愛南町自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 愛南町 | 自治体コード | 38506 |
都道府県名 | 愛媛県 | 都道府県コード | 00038 |
人口(2015年国勢調査) | 19,601人 |
条例データ
制定年 | 2007年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www1.g-reiki.net/ainan/reiki_honbun/r035RG00000919.html |
条例本文
愛南町自治基本条例
平成19年12月25日
条例第29号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 自治の基本原則(第4条―第8条)
第3章 住民の権利と責務(第9条―第11条)
第4章 議会の役割と責務(第12条・第13条)
第5章 町の役割と責務(第14条―第16条)
第6章 情報の公開と提供(第17条―第19条)
第7章 住民の町政への参画(第20条―第22条)
第8章 住民組織(第23条)
第9章 町政運営の基本(第24条―第30条)
第10章 条例の見直し(第31条)
附則
前文
私たちが暮らす愛南町は、四国の西南に位置し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、永い歴史と文化を育んできました。とりわけ、愛南町民の温かい人情は、家族や地域住民の支え合いの中で培われ、先人から受け継いだ誇るべき財産の一つです。
私たち住民は、この温かい人情を基調として、愛南町の自然や文化を守り育て、活力ある地域社会の実現を目指します。このような認識の下、住民自治の本旨に基づき、住民が町政の主権者であることを確認し、議会や町と情報を共有することにより、主体的に町政に参画し、協力し、連携して町政を推進する仕組みを定める必要があります。そのためには、住民、議会及び町が町政運営の基本的な理念や原則について約束し、それぞれが、その約束を守ることが大切です。
私たちは、愛南町民であることに誇りを持ち、一人ひとりの人権が尊重され、住民の自治が保障される地域社会の創造を目指し、ここに町政の基本理念であり、最高規範である愛南町自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、愛南町の町政運営に関し基本的な理念及び原則を定めるとともに、住民の町政への参画について必要な事項を定めることにより、住民の主体性をいかした自治の実現を図ることを目的とします。
(最高規範性)
第2条 この条例は、町政の基本事項について町が定める最高規範であり、住民、議会及び町は、この条例の趣旨を尊重し、誠実にこれを遵守するものとします。
2 議会及び町は、この条例の理念にのっとり、町政運営及び施策の実現に向けた基本的な制度の構築に努めるとともに、条例、規則等の整備を図るものとします。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1) 住民 町内に住む人、働く人及び学ぶ人をいいます。
(2) 事業者 町内で事業を行う個人及び法人をいいます。
(3) 町 町長を代表者とする町の執行機関をいいます。
(4) 住民組織 地域や共通の関心によってつながり、公益性のある活動を行う行政区、自主防災組織、ボランティア団体等の組織及び集団をいいます。
第2章 自治の基本原則
(住民自治の原則)
第4条 住民、議会及び町は、町政に関する情報を共有し、主権者である住民が、自らの判断と責任の下に、町政の計画、実施、評価及び見直しの各過程に主体的に参画することができる住民自治の実現を目指します。
(基本的人権の尊重)
第5条 住民、議会及び町は、個人を尊重し、異なる文化や価値観を認め合い、人権尊重を基本とする町政を進めなければなりません。
(分担と協力の原則)
第6条 住民、事業者及び町は、お互いの信頼関係を確保するとともに、町政においては、それぞれの果たすべき役割と責任を分担し、協力して進めなければなりません。
(男女共同参画)
第7条 住民、事業者及び町は、男女共同参画社会の実現を目指し、男女がお互いを尊重し、それぞれの個性や能力を発揮できる環境づくりに努めなければなりません。
(環境保全の原則)
第8条 住民、事業者及び町は、良好な環境の保全及び創造に努めなければなりません。
第3章 住民の権利と責務
(住民の権利)
第9条 住民は、行政情報を知る権利、行政サービスを等しく受ける権利及び町政に参画し、意見を述べる権利を有します。
2 満20歳未満の青少年及び子どもは、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加する権利を有します。
(住民の責務)
第10条 住民は、町政への参画に関して主権者としての責任と役割を自覚し、積極的な参画に努めるとともに、その活動において自らの発言と行動に責任を持たなければなりません。
2 住民は、地域における人と人との触れ合いが、個人の人間形成、安全安心な住環境、地域文化の継承等に大きな役割を果たしていることを認識し、地域のきずなを深めるよう努めなければなりません。
(事業者の役割)
第11条 事業者は、地域社会の一員として、地域社会との調和を図り、まちづくりについて協力するよう努めなければなりません。
第4章 議会の役割と責務
(議会の役割と責務)
第12条 議会は、町の意思決定を行うための議事機関としての役割を持ち、住民の意思を町政に反映させるよう努めなければなりません。
2 議会は、町政が公正で民主的かつ効率的に運営されているかを調査し、監視するとともに、住民の福祉が向上するよう努めなければなりません。
(議員の責務)
第13条 議員は、住民の代表者として自覚と責任を持ち、住民の信託にこたえるため、誠実に職務を遂行しなければなりません。
第5章 町の役割と責務
(町の役割と責務)
第14条 町は、住民の知る権利を保障し、公正で開かれた町政の進展を図るため、町政に関する情報を積極的に住民に公開し、提供することにより、住民との情報の共有に努めなければなりません。
2 町は、町政の運営に関することについて、その内容のほか、意思決定の過程における必要性又は妥当性を住民に分かりやすく説明する責任を有します。
3 町は、住民が町政に参画する権利を保障するとともに、住民の意思を町政に適切に反映させるように努めなければなりません。
4 町は、住民に行政サービスを提供するに当たって、住民が分かりやすく行政サービスを受けることができる体制づくりに努めなければなりません。
(町長の責務)
第15条 町長は、この条例の理念に基づき、町の代表者として公正で民主的かつ効率的に町政を執行しなければなりません。
2 町長は、職員を指揮監督し、職員が自らの能力を発揮できるよう、適正な職員配置を行うとともに、多様化する住民の要望に適切に対応するため、人材の育成に努めなければなりません。
(職員の責務)
第16条 職員は、その職責が住民の信託に基づくものであることを自覚し、分担と協力の原則に基づいて、積極的に住民と連携するとともに、公正で誠実かつ効率的に職務を遂行しなければなりません。
2 職員は、自身の能力や知識の向上に努め、愛南町の課題を解決するための施策を積極的に立案し、その実現に向けて行動しなければなりません。
第6章 情報の公開と提供
(情報の公開と提供)
第17条 町は、行政情報の適切な管理に努め、情報公開制度の適正な運用を図るとともに、町政に関する情報の積極的な提供に努めなければなりません。
2 前項の規定により、町が町政に関する情報を提供するときは、住民に分かりやすく提供するよう努めるとともに、住民が情報を迅速かつ容易に入手できるよう、多様な媒体の活用に努めなければなりません。
(会議の公開)
第18条 町は、委員会、審議会、審査会、その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「委員会等」という。)の会議について、原則として、住民に公開するものとします。
(個人情報の保護)
第19条 町は、個人情報の収集、提供、管理等の取扱いについて、個人の権利及び利益が侵害されることのないよう必要な措置を講じなければなりません。
第7章 住民の町政への参画
(委員会等の委員の選任)
第20条 町は、委員会等の委員を選任しようとするときは、公募の委員を加えるよう努めるとともに、男女比率、年齢構成、地域構成等に配慮しなければなりません。
(住民の意見表明制度)
第21条 町は、町政の基本的な方針その他の重要な事項を定める計画及び条例の立案に当たっては、その案の内容その他必要な情報を公表し、住民の意見を求めるとともに、その意見に対する町の考え方を公表しなければなりません。
(住民投票)
第22条 町は、愛南町にかかわる重要事項について、直接、住民の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができます。
2 愛南町に選挙権を有する住民及び議員は、住民投票の制度を設けるよう町長に求めることができます。
3 住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に必要な事項は、別に条例で定めます。
第8章 住民組織
(住民組織との連携)
第23条 町は、住民組織がまちづくり、地域課題解決等に重要な役割を担うことを認識し、まちづくりに当たっては、町及び住民組織は、相互に協力するよう努めなければなりません。
2 町は、住民組織の自主性及び自立性を尊重し、その公益的な活動を支援することができます。
第9章 町政運営の基本
(総合計画)
第24条 町は、総合的かつ計画的に町政を運営するため、この条例の目的及び基本原則にのっとり、総合計画を策定しなければなりません。
2 総合計画は、町の政策を定める最上位の計画であり、町が行う政策は、緊急を要するもののほかは、これに基づかなければなりません。
3 町は、総合計画に基づく事業の進行を管理し、その状況を公表しなければなりません。
4 町は、各政策分野における基本となる計画を策定する場合は、総合計画との関係を明らかにし、策定後は、総合計画との調整の下で進行を管理しなければなりません。
(財政運営の基本)
第25条 町は、財源を効率的かつ効果的に活用し、自主的かつ自律的な財政運営を行うことにより、財政の健全性の確保に努めなければなりません。
2 町は、前項に規定する目的を達成するため、総合計画及び行政評価と連動した予算編成の仕組み及び中長期的な財政計画を確立し、計画的で効率的な財政運営を図らなければなりません。
3 町は、毎年度の予算及び決算その他財政に関する情報を、住民にわかりやすく公表しなければなりません。
(行政評価)
第26条 町は、政策及び事務事業の有効性、効率性及び経済性を向上させるため、政策及び事務事業について、計画、実施、評価及び見直しという事業管理の過程を確立し、行政評価を実施しなければなりません。
2 前項の規定により行政評価を実施する場合は、住民の意見を適切に反映させるための措置を講じなければなりません。
3 行政評価の結果は、住民に公表し、予算編成、組織及び機構の整備、総合計画の進行管理等に反映させるものとします。
(意見、要望、苦情等への応答義務)
第27条 町は、住民から意見、要望、苦情等があった場合は、当該事案について速やかに調査し、事実関係を把握した上で、その対応方針を住民に対して示すとともに、誠実に応答するものとします。
(行政手続)
第28条 町は、町が行う処分及び行政指導並びに町に対する届出に関する手続について、その内容及び過程を住民に対して明確に示すことにより、住民の権利及び利益を保護するものとします。
(公益通報)
第29条 町及び事業者は、公益通報に適切に対応し、通報者の権利及び利益を保護するとともに、法令等の遵守を推進するものとします。
(危機管理体制)
第30条 町は、災害等に備え、地域防災計画等を策定するとともに、これを担う体制を整備し、情報の収集及び住民への提供並びに防災訓練等を行わなければなりません。
2 町は、災害等に備え、国、県、他の市町村等との連携を図るように努めるとともに、災害等の対応に当たり必要な場合は、これらに対し、迅速に支援を求めるものとします。
3 住民は、災害等の発生時において、自らを守る努力をするとともに、自らの果たす役割を認識し、相互に協力して対応しなければなりません。
第10章 条例の見直し
(条例の見直し)
第31条 町は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、この条例が愛南町にふさわしいものであり続けているかどうかを検討するものとします。
2 前項の規定による条例の検討をする場合は、住民の参画を図るとともに、住民の意見を適切に反映させるための措置を講じなければなりません。
3 町は、第1項の規定による検討の結果を踏まえ、この条例及び関連する諸制度等について見直すなど必要な措置を講ずるものとします。
附 則
この条例は、平成20年4月1日から施行します。