周南市市民参画条例
自治体データ
自治体名 | 周南市 | 自治体コード | 35215 |
都道府県名 | 山口県 | 都道府県コード | 00035 |
人口(2015年国勢調査) | 137,540人 |
条例データ
制定年 | 2006年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | パブリック・コメント 市民説明会 ワークショップ |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://en3-jg.d1-law.com/shunan/d1w_reiki/H418901010067/H418901010067.html |
条例本文
○周南市市民参画条例
(平成18年12月22日条例第67号)
改正
平成22年12月28日条例第31号
目次
第1章 総則(第1条-第5条)
第2章 市民参画の実施等(第6条-第14条)
第3章 市民参画の推進(第15条-第17条)
第4章 雑則(第18条-第20条)
附則
地方分権の時代を迎え、「地域のことは、地域で考え、決定し、行動しよう」、「市民に身近なことは市民が参画し、その責任において決め、解決しよう」、「自分たちの地域社会は自分たちで治めよう」という自治意識の成熟が求められるようになってきました。
幸いにも、私たちのまち・周南市では、まちづくりに対して自発的に提言し、様々な課題を主体的に解決していこうという意識をもつ市民が数多く生まれています。未来に向けて、豊かで輝きに満ちた周南市を創造していくためには、これら市民の力を結集するとともに、これまで以上に、市民自らが公共の担い手となり、自治意識と責任感、相互協力のこころをはぐくみ、協働によるまちづくりを進めていくことが必要です。
こうした考え方を具体化するための第一歩として、市民一人ひとりが主体的に市政に参画するための基本的な取り決めをまとめた周南市市民参画条例をここに定めます。
市民が市政に関心をもち、自ら主体的に発言し、提案することを通して、周南のまちを市民と市がともに手を携えて築いていくことに誇りと喜びを感じられる時代がくることを、私たちは確信しています。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民が主体的に市政に参画するために必要な基本事項を定めることにより、協働によるまちづくりを推進し、豊かで輝きに満ちた地域社会を築いていくことを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるとおりとします。
(1) 市民 市内に住む人、働く人、学ぶ人及び市内に事務所又は事業所を有するものをいいます。
(2) 市の機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、上下水道事業管理者及び消防長をいいます。
(3) 協働 市民と市の機関が、目標を共有した上で、対等な立場に立ち、それぞれに果たすべき責任と役割を自覚し、協力し合うことをいいます。
(4) 市民参画 市の機関が行う施策に市民の意見、提案等(以下「市民の意見等」といいます。)を反映させるため、その企画立案から実施、評価に至るまで、市民が主体的に参画することをいいます。
(基本原則)
第3条 市民参画の基本原則は、次のとおりとします。
(1) 市民が、自らの意思と責任の下に行うものとします。
(2) 市民が平等に参画することができるものとします。
(3) 市民と市の機関が、対等な立場で、相互の役割を理解し、尊重しながら行うものとします。
(4) 市民と市の機関が、市政に関する情報を共有することにより行うものとします。
(市民の責務)
第4条 市民は、進んで市政に参画し、自らの知識や経験を市政に生かしていくよう努めるものとします。
2 市民は、自らの発言と行動に責任を持って市政に参画するよう努めるものとします。
3 市民は、公共の利益を図ることを基本として、お互いの意見を尊重しあいながら、市政に参画するよう努めるものとします。
(市の機関の責務)
第5条 市の機関は、市政に関する情報を積極的に市民に提供するよう努めるものとします。
2 市の機関は、市民参画の機会を積極的に設けるよう努めるものとします。
3 市の機関は、市民の意向を的確に把握し、施策に反映させるよう努めるものとします。
第2章 市民参画の実施等
(市民参画の対象)
第6条 市民参画の対象となる施策(以下「対象施策」といいます。)は、次のとおりとします。
(1) 市の基本構想、基本計画その他市政の基本的な事項を定める計画の策定又は変更
(2) 市政の基本的な方針を定める条例の制定又は改廃
(3) 市民に義務を課し、又は市民の権利を制限する条例の制定又は改廃
(4) 広く市民に適用され、市民生活や事業活動に直接、重大な影響を与える制度の導入又は改廃
(5) 広く市民が利用する大規模な公共施設の設置に関する計画等の策定又は変更
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するものは、市民参画の対象としないことができます。
(1) 緊急を要するもの
(2) 軽易なもの
(3) 法令の規定により市民参画を実施するもの
(4) 法令の規定により施策の実施の基準が定められており、当該基準に基づき行うもの
(5) 市の機関の内部事務処理に関するもの
(6) 市税の賦課その他金銭の徴収に関するもの
(7) 前各号に掲げるもののほか、これらに準ずるもの
3 市の機関は、第1項各号に掲げるもの以外のもの(前項各号のいずれかに該当するものを除きます。)にあっても、市民参画の対象とすることができます。
4 市の機関は、対象施策としているものであって、第2項の規定により市民参画を実施しなかった場合において、市民からその理由を求められたときは、当該市民にこれを説明しなければなりません。
5 市の機関は、対象施策としているものであって、第2項第1号の緊急を要することを理由に市民参画を実施しなかったときは、第15条に定める周南市市民参画推進審議会に報告しなければなりません。
(市民参画の方法)
第7条 この条例における市民参画の方法は、次のとおりとします。
(1) パブリック・コメント(市の機関が施策を定めるとき、その原案を公表して、書面等により広く意見を求め、その意見の概要、意見に対する市の機関の考え方等を公表する方法)
(2) 市民説明会(市の機関が施策を定めるとき、市民に事業決定の前に考えを説明し、市民の意見等を聴取し、又は討議する方法)
(3) ワークショップ(市の機関が施策を定めるとき、市民と市の機関又は市民同士が問題点を共有し、認識しながら、相互に議論、共同作業などを通して、案を作り上げていく方法)
(4) 審議会等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により設置された審議会、審査会等の附属機関及び市の機関が定める要綱等により設置された懇話会、研究会等に、市の機関が諮問等をすることにより意見等を求める方法)
(5) 前各号に掲げるもののほか、市の機関が適当と認める方法
(市民参画の実施)
第8条 市の機関は、市民参画を実施しようとするときは、前条各号に掲げる市民参画の方法のうちから、適切な方法により実施します。
2 市の機関は、市民参画を実施しようとするときは、次の事項に配慮します。
(1) 必要と認められるときは、複数の方法により多様な市民の意見等が得られるようにすること。
(2) 高度な専門性を必要とする施策については、深い知識と経験を持つ市民の参画が得られるようにすること。
(3) 地域性を有する施策については、対象となる地域の市民の参画が得られるようにすること。
3 市の機関は、市民参画を実施しようとするときは、その結果を施策の決定に生かすことができる適切な時期に実施するものとします。
4 市の機関は、市民参画を実施しようとするときは、周南市情報公開条例(平成16年周南市条例第36号)に定める不開示情報に該当するものを除き、施策に関する情報を適切な時期に公表するものとします。
(提出された意見等の検討)
第9条 市の機関は、市民参画の実施により提出された市民の意見等を尊重し、検討します。
(公表の方法)
第10条 この条例に定める公表の方法は、次に定めるとおりとし、2以上の方法で行うこととします。
(1) 市広報紙への掲載
(2) 市ホームページへの掲載
(3) ケーブルテレビでの放映
(4) 周南市公告式条例(平成15年周南市条例第3号)に定める掲示場への掲示
(5) 市の機関が設置する情報公開・個人情報保護担当の窓口への備付け
(6) 前各号に掲げるもののほか、市民に広く周知できる方法
(パブリック・コメントの実施)
第11条 市の機関は、パブリック・コメントを実施するときは、次の事項を公表します。
(1) 施策の案及びその案に関する資料
(2) 意見の提出先、提出期間及び提出手段
(3) 前2号に掲げるもののほか、市の機関が必要と認める事項
2 パブリック・コメントにおける意見の提出期間は、前項の規定による公表の日から原則として1箇月とします。
3 パブリック・コメントにおける意見の提出手段は、次に掲げるとおりとします。
(1) 書面持参
(2) 郵便
(3) ファクシミリ
(4) 電子メール
(5) 前各号に掲げるもののほか、市の機関が必要と認める手段
4 パブリック・コメントにより意見を提出しようとするものは、住所、氏名(法人その他の団体にあっては所在地、名称及び代表者氏名)及び連絡先を明らかにします。
5 市の機関は、パブリック・コメントにより提出された意見に対する検討を終えたときは、周南市情報公開条例に定める不開示情報に該当するものを除き、意見の概要及び市の機関の考え方並びに施策の案を修正したときはその修正内容を公表します。
(市民説明会、ワークショップ等の実施の公表)
第12条 市の機関は、市民説明会、ワークショップその他市の機関が行う施策に市民の意見等を反映させるため市民に参画を求める集会を実施するときは、日時、場所、内容等に関する情報を開催日の2週間前までに公表します。
2 市の機関は、市民説明会、ワークショップその他市の機関が行う施策に市民の意見等を反映させるため市民に参画を求める集会を実施したときは、周南市情報公開条例に定める不開示情報に該当するものを除き、開催記録を公表します。
(審議会等の委員公募及び会議の公開)
第13条 市の機関は、審議会等の委員を選任するときは、委員の公募に努めます。
2 審議会等の委員の公募に関し必要な事項は、別に定めるところによります。
3 審議会等の会議は、事前に開催を公表し、周南市情報公開条例第22条の規定により公開します。
(意向の把握)
第14条 市の機関は、この章に定めるもののほか、適切な方法により、広く市民の意識や意見を把握するよう努めます。
第3章 市民参画の推進
(市民参画推進審議会の設置)
第15条 この条例に定める市民参画の適正な運用及び市民参画を推進する上で必要な事項を審議するために周南市市民参画推進審議会(以下「推進審議会」といいます。)を設置します。
2 推進審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議します。
(1) 第6条第5項の規定による報告に関する事項
(2) 市民参画の実施状況の評価に関する事項
(3) この条例の運用状況に関する事項
(4) 市民参画の方法の研究及び改善に関する事項
(5) この条例の見直しに関する事項
(6) 前各号に掲げるもののほか、市民参画に関する基本的事項
3 推進審議会は、市民参画の推進に関する事項について、市長に意見を述べることができます。
4 推進審議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する20人以内の委員をもって組織します。
(1) 市長が行う公募に応じた者
(2) 学識経験者
(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者
5 推進審議会の委員の任期は、2年とします。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。
6 推進審議会の委員は、再任されることができます。
(市民参画の実施状況等の公表)
第16条 市長は、毎年度、市民参画の実施状況及び推進審議会における評価(前条第2項第2号の規定による評価をいいます。)結果をまとめて公表します。
(市民参画の方法の普及等)
第17条 市民と市の機関は、様々な市民参画の方法の普及に努めるとともに、それらの長所及び短所を理解し、有効に運用できる人材の養成に努めます。
第4章 雑則
(意思決定過程の特例)
第18条 審議会等がこの条例に定める市民参画の方法に準じて策定した報告、提言又は答申に基づき、市の機関が行う施策については、この条例に定める市民参画を実施する必要はありません。
(条例の見直し)
第19条 市長は、社会情勢の変化や市民参画の状況を踏まえ、必要に応じ、この条例の見直しを行います。
(委任)
第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めます。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年4月1日から施行します。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、既に着手され、又は着手のための準備が進められている施策であって、時間的な制約その他正当な理由により市民参画を実施することが困難な場合については、第6条から第13条までの規定は適用しません。
附 則(平成22年12月28日条例第31号)
この条例は、平成23年4月1日から施行する。