大阪狭山市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 大阪狭山市 | 自治体コード | 27231 |
都道府県名 | 大阪府 | 都道府県コード | 00027 |
人口(2015年国勢調査) | 58,435人 |
条例データ
制定年 | 2009年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 審議会委員の市民公募 住民投票地域協議会等 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.osakasayama.osaka.jp/gyosei/shinokeikakushisaku/jichi_j/1410486278691.html |
条例本文
大阪狭山市自治基本条例
平成21年9月25日
条例第9号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市民自治の基本原則(第4条―第7条)
第3章 市民の権利及び責務(第8条―第10条)
第4章 議会等の役割及び責務(第11条―第13条)
第5章 市長及び職員の責務(第14条―第15条)
第6章 市民参画の推進(第16条―第20条)
第7章 コミュニティの尊重等(第21条)
第8章 市政運営の原則(第22条―第29条)
第9章 条例の見直し(第30条)
附則
大阪狭山市は、古事記、日本書紀にも記された日本最古のため池として知られる狭山池をまちの中央に抱き、狭山神社や三都神社、陶器山などに身近な緑が残り、それらの空間は市民の憩いや安らぎの場として親しまれています。
教育、福祉、医療などの環境も整っていて、日常生活の快適さを実感できるまち、市民の文化活動やボランティア活動の盛んなまちとして発展してきました。
地方分権の進展や少子高齢化の進行、人口減少社会の到来など大阪狭山市を取り巻く環境が大きく変化する中、様々なまちづくりの課題に的確に対応していくためには、市政のあり方をできるだけ市民に身近なところで決定する市民自治によるまちづくりを推進することがたいへん重要になってきています。
市民自治によるまちづくりを推進するためには、お互いの立場や考え方の違いを認め合い、合意に向けて対話を重ねることが重要であり、そこで生まれた人と人のつながりが、市民力、地域力となってまちづくりを進めていく原動力になると私たちは信じています。
私たちは、先人の英知とたゆまぬ努力によって発展してきた大阪狭山市を次世代に引き継いでいくために、日本国憲法に掲げられた地方自治の本旨に則り、市民、議会及び市がそれぞれ市民自治の担い手であることを自覚し、誰もが主体的にまちづくりに参画し、協働する市民自治の確立をめざして、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市の市民自治の基本原則を明らかにし、市民の権利及び責務、議会等の役割及び責務、市長及び職員の責務、市民参画の推進、コミュニティの尊重等並びに市政運営の原則を定めることにより、市民自治によるまちづくりを推進することを目的とする。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、本市の市民自治の基本を定める最高規範であり、他の条例、規則等の制定及び改廃に当たっては、この条例の趣旨を尊重するものとする。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に居住する者、市内で働く者又は学ぶ者及び市内で事業活動その他の活動を行う者又は団体をいう。
(2) 市 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(3) 参画 市民が市の政策等の立案、実施及び評価の過程に主体的に関わることをいう。
(4) 協働 市民、議会及び市が、豊かな地域社会を実現するため、それぞれの役割と責任を自覚し、互いの自主性を尊重しながら協力し合うことをいう。
第2章 市民自治の基本原則
(人権の尊重)
第4条 市民、議会及び市は、市民一人ひとりの人権が尊重され、その個性及び能力が発揮されるまちづくりを推進するものとする。
(情報の共有)
第5条 市民、議会及び市は、市政に関する情報を共有するものとする。
(市民参画)
第6条 市は、市政運営に当たっては、市民の参画を保障するものとする。
(協働)
第7条 市民、議会及び市は、相互理解の下、信頼関係を深め、協働してまちづくりを推進するものとする。
第3章 市民の権利及び責務
(市民の権利)
第8条 市民は、市政に関する情報について知る権利を有する。
2 市民は、市政に参画する権利を有する。
(市民の責務)
第9条 市民は、互いを認め合い、思いやり、意思の疎通を図り、協力しながらまちづくりを推進するよう努めるものとする。
2 市民は、自らの発言と行動に責任を持ち、まちづくりに取り組むよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第10条 事業者は、社会的な責務を自覚し、地域との調和を図り、住みよい魅力あるまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
第4章 議会等の役割及び責務
(議会の役割)
第11条 議会は、二元代表制の下、市民の代表者である議員によって構成される意思決定機関として、及び適正かつ効率的に行政運営が行われているかを監視する機関として、常にその機能の充実強化に努めるものとする。
2 議会は、政策立案機能の向上を図るため、積極的に調査研究するものとする。
(議会の責務)
第12条 議会は、審議に関する情報及び議会活動に関する情報を市民と共有することにより、開かれた議会運営に努めなければならない。
2 議会は、議会に対する市民の関心を高めるとともに、市民の意思を把握し、市政に反映させるよう努めなければならない。
(議員の責務)
第13条 議員は、市民自治の基本原則に基づき、公正かつ誠実に職務を遂行するものとする。
2 議員は、議会活動に関する情報及び市政の状況等について、市民に分かりやすく説明するよう努めるものとする。
第5章 市長及び職員の責務
(市長の責務)
第14条 市長は、市の代表者として、市民の信託に応えるため、市民自治の基本原則に基づき、公正かつ誠実に市政を運営しなければならない。
2 市長は、前項の目的を達成するため、職員を適切に指揮監督し、人材の育成を図らなければならない。
(職員の責務)
第15条 職員は、全体の奉仕者であることを認識し、公正かつ誠実に職務を遂行するとともに、市民との信頼関係を築くよう努めるものとする。
2 職員は、職務の遂行に必要な知識、技能等の習得に努めるとともに、創意工夫して効率的に職務を遂行するものとする。
第6章 市民参画の推進
(市民参画の推進)
第16条 市は、市民の参画の機会が保障されるよう、次条から第20条までに定めるもののほか、多様な市民の参画の仕組みを整備するよう努めるものとする。
(審議会等への参画)
第17条 市は、審議会等の委員を選任する場合は、原則として、その一部を市民からの公募により選任するよう努めるものとする。
2 市は、審議会等の会議及び会議録を原則として公開するものとする。
(市民意見提出手続)
第18条 市は、重要な条例の制定及び改廃、市民生活に重要な影響を及ぼす計画の策定又は変更等をしようとする場合は、その案を市民に公表し、市民から意見の提出を受けるとともに、提出された市民の意見に対する市の考え方を公表するものとする。
2 前項に規定する意見の提出に関し必要な事項は別に定める。
(住民投票制度)
第19条 市長は、市政に関する重要事項について、市民の意思を直接、確認する必要があると認めるときは、別に条例で定めるところにより、住民投票を実施することができる。
2 市及び議会は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
3 第1項の条例においては、それぞれの重要事項に応じ、投票に付すべき事項、投票の手続、投票資格要件その他住民投票の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
(学習機会の提供)
第20条 市は、市民がまちづくりに関し理解を深めるため、必要な学習の機会の提供に努めるものとする。
第7章 コミュニティの尊重等
(コミュニティの尊重等)
第21条 市民、議会及び市は、安全で安心して暮らすことのできる地域社会を実現するため、市民の自主的かつ自立的な活動(以下「コミュニティ活動」という。)を尊重するものとする。
2 市民は、積極的にコミュニティ活動に参加し、地域の課題解決に向けて協力して行動するものとする。
3 市長は、市民がまちづくりの重要な課題について話し合うために対話と交流の場を設ける場合において、その運営に関して必要な支援を行うものとする。
第8章 市政運営の原則
(総合計画)
第22条 市長は、市政運営の指針となる総合計画を策定し、総合的かつ計画的な市政運営を行うものとする。
2 市長は、総合計画の策定に当たっては、市民の意見を反映させるため、あらかじめその計画に関する情報を市民に提供し、広く市民が参画できるよう努めるものとする。
3 市は、行政分野ごとの計画の策定に当たっては、総合計画との整合性を図るものとする。
(組織編成)
第23条 市は、市民に分かりやすく、社会情勢の変化に柔軟に対応できる簡素で機能的な組織編成に努めるものとする。
(財政運営)
第24条 市長は、収入の確保に努めるとともに、中長期的な財政計画を策定し、効率的かつ効果的な財政運営を行うものとする。
2 市長は、財政状況及び財産の保有状況を市民に分かりやすく公表するものとする。
(行財政評価)
第25条 市は、効率的かつ効果的な市政運営を行うため、政策、施策及び事務事業の評価を行うものとする。
2 市は、評価の結果を市民に分かりやすく公表するとともに、評価の結果及びこれに対する市民の意見を踏まえ、行財政運営に適切に反映するものとする。
(情報公開)
第26条 市は、市民の知る権利を保障し、公正で透明な市政運営と市民の参画を推進するため、その保有する情報を公開するよう努めるものとする。
(個人情報の保護)
第27条 市は、保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する権利を明らかにすることにより、個人の権利利益を保護するとともに、個人情報を適正に管理しなければならない。
(説明責任及び応答責任)
第28条 市は、政策等の立案、実施及び評価の過程において、その経過、内容、効果等について市民に分かりやすく説明するものとする。
2 市は、市民の市政に関する意見、要望、提案等に対して、迅速かつ誠実に応答するものとする。
(国及び他の地方公共団体との関係)
第29条 市は、それぞれの役割分担の下、対等の立場で、国及び大阪府その他の自治体と相互に連携し、協力するよう努めるものとする。
第9章 条例の見直し
(条例の見直し)
第30条 市長は、この条例の施行の日から5年を超えない期間ごとに、この条例の各条項について検討を加え、必要に応じ見直すものとする。
2 市長は、前項の検討及び必要な見直しを行うに当たっては、市民の意見を聴かなければならない。
附 則
この条例は、平成22年4月1日から施行する。