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条例

山口市協働のまちづくり条例

自治体データ

自治体名 山口市 自治体コード 35203
都道府県名 山口県 都道府県コード 00035
人口(2015年国勢調査) 193,966人

条例データ

条例本文

山口市協働のまちづくり条例

平成20年12月19日
条例第46号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 市民の権利及び役割(第4条・第5条)

第3章 協働

第1節 協働によるまちづくり(第6条―第10条)

第2節 地域コミュニティ(第11条―第13条)

第3節 市民活動団体(第14条―第16条)

第4章 市政への参画(第17条―第19条)

第5章 市の責務(第20条―第23条)

第6章 山口市協働のまちづくり推進委員会(第24条―第26条)

第7章 条例の尊重及び見直し(第27条・第28条)

第8章 雑則(第29条)

附則

山口市は、波穏やかな瀬戸内海と中国山地の古層の山々を共に擁し、豊かな森や川、海に恵まれ、田園の豊潤さが育んだ堅実な精神性をよりどころとする風土を築いてきました。また、先人たちの築いた大いなる歴史・文化の伝統にも支えられ、これまで山口県における政治・行政、教育・文化等の中心的役割を担い、多くの優れた人材を輩出してきました。今後、経済や産業、学術文化等の様々な分野を振興し、広域的に質の高い都市的サービスを提供するなど、広域県央中核都市としてますますの発展が期待されています。

このように、将来性豊かな私たちのまちは、先人のたゆまぬ努力によって培われたものであり、これをさらに発展させて次代に伝えていくことが、私たちの重要な使命です。住んで良かったと思えるまち、訪れてみたいと思えるまち、人との絆きずなを大切に共生の心を育むまち、生涯にわたって平等に学びあえるまち、子どもたちが夢と希望を持ち健やかに成長できるまちをつくっていくには、生活者としての市民が持つ、豊かな創造性と社会経験を十分に生かし、市民も自らの役割を自覚し、まちづくりに積極的に参加していかなければなりません。

そのためには、市民と市、また市民同士が、相互にその特長を認め合いながら、協働してまちづくりを進めていくとともに、地域社会を構成する多様な主体が、共に地域社会を支えるパートナーであることを認識し合い、市民と市との適切な役割分担のもと、連携してまちづくりに取り組んでいく必要があります。

このような認識の下に、100年先、200年先へとつながるまちづくりの礎となるよう、市民と市、また市民同士が、協働してまちづくりを進めるために必要なルールを示すものとして、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、市民の参加及び協働によるまちづくりを推進するための基本的な事項を定めるとともに、市民及び市の役割を明らかにし、それぞれが共に考え、協力し、及び行動し、もって個性豊かで活力のある自立した地域社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) まちづくり 住み良い豊かな地域社会をつくるための取組をいう。

(2) 市民 市内に居住する者のほか、市内で働く者、学ぶ者及び公共的な活動を行う団体を含めたものをいう。

(3) 市 市長その他の市の執行機関をいう。

(4) 事業者 市内において営利を目的とする事業を行う個人又は法人をいう。

(5) 協働 市民と市又は市民同士が相互に相手の特性を理解及び尊重し、共通の目的に向かい、責任及び役割分担を明確にし、共に取り組むことをいう。

(6) 地域コミュニティ 地域住民が自主的に参加し、その総意及び協力により住み良い地域社会をつくることを目的として構成された集団をいう。

(7) 市民活動 営利を目的としない市民の自発的かつ自主的な社会貢献活動で、公益の増進に寄与することを目的とする活動をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動

イ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動

ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下ウにおいて同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動

(基本理念)

第3条 市民は、主体的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。

2 市民及び市は、自助、共助及び公助という社会の役割分担のあり方に基づき、それぞれの果たすべき責任及び役割を理解し、協働してまちづくりを推進するものとする。

3 市民及び市は、まちづくりに関する互いの情報を共有するものとする。

第2章 市民の権利及び役割

(市民の権利)

第4条 市民は、まちづくりに参加する権利を有する。

2 市民は、市政に対して意見を提言する権利を有する。

3 市民は、市の保有するまちづくりに関する情報を知る権利を有する。

(市民の役割)

第5条 市民は、自らがまちづくりの主体であることを認識し、地域社会に関心を持ち、及び自らができることを考え、積極的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。

第3章 協働

第1節 協働によるまちづくり

(協働の推進)

第6条 市民及び市は、相互にそれぞれの特性を理解し合い、尊重し合い、及び補完し合いながら、協働によるまちづくりを積極的に推進するよう努めるものとする。

(協働の環境づくり)

第7条 市民及び市は、協働によるまちづくりを推進するため、活動拠点の整備等必要な環境づくりに努めるものとする。

2 市は、協働によるまちづくりを推進するため、総合的かつ計画的な施策を実施するものとする。

(人づくり)

第8条 市民及び市は、まちづくりの担い手を発掘し、又は育成するよう努めるものとする。

2 市は、まちづくりを支える人材を支援するよう努めるものとする。

(情報の共有)

第9条 市民及び市は、協働によるまちづくりを推進するため、相互にまちづくりに関する情報を提供することにより、その情報の共有に努めるものとする。ただし、情報の提供及び共有に当たっては、市民の権利及び利益を侵害しないよう配慮しなければならない。

(事業者及び教育機関の協力)

第10条 事業者は、地域社会の一員として、地域社会との調和を図るとともに、公共的又は公益的な活動に協力し、協働によるまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。

2 教育機関は、保有する人材、学術的資源等を活用するとともに、様々なまちづくりの主体と連携及び協力し、協働によるまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。

第2節 地域コミュニティ

(地域コミュニティの役割)

第11条 地域コミュニティは、地域住民のつながりを強くするとともに、地域の課題の解決に向けて計画的に取り組み、安心かつ安全な地域づくりに努めるものとする。

2 地域コミュニティは、様々なまちづくりの主体と交流及び連携し、協働によるまちづくりの推進に努めるものとする。

(地域コミュニティ活動の推進)

第12条 市民は、地域コミュニティ活動への理解を深め、その活動に自主的に参加し、又は協力するよう努めるものとする。

2 市民は、自らが地域コミュニティの担い手であることを認識し、そのコミュニティを守り育てるよう努めるものとする。

(地域コミュニティ活動への支援)

第13条 市は、地域コミュニティ活動を促進するため、地域コミュニティに対してまちづくりに関する情報の提供、活動拠点の整備等必要な支援をするものとする。この場合において、市は、地域コミュニティの自主性及び自立性を尊重しなければならない。

第3節 市民活動団体

(市民活動団体の役割)

第14条 市民活動を組織的かつ継続的に行う団体(以下「市民活動団体」という。)は、市民活動の持つ社会的意義を自覚するとともに、自らの持つ知識、専門性等を生かし、まちづくりに貢献するよう努めるものとする。

2 市民活動団体は、積極的に情報提供を行い、活動の輪を広げるとともに、自らの活動内容が市民に理解されるよう努めるものとする。

3 市民活動団体は、様々なまちづくりの主体と交流及び連携し、協働によるまちづくりの推進に努めるものとする。

(市民活動の推進)

第15条 市民は、市民活動への理解を深め、その活動に自発的かつ自主的に参加し、又は協力するよう努めるものとする。

(市民活動への支援)

第16条 市は、市民活動を促進するため、市民活動団体に対してまちづくりに関する情報の提供、活動拠点の整備等必要な支援をするものとする。この場合において、市は、市民活動団体の自主性及び自立性を尊重しなければならない。

第4章 市政への参画

(市政への参画)

第17条 市民は、市の総合計画その他の基本的な計画の立案から実施及び評価に至る過程において参画することができる。

2 市は、市民が市政に参画する権利を保障するため、参画機会の確保に努めなければならない。

3 市は、市民の意思が適切に反映されるよう、行政運営を行わなければならない。

(パブリック・コメント)

第18条 市は、市の総合計画その他の基本的な計画を策定するときは、パブリック・コメント(市が基本的な計画の策定に当たり、事前に案を公表し、市民の意見等を求める手続をいう。)を実施するものとする。

2 市は、前項の規定により提出された意見等に対する市の考え方を公表しなければならない。

(附属機関等の委員)

第19条 市は、附属機関等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により設置する審議会その他の附属機関及びこれに類する合議制の組織をいう。次項において同じ。)の委員に市民を選任するときは、その全部又は一部を公募により選考するよう努めなければならない。

2 市は、附属機関等の委員を選任するときは、男女比率、年齢構成、地域性等を考慮し、幅広い分野から人材を登用することにより、市民の多様な意見が反映されるよう努めなければならない。

第5章 市の責務

(行政運営)

第20条 市は、効率的で質の高い行政サービスの提供を図り、市民の満足度の向上に努めなければならない。

2 市は、社会経済情勢の変化、多様化する課題等に的確に対応するため、市民にわかりやすく機能的かつ効率的な組織運営に努めなければならない。

(市職員の育成、意識改革等)

第21条 市長は、市職員に対して協働によるまちづくりに関する研修等を実施し、市職員がその重要性の認識を深めるよう努めなければならない。

2 市職員は、自らの職務遂行能力の向上のための自己啓発に努めるとともに、市民との協働の視点に立ち、市民との信頼関係の向上に努めなければならない。

3 市職員は、自らも地域社会の一員として、積極的にまちづくりに参加するよう努めなければならない。

(説明責任)

第22条 市は、施策の立案から実施及び評価に至る過程の各段階において、その内容、効果等を市民にわかりやすく説明するよう努めなければならない。

2 市は、市民からの市政に関する質問、意見、要望等に対し、適切にこたえるよう努めなければならない。

(情報の提供)

第23条 市は、市の財政状況のほか、市の総合計画その他の基本的な計画に関する情報を適切な時期及び方法により、市民にわかりやすく提供するよう努めなければならない。

第6章 山口市協働のまちづくり推進委員会

(山口市協働のまちづくり推進委員会)

第24条 市長は、この条例の実効性を高めるため、山口市協働のまちづくり推進委員会(以下この章において「委員会」という。)を設置する。

(所掌事務)

第25条 委員会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を審議し、市長に答申するものとする。

(1) この条例の適切な運用に関すること。

(2) この条例の見直しに関すること。

(3) その他市長が必要と認めること。

2 委員会は、前項に定めるもののほか、次に掲げる事項について検証し、審議し、及び意見を述べることができる。

(1) 協働によるまちづくりに係る推進施策に関すること。

(2) 市政への参画に係る推進施策に関すること。

(3) 地域コミュニティ活動及び市民活動の促進に係る施策に関すること。

(4) その他市長が必要と認めること。

(組織)

第26条 委員会は、委員20人以内をもって組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 市民のうちから公募により選任した者

(2) 地域コミュニティ関係者

(3) 市民活動団体関係者

(4) 事業者

(5) 教育機関関係者

(6) 学識経験を有する者

(7) その他市長が必要と認める者

3 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再委嘱を妨げない。

4 前3項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第7章 条例の尊重及び見直し

(条例事項の尊重)

第27条 この条例は、協働によるまちづくりの基本原則であり、市民及び市は、この条例で定める事項を尊重するものとする。

(条例の見直し)

第28条 この条例は、必要に応じ、見直しを行うものとする。

第8章 雑則

(委任)

第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、平成21年4月1日から施行する。