宇部市協働のまちづくり条例
自治体データ
自治体名 | 宇部市 | 自治体コード | 35202 |
都道府県名 | 山口県 | 都道府県コード | 00035 |
人口(2015年国勢調査) | 162,570人 |
条例データ
制定年 | 2007年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.ube.yamaguchi.jp/kurashi/shiminjinken/shiminkatsudou/1003135/1003136.html |
条例本文
宇部市協働のまちづくり条例
平成十九年三月三十日
条例第十一号
「明るく住みよい地域社会の中で生き生きと豊かに暮らしたい。」
これは、私たち宇部市民共通の願いである。
近年、少子高齢化の進行、市民ニーズの多様化・複雑化、地方分権の進展など社会情勢が大きく変化する中で、私たちは、環境、福祉、教育など暮らしに密接に関わる分野で、さまざまな社会的課題に直面している。
私たちがこれらの課題を克服し、今後も豊かな暮らしを続けていくためには、地域社会において行政が主体的にその中心的役割を担うというこれまでのあり方を見直し、地域社会を構成する多様な主体が、共に地域社会を支えるパートナーであることを認識し合い、適切な役割分担の下、連携し、及び協力してまちづくりを進める協働のまちづくりに取り組む必要がある。
幸い、本市では、かつて石炭産業で得た資源により教育、社会事業を幅広く展開し、市民の力で現在の礎を築いてきたすばらしい歴史があり、その精神を信条に、これまで「産・官・学・民」の連携により公害を克服した「宇部方式」や活発なボランティア・NPO活動、地域コミュニティ活動などに取り組んできたところである。
そこで、先人たちが培ってきたこれまでの自治の精神を受け継ぎ、「自分たちのまちは自分たちで築く。」を合言葉に、協働のまちづくりを継続的かつ積極的に推進し、市民一人ひとりが生き生きと暮らせる活力ある地域社会の実現を目指すため、この条例を制定する。
(目的)
第一条 この条例は、本市における協働のまちづくりを推進するための基本理念及び基本的事項を定め、市民、市民活動団体、地域コミュニティ、事業者、高等教育機関(大学、大学院、短期大学、高等専門学校その他の高等教育機関をいう。以下同じ。)及び市がそれぞれの役割を担いながら、共に協働してまちづくりに取り組むことにより、豊かで活力ある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 協働 地域社会を担う多様な主体が、共通の社会的な目的を達成するため、それぞれの役割を理解し、相互に補完し、連携し、及び協力することをいう。
二 まちづくり 生活の場又は活動の場を快適かつ魅力ある環境に整備する諸活動をいう。
三 市民 本市に居住し、通勤し、又は通学する者をいう。
四 市民活動 営利を目的としない市民の自主的、主体的な社会参加活動で、不特定多数の人々の利益の増進及び地域社会の発展に寄与することを目的とするものをいう。ただし、宗教的若しくは政治的な活動又は選挙活動(特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動をいう。)を除く。
五 市民活動団体 市民活動を組織的かつ継続的に行うことを目的とする団体をいう。
六 地域コミュニティ 地域の暮らしをより良いものにしようと取り組む地域住民一人ひとりの集合体をいう。
七 事業者 本市において営利を目的とする事業を行う個人又は法人をいう。
(基本理念)
第三条 市民、市民活動団体、地域コミュニティ、事業者及び高等教育機関(以下「市民等」という。)並びに市は、相互に支え合う地域社会の実現のため、それぞれの役割を理解し、協働のまちづくりの推進に努めるものとする。
(市民の役割)
第四条 市民は、地域社会の一員であることを自覚し、自らが暮らす地域社会に関心を持ち、自らができることを考え、自発的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。
2 市民は、市民活動が果たす社会的意義について理解を深め、自発的な市民活動への参加及び協力に努めるものとする。
(市民活動団体の役割)
第五条 市民活動団体は、自らの活動が果たす社会的意義を自覚し、自己の責任の下、協働のまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
2 市民活動団体は、広く市民に対して、その活動が理解されるよう努めるとともに、自己実現の場及び社会参加の機会を提供するよう努めるものとする。
(地域コミュニティの役割)
第六条 地域コミュニティは、地域の特性を活かし、協働のまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
2 地域コミュニティは、地域における住民間の親睦及び融和並びに住民による自治の充実に向けた基盤的な役割を果たすよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第七条 事業者は、地域社会の一員として、協働のまちづくりに関する理解を深め、自発的にその推進に寄与するよう努めるものとする。
2 事業者は、市民活動が果たす社会的意義について理解を深め、自発的な市民活動への協力に努めるものとする。
(高等教育機関の役割)
第八条 高等教育機関は、その公的な機関としての役割を認識するとともに、その保有する社会的、学術的資源を活かし、協働のまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
2 高等教育機関は、その所属する学生等に対し、地域社会に対する理解及び市民活動への積極的な参加を促すよう努めるものとする。
(市の役割)
第九条 市は、協働のまちづくりの推進に資する施策を実施するものとする。
2 市は、職員に対し、協働のまちづくりに関する啓発、研修等を実施し、職員一人ひとりの意識改革を図るものとする。
(市の施策)
第十条 市は、市民等との協働を推進するため、次に掲げる施策を実施するものとする。
一 協働の機会を促進するための仕組みの構築に関すること。
二 市が実施する施策事業の協働による推進に関すること。
(環境整備)
第十一条 市民等及び市は、協働のまちづくりの推進に向けた環境の整備を図るため、連携し、及び協力して次に掲げる施策に取り組むものとする。
一 中間支援拠点(協働の推進、市民活動の支援等の機能を担う拠点施設をいう。)の充実及び機能強化
二 中間支援組織(協働又は市民活動に関する調整等の役割を担うことを目的とする組織をいう。)の育成及び充実
三 協働を推進するための人材育成制度及び人材活用制度の整備
(情報の共有)
第十二条 市民等及び市は、各自が保有する協働のまちづくりに関する情報を相互に提供することにより、当該情報の共有に努めるものとする。この場合において、市民等及び市は、個人情報の保護に配慮するものとする。
(審議会の設置)
第十三条 協働のまちづくりの推進に関する事項を調査審議するため、宇部市協働のまちづくり審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(組織)
第十四条 審議会は、委員十五人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が任命する。
一 市民
二 市民活動団体関係者
三 地域コミュニティ関係者
四 事業者
五 学識経験者
六 その他市長が必要と認める者
3 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は再任されることができる。
(委任)
第十五条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市規則で定める。
附 則
この条例は、平成十九年四月一日から施行する。