境港市みんなでまちづくり条例
自治体データ
自治体名 | 境港市 | 自治体コード | 31204 |
都道府県名 | 鳥取県 | 都道府県コード | 00031 |
人口(2015年国勢調査) | 32,740人 |
条例データ
制定年 | 2007年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント ワークショップ審議会委員の市民公募政策提案制度 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.sakaiminato.lg.jp/index.php?view=4938 |
条例本文
境港市みんなでまちづくり条例
平成19年6月29日条例第10号
境港市みんなでまちづくり条例
目次
第1章 条例全体に関わる基本的な約束事(第1条~第5条)
第2章 市民活動の促進(第6条)
第3章 行政参加(第7条~第12条)
第4章 住民投票(第13条)
第5章 支援(第14条~第17条)
第6章 協働(第18条~第20条)
第7章 実効性の確保(第21条~第23条)
第8章 雑則(第24条)
附則
私たちの住む境港市は、風光明媚な白砂青松の弓ヶ浜の先端にあり、豊かな自然環境に恵まれ、水産業を基軸とした明るくそして人情味豊かな活気あるまちとして、古くから発展してきました。
私たちは、生涯をとおして心豊かに健康で安心して暮らしたい、そして、境港の人すべてがそうあって欲しい、という素朴な願いをもっています。この願いをかなえていくためには、誰もがこの「ふるさと境港」を愛し、市民、市民活動団体、事業者、市(以下「みんな」といいます。)が相互に理解し合い、力を合わせながら、暮らしやすいまちづくりに取り組んでいくことが大切です。
ここに、私たちは、お互いの立場や思いを尊重しながら、「みんなでまちづくり」を推進していくため、この条例を制定します。
第1章 条例全体に関わる基本的な約束事
(目的)
第1条 この条例は、一人でも多くの市民が自分たちのまちは自分たちで考え、自分たちで創り上げていくという誇りを持つようになり、みんなの力で暮らしやすいまちを実現することを目的とします。
(用語の意味)
第2条 この条例で使用する用語の意味は、次のとおりです。
(1) 「市民」とは、市内に住んでいる人又は通勤、通学している人で、20歳未満の青少年や子ども、永住外国人も含みます。
(2) 「事業者」とは、市内に事務所又は事業所などを持つ個人の自営業者や企業のことをいいます。
(3) 「市」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会の各機関をいいます。
(4) 「行政活動」とは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条に規定するところにより事務を処理するために市が行う活動をいいます。
(5) 「市民活動」とは、市民が自主的に行う暮らしやすいまちの実現に寄与することを目的とした活動で、営利を目的とするもの、宗教的及び政治的な活動を主な目的とするもの並びに特定の公職の候補者や政党を支持する活動は除きます。
(6) 「市民活動団体」とは、前号の市民活動を行う団体で、NPO、ボランティア団体、自治会などが含まれます。
(7) 「促進」とは、一人でも多くの市民に、自らの関心や状況に応じた形で市民活動に関わってもらえるよう、その活動を促し、活性化を図ることです。
(8) 「参加」とは、広く、ボランティアや自治会活動など各種の市民活動に関わることで、この条例では主に市政に市民の意見を反映させるため、政策や事業などの企画、立案、実施及び評価の各段階で行政活動に関わる行政参加をいいます。
(9) 「支援」とは、自治会やNPOなどの市民活動団体が円滑にその活動を進めることができるよう、みんなが様々な形で援助することで、この条例では市が行う支援をいいます。
(10) 「協働」とは、団体と団体が力をあわせて、暮らしやすいまちの実現に取り組むことで、この条例では主に市民活動団体と市との協働をいいます。
(基本理念)
第3条 みんなでこの条例を推進するにあたり、暮らしやすいまちづくりの将来ビジョンを次のように掲げ、まちづくりを進めます。
(1) 市民が日常的にかつ気軽に市民活動に参加しているまち
(2) 市民からいつでも、どこでも自由に意見や提案が行え、それらが市政に十分に反映され、活かされるまち
(3) 様々な支援が実施され、市民活動がより円滑に、活発に行われているまち
(4) 協働が進展し、様々な団体と市が地域の共通の課題解決に向かって協力し合っているまち
(市民、市民活動団体、事業者の役割)
第4条 市民は、まちづくりの主役として、それぞれの関心や状況に応じて、暮らしやすいまちの実現に努めることとします。
2 市民活動団体は、暮らしやすいまちの実現に直接的に関わる団体として、常に公益を意識するとともに、その実情に応じて、広く市民から理解や参加を得られるよう努めることとします。
3 事業者は、まちづくりを担う一員として、地域の課題解決に関心を持つとともに、その実情に応じて、就業者が市民活動に関わりやすい環境整備と社会貢献に努めることとします。
(市の責務)
第5条 市は、暮らしやすいまちづくりを進めるため、次に掲げることに努めなければなりません。
(1) 市の持つ情報を積極的に公表し、市民、市民活動団体、事業者と情報を共有すること。
(2) 暮らしやすいまちづくりを専門的に担うものとして、行財政改革に不断に取り組むこと。
(3) この条例に関する市の職員の十分な理解と意識の高揚を図ること。
(4) 促進、参加、支援及び協働に関する施策を展開し、積極的に推進すること。
第2章 市民活動の促進
(市民活動の促進)
第6条 市は、「みんなでまちづくり」への関心を持ってもらうために、市民活動に関する情報や行政参加の案内などについて、市報やホームページなどを通じて、わかりやすく積極的な情報提供を行います。
2 市は、境港市民活動センターを促進の拠点として、一層の有効活用を図り、市民が気軽に立ち寄ることができる場にしていきます。
3 市は、自治会活動などの地域の活動への参加の促進と振興のため、様々な方策を検討します。
4 市は、市民活動を促進するため、前3項に規定するもののほか、必要な環境の整備、充実を図ります。
第3章 行政参加
(市民生活に重要な影響を及ぼす行政活動への参加)
第7条 市は、次に掲げる事項について、あらかじめ参加の機会を設けます。
(1) 市の総合計画などの策定又は変更
(2) 市政に関する基本方針を定め、又は市民に義務を課し、若しくは市民の権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃
(3) 広く市民に適用される市民生活に重大な影響を及ぼす制度の導入又は改廃
(4) 公共の大規模施設設置に係る基本計画などの策定やその施設の利用や運営の方針又はそれらの変更
2 市は、前項に掲げる事項のうち、次の各号のいずれかに該当するものについては、参加の機会を設けないことができます。
(1) 法令等の規定により実施基準が定められ、それに基づいて行うもの
(2) 軽微なもの
(3) 緊急を要するもの
(4) 市の内部の事務処理に関するもの
3 市は、前項の規定により参加の機会を設けないこととした事項について、その理由を付して、これを公表します。
4 市は、第1項に掲げる以外の事項についても、参加の機会を設けることができます。
(日常的な参加)
第8条 市は、市民の要望、苦情なども参加ととらえ、日頃から市民との積極的な対話を心がけるなど、前条の参加の機会に限らず、日常的な参加を積極的に推進します。
(参加の機会の提供方法)
第9条 参加の機会の提供は、次に掲げる方法で行います。
(1) 委員会や審議会などの会議の公開とそれらの委員の公募
(2) パブリックコメント制度
(3) 市民ワークショップ
(4) 政策提案制度
(5) その他適切な方法
2 市は、第7条の行政活動を行うときは、前項各号に掲げる参加の機会の提供の方法のうち、適切と認められる一つ以上の方法により参加の機会を設けます。
3 第1項各号に掲げる方法の具体的な取り扱いは、別に定めます。
(市民の請求に基づく参加の機会の提供)
第10条 市は、第7条第4項の規定による参加の機会を設けなかった事項について、市民から請求があった場合、その実施を検討します。
2 市は、前条第1項各号に掲げる参加の機会の提供の方法について、市民から請求があった場合、その実施を検討します。
3 市は、前2項の規定に基づき、実施を検討した場合、その結果について理由を付して、これを公表します。
4 前各項に掲げる事項の具体的な取り扱いは、別に定めます。
(参加の結果の取扱い)
第11条 市は、参加の機会を設けたことによって提出された意見について、総合的かつ多面的に検討し、その反映に努めます。
2 市は、市民から提出された意見の検討を終えたときは、提出された意見の検討経過及び検討結果を公表します。ただし、境港市情報公開条例(平成11年境港市条例第12号)第7条に定める非開示情報は公表しません。
(公表の方法)
第12条 市は、参加の機会を設けた事項の内容を次に掲げる方法で公表します。
(1) 市役所及び公民館掲示場での掲示
(2) 市役所担当課窓口での供覧又は配布
(3) 市報さかいみなとへの掲載
(4) 市ホームページへの掲載
(5) その他効果的な方法
第4章 住民投票
(住民投票)
第13条 市長は、市民生活に重要な影響を及ぼす事項について、市民の意思を直接問う必要があると認めるときは、住民投票を実施することができます。
2 住民投票の実施に関し、投票に付すべき事項、投票の参加資格、投票の方法、投票結果の取扱いその他必要な事項については、それぞれの事案に応じて、別に条例で定めます。
第5章 支援
(お金の支援)
第14条 市は、市民活動団体の活動がより円滑にできるよう、予算の範囲内で財政的な支援を行います。
(場所の支援)
第15条 市は、境港市民活動センターを市民活動団体などの活動や交流の拠点と位置付け、必要な整備を行います。
2 その他の公共施設においても、市民活動団体などが利用しやすい環境整備に努めます。
(情報の支援)
第16条 市は、市民活動団体の活動の活性化につながるような情報を積極的に提供します。
2 市は、市民活動団体と市及びその他の行政機関などとの情報共有を促進するため、相談窓口体制などの整備と充実に努めます。
(ひとの支援)
第17条 市は、市民活動団体自身による人材育成に対して、必要な支援を行っていきます。
2 市は、市の職員の市民活動などに関する関心や理解を深め、誠意をもって、市民と向き合い、支援することができるよう、意識改革を進めます。
第6章 協働
(協働の基本原則)
第18条 市民活動団体と市は、次の基本原則をお互いに認識し合うこととします。
(1) 対等であること。
(2) お互いに責任を明確にすること。
(3) 信頼関係を構築すること。
(4) 十分に対話をし、合意を持つこと。
(協働の機会の確保)
第19条 市は、新規又は既存の政策、施策、事業などを企画し、若しくは実施する場合、常に協働の可能性を検討することに努めます。
2 市は、市が公募して市民活動団体などから協働事業の提案を受け付ける制度を設け、第21条に規定する境港市みんなでまちづくり推進会議によって審査し、実施の可否を決定します。
3 市は、市民活動団体などから協働事業の提案を随時受け付け、実施の可否を決定します。
4 市は、前2項に掲げる協働事業の実施の可否について、理由を付して、これを公表します。
(みんなでまちづくり推進員の設置)
第20条 市は、前2条に基づき、市民活動団体などとの協働を円滑に推進するため、市の各部署にみんなでまちづくり推進員を置きます。
2 前項の推進員についての必要な事項は、別に定めます。
第7章 実効性の確保
(みんなでまちづくり推進会議の設置)
第21条 この条例の実効性を確保するため、かつ、条例自体を状況の変化に的確に対応させていくため、境港市みんなでまちづくり推進会議(以下「推進会議」といいます。)を設置します。
2 この推進会議の役割は、次に掲げる事項とします。
(1) この条例をより具体的に進めていくための参加と協働のための指針の具体的な内容を検討すること。
(2) 促進、参加、支援及び協働についての実施状況を様々な視点から評価を行うこと。
(3) 協働事業の提案などに関する審査を行い、意見を提出すること。
(4) この条例を定期的に見直し、改正又は廃止に関する提言を行うこと。
(5) 前各号に定めるもののほか、促進、参加、支援及び協働の推進について、必要な事項を検討すること。
3 推進会議は、12人以内の委員で組織し、次の人のうちから市長が委嘱します。
(1) 様々な分野における識見を有する人
(2) 市内で活動する市民活動団体などが推薦する人
(3) 市内に住んでいて、公募に応募した人
4 推進会議の委員の任期は、2年とします。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。
5 委員は、再任されることができます。
6 前各項に定めるもののほか、推進会議の運営に必要な事項は、別に定めます。
(条例の運用状況の公表)
第22条 市は、この条例に掲げる促進、参加、支援及び協働についての運用状況を原則として毎年度まとめ、これを公表します。
(条例の見直し)
第23条 市長は、社会の情勢と促進、参加、支援及び協働の状況に応じて、この条例の施行後も、この条例について適宜、見直しを行います。
第8章 雑則
(委任)
第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関して必要な事項は、規則に定めます。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年7月1日から施行します。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、既に着手され、又は着手のための準備が進められている政策等の行政活動であって、時間的な制約その他正当な理由により行政参加を求めることが困難な場合については、第3章の規定は適用しません。