鹿児島市の市民参画を推進する条例
自治体データ
自治体名 | 鹿児島市 | 自治体コード | 46201 |
都道府県名 | 鹿児島県 | 都道府県コード | 00046 |
人口(2015年国勢調査) | 593,128人 |
条例データ
制定年 | 2003年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 説明会 公聴会 ワークショップ 市民会議 審議会委員の市民公募 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.kagoshima.lg.jp/shimin/shiminbunka/shiminkyodo/machizukuri/kocho/sankaku/suishin/index.html |
条例本文
鹿児島市の市民参画を推進する条例
平成15年3月29日
条例第3号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 市民参画手続の実施
第1節 市民参画手続における通則(第6条―第11条)
第2節 市民参画手続の方法(第12条―第19条)
第3章 市民参画手続を経ずに提出された市民からの意見等の取扱い(第20条・第21条)
第4章 鹿児島市市民参画推進に関する市民会議(第22条―第30条)
第5章 雑則(第31条)
付則
鹿児島市民は、美しい自然と豊かな歴史、そして薫り高い文化が育んだ、わがまち鹿児島市に誇りと愛着を抱き、市勢の限りない発展のため、すすんで市政に参画することを希求しています。
地方自治の目指すものは、住民自治を基本にして、住民参加のもと、住民の意思が反映される行政を行うことであります。
鹿児島市は、このことを踏まえ、市政に関する情報をすすんで公開して、市民と共有することにより、さらに開かれた市政を行い、市政に対する市民の関心と意欲を高め、市民と協働するまちづくりを推進します。
ここに、市民参画の基本的な理念を明確にし、市政に対する市民の参画をさらに推進するため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市における市民参画の基本的な事項を定めることにより、市政への市民参画の推進を図り、もって市民と市との協働によるまちづくりを進めることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民参画 市の施策の企画立案から意思決定に至るまでの過程において、市民が自己の意思を反映させることを目的として意見を述べ、又は提案を行い、及び市の施策の実施の過程において市民と市が協働することにより、市民が市政に参画することをいう。
(2) 協働 市民と市がそれぞれの果たすべき役割を自覚することにより、相互に補完し、及び協力することをいう。
(3) 実施機関 市長、公営企業管理者、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(4) パブリックコメント手続 市の施策を行うに当たり、実施機関がその趣旨、内容その他必要な事項を公表し、書面等により広く市民の意見等を求める方法で行う手続をいう。
(5) 審議会等 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する法律又は条例に基づき設置された附属機関及び実施機関が定める要綱等により設置された懇談会等をいう。
(市民参画の基本原則)
第3条 市民参画は、市民に平等にその機会が与えられることにより行われなければならない。
2 市民参画は、市民と市が市政に関する情報を共有することにより行われなければならない。
3 市民参画は、市民と市がまちづくりの協働のパートナーとして、相互の役割を理解し、尊重して行われなければならない。
4 市民参画は、市民の多様な価値観等に公平かつ的確に対応して行われなければならない。
(市民の役割)
第4条 市民は、市政への関心を高め、自主的かつ自発的に市民参画を行うよう努めなければならない。
2 市民は、自らの発言と行動に責任を持って積極的に市民参画を行うよう努めなければならない。
3 市民は、特定の個人及び団体の利益を図ることを目的とせず、市民全体の公共の利益を考慮することを基本として市民参画を行うよう努めなければならない。
4 市民は、市民参画を推進するため、公益的な市民活動に関して理解を深めるよう努めなければならない。
(市の役割)
第5条 市は、市民参画の機会を積極的に設けるよう努めなければならない。
2 市は、市政に関する情報を公平かつ的確に提供し、市民との情報の共有化に努めなければならない。
3 市は、市民に対し説明責任を果たすよう努めなければならない。
4 市は、市民の意向を把握し、市の施策に反映させるよう努めなければならない。
5 市は、市民参画を推進するため、公益的な市民活動に協力するよう努めなければならない。
第2章 市民参画手続の実施
第1節 市民参画手続における通則
(市民参画手続の実施)
第6条 この条例における市民参画の手続(以下「市民参画手続」という。)の方法は、次に掲げるとおりとする。
(1) パブリックコメント手続の実施
(2) 審議会等への付議
(3) 意見交換会等の開催
(4) ワークショップ方式(市民と市又は市民同士が、相互に議論することにより案を作り上げていく手法で行う市民参画のための手続をいう。)その他の市民参画のための手続(第19条において「ワークショップ方式等」という。)の実施
2 実施機関は、次条第1項各号に掲げる施策を行おうとするときは、前項各号に掲げる市民参画手続の方法のうち、いずれかの方法により市民参画手続を実施するものとする。この場合において、実施機関は、原則としてパブリックコメント手続を実施するものとし、施策の内容に応じ他の市民参画手続の方法を用いることが適当と認める場合にあっては、パブリックコメント手続の実施に代えて、同項第2号から第4号までに掲げる市民参画手続の方法のうち、いずれか適当と認める方法により市民参画手続を実施することができるものとする。
3 実施機関は、前項の規定に基づき市民参画手続を実施する場合においては、必要に応じて当該市民参画手続以外の市民参画手続を実施するよう努めなければならない。
(市民参画手続の対象等)
第7条 市民参画手続の対象となる施策は、次に掲げるとおりとする。
(1) 市の基本的な政策を定める計画及び個別行政分野における施策の基本的な事項を定める計画の策定又は変更
(2) 公用又は公共用に供される重要な施設の建設等に係る計画の策定又は変更
(3) 次に掲げる条例、規則等の制定又は改廃
ア 市の基本的な方針又は制度を定めるもの
イ 市民に義務を課し、又はその権利を制限することを内容とするもの
ウ 市民生活に重大な影響を及ぼすもの
(4) 前3号に掲げるもののほか、特に市民参画手続を実施する必要があると認められるもの
2 前項第1号から第3号までに掲げる施策のうち、次の各号のいずれかに該当するものについては、市民参画手続の実施を要しないものとする。
(1) 地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するもの(金銭徴収を含む条例を新たに制定する場合にあっては、金額に関する事項に限る。)
(2) 意見聴取手続が法令等により定められているもの
(3) 実施基準が法令等により定められているもの
(4) 施設、設備等の維持管理に関するもの
(5) 実施機関の内部にのみ適用されるもの
(6) 軽微なもの
(7) 緊急を要するもの
3 前項第7号に掲げる要件に該当することを理由に市民参画手続を実施しなかった場合においては、事後速やかにその理由等を公表するものとする。
(実施時期)
第8条 実施機関は、市民参画手続を実施するときは、前条第1項各号に掲げる施策の企画立案から意思決定に至るまでの過程における適切な時期に行うものとする。
(提出された意見等の取扱い)
第9条 実施機関は、市民参画手続を経て提出された市民の意見等を市の施策に反映させるよう努めなければならない。
2 実施機関は、前項に規定する市民の意見等に対する検討を終えたときは、鹿児島市情報公開条例(平成13年条例第14号)第7条に規定する不開示情報(以下「不開示情報」という。)に該当するものを除き、別に規則で定める事項について、速やかに公表するものとする。
(公表の方法)
第10条 第7条第3項、前条第2項、次条、第13条第1項、第15条第4項及び第16条第2項の規定に基づく公表は、別に規則で定める方法により行うものとする。
(市民参画手続の実施予定及び実施状況の公表)
第11条 市長は、毎年度、各実施機関のその年度における市民参画手続の実施予定及び前年度における市民参画手続の実施状況を取りまとめ、これを公表するものとする。
第2節 市民参画手続の方法
(パブリックコメント手続の実施)
第12条 パブリックコメント手続の実施の方法により行う市民参画手続の実施については、前節及び次条に定めるところによる。
(パブリックコメント手続の対象とする事項の案の公表等)
第13条 実施機関は、パブリックコメント手続を実施するときは、事前に次に掲げる事項を公表するものとする。
(1) 対象とする事項の案
(2) 対象とする事項の案を作成した趣旨、目的等
(3) その他実施機関が必要と認める資料
(4) 意見等の提出方法、提出期間及び提出先
2 市民は、パブリックコメント手続の実施により意見等を提出するときは、別に規則で定める提出方法等により行うものとする。
(審議会等への付議)
第14条 審議会等に付議する方法により行う市民参画手続の実施及びその審議会等の構成員の選考等については、前節及び次条から第17条までに定めるところによる。
(審議会等の構成員)
第15条 実施機関は、法令等の定めその他正当な理由がある場合を除き、公募により選考された者を審議会等の構成員に加えるものとする。
2 実施機関は、審議会等の構成員を選考するに当たっては、男女の割合に配慮するとともに、幅広い分野から人材を登用することにより、市民の多様な意見が反映されるよう努めなければならない。
3 第1項の公募の実施及び前項の審議会等の構成員の選考に関し必要な事項は、実施機関が別に定めるものとする。
4 実施機関は、毎年度、審議会等の構成員の氏名及び選任の区分を公表するものとする。
(審議会等の会議公開の原則)
第16条 審議会等の会議(以下この条及び次条において「会議」という。)は、これを公開するものとする。ただし、不開示情報が明らかになることその他正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。
2 実施機関は、会議を非公開とする場合及び緊急に会議を開催する必要がある場合を除き、会議の開催に当たっては、事前に開催日時、開催場所、議題等を公表するものとする。
3 実施機関は、会議を公開する場合は、会議に係る資料を提供する等傍聴者が当該会議の内容について理解を深めることができるよう努めなければならない。
(会議に関する記録の作成及び公開)
第17条 実施機関は、会議が開催されたときは、当該会議に関する記録を作成するものとする。
2 前項の会議に関する記録は、これを公開するものとする。ただし、当該記録に不開示情報が記録されているときは、鹿児島市情報公開条例第8条に規定する公文書の部分開示の方法の例により当該不開示情報が記録されている部分を除き公開するものとする。
(意見交換会等の開催)
第18条 意見交換会等の開催の方法により行う市民参画手続の実施については、前節に定めるところによるほか、前2条の規定を準用する。
2 前項に定めるもののほか、意見交換会等の開催に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
(ワークショップ方式等の実施)
第19条 ワークショップ方式等の実施の方法により行う市民参画手続の実施については、前節に定めるところによるほか、第16条及び第17条の規定を準用する。
2 前項に定めるもののほか、ワークショップ方式等の実施に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
第3章 市民参画手続を経ずに提出された市民からの意見等の取扱い
(市民参画手続を経ずに提出された市民からの意見等の取扱い)
第20条 実施機関は、前章の規定による市民参画手続を経ずに提出された市民からの意見等で、その内容がこの条例の目的に合致すると認められるものについては、第9条に規定する市民参画手続を経て提出された市民の意見等の取扱いに準じて取り扱うよう努めなければならない。
(市民の意見等の把握)
第21条 実施機関は、前章及び前条に定めるもののほか、適切な方法により、市政運営に関する市民の意見等を積極的に把握するよう努めなければならない。
第4章 鹿児島市市民参画推進に関する市民会議
(設置)
第22条 本市の市民参画の推進について、調査審議させるため、鹿児島市市民参画推進に関する市民会議(以下「市民会議」という。)を置く。
(所掌事務)
第23条 市民会議の所掌事務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 市民参画の推進状況について意見を述べること。
(2) 市民参画の新たな方法の調査及び研究に関すること。
(3) その他市民参画の推進に関し必要な事項
(組織)
第24条 市民会議は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する委員15人以内をもって組織する。
(1) 学識経験者
(2) 市長が行う公募に応じた者
(3) その他市長が必要と認める者
(任期)
第25条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第26条 市民会議に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。
3 会長は、市民会議を代表し、会務を総理し、市民会議の会議(以下「会議」という。)の議長を務める。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第27条 会議は、会長が招集する。
2 会議は、委員(会長及び副会長である委員を含む。)の過半数の出席がなければ、これを開くことができない。
3 会長は、必要があると認めるときは、委員以外の者に会議への出席を求め、意見を聴くことができる。
(市民会議の構成員の選考等)
第28条 市民会議の構成員の選考、会議の公開等については、第15条から第17条までに定めるところによる。
(庶務)
第29条 市民会議の庶務は、市民局市民部市民協働課において処理する。
(平21条例25・一部改正)
(会長への委任)
第30条 この章に定めるもののほか、市民会議の運営について必要な事項は、会長が市民会議に諮って定める。
第5章 雑則
(委任)
第31条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
付 則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年6月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、既に着手している施策であって、第2章の規定による市民参画手続を実施することが困難であると認められるものについては、同章の規定は、適用しない。
(鹿児島市報酬及び費用弁償条例の一部改正)
3 鹿児島市報酬及び費用弁償条例(昭和42年条例第27号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
付 則(平成21年3月27日条例第25号)
この条例は、平成21年4月1日から施行する。