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条例

久万高原町まちづくり基本条例

自治体データ

自治体名 久万高原町 自治体コード 38386
都道府県名 愛媛県 都道府県コード 00038
人口(2015年国勢調査) 7,404人

条例データ

条例本文

○久万高原町まちづくり基本条例

平成19年3月23日条例第14号

久万高原町は、愛媛県のほぼ中央に位置し、霊峰石鎚の雄大な山なみに象徴される素晴らしい自然環境に恵まれています。道後平野を一望する三坂峠を経て県都松山市と高知市を結ぶ国道33号が町を縦断しており、豊かな農林資源と冷涼な気候を生かした産業をはぐくむとともに、近隣の市町村との交流のなか多様な生活文化を築いてきました。
地方分権が推進され、地方自治体の自治自立体制が強く要請される中、人口の激減、少子高齢化などの克服しがたい共通課題を抱え、私たちはより確かな自治体制の構築に向けて、新しい行政圏域を誕生させました。
そして、新たなまちづくりの指針として『ひと・里・森がふれあい ともに輝く 元気なまち』を基本理念に町民憲章を制定しました。
私たちは、すべての町民が健康で快適に住み続けられる、災害に強く、安全で安心して暮らせる町の創造を目指します。
本来、自治の主権者は町民一人ひとりであり、町民は個人の意思を原点とした意見を町に信託し、町はこれを誠実公平に執行することが行政の基本です。町民も町もこれまでの行政運営に対する意識を改革し、行政主導から町民主導へとまちづくりの機軸を大きく転換していく必要があります。
こうした認識のもと、私たちはお互いの人権を尊重しながら、積極的な参画と協働によるまちづくりを推進し、町民、議会、町がそれぞれに果たす役割と責任を明らかにするために、町の最高規範として、この条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、久万高原町(以下「本町」という。)のまちづくりにおける、町民、議会及び町の役割や責務を明らかにし、本町のまちづくりを進めるための基本原則を定めることを目的とします。
(最高規範性)
第2条 町民、議会及び町は、この条例を本町の最高規範として尊重する責務を負います。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1) 町民 本町に住み、働き、学ぶすべての人のことをいいます。
(2) 町 議会を除く執行機関をいい、町民に対して地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担う自治体をいいます。
(3) 事業者 町内において経済的事業活動を行うものをいいます。
(4) コミュニティ 自主性と責任を自覚した町民で構成される地域社会の多様な集団及び組織をいいます。
(5) 参画 町が実施する施策や事業等の計画策定、実施、評価等の各段階に町民が参加することをいいます。
(6) 協働 町及び本町を構成する個人や団体がそれぞれの果たすべき責務及び役割を自覚し、相互に助け合い、協力し行動することをいいます。
第2章 基本原則
(基本原則)
第4条 町民、議会及び町は、まちづくりを推進するため、協働することを原則とします。
2 町民、議会及び町は、情報を共有することを原則とします。
3 町民、議会及び町は、互いに尊重し合い、常に信頼関係を築くための努力をすることを原則とします。
第3章 町民・コミュニティ
(町民の権利)
第5条 町民は、本町の自治の主体であり、まちづくりに参加する権利を有します。
2 町民は、まちづくりへの参加又は参加しないことを理由に差別的な扱いを受けることはありません。
(町民の責務)
第6条 町民は、まちづくりの主体であることを認識し、その権利の行使に当たっては常に公共の福祉に配慮するものとします。
2 町民は、自主的かつ自律的なまちづくりの活動に積極的に参加し、お互いを尊重するとともに、自らの発言と行動に責任を持つものとします。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、地域社会の一員として、まちづくりについて理解し、協力するように努めるものとします。
(コミュニティの尊重)
第8条 町民は、お互いに助け合い、はぐくみ合う心豊かな生活を送るため、まちづくりの重要な担い手となる自主的に形成された各種団体、ボランティア組織、NPO等の地域コミュニティの役割を尊重するものとします。
2 町は、前項に規定する地域コミュニティの活動を守り、育てるように努めるものとします。
(自治会)
第9条 自治会は、地域に根ざしたコミュニティとしての役割を認識し、地域における自治活動を自主的かつ自律的に守り、育てるように努めるものとします。
2 町は、地域における自治活動の支援に努めるものとします。
第4章 議会
(議会及び議員の責務)
第10条 議会は、町民の代表として選ばれた議員によって組織された本町における最高意思決定機関であり、その機能を発揮して、町民が主体のまちづくりを推進する責務を担うものとします。
2 議会は、町民に開かれた議会を目指すものとし、次に掲げる事項を基幹に、町民と協働するまちづくりを推進します。
(1) 議会は、原則公開とし、町民に開かれた場とします。
(2) 議会は、議会の保有する情報の公開や町民への情報提供の充実により、町民との情報の共有を進めるものとします。
(3) 議会は、町民の多様な意思を本町のまちづくりに反映させるため、町が適正な行政運営を行っているかを調査し、及び監視するとともに、町民に対してそれを明らかにするものとします。
(4) 議会は、議会の改革を目指し、自らも不断の検討を行うものとします。
3 議員は、自らの役割と責務を認識し、自己研 鑽さん に努めるとともに、地域の課題や町民の意見を把握し、町政全体の観点から的確な判断を行い、公正かつ誠実に職務を遂行します。
第5章 町
(町長の責務)
第11条 町長は、町政の執行に当たっては、町民参画を基本とし、町民の融和を念頭に置いた誠実公平な行政運営を行います。
2 町長は、町民がまちづくりに参加する権利を保障するとともに、町民の自主的かつ自律的な活動に対しその役割を理解し、必要に応じて支援及び協働をします。
3 町長は、町民に対して行政運営の説明責任及び迅速な応答責任を果たします。
4 町長は、町の職員を適切に指揮監督するとともに、行政課題に的確にこたえることができる知識及び能力を持った人材の育成を図り、効率的な組織運営に努めます。
(職員の責務)
第12条 町職員は、全体の奉仕者として町民本位の立場に立ち、町民との協働の視点をもって、全力を挙げて職務遂行に努めます。
2 町職員は、町民の要望、意見及び提言に対して誠実、効率的かつ迅速な対応に努めます。
3 町職員は、職務の遂行に必要な知識、技能等の向上に努めます。
4 町職員は、自らも地域の一員であることを自覚して地域の諸活動に参加し、町民との信頼関係づくりに努めます。
第6章 町政の運営
(情報公開及び提供)
第13条 町は、町の仕事の内容が町民に理解されるよう、積極的に情報公開を推進します。
2 町は、情報共有を進めるため、次に掲げる事項を基幹に、総合的な情報公開制度の整備を推進します。
(1) 町の行う仕事の内容を町民に分かり易く情報提供します。
(2) 町の行う仕事に関する町の会議を公開します。
(3) 町が保有する公文書その他の記録を請求に基づき公開します。
(個人情報の保護)
第14条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないよう、個人情報の収集、利用、提供及び管理等について必要な措置を講じます。
(危機管理)
第15条 町民、議会及び町は、協働して、災害、事故、公害及び犯罪等緊急時における危機管理対策の充実に努めます。
2 町民は、地域の連帯意識及び町民互助の精神が機能するよう、自主防災組織の編成に努めるなど、安心して、かつ、安全に暮らせる地域づくりを目指します。
第7章 財政
(予算の編成及び執行並びに決算)
第16条 町は、予算の編成に当たっては、中長期的な展望に立ち、総合計画を踏まえて健全で自立的な財政運営の確保に努めます。
2 町は、町民が予算を具体的に把握できるよう、十分な情報の提供に努めます。
3 町は、町の仕事の予定及び進ちょく状況が明らかになるよう、予算の執行計画を定めます。
4 町は、決算にかかわる町の主要な仕事の成果を説明する書類その他決算に関する書類を作成しようとするときは、これらの書類が仕事の評価に役立つものとなるよう配慮します。
(財産管理)
第17条 町は、町の財産の保有状況を明らかにし、財産の適正な管理及び効率的な運用を図るため、財産の管理計画を定めます。
(財政状況の公表)
第18条 町は、予算の執行状況並びに財産、地方債及び一時借入金の現在高その他財政に関する状況(以下「財政状況」という。)の公表に当たっては、別に条例で定める事項の概要を示すとともに、財政状況に対する見解を示します。
第8章 参画・協働のしくみ
(計画策定への参画)
第19条 町民は、総合計画を始め重要な計画及び条例の制定に当たっては、それらの審議に参画する権利を有します。
2 町は、前項の規定により広く町民の参加を求めることとし、多様な参画の方法を用意することにより多くの町民が参加できるように工夫します。
(審議会等への参画)
第20条 町は、町政の重要課題に対し、町民と協働して解決するために、審議会等を設けることとします。
2 審議会等の委員は、町民であることを基本とし、その構成員は、半数以上を公募の委員とすることを原則とします。
3 審議会等は、原則として公開し、会議録、資料等を公開します。
(町民提案制度)
第21条 町民は、町に対して具体的な提案を行うことができます。
2 町は、前項の規定による町民からの提案を尊重します。
3 町は、町民からの提案を受け付けるための制度について必要な事項を、条例、規則等で定めます。
(町民意見聴集制度)
第22条 町は、本町のまちづくりについて、幅広い町民からの意向を把握するため、町民意見聴集制度を実施します。
2 町は、町民意見聴集制度について必要な事項を、条例、規則等で定めます。
(行政評価)
第23条 町は、効率的かつ効果的に行政運営を行うとともに、実施し、又は実施しようとする政策、施策及び事務事業の評価を行い、その結果を町民に公表します。
2 評価の実施に当たっては、町民の評価への参画を得るとともに、常に最も効果的な方法で行うよう検討し、継続してこれを改善するものとします。
(住民投票)
第24条 町は、町政にかかわる重要事項について、町民から請求のあったとき、又は住民投票の必要があると認めたときは、別に条例で定めるところにより、住民投票を実施することができます。
2 町及び議会は、自ら住民投票を発議することができます。
(協働)
第25条 町民は、地域間、男女間、世代間及び職種間等の垣根を超え、協働してまちづくりを進めるものとします。
(交流と連携)
第26条 町民は、町外の人々との積極的な交流を通じて、町外の人々の知恵、意見等を本町のまちづくりに反映するものとします。
2 町は、他の自治体、国その他の機関との交流と連携を積極的に進めるものとします。
(まちづくり検証委員会の設置)
第27条 町は、この条例に沿ったまちづくりを検証するため、まちづくり検証委員会を設置します。
2 まちづくり検証委員会は、住民自治活動の実施状況を把握し、課題を明らかにし、住民自治の推進に努めることを目的とします。
3 まちづくり検証委員会の役割は、次のとおりとします。
(1) この条例に沿った住民自治活動を検証し、その結果を公表します。
(2) この条例の見直しを提案します。
4 まちづくり検証委員会の設置及び運営に関し必要な事項は、別に条例で定めます。
第9章 条例の位置付け・見直し等
(条例の位置付け等)
第28条 議会及び町は、この条例の内容に即して条例、規則その他の規程の整備をします。
2 議会及び町は、新たに条例及び規則その他の規程を定めようとする場合においては、この条例に定める事項を遵守します。
(条例の検討見直し)
第29条 町は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、この条例が本町にふさわしいものであるかどうか等を検討します。
2 町は、前項の規定による検討及びまちづくり検証委員会の検証結果を踏まえ、この条例及びまちづくりの諸制度について見直す等必要な措置を講じます。
第10章 雑則
(委任)
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定めます。

附 則
この条例は、平成19年4月1日から施行します。