下関市市民協働参画条例
自治体データ
自治体名 | 下関市 | 自治体コード | 35201 |
都道府県名 | 山口県 | 都道府県コード | 00035 |
人口(2015年国勢調査) | 255,051人 |
条例データ
制定年 | 2005年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 説明会ワークショップ審議会委員の市民公募 アンケート調査 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.shimonoseki.lg.jp/soshiki/18/1420.html |
条例本文
下関市市民協働参画条例
平成17年2月13日
条例第134号
私たち下関市民は、「海峡の恵み」と「歴史の心」に育まれた「明日への希望に燃えているまち下関」をこよなく愛しています。先人の努力のたま物であるこのまちを、「自然と歴史と人が織りなす交流都市」として築き上げ、未来の世代に引き継いでいきたいと願っています。
世の中の大きな流れの中で、私たちは、今、教育、保健、医療や福祉等子どもから高齢者までにかかわる問題、また、地域の安全、災害対策、環境保全やコミュニティづくり等住みよい環境づくりにかかわる問題、更に、人権、男女共同参画、文化やスポーツ等人々の生き方にかかわる問題等市民生活に密接にかかわる分野で様々な問題に直面しています。
市民の価値観が多様化、個性化している今日、これらの問題を自らの課題として受けとめ、市民一人ひとりが「社会のために何ができるか」と問い直し、自らの責任と役割を明らかにしながら、その解決に取り組んでいくことが大切になっています。
下関市は、「市政の主人公は市民である」という基本理念の下に、各種の審議会や運営委員会を設置するとともに、直接市民と話し合いの場を持つ等広く市民の意見を求める努力を続けています。
一方、市民の間においては、NPO活動(民間非営利組織活動)やボランティア活動、地域のコミュニティ活動等の市民活動を通して、「何かをしなければならない」という社会的使命感をもった活動が少なからず展開されています。
私たちは、このような状況を踏まえ、市民と行政、市民と市民が対等の関係において、それぞれの英知を集め実践力をつなぎあい、「協働」する「市民参画」という新しい社会システムを築き、「自然と歴史と人が織りなす交流都市」を創造することを願い、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、市民参画という新しい社会システムの推進に関する基本理念及びその実現に関する基本的な事項を定め、市民、市民活動団体、事業者及び市が、良きパートナーとして役割を分担し、公益の増進を協働して図ることにより、快適な環境を有する都市の創造に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 協働 共通の目的を達成するために、互いの立場の違いを認識し、及び協力して行動することをいう。
(2) 市民参画 市民及び市民活動団体(以下「市民等」という。)が市の施策の立案、実施及び評価の各段階に自発的かつ自律的にかかわること並びに市民等がまちづくりのために協働することをいう。
(3) 市民活動 自主的かつ主体的な営利を目的としない活動のうち、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)別表に掲げる活動又は地縁に基づき地域社会の維持及び形成を図る活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。
(4) パートナーシップ 協働を実現するための友好的な協力関係をいう。
(5) 市民活動団体 組織的かつ継続的に市民活動を行うことを主たる目的とする団体であり、その活動が次のいずれにも該当しないものをいう。
ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするもの
イ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするもの
ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、若しくはこれらに反対することを目的とするもの
エ 営利を目的とするもの
(6) 事業者 市内において営利を目的とする事業を行う個人又は法人をいう。
(7) 実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び公営企業管理者をいう。
(基本理念)
第3条 市民等及び市は、協働の関係を構築し、相互のパートナーシップが確立された市民参画型社会の実現及び発展に努めるものとする。
2 市民等及び市は、市民参画を推進するため、それぞれが有する情報の提供及び共有に努めるものとする。
3 市は、市民参画に対する市民意識の醸成及び市民活動の促進に努めるものとする。
(市民の責務)
第4条 市民は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、自発的かつ自律的に市民参画に関する理解を深め、自らが暮らす社会に関心を持ち、身の回りの事について、自らできることを考え、行動するとともに、進んでまちづくりへの参加に努めるものとする。
2 市民は、基本理念にのっとり、自発的かつ自律的に市民活動に関する理解を深め、その活動の発展及び促進に努めるものとする。
(市民活動団体の責務)
第5条 市民活動団体は、基本理念にのっとり、自発的かつ自律的に市民参画に関する理解を深め、市民参画型社会の実現及び発展に寄与するよう努めるものとする。
2 市民活動団体は、基本理念にのっとり、自発的かつ自律的に自らの活動の公益性を検証するとともに、情報を市民に提供することにより、市民活動についての市民等の理解の促進に努めるものとする。
(事業者の配慮等)
第6条 事業者は、市民参画に対する理解を深めるとともに、その発展の寄与に努めるものとする。
2 事業者は、市民活動の果たす役割の重要性への理解を深めるとともに、市民活動に対する支援に配慮するよう努めるものとする。
(市の責務)
第7条 市は、基本理念にのっとり、市民参画が図られるよう努めるものとする。
2 市は、基本理念にのっとり、市民活動を促進するための環境整備に努めるものとする。
(市民参画の対象)
第8条 市民参画の対象とする実施機関の施策は、原則として次のとおりとする。
(1) 市の基本構想、基本計画その他施策の基本的な事項を定める計画等の策定又は変更
(2) 広く市民に適用され、市民生活に重大な影響を及ぼす制度の導入又は改廃
(3) 公共の用に供される大規模な施設の設置に係る基本計画等の策定又は変更
2 実施機関は、前項各号に掲げる施策以外の施策についても、市民参画を図ることができる。
3 実施機関は、前2項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するものは、市民参画の対象としないものとする。
(1) 定型的又は経常的に行うもの
(2) 軽易なもの
(3) 緊急に行わなければならないもの
(4) 市内部の事務処理に関するもの
(5) 法令の規定により実施の基準が定められており、当該基準に基づき行うもの
(6) 市税の賦課徴収及び分担金、負担金、使用料、手数料等の徴収に関するもの(地方税法(昭和25年法律第226号)第5条第3項又は第7項の規定により別に税目を起こす場合を除く。)
(7) 前各号に掲げるもののほか、これらに準ずるもの
(市民参画の方法)
第9条 実施機関は、説明会の開催、アンケートの実施、ワークショップの開催、審議会の設置、パブリックコメントの実施等の方法により効果的な市民参画の実現に努めるものとする。
(市民参画の方法の公表)
第10条 実施機関は、できる限り早い時期に、市民参画の方法について公表するよう努めるものとする。
(留意事項)
第11条 実施機関は、市民参画の方法を実施するときは、次の事項に留意するものとする。
(1) 効果が期待できる手法を講じること。
(2) 市民等が幅広く参加できる手法を講じること。
(3) 高度な専門性を有する施策にあっては、当該施策に関し深い知識を有する市民等の参加が得られるようにすること。
(4) 地域性を有する施策にあっては、当該施策の対象となる地域の市民等の参加が得られるようにすること。
(5) 営利を目的としたものの関与を排除すること。
(情報の提供と共有)
第12条 市民等及び市は、市民参画を推進するため、相互に情報を提供し、及び共有することに努めるものとする。ただし、情報の提供及び共有に当たっては、個人情報の保護に配慮するものとする。
2 実施機関は、市民参画を推進するため、市政に関する情報を、適切な時期に、適切な方法により市民等に提供するよう努めるものとする。
(広聴)
第13条 実施機関は、市民参画を推進するために、手紙、電子メール等による提案、質問等の受付、アンケートの実施、直接的な対話の実施等の方法により、市民等の意識の把握及び意見の聴取に努めるものとする。
(附属機関等の委員)
第14条 実施機関は、附属機関等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき設置する審議会その他の附属機関及び調停、審査、諮問、調査等を目的としない行政運営上の意見の聴取、懇談等を行うため、要綱等の定めるところにより設置される組織をいう。以下同じ。)の委員を委嘱し、又は任命しようとするときは、一部又は全部の委員を公募により選出された委員(以下「公募委員」という。)とするとともに、男女比率、年齢構成、在期数及び他の附属機関等の委員との兼職状況等を勘案して選考するものとする。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、附属機関等に公募委員を含まないことができるものとする。
(1) 法令の規定により委員の構成が定められている場合
(2) 専ら高度な専門性を有する事案を取り扱う場合
(3) その他公募に適さない事案を取り扱う場合
(市民活動を促進するための環境整備)
第15条 市長は、市民活動に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、市民活動を促進するための環境整備に関する基本的な計画(以下「市民活動促進基本計画」という。)を策定するものとする。
2 市長は、市民活動の重要性に対する市職員の理解を促進するとともに、第7条第2項の規定に基づく環境整備として、支援における公平性及び市民活動の自律性に配慮しつつ、予算の範囲内で次の事項を実現するための施策の実施に努めるものとする。
(1) 市民活動を促進する情報の収集及び提供
(2) 市民活動の場の提供
(3) 市民活動のネットワーク化の促進
(4) その他市民活動を側面的に支援する助成制度の実施
(年次報告)
第16条 市長は、毎年、市民参画及び市民活動の状況について、市議会に報告するとともに、これを公表するものとする。
(下関市市民協働参画審議会の設置)
第17条 市長は、市民活動促進基本計画の策定並びに市民参画及び市民活動の状況の評価に関することについて諮問するため、下関市市民協働参画審議会(以下「協働参画審議会」という。)を附属機関として設置する。
2 協働参画審議会は、委員20人以内をもって組織する。
3 委員は、次に掲げるもののうちから市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 公募に応募した市民
(2) 市民活動団体関係者
(3) 事業者等で構成する団体の関係者
(4) 学識経験者
(5) 市職員
(6) その他市長が適当と認める者
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 前各項に定めるもののほか、協働参画審議会の運営について必要な事項は、市長が別に定める。
(適用除外)
第18条 この条例の定めるところにより実施機関が市民参画の方法を実施した場合に、法令又は他の条例の規定に反することとなるときは、その反することとなる限りにおいて、この条例の規定は適用しない。
(条例の見直し)
第19条 市は、必要に応じ、この条例の見直しを行うものとする。
(委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日前に、下関市市民協働参画条例(平成15年下関市条例第2号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 この条例の施行の日以降最初に任命される委員の任期は、第17条第4項の規定にかかわらず、平成17年9月21日までとする。
附 則(平成22年3月26日条例第17号)
この条例は、平成22年4月1日から施行する。