阪南市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 阪南市 | 自治体コード | 27232 |
都道府県名 | 大阪府 | 都道府県コード | 00027 |
人口(2015年国勢調査) | 51,254人 |
条例データ
制定年 | 2009年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 公聴会 審議会委員の市民公募 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | 本条例で規定した手続きに関しては、阪南市市民参画手続き条例や、阪南市自治基本条例推進委員会条例がある。 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.hannan.lg.jp/kakuka/mirai/seisaku/kihonjourei/index.html |
条例本文
阪南市自治基本条例
平成21年6月5日
条例第21号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 基本理念(第4条)
第3章 基本原則(第5条―第7条)
第4章 市民(第8条・第9条)
第5章 議会(第10条―第12条)
第6章 執行機関(第13条―第15条)
第7章 市民参画及び協働(第16条―第19条)
第8章 情報の共有(第20条―第24条)
第9章 住民投票(第25条)
第10章 総合計画(第26条)
第11章 他の機関との連携(第27条)
第12章 推進及び見直し(第28条・第29条)
附則
阪南市は、緑豊かな和泉山脈と波静かな茅渟(ちぬ)の海に囲まれ、温暖な気候風土という自然環境にも恵まれ、熊野古道へと続くいにしえの歴史街道や秋のやぐら祭り等に見られる歴史的遺産や文化的資産も数多く継承されています。
私たち阪南市民は、これまで先人が築き上げてきた歴史、培ってきた文化、多様な産業と豊かな自然を受け継ぎながら自らの知識や経験・創造性を活かし、すべての人が思いやりを持ち、人と人とのつながりをひろげ、次世代を担う子どもたちをはぐくみ、平和で明るく豊かな安心・安全のまちづくりを推進し、将来にわたって持続可能な社会を次の世代へ引き継ぐ責任があります。
一方、地方分権が進むこれからの時代は、地方自治が大きく変化し、まちづくりをこれまでの行政主導から市民主導へと大きく転換しなければなりません。私たちは、今日までの市民参画を更に発展させ、自治の主役である市民によるまちづくりがより一層推進できる仕組みを構築する必要があり、これまで以上に市民、議会及び執行機関が信頼を深め、協働してまちづくりを進めていくことが求められます。
そのため、市民一人ひとりの人権が尊重され、生活するすべての市民が、このまちで永く学び働き住んで良かったと思えるよう、市民同士が交流を深め、補完し合い、市民相互の協働並びに市民、議会及び執行機関との協働を基本とし、適切に役割と責任を明らかにしたうえで分担し合い、自己決定及び自己責任による個性豊かな持続性のある地方自治を推進しなければなりません。
よってここに、よりよい阪南市をつくるための最高規範として、阪南市自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、阪南市における自治の基本理念を明らかにするとともに、市民の権利及び責務、議会の役割及び責務、執行機関の責務並びに市政の運営及び地域の活動に関する基本的事項を定めることにより、自治を確立することを目的とする。
(最高規範性)
第2条 この条例は、自治に関して市が定める最高規範であり、市民、議会及び執行機関は、誠実にこれを遵守し、他の条例、規則等の制定、改廃、解釈及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図らなければならない。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に在住、在勤若しくは在学をする個人、市内に事業所を置く事業者又は市内で活動する団体をいう。
(2) 市 基礎的な地方公共団体としての阪南市をいう。
(3) 執行機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(4) 参画 市の政策等の立案、実施及び評価に至る過程において、責任を持って自主的かつ自発的に参加し、意思形成にかかわることをいう。
(5) 協働 互いの特性を尊重しながら、それぞれの責任と役割分担に基づき、住みよいまちとするために、協力し行動することをいう。
第2章 基本理念
第4条 未来においても恵まれた自然を守り、心豊かな阪南市であるために、主権者である市民それぞれが、互いの人権を尊重し、参画し、及び協働し、並びに市民、議会及び執行機関が協働することにより、自立した阪南市の実現を目指すものとする。
第3章 基本原則
(参画及び協働の原則)
第5条 市政の運営及び地域の活動に取り組むに当たっては、市民の参画する機会が保障されるとともに、市民、議会及び執行機関が協働することを原則とする。
(情報共有の原則)
第6条 市民、議会及び執行機関は、市政に関する情報を共有することを原則とする。
(財政自治の原則)
第7条 市は、自立した市政の運営を行うため、自らの判断と責任において、財源を適正かつ効果的に活用し、歳入と歳出の調和のとれた財政運営を行うことを原則とする。
第4章 市民
(市民の権利)
第8条 市民は、市政の主体として平等に市政の運営及び地域の活動に参画し、及び協働する権利を有する。
2 市民は、保護すべき情報を除き、市が保有する情報を知る権利を有する。
3 市民は、市が提供するサービスを受けることができる。
(市民の責務)
第9条 市民は、互いに多様な価値観を認め合い、市政に関する認識を深め、自らの発言と行動に責任を持ち、積極的に参画し、及び協働し、市政の運営及び地域の活動に取り組むよう努めなければならない。
2 市民は、互いに市政の運営及び地域の活動に必要な情報を共有するよう努めるものとする。
3 市民は、市が提供するサービスに伴う負担を分任しなければならない。
第5章 議会
(議会の役割)
第10条 議会は、法令で定めるところにより、住民の直接選挙によって選出された議員で構成され、住民の声を市政に反映する市の意思決定機関である。
2 議会は、市政の運営を監視する役割を担う。
(議会の責務)
第11条 議会は、意思決定機関であることの責任を常に認識し、公平な判断及び長期的展望をもって意思決定に臨むものとする。
2 議会は、開かれた議会運営のために、その保有する情報を積極的に公開し、市民との情報共有に努めなければならない。
3 議会は、議決に当たっての意思決定の過程を市民に明らかにするものとする。
(議員の責務)
第12条 議員は、前2条に規定する議会の役割及び責務を十分に認識し、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 議員は、多様な住民の意思及び地域の課題を、市政に反映させるよう努めなければならない。
第6章 執行機関
(市長の責務)
第13条 市長は、住民の直接選挙によって信託されたものであって、市の代表者として市を統轄するとともに、市政の基本方針を明らかにし、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 市長は、他の執行機関と協力し、市政を簡素かつ効率的に運営しなければならない。
3 市長は、前項の目的のため、職員の能力向上に努めるとともに、職員を適正に配置しなければならない。
4 市長は、その保有する情報を市民と共有するように努めなければならない。
5 市長は、市民が参画する機会の拡充に努め、その成果を尊重しなければならない。
(市長を除く執行機関の責務)
第14条 市長を除く執行機関は、その職務に応じて、市長と同様の責務を負い、他の執行機関と協力して市政の運営に努めるものとする。
(職員の責務)
第15条 職員は、全体の奉仕者として、この条例を遵守し、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 職員は、職務の遂行に必要な知識、技能等の向上に努めるとともに、創意工夫して効率的に職務を遂行しなければならない。
第7章 市民参画及び協働
(市民活動団体)
第16条 市民は、地域の活動及び地域の課題の解決に取り組む団体又は他の市民と共通する目的の実現に取り組む団体(以下この条において「市民活動団体」という。)を自主的に組織することができる。
2 市民は、市民活動団体の役割を認識し、その活動を推進するとともに、地域の課題を、自らも解決するよう努めるものとする。
3 市民は、互いに協力し、少数の意見及び行動も尊重しながら、積極的に活動に参加するよう努めなければならない。
4 執行機関は、市民活動団体の活動を推進するため、市民活動団体から相談、要望等があったときは、その保有する情報を提供し、平等かつ迅速に必要な措置を講じなければならない。
5 議会は、市民活動団体の自主性及び役割を尊重するものとする。
(計画策定等における市民参画)
第17条 執行機関は、次に掲げる事項を実施するときは、あらかじめその事項を公表し、市民の参画の手続を実施しなければならない。
(1) 基本構想(総合的かつ計画的な市政の運営を図るための基本構想をいう。第26条において同じ。)及びこれの実現のための基本計画の策定
(2) 市政の運営における基本的事項を定める計画等の策定又は改廃
(3) 広く市民に適用され、市民生活に重大な影響を及ぼす条例等の制定又は改廃
2 執行機関は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、同項の手続を実施しないことができる。
(1) 関係法令等の制定又は改廃に基づくとき。
(2) 軽微な改変にとどまり、実質的な改変を伴わないとき。
(3) 補助機関の服務等に関するとき、又は機構の改変に関するとき。
(4) 緊急に実施しなければならないとき。
(平23条例20・一部改正)
(市民参画の手続)
第18条 前条の手続は、同条第1項に掲げる事項の内容に応じ、次の各号のいずれかの方法により行うものとする。
(1) 附属機関等への委員公募
(2) パブリックコメント
(3) 公聴会の開催
(4) 前3号に掲げるもののほか、執行機関が必要と認めるもの
2 執行機関は、前項各号に掲げる方法の実施に当たっては、公平性及び中立性の保持に配慮しなければならない。
3 第1項各号に掲げる方法の実施について必要な事項は、別に定める。
(市民参画の推進)
第19条 執行機関は、市民の参画する機会が保障されるよう、前2条に定めるもののほか、制度の整備を図るものとする。
第8章 情報の共有
(情報の収集及び活用)
第20条 議会及び執行機関は、市政の運営に必要な情報を収集し、有効に活用しなければならない。
2 議会及び執行機関は、市民が容易に情報を得られるよう、適切な仕組みを整備しなければならない。
(情報公開等)
第21条 議会及び執行機関は、市民の参画及び協働の実効性を確保するため、その保有する情報を、保護すべき情報を除き、速やかにかつ積極的に公開しなければならない。
2 議会及び執行機関は、附属機関等の会議及び会議録を、保護すべき情報を除き、公開しなければならない。
3 市民は、地域の課題を解決するため、互いにその保有する情報の共有に努めるものとする。
4 執行機関は、前項の共有のため、必要に応じて支援しなければならない。
5 第1項及び第2項に規定する公開の手続について必要な事項は、別に条例で定める。
(個人情報の保護)
第22条 議会及び執行機関は、その保有する個人情報を適正に管理し、個人情報の保護を行うために必要な措置を講じなければならない。
2 議会及び執行機関は、その保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止等を請求する市民の権利を明らかにしなければならない。
3 前2項に規定する措置及び権利について必要な事項は、別に条例で定める。
(説明責任)
第23条 執行機関は、市政の運営に関する重要な事項の立案、実施及び評価の過程において、その経過、内容、効果等について、市民に情報の提供を行うとともに、わかりやすく説明しなければならない。
(意見、要望等への応答)
第24条 議会及び執行機関は、市民から市政一般に関する意見、要望等を受けたときは、迅速かつ誠実に応答するとともに、市政に反映させる必要に応じ、適切な措置を講じなければならない。
第9章 住民投票
第25条 住民は、市政の重要事項及び自治の根幹にかかわる事項について、広く住民の意思を確認する目的のため、住民投票の実施を市長に請求することができる。
2 議会及び市長は、前項の目的のため、自ら住民投票の実施を発議することができる。
3 前2項に規定する住民投票の実施に必要な事項については、別に条例で定める。この場合において、投票資格者を定めるに当たっては、十分に検討を行うものとする。
4 市民、議会及び執行機関は、住民投票の結果を最大限尊重するものとする。
第10章 総合計画
第26条 市は、第4条の基本理念にのっとり、議会の議決を経て、基本構想を定め、これに即して市政の運営を行わなければならない。
2 市長は、基本構想の実現のための基本計画を定め、これに基づく事業の効果及び達成度を評価し、これを公表しなければならない。
3 市長は、前項の評価に基づき、必要に応じて事業を見直さなければならない。
第11章 他の機関との連携
第27条 市は、自治の確立のため、国及び大阪府と協力し、適切に役割を分担することにより、課題の解決に取り組むものとする。
2 市は、他の地方公共団体及び関係機関と協力し、共通する課題及び広域的な課題の解決に取り組むものとする。
第12章 推進及び見直し
(条例の推進)
第28条 市長は、この条例の適正かつ円滑な運用及び推進を図ること並びにその運用及び推進に関する検証を行うことを目的とする委員会を設置するものとする。
(条例の見直し)
第29条 市長は、この条例の施行の日から5年を超えない範囲において、この条例の各条項の社会情勢への適合について検討を行い、見直しの必要があると認めるときは、必要な措置を講ずるものとする。
附 則
この条例は、平成21年7月1日から施行する。
附 則(平成23年10月3日条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。