三好市まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 三好市 | 自治体コード | 36208 |
都道府県名 | 徳島県 | 都道府県コード | 00036 |
人口(2015年国勢調査) | 23,605人 |
条例データ
制定年 | 2012年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 審議会委員の市民公募 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.miyoshi.i-tokushima.jp/docs/4891.html |
条例本文
三好市まちづくり基本条例
平成24年3月29日
条例第3号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 市民(第5条―第7条)
第3章 議会及び議員(第8条―第10条)
第4章 市長及び職員(第11条―第12条)
第5章 市民参加及び協働によるまちづくり(第13条―第21条)
第6章 行政運営の基本原則(第22条―第29条)
第7章 条例の検証と改正(第30条)
附則
前文
わたしたちのまち三好市は、平成18年3月、三野町、井川町、池田町、山城町、西祖谷山村、東祖谷山村が合併し誕生しました。三好市は、吉野川を懐に抱き、四国山地、阿讃山脈に囲まれ、四国一広大な面積を有し、四国の中央に位置しています。また、古いにしえから交通の要衝であり、県西部の社会、経済、文化、観光の中心として発展してきました。
わたしたちのまちには、西日本第二の高峰剣山、祖谷渓、大歩危峡、黒沢湿原、腕山、龍頭・金剛の滝など豊かな自然、平家落人伝説、落合集落、祖谷のかずら橋、うだつの町並みなど先人から受け継いだ歴史的文化遺産や美しい景観があります。
わたしたちは、これらを誇りとして、未来を担う子どもたちへと引継ぎ「ここに住んでよかった」、訪れた人が「また来たい」、「ここに住みたい」と思える「自然が生き活き・人が輝く交流のまち」の実現を目指します。
ここにわたしたちは「市民主役のまちづくり」を目指して、市民・議会・市長等が、それぞれの役割と責務を認識し、一人ひとりが互いに力を合わせ、自らの創意工夫により住みよい活力のあるまちづくりを進めるために、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、三好市におけるまちづくりの基本理念と市政運営の基本原則を明らかにするとともに、市民、議会、市長等の役割と責務を定め、市民主役のまちづくりの推進を図ることを目的とする。
(最高規範)
第2条 この条例は、市が定める最高規範であり、他の条例、規則等の制定改廃に当たっては、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内で居住する者、働く者、学ぶ者及び活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。
(2) まちづくり 市民が安全で安心して暮らせる生活環境を守るとともに、よりいっそう住みよいまちとしていくための活動をいう。
(まちづくりの基本理念)
第4条 市民及び市は、次に掲げることを基本理念としてまちづくりに取り組むものとする。
(1) まちづくりは市民が主役であり、市民参加のもとで進めること。
(2) 市民及び市は、それぞれの役割と責務を認識し、協働してまちづくりを行うこと。
(3) 市民の地域における自主的なまちづくり及び市民同士の助け合いを大切にすること。
第2章 市民
(市民の権利)
第5条 市民は、次に掲げる権利を有する。
(1) 安全で安心して生活できる権利
(2) 行政サービスを等しく受ける権利
(3) まちづくりに参加する権利
(4) 市政に関する情報を知る権利
(市民の役割及び責務)
第6条 市民は、まちづくりは市民が主役であることを自覚し、自らが活動できる範囲でまちづくりに参加し、又は協力するよう努めるものとする。
2 市民は、まちづくりに参加するに当たって、自らの発言と行動に責任を持つものとする。
3 市民は、まちづくりに参加しないことを理由として、差別的な扱いや不利益を受けない。
(事業者の役割及び責務)
第7条 事業者(市内で事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。以下同じ。)は、地域社会の一員として社会的責任を認識し、まちづくりに寄与するよう努めるものとする。
第3章 議会及び議員
(議会の責務)
第8条 議会は、市の意思決定機関として、常に市民全体の利益のために活動しなければならない。
2 議会は、市政運営が公平、公正かつ効率的に行われるよう、監視、牽制及び政策提言等の権能を行使しなければならない。
(議会の情報公開)
第9条 議会の会議は、原則として公開しなければならない。
2 議会は、開かれた議会とするため、市民に議会活動及び議会の保有する情報を公開しなければならない。
(議員の責務)
第10条 議員は、公正かつ誠実に市民の意見を市政に反映させるよう活動しなければならない。
2 議員は、議会活動に関する情報等について説明責任を果たさなければならない。
3 議員は、市政の課題に関する調査及び政策提言等を積極的に行うため、常に研鑽に励み見識を高めるよう努めなければならない。
第4章 市長及び職員
(市長の責務)
第11条 市長は、この条例の理念を実現するため、公正、誠実に職務を遂行しなければならない。
2 市長は、常に市民の声を聴くとともに、三好市の現状を把握し、将来を見据えたまちづくりの推進に努めなければならない。
3 市長は、まちづくりのビジョンや基本方針を示し、市民に市政の現状をわかりやすく説明しなければならない。
4 市長は、基本理念に基づいたまちづくりを推進するため、三好市職員(以下「職員」という。)の人材育成に努めなければならない。
(職員の責務)
第12条 職員は、市民全体の奉仕者であることを深く認識し、市民本位の立場に立って職務を遂行しなければならない。
2 職員は、職務を適切に遂行するため、自ら研鑽し、能力の向上に努めなければならない。
3 職員は、自らが地域社会の一員であることを自覚し、自主的に地域のまちづくりへの参加に努めるものとする。
第5章 市民参加及び協働によるまちづくり
(市民参加)
第13条 市は、第5条第3号に定める市民のまちづくりへの参加の権利を保障するため、多様な参加の手段を講じなければならない。
(協働)
第14条 市は、基本理念に基づいて、協働を推進するための施策を講じなければならない。
(審議会等)
第15条 市が審議会等を設置する場合は、原則として公募によって選任された委員を加えなければならない。
2 市が設置した審議会等の会議は、原則として公開しなければならない。
3 市が設置した審議会等の開催に当たっては、開催日時等について市民が参加しやすいよう配慮しなければならない。
(情報の共有と公開)
第16条 市は、市民が主役のまちづくりを推進するため、市民と市政に関する情報の共有に努めなければならない。
2 市は、市政に関する情報を原則として公開しなければならない。
3 前項の規定による情報の公開に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(まちづくりの担い手育成)
第17条 市民及び市は、郷土を大切にする心を育み、まちづくりの担い手の育成に努めなければならない。
2 市は、あらゆる世代がまちづくりに参加できる環境の整備に努めなければならない。
(地域のまちづくり)
第18条 市民は、地域の一員として共に助け合い、地域における自主的なまちづくりに参加し、又は協力するよう努めるものとする。
2 地域の自主的なまちづくりに取り組む団体は、自主的、自立的な運営に努めるものとする。
3 市は、地域の自主的なまちづくりを促進するために適切な措置を講ずるとともに、必要に応じて地域自治組織や市民活動団体に対する支援に努めるものとする。
(人口減少地域等への支援)
第19条 市は、人口の減少や高齢化等により、市民同士の助け合いや地域の自主的なまちづくりが困難な地区について、総合的な生活支援を講ずるものとする。
(災害に強いまちづくり)
第20条 市は、災害に強いまちづくりを推進するとともに、災害予防、災害時の応急対策、関係機関との協力体制及び災害復旧に関する計画を策定する等、総合的な危機管理体制の整備に努めなければならない。
2 市民は、災害の発生時に自らを守るとともに、近隣住民と相互に協力して対応しなければならない。
3 市は、市民の災害に対する意識を醸成するとともに、市民及び事業者の自主防災組織に対する支援及びその拡充に努めるものとする。
(自然環境に配慮したまちづくり)
第21条 市民は、自然環境の保全に努め、良好な生活環境の維持に努めなければならない。
2 事業者は、主体的に自然環境の保全に努めなければならない。
第6章 行政運営の基本原則
(行政の組織及び運営)
第22条 行政の組織は市民にわかりやすく、機能的なものでなければならない。
2 市は、市域が広く山間地が多いという三好市の特性を踏まえ、行政運営を行うものとする。
(国、県との関係)
第23条 市は、国及び徳島県と対等の立場にあることを踏まえ、自らの判断と責任において、施策を決定するものとする。
(財政)
第24条 市は、財源を効率的かつ効果的に活用して市民サービスの向上に努めるとともに、健全な財政運営に努めなければならない。
2 市は、資本金の2分の1以上を市が出資する法人に対し、その財政状況を市民にわかりやすく公表し、健全な財政運営と経営の透明化を図るよう、指導及び助言を行うものとする。
(市民の意見等の聴取及び応答責任)
第25条 市は、常に市民の意見、要望、提案及び苦情等(以下「意見等」という。)の聴取に努めなければならない。
2 市は、市民の意見等に対して、速やかに応答しなければならない。
(施策等の説明)
第26条 市は、施策や事業の企画、実施及び評価のそれぞれの過程において、その内容及び効果等を市民に分かりやすく説明しなければならない。
(重要な施策等の策定)
第27条 市は、重要な施策等の策定等に当たり、事前にその案を公表し、市民の意見を募り、当該意見に対する説明責任を果たさなければならない。
(行政評価)
第28条 市は、効率的かつ効果的で透明性の高い行政運営を行うため、客観的な行政評価を行い、その結果を市民に公表しなければならない。
2 前項の行政評価を行うに当たっては、市民の視点で評価を行う外部評価の方法を用いるよう努めるものとする。
(住民投票)
第29条 市は、市政において特に重要な事項について広く市民の意見を問う必要があるときは、住民投票を実施することができる。
2 市は、住民投票を実施しようとするときは、対象事案に応じた条例を別に定めるものとする。
3 市は、住民投票を実施しようとするときは、投票権者や投票の方法等について、市民の意見が適切に反映されるよう考慮しなければならない。
4 市は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
第7章 条例の検証と改正
(条例の検証と改正)
第30条 市長は、三好市を取り巻く社会環境の変化に応じてこの条例の施行状況を検証し、必要があると認めるときは、この条例の改正その他適切な措置を講じなければならない。
2 市長は、前項の規定による検証、条例の改正等の措置を講ずるに当たっては、広く市民の意見を聴取しなければならない。
附 則
この条例は、平成24年10月1日から施行する。