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条例

大分市まちづくり自治基本条例

自治体データ

自治体名 大分市 自治体コード 44201
都道府県名 大分県 都道府県コード 00044
人口(2015年国勢調査) 475,614人

条例データ

条例本文

○大分市まちづくり自治基本条例

平成24年3月27日条例第1号

目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 基本理念及び基本原則(第3条・第4条)
第3章 市民、議会及び市長等の役割等
第1節 市民(第5条・第6条)
第2節 議会(第7条)
第3節 市長等(第8条―第10条)
第4章 行政運営(第11条―第21条)
第5章 市民参画等(第22条―第27条)
第6章 まちづくりの推進(第28条―第31条)
第7章 この条例の位置付け(第32条)
附則

わたしたち大分市民は、緑豊かな山々、豊饒ほうじょうの海である豊後水道と別府湾、清らかで豊かな水に恵まれた大分川と大野川を持つ、この美しく住みよいまち大分市をこよなく愛しています。
大分市は古くは豊後の国の国府が置かれ、十六世紀には国際交流都市を築くなど、歴史と文化の香りあふれるまちであり、今も産業集積都市として発展を続ける東九州の中心都市です。
わたしたちは、こうした自然や歴史を育み、文化や産業を築いた先人の偉業を誇りとし、一人ひとりの生きた証が、このまちの輝かしい未来につながると信じています。
わたしたち大分市民は、互いに人権を尊重し、ともに考え、行動し、豊かな自然環境と平和で幸福な暮らしを、子どもや孫の世代に確実に引き継ぎ、発展させていくことを誓い、その道しるべとして、本市の在り方を定める最高規範である大分市まちづくり自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市における自治の基本理念及び基本原則を明らかにするとともに、市民、議会及び市長等の役割、行政運営の方法、市民の参画その他のまちづくりの基本となる事項を定めることにより、市民主体による自治の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「市民」とは、次のいずれかに該当するものをいう。
(1) 市内に住所を有する者
(2) 市内に通勤し、又は通学する者
(3) 市内で事業を営み、又は活動する個人及び法人その他の団体(以下「事業者、地域活動団体等」という。)
2 この条例において「市長等」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会その他の市の執行機関及び水道事業管理者をいう。
3 この条例において「協働」とは、市民、議会及び市長等が各々の役割分担のもと、手を取り合って共通の課題解決に取り組むことをいう。
4 この条例において「総合計画」とは、本市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及びそれを実現するため、本市の行政全般にわたり総合的かつ体系的に定める基本計画を総称したものをいう。
第2章 基本理念及び基本原則
(基本理念)
第3条 本市は、市民の幸せな暮らしの実現を目指すために市民主体によるまちづくりを行うことを自治の基本理念とする。
(基本原則)
第4条 本市は、次に掲げる事項を自治の基本原則としてまちづくりを行うものとする。
(1) 市民総参加の原則 全ての市民が、性別、年齢等を問わず、まちづくりに参加できる機会を有すること。
(2) 情報共有の原則 まちづくりに関する情報を市民、議会及び市長等が共有すること。
(3) 協働の原則 市民、議会及び市長等が、協働によりまちづくりに取り組むこと。
第3章 市民、議会及び市長等の役割等
第1節 市民
(市民の権利)
第5条 市民は、安心で安全かつ快適な生活を求めていく権利を有する。
2 市民は、公正な行政サービスを受けることができる。
3 市民は、まちづくりに参画することができる。子どもも年齢に応じたまちづくりへの参画を行うことができる。
4 市民は、市政に関する情報について、公開又は提供を求めることができる。
5 子どもは、将来の地域社会を担う市民として健やかに育つ環境を求めることができる。
(市民の責務)
第6条 市民は、自らが自治の主体であることを認識するとともに、まちづくりに関し次に掲げる責務を負う。
(1) まちづくりへ積極的に参画し、又は自らまちづくりに取り組むよう努めること。
(2) 互いに権利を尊重し、理解し、及び協力するよう努めること。
(3) 自らの発言と行動に責任を持つこと。
(4) 地域コミュニティへの参加を通じて、助け合いの精神を育み、地域の課題解決に向けた行動に努めること。
(5) 行政サービスに伴う市税等、応分の負担を負うこと。
2 市民は、将来の地域社会を担う子どもが、健やかに育つための環境作りに努めなければならない。
3 事業者、地域活動団体等は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を認識し、地域社会との調和を図り、暮らしやすい地域社会の実現に寄与するよう努めるものとする。
第2節 議会
(議会の基本的役割と責務)
第7条 議会は、住民の直接選挙で選ばれた議員で構成される本市の議事機関であり、住民の代表機関、本市の意思決定機関としての役割を担う。
2 議会は、市民福祉の向上を図ることを基本として、市政の運営に関し二元代表制の一翼を担う重大な責務を有する。
3 議会は、市民に開かれた議会とし、その責務を明らかにし、市民の信託にこたえるものとする。
4 議会における活動原則、市民及び市長との関係等の基本的事項については、別に条例で定めるところによる。
第3節 市長等
(市長等の基本的役割と責務)
第8条 市長等は、効率的で、公正かつ透明性の高い行政運営を行わなければならない。
2 市長等は、総合計画に即した総合的かつ計画的な行政運営を行わなければならない。
3 市長等は、公平かつ効率的で質の高い行政サービスの提供を図ることにより、市民福祉の向上に努めなければならない。
4 市長等は、その権限に属する事務を公正かつ誠実に執行するとともに、相互に連携して行政機能を発揮するよう努めなければならない。
5 市長等は、適切に職員を指揮監督するとともに、職員の能力向上を図り、その能力が発揮されるよう努めなければならない。
6 市長等は、市民と協働し、自治及び地域コミュニティ活動の発展を支える人材の育成に努めるものとする。
(市長の基本的役割と責務)
第9条 市長は、市民の信託を受けた本市の代表として、事務の管理及び執行、補助機関である職員の指揮監督、市政全体の総合調整その他の権限を適正に行使しなければならない。
2 市長は、市民自治の推進及び市民福祉の向上を図るため、必要な施策を講じなければならない。
3 市長は、最少の経費で最大の効果を挙げるため、効率的な行政運営を行うよう努めなければならない。
4 市長は、政策の立案、実施及び評価の過程について、市民への説明責任を果たすための必要な措置を講じなければならない。
5 市長は、行政サービスの向上を図るため、市民の意向、地域の実情等を把握するとともに、これらを的確に市政に反映させるよう努めなければならない。
(職員の責務)
第10条 職員は、全体の奉仕者として、公正、公平かつ誠実に職務に従事し、全力を挙げてその職務に専念しなければならない。
2 職員は、職務に必要な専門的知識の習得及び能力の向上に努めなければならない。
3 職員は、常に法令を遵守するとともに、職務に関し違法又は不当な事実があると認めるときは、適切に対応しなければならない。
第4章 行政運営
(総合計画)
第11条 市は、総合的かつ計画的な行政運営を図るための最上位の計画として、総合計画を策定するものとする。
2 総合計画は、市民の参画の機会を経て策定されなければならない。
3 市は、総合計画の進行を管理し、その状況を公表しなければならない。
(財政運営)
第12条 市長等は、中期的な財政見通しのもとに予算を編成するなど、計画的で健全な財政運営に努めなければならない。
(政策法務)
第13条 市長等は、市政の課題に対応した政策を実行するため、条例、規則等の整備を適正に行うとともに、市の事務に関する法令の解釈に当たっては、地方自治の本旨に基づき、自主的かつ適正な解釈を行うよう努めなければならない。
(条例の制定等の手続)
第14条 市長は、市政に関する重要な条例を立案しようとするときは、市民の参画を図り、又は市民の意見を反映させるよう努めなければならない。
(行政評価)
第15条 市長等は、効率的かつ効果的な行政運営を図るため、行政評価に関する制度を整備し、実施するものとする。この場合において、市長等は、市民の視点に立った外部評価を可能な限り公開で行うものとする。
2 市長等は、前項の規定による行政評価の結果を市民に公表するとともに、必要に応じて、行政運営の見直しを行わなければならない。
(行政手続)
第16条 市長等は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、別に条例で定めるところにより、処分、行政指導等に関する手続を明らかにするものとする。
(情報公開)
第17条 市長等は、市政に関して市民に説明する責任を果たすとともに、市政に対する市民の理解と信頼を深めるため、別に条例で定めるところにより、市が保有する情報を公開するものとする。
(個人情報の保護)
第18条 市長等は、個人の権利利益の保護及び市政の適正な運営に資するため、別に条例で定めるところにより、市が保有する個人情報を適正に取り扱うものとする。
(権利保護及び苦情対応)
第19条 市長等は、行政運営における市民の権利利益を擁護するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市長等は、行政運営に関する意見、要望、苦情等があった場合は、速やかに事実関係等を調査し、必要があると認めるときは、その改善のための適切な措置を講じなければならない。
(危機管理体制の整備等)
第20条 市長等は、常に災害等の緊急の事態に備え、市民の身体、生命、財産の安全性が確保できるよう、危機管理体制を整備するとともに、その対応に当たっては、市民、関係団体等との連携及び協力を図るものとする。
(行政組織の編成)
第21条 市長等は、市民に分かりやすく、機動的かつ効率的な行政運営が可能となるよう組織の編成を行うとともに、組織の横断的な調整を図るものとする。
第5章 市民参画等
(市民参画)
第22条 本市は、市民がまちづくりに参画する機会を確保する。
2 市長等は、市民がまちづくりに参画するための仕組みを整備するとともに、その周知を図るものとする。
(協働の推進)
第23条 市民、議会及び市長等は、目的と情報を共有し、相互の理解と信頼のもとに、協働によるまちづくりに取り組むよう努めなければならない。
2 市長等は、協働の推進に当たっては、市民の自主性及び自立性を損なわないよう配慮しなければならない。
(市民提案)
第24条 市長等は、市民の意見、提言等を市政に反映させるための制度の拡充に努めなければならない。
2 市長等は、政策の立案、実施、評価等の各段階における情報を、市民に積極的に提供するものとする。
(市民意見の聴取)
第25条 市長等は、重要な政策等の立案に当たっては、市民から意見を公募する手続(以下「パブリックコメント手続」という。)を実施し、広く市民の意見を求めなければならない。
2 市長等は、パブリックコメント手続を実施したときは、市民から提出された意見を考慮して意思決定を行うとともに、その意見に対する考え方を公表しなければならない。
3 市長等は、前2項の規定によるほか、あらゆる機会を通じて市政に関する市民意見の聴取に努めなければならない。
(住民投票)
第26条 市長は、市政に関する重要な事項について、直接、住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができるものとする。
2 市長は、前項の規定による住民投票を実施した場合は、その結果を尊重しなければならない。
3 住民投票の実施に関し必要な事項は、事案ごとに別に条例で定めるものとする。
(審議会、懇話会等)
第27条 市長等は、法令に基づき設置する審議会等のほか、必要に応じて市に対する提言、報告等を行う懇話会等を設置するものとする。
2 市長等は、法令等に別段の定めがある場合を除き、審議会、懇話会等の委員については、見識を有する者を選任するほか、公募等により市民の幅広い層から必要な人材を選任するよう努めなければならない。
3 市長等は、審議会、懇話会等の会議の公開に努めるものとする。
第6章 まちづくりの推進
(都市内分権)
第28条 市長等は、市民によるまちづくりの推進を図るため、地域における自主的かつ自立的な活動に対する適切な支援を行うなど、都市内分権の実現に向けた取組を推進するものとする。
(地域コミュニティ)
第29条 市長等は、地域コミュニティとの協働により、地域の特性をいかしたまちづくりを推進するものとする。
2 市長等は、地域における課題について、地域コミュニティの意向を把握するとともに、地域コミュニティにおける合意形成を支援し、その合意された意見を市政に反映させるよう努めるものとする。
3 市長等は、複数の地域に関する課題について、関係する地域コミュニティの調整が図られるよう必要な支援をするものとする。
(連携及び協力)
第30条 市長等は、まちづくりの課題について、国、県、他の地方公共団体等との連携を図り、その解決に努めるものとする。
2 市長等は、海外の行政機関等との連携及び協力を深めるとともに、得られた情報や知識を本市のまちづくりにいかすものとする。
(多様な文化の尊重等)
第31条 市民、議会及び市長等は、多様な文化及び価値観を理解し、尊重することにより、あらゆる人が地域社会の一員として受け入れられるよう努めるものとする。
第7章 この条例の位置付け
第32条 市民、議会及び市長等は、本市の自治の最高規範として、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。

附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。
(この条例の見直し)
2 市長は、5年を超えない期間ごとに、市民の意見を聴いた上で、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて見直し等の必要な措置を講ずるものとする。