条例

丸亀市自治基本条例

自治体データ

自治体名 丸亀市 自治体コード 37202
都道府県名 香川県 都道府県コード 00037
人口(2015年国勢調査) 109,513人

条例データ

条例本文

丸亀市自治基本条例
(平成18年3月27日条例第5号)

目次

第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 市民の権利及び責務(第4条・第5条)
第3章 議会の権能及び責務(第6条-第8条)
第4章 市長、他の執行機関及び職員の責務(第9条-第11条)
第5章 コミュニティ活動と市民公益活動(第12条・第13条)
第6章 情報の共有(第14条・第15条)
第7章 市民参画及び協働(第16条-第21条)
第8章 市政運営の原則(第22条-第31条)
第9章 最高規範性(第32条)
第10章 雑則(第33条・第34条)
附則

前文
丸亀市は、讃岐平野の中央に位置し、飯野山、土器川とその周りに広がる田園は、讃岐の山並みへと続き、穏やかな瀬戸内海には島々が点在しております。温暖な気候風土は、産業を振興させ、人々の暮らしを豊かにし、まちを発展させるとともに、丸亀城を始めとする歴史遺産や伝統、文化を育んできました。
私たち丸亀市民は、ふるさとに深い愛着を抱いており、先人たちが守り続けてきた、豊かな自然や育まれた産業、培われてきた歴史や伝統、文化を受け継ぎ、次世代に引き継いでいかなければなりません。
私たちは、これからの地方分権時代における多様で個性豊かな地域社会を形成していくために、主権者である市民一人ひとりが主体となって、役割を分担し、自らの責任を果たし、協力しなければなりません。私たちは、お互いに個人として尊重されるとともに、自らの意思と責任に基づいて主体的に行動することを自治の基本理念として定め、安全で安心して暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
ここに私たちは、地方自治の本旨に基づき、丸亀市における自治の基本理念を共有し、自治の更なる進展のために自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、丸亀市における自治の基本理念を明らかにし、市民の権利及び責務並びに市長及び議会の権能及び責務を明確にするとともに、市政に関する基本的な事項を定めることにより、自治の進展を図り、自立した地域社会を実現し、市民福祉の向上を目指すことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住み、働き、学ぶ者及び市内において事業又は活動を行う法人その他の団体をいう。
(2) 市長等 市長、消防長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(3) 参画 市の政策の立案、実施及び評価に至る過程に、責任を持って主体的に関与することをいう。
(4) 協働 市民及び市が、それぞれの責任と役割分担に基づき、互いの特性を尊重しながら、対等な立場で協力し合うことをいう。
(基本原則)
第3条 第1条の目的を達成するため、次に掲げることをこの条例の基本原則とする。
(1) 市民及び市は、一人ひとりの人権を尊重すること。
(2) 市民及び市は、互いに市政に関する情報を共有し合うこと。
(3) 市民は、市政への参画の機会が保障されること。
(4) 市民及び市は、協働してまちづくりを行うこと。
(5) 市民の自治活動は、自主性を基本とし、尊重されること。
[第1条]
第2章 市民の権利及び責務
(市民の権利)
第4条 市民は、個人として尊重され、安全で安心な生活を営むとともに等しく市の行政サービスを受ける権利を有する。
2 市民は、市が行う政策の形成、執行、評価及び政策の形成への反映(以下「政策形成等」という。)の過程に参画する権利を有する。
3 市民は、市が保有する情報を知る権利を有する。
4 市民は、互いに対等な立場で前3項に規定する権利を行使することができる。
5 市民は、市政への参画に当たり、自主性及び自立性が尊重される権利を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、自治の主体であることを自覚し、互いに尊重し合うとともに、協働による自治の推進に努めるものとする。
2 市民は、政策形成等の過程に参画するに当たっては、自らの行動及び発言に責任を持ち、前条に規定する権利の行使に当たっては、これを濫用してはならない。
3 市民は、行政サービスに伴う負担を分任しなければならない。
第3章 議会の権能及び責務
(議会の権能)
第6条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)の定めるところにより、条例の制定又は改廃、予算の決定、決算の認定のほか、市政に関する事項で別に法令及び条例で定められた事項について議決する。
2 議会は、市民の意思が市政に反映され、適正に市政運営が行われているかを監視し、けん制する権能を果たさなければならない。
(議会の責務)
第7条 議会は、会議を公開するとともに、議会の保有する情報を市民と共有し、開かれた議会運営に努めなければならない。
2 議会は、自らの権能と責務に関する基本的な事項を定め、市民に対し、議会の役割を明確にするよう努めなければならない。
(議員の責務)
第8条 議員は、議会活動に関する情報、市政の状況等について、市民に対して説明するよう努めなければならない。
2 議員は、市民福祉の向上を図るため、市政調査、議案提出等の権能を積極的に活用するよう努めなければならない。
第4章 市長、他の執行機関及び職員の責務
(市長の責務)
第9条 市長は、市政の代表者としてこの条例の理念を実現するため、毎年市政の基本方針を明らかにし、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 市長は、市民の意向を適正に判断し、市政の課題に対処したまちづくりを推進しなければならない。
3 市長は、職員を指揮監督し、その能力を評価した上で適正に配置するとともに、人材の育成を図らなければならない。
(他の執行機関の責務)
第10条 市長を除く執行機関は、その職務に応じて、市長と同様の責務を負い、市長及び他の執行機関と協力して市政の運営に当たらなければならない。
(職員の責務)
第11条 職員は、市民本位の立場に立ち、公正、誠実かつ効率的にその職務を遂行しなければならない。
2 職員は、職務の遂行に当たっては、法令及び条例等を遵守しなければならない。
3 職員は、職務の遂行に必要な知識や技術等の能力開発及び自己啓発を行うとともに、創意工夫に努めなければならない。
第5章 コミュニティ活動と市民公益活動
(コミュニティ活動)
第12条 市民は、安心して心豊かに暮らすことのできる地域社会を実現するため、自主的な意思によってまちづくりに取り組み、お互いに助け合い、地域の課題を共有し、解決に向けて自ら行動するものとする。
2 市長等は、前項に規定する市民の自主的な地区におけるコミュニティ活動の役割を尊重しながら適切な施策を講じなければならない。
(市民公益活動)
第13条 市長等は、自発的かつ自主的に行われる非営利の活動で、様々な分野で社会的な課題を解決し、よりよい社会づくりに寄与することを目的とする市民公益活動を尊重するとともに、その活動を促進するための適切な施策を講じなければならない。
第6章 情報の共有
(情報の公開及び共有)
第14条 市は、市政運営の公正の確保と透明性の向上を図り、参画と協働による開かれた市政を実現するため、市が保有する情報を積極的に公開するとともに、市民との情報の共有に努めなければならない。
2 前項の規定による情報の公開に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(個人情報の保護)
第15条 市は、市民の基本的人権を守るため、個人情報の保護を厳正に行うとともに、自己に係る個人情報の開示、訂正等を請求する市民の権利に対して、適切な措置を講じなければならない。
2 前項に規定する個人情報の保護に関し必要な事項は、別に条例で定める。
第7章 市民参画及び協働
(参画)
第16条 市は、市民参画を促進させるため、様々な制度や施策を講じて、広く市民が参画する機会を保障しなければならない。
2 市長等は、市民が参画しないことによって不利益を受けることのないよう配慮しなければならない。
(政策形成及び実施過程への参画)
第17条 市長等は、市民の政策形成及び実施過程への参画を保障するため、市民生活に重要な影響を及ぼす計画の策定、条例の制定改廃又は施策を実施しようとするときは、市民に意見を求めなければならない。ただし、緊急を要する場合はこの限りでない。
2 市長等は、市民に意見を求めるときは、パブリック・コメント、アンケート調査、公聴会の開催等適当な方法で実施するものとする。この場合において、市民に対して十分な情報を提供するとともに、適当な検討期間を設けなければならない。
3 前2項に規定する意見を求める場合に関して必要な事項は、別に定める。
(審議会等の運営)
第18条 市長等は、市の執行機関に設置する審議会等の委員を選任する場合は、委員構成における中立性の保持に留意するとともに、原則として市民からの公募による委員を参加させなければならない。
2 市長等は、審議会等の会議及び会議録を原則として公開しなければならない。
3 前2項に規定する審議会等の委員の公募並びに会議及び会議録の公開に関する手続その他必要な事項は、別に条例で定める。
(住民投票)
第19条 市長は、市政に関する重要事項について、住民の意見を直接問う必要があると認めたときは、住民投票を実施することができる。
2 住民投票を実施しようとするときは、対象事案に応じた条例を別に定めるものとする。
3 議員及び市長の選挙権を有する住民は、法の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、前項に規定する条例の制定を請求することができる。
4 議員は、市民の意見を直接問う必要があると認めたときは、法の定めるところにより、議員の定数の12分の1以上の者の賛成を得て、第2項に規定する条例の制定を発議することができる。
5 市長及び議会は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
(協働)
第20条 市民及び市は、お互いに対等な立場で、相互理解を深めるとともに信頼関係の下に、協働してまちづくりを進めるよう努めなければならない。
2 市長等は、前項に規定する協働を推進するに当たり、市民の自発的な活動を支援するよう努めるものとする。
(自治推進委員会の設置)
第21条 市民参画及び協働の適正かつ円滑な推進及び市民による自治の進展を図ることを目的として、丸亀市自治推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、市長の諮問に応じ、自治の推進に関する事項について審議し、市長に答申するものとする。
3 委員会は、前項に規定するもののほか、自治の推進に関する重要事項について、市長に提言することができる。
4 市長は、委員会の答申及び提言を尊重しなければならない。
5 委員会に関し必要な事項は、市長が別に定める。
第8章 市政運営の原則
(行政手続)
第22条 市長等は、行政処分等に関する手続を定めて、市民の権利利益の保護に努めなければならない。
2 前項の手続について必要な事項は、別に条例で定める。
(説明責任及び応答責任)
第23条 市長等は、政策の立案、実施及び評価に至る過程において、その経過、内容、効果等について市民に分かりやすく説明する責任を果たさなければならない。
2 市長等は、市民から提示された意見等に対し、速やかに回答するとともに、公表しなければならない。
(総合計画)
第24条 市は、この条例の理念にのっとり、市政の運営を図るための総合的な計画(以下「総合計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、総合計画の内容を実現するため、適切な進行管理を行わなければならない。
3 市長は、総合計画が社会の変化に対応できるよう常に検討を加え、必要に応じて見直しを図らなければならない。
(組織)
第25条 市長等は、事務及び事業の運営が簡素かつ効率的なものとなるよう十分配慮するとともに、市民に分かりやすい組織の編成を行わなければならない。
2 市長等は、社会情勢に柔軟に対応し、政策を着実に実現するため常に見直しに努めなければならない。
(財政の健全性の確保)
第26条 市長は、健全財政の確保に努め、効率的かつ重点的に市の行政を担わなければならない。
2 市長は、法及び条例で定めるところにより、毎年2回以上歳入歳出予算の執行状況並びに財産、地方債及び一時借入金の現在高その他財政に関する事項を市民に公表しなければならない。
(出資法人に対する指導等)
第27条 市長等は、市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人に対し、当該法人の運営が健全に維持されるよう必要な指導及び助言を行うものとする。
(行政評価)
第28条 市長等は、総合計画の推進に当たり行政評価を実施し、その結果に基づき、施策等を見直すとともに、総合計画の進行管理及び予算の編成に反映させなければならない。
2 市長等は、行政評価の実施に当たって市民参画に努めるとともに、その結果を公表しなければならない。
(監査)
第29条 市は、公平・公正で効率的な行政運営を確保するため、専門性及び独立性を有する外部監査人による財務事情及び特定の事業等に関する監査を実施するものとする。
(国及び県との関係)
第30条 市は、国及び香川県と対等の関係にあることを踏まえ、適切な役割分担を行い、自立した地方自治を確立するよう努めなければならない。
(他の地方公共団体等との関係)
第31条 市は、他の地方公共団体及び関係機関との共通課題又は広域的課題に対しては、自主性を保持しつつお互いに連携し、協力し合いながら解決に当たるよう努めなければならない。
2 市は、前項に規定する課題を解決するため、他の地方公共団体及び関係機関と共同で組織を設けることができる。
第9章 最高規範性
第32条 この条例は、自治の基本的事項及び市政に関する最高規範であり、市民及び市は、誠実にこれを遵守しなければならない。
2 市長等は、この条例の理念にのっとり、市政運営及び施策の実現に向けた基本的な制度の整備に努めるとともに、条例及び規則等の体系化を図らなければならない。
第10章 雑則
(条例の見直し)
第33条 市長は、この条例の施行の日から5年を超えない期間ごとに、各条項がこの条例の理念に適合したものかどうかを検討するものとする。
2 市長は、前項に規定する検討の結果を踏まえ、この条例の見直しが適当であると判断したときは、必要な措置を講じるものとする。
3 市長は、前項に規定する必要な措置を講じるに当たっては、市民の意見を聴かなければならない。
(委任)
第34条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に条例で定めるものを除くほか、市長等が別に定める。
附 則
この条例は、平成18年10月1日から施行する。