邑南町まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 邑南町 | 自治体コード | 32449 |
都道府県名 | 島根県 | 都道府県コード | 00032 |
人口(2015年国勢調査) | 10,163人 |
条例データ
制定年 | 2007年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 説明会 公聴会 ワークショップ 市民会議 審議会委員の市民公募 アンケート調査 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.town.ohnan.lg.jp/www/contents/1001000000017/index.html |
条例本文
邑南町まちづくり基本条例
平成19年3月30日
条例第21号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの基本理念(第4条・第5条)
第3章 参加・協働(第6条―第9条)
第4章 情報の共有(第10条―第13条)
第5章 コミュニティ(第14条・第15条)
第6章 伝統・文化・暮らしの伝承と環境保全(第16条・第17条)
第7章 町議会(第18条)
第8章 町(町の執行機関)(第19条―第23条)
第9章 この条例の見直し(第24条)
附則
(前文)
邑南町は、島根県中南部、中国山地のただなかに位置し、中国太郎江の川といくつかの支流が流れ、たくさんの動植物が生息する、山河の自然あふれるところです。かつて先人達は、額に汗しながら川沿いの平坦地を耕し、渓流沿いに棚田を造成し、背戸山を管理して、自然の恵みを受けながら細やかな地域コミュニティの中で里山の暮らしを守り育んできました。そしていま、わたしたちの生活は、その先人達から受け継いだふるさとで営まれています。わたしたちは先人の英知に学び、努力に習い、豊かな自然環境と培われてきた伝統的生活文化を大切にして未来に引き継いでいくとともに、一人ひとりが自助と自立の心を持って主体的に暮らしづくりを考え、人権を尊重しあい互助の精神をもちながらコミュニティを形成していくことで、まちづくりの礎を築きます。そして、わたしたちは、そのコミュニティを基軸にして、「自立した田舎づくり」を目指します。
邑南町は平成16年10月、町村合併によって誕生した新しい町です。この町村合併を契機に町民と町が共通の目標を定め、それに向かい共に「和」をもって行動することが大切です。そこでわたしたちは邑南町民憲章にのっとり、町民と町がまちづくりの基本理念を共有し、相互の協働による自立した地域社会を実現していくために、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、邑南町のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに町民参加の権利と責任、町民と町の役割や責務を明確にすることよって、相互理解のもと、協働でまちづくりが進められていくことを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) まちづくり 町民が安心して安全に暮らせ、心豊かに生活できる環境をつくるための取り組みをいう。
(2) 邑南町 町全体をいう。
(3) 町民 町内に在住、在勤又は在学する個人及び町内に事務所又は事業所を有する法人その他の団体をいう。
(4) 町 町議会及び町の執行機関(町長、各委員会、審議会等)をいう。
(5) 参加 まちづくりに関する各種事業の計画、実施及び評価に関し、意見を述べるなど町民自らが主体的にかかわることをいう。
(6) 協働 町民と町が同一の目的を達成するため、互いの責任のもと共に協力して活動することをいう。
(7) コミュニティ 集落や自治会など一定の地域を媒介として結ばれる共属意識が形成されている組織をいう。
(条例の位置づけ)
第3条 この条例は、邑南町のまちづくりの基本理念を定めたものであり、他の条例、規則等の制定改廃にあたっては、この条例の趣旨を最大限に尊重するものとする。
第2章 まちづくりの基本理念
(まちづくりの主体と参加の権利)
第4条 まちづくりの主体は町民であり、誰もが互いに平等な立場で自由に参加する権利を有する。
(まちづくりの基本原則)
第5条 町民と町は、第1条の目的を達成するため次の各号に掲げる基本原則に基づきまちづくりを進めていくものとする。
(1) 町民と町は、互いの役割と責任のもと、協働でまちづくりを進めていくものとする。
(2) まちづくりは、町民と町が必要な情報を共有しながら進めていくものとする。
(3) 町民と町は、コミュニティがまちづくりにおいて重要な役割を果たすことを認識し、これの育成、発展に努めるものとする。
(4) 町民と町は、培われてきた自然・伝統・文化・暮らしを大切にし、邑南町の特性を活かしたまちづくりを進めていくものとする。
第3章 参加・協働
(町民参加の場の確保)
第6条 町は、町の実施する主要な事業等について町民の意思が反映されるよう計画、実施及び評価、それぞれの過程において町民の参加を保障し、その機会の確保に努めなければならない。
(町民の参加と責任)
第7条 町民は、まちづくりに参加する場合において自らの責任ある発言と行動に努めるものとする。
(審議会等への参加)
第8条 町は、審議会、委員会などの委員には、定数の一部に公募の委員を加えるよう努めなければならない。
(計画策定への参加)
第9条 町は、重要な計画の策定においては、広く町民の参加を求めて協働により策定しなければならない。
第4章 情報の共有
(町民の権利)
第10条 町民は、まちづくりに関して町が持つ情報を取得する権利を有する。
(情報収集と共有)
第11条 町民はまちづくりに参加するため、町の発信する情報を自ら知るように努めるものとする。
2 町民は、まちづくりに関する情報を町に提供するとともに、町民同士で共有するよう努めるものとする。
(説明責任と情報公開)
第12条 町は、町政に関する意思決定の過程を明らかにすることにより、町の各種事業の内容が町民に理解されるよう努めなければならない。
2 町は、まちづくりに関する情報を迅速に提供できるよう整理、保存しなければならない。
(個人情報の保護)
第13条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることがないよう個人情報の保護に努めなければならない。
第5章 コミュニティ
(町民の役割)
第14条 町民は、コミュニティがまちづくりの基盤を担う重要な組織であることを認識し自主的、自立的な活動団体となるよう努めるものとする。
(コミュニティの育成)
第15条 町民は、自らの住む地域に誇りと愛情を持ち、「自分たちの地域は自らの手で創りあげる」という思いをもちコミュニティを守り育てるものとする。
2 町民は、民主的な地域運営を進めるため、女性・若者・子ども達を含めた一人ひとりの意見が反映されるコミュニティづくりに努めるものとする。
3 町民は、子どもからお年寄りまですべての人たちが安心して安全に過ごせるコミュニティづくりに努めるものとする。
第6章 伝統・文化・暮らしの伝承と環境保全
(伝統・地域文化・暮らしの継承)
第16条 町民は、培われてきた伝統的文化や暮らしを大切にするとともに、将来にわたり引き継ぐよう努めるものとする。
(環境保全)
第17条 町民は、邑南町の豊かな自然環境の価値を理解し、一人ひとりが環境への負荷の低減に努めるものとする。
第7章 町議会
(町議会の責務)
第18条 町議会は、町の意思決定機関として、町民の意思が町政の運営に適切に反映されるよう活動しなければならない。
2 町議会は、町政が町民の意見を反映し、適切に運営されているか調査及び監視するとともに、その結果を町民にわかりやすく明らかにしなければならない。
第8章 町(町の執行機関)
(町の役割)
第19条 町は、町民ニーズに適切に応えるため、分かりやすく機能的な組織づくりに努めるとともに、職員の資質の向上に努めなければならない。
(町民からの意見・要望・苦情等への対応)
第20条 町は、町民から意見、要望、苦情等があった場合には速やかに事実関係を調査し、責任をもって応答するものとする。
(行政評価)
第21条 町は、町の施策や事業が能率的かつ効果的に行われているかどうかを定期的に評価し、その結果をわかりやすく公表するよう努めるものとする。
(町長の責務)
第22条 町長は、町政の執行者として町の事務を総合的に管理し、この条例の理念に基づき公正かつ誠実に町政を執行しなければならない。
(町職員の責務)
第23条 町職員は、町民との信頼づくりに努め自ら積極的にまちづくりに取り組まなければならない。
2 町職員は、多様化する住民ニーズに応えるため必要な能力開発と自己啓発に努めなければならない。
第9章 この条例の見直し
(条例の見直し)
第24条 この条例は、邑南町のまちづくりの基本理念をもとに住民参加・協働の仕組みなどについて取り決めたものであり、今後の社会情勢の変化等により改正する必要が生じた場合は、速やかに検討を行い、この町にふさわしい条例となるよう町民の意見を反映しながら見直しを行っていくものとする。
附 則
この条例は、平成19年4月1日から施行する。