交流の機会を設けること等により、まちづくりの活発化を推進するよう努めます。
第5章 議会、議員、執行機関等及び市職員
(議会の役割)
第15条 議会は、直接選挙により選出された議員によって構成される法の規定に基づく議決機関として、第4条に規定する市民自治の原則にのっとり、市民の意思を的確に反映した市政の実現のために権能を発揮するとともに、執行機関等が行う市政の運営を監視する役割を果たします。
2 前項に規定する議会の役割その他議会運営に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
(議員の責務)
第16条 議員は、自らの役割及び責務を認識し、公正かつ誠実に職務を遂行するとともに、議員としての能力を高めるために、自己研さんに努めます。
(執行機関等の責務)
第17条 市長は、市民自治によるまちづくりを推進し、市民の意思が反映されるような行政経営をします。
2 執行機関等は、公正で効果的な行政経営に努めるとともに、基本的な政策の形成、執行、評価等の内容について、市民及び事業者等に対して適切な時期及び方法により説明しなければなりません。
3 執行機関等は、市民及び事業者等の市政に関する要望等に迅速に対応し、公正かつ中立な立場でその権利利益の保護を図るよう努めます。
(市職員の責務)
第18条 市職員は、市民がまちづくりの主役であることを踏まえ、職務能力の開発に努め、市民とともに意欲をもってまちづくりを行います。
第6章 市政運営
(市民の意思の表明)
第19条 執行機関等は、第8条に規定する政策の形成、執行及び評価の過程に、市民が参加し、自らの意思を表明する機会を設けます。
2 前項に規定する市民の意思の表明に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
(まちづくりに関する情報の提供等)
第20条 市は、まちづくりに関する情報を市民及び事業者等に分かりやすく提供します。
2 市は、市民及び事業者等が前項に規定する情報を迅速かつ容易に得られるよう、情報を提供する体制を充実します。
3 市は、第1項に規定する情報の収集に努めるとともに、保有する情報を適正に管理します。
(個人情報の保護)
第21条 市は、その保有する情報の取扱いについては、個人の権利利益が侵害されることのないよう、個人情報を保護しなければなりません。
(基本構想等)
第22条 市は、総合的かつ計画的な市政運営を図るための基本構想及びその実現のための基本的な計画を策定します。
(行政評価)
第23条 執行機関等は、効率的かつ効果的な行政経営を図るため、市民参加のもとに行政評価を実施し、その結果を政策立案、予算編成方針等に速やかに反映させなければなりません。
2 市長は、行政評価の結果、政策の達成状況その他行政評価に関する情報を適切な時期及び方法により市民に公表しなければなりません。
(財政運営)
第24条 市長は、必要な財源の確保を図るとともに、費用対効果の高い効率的な財政運営を行い、社会情勢の変化に対応できる持続可能で健全な財政の確立を図ります。
2 市長は、財政状況の現状及び予測を市民に公開し、説明します。
第7章 住民投票制度
(住民投票制度)
第25条 市長は、住民の請求等を踏まえ、市政に係る重要事項について、広く住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 市は、住民投票の結果を尊重します。
3 住民投票に付すべき事項、投票資格者その他実施に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
第8章 国及び他の地方公共団体との連携
(国及び他の地方公共団体との連携)
第26条 執行機関等は、共通する地域課題を解決するための施策の実施、効率的かつ効果的な行政経営のための広域にわたる事務処理、大規模災害時の相互応援等について、国及び他の地方公共団体と相互に連携し、協力するよう努めます。
第9章 条例内容の検証
(条例内容の検証)
第27条 市は、必要に応じて、市民参加のもとに、この条例と社会情勢の適合性等の検証をするための組織を設置します。
2 市は、前項に規定する検証の結果、必要があると認めるときは、この条例の改正その他適切な措置を講じます。
附 則
この条例は、平成23年4月1日から施行します。
附 則(平成28年7月1日条例第28号)
この条例は、公布の日から施行する。