隠岐の島町まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 隠岐の島町 | 自治体コード | 32528 |
都道府県名 | 島根県 | 都道府県コード | 00032 |
人口(2015年国勢調査) | 13,433人 |
条例データ
制定年 | 2006年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.town.okinoshima.shimane.jp/reiki/reiki_honbun/r074RG00000584.html |
条例本文
○隠岐の島町まちづくり基本条例
平成18年3月27日
条例第2号
(前文)
わたしたちのまち「隠岐の島町」は、日本海に浮かぶ美しい自然と遠い歴史を伝えるまるいひとつの島です。
白島海岸やローソク島などの海岸線は壮大な景観を創造し、大満寺山を最高峰とした山々には、オキシャクナゲの群落や、オキフウランの自生が今も残されています。
地域に伝わる蓮華会舞、御霊会風流、八朔牛突大会などの祭りごとは、それぞれの想いを秘め次の世代に伝えられています。
ずっと海とともに暮らしてきた離島だからこそ残された自然があり、離島ならではの歴史文化があります。
幕末の混乱の中、松江藩郡代を追放し隠岐自治政権を樹立する隠岐維新がありました。「自らのことは自らで守り」、「自らの願いは自らで実現する」ため、島民自らによる自治機関を設立し、81日間の短期間でしたが独立した政権による自治が行われました。
地方分権が進むなかで、平成16年10月に、西郷町、布施村、五箇村、都万村が合併し隠岐の島町が誕生しました。わたしたちは、このまちの自然と歴史を踏まえて、「みんなのことを、みんなで考え、みんなのために行う」わたしたち町民が主体となったまちづくりを推進します。
わたしたちは、隠岐の島町がめざすまちづくりの理念や基本的な仕組みを明らかにし、隠岐の島町民であることに誇りをもち、愛するこの郷土が健やかに伸びてゆくことを願ってこの条例を制定します。
第1章 条例の基本理念
(目的)
第1条 この条例は、隠岐の島町のまちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、まちづくりにおける町民の権利と役割を明らかにし、町民主体のまちづくりを推進することを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例において、用語の意義は、次のとおりです。
(1) 町民とは、町内に在住、在勤又は在学する個人及び町内に事務所を有する法人その他の団体、並びに隠岐の島町のまちづくりに関係の有る個人及び法人その他の団体をいいます。
(2) 町とは、普通地方公共団体としての隠岐の島町のことをいいます。
(3) 協働とは、町民と町が心と力を合わせ、それぞれに果たすべき責任と役割を認識し、共通の目標を持ち、相互に協力することをいいます。
(4) コミュニティとは、町民一人ひとりが心豊かな生活を送ることを目的とし、自主的に結成された、組織及び集団をいいます。
(位置づけ)
第3条 この条例は、まちづくりの基本となるものであり、町は、条例、規則、規程等を定めたり、各種の計画等を策定し、実行したりするときは、この条例の趣旨を尊重しなければなりません。
(まちづくりの基本原則)
第4条 まちづくりは、町民の幸福を目指し、安全で住みよい豊かな地域社会をつくるため、次に掲げる基本原則によって推進されなければなりません。
(1) 町民と町は、情報を共有しまちづくりを進めます。
(2) 町民と町は、町民の自主的参加のもとにまちづくりを進めます。
(3) 町民と町は、相互理解のもとに協働してまちづくりを進めます。
(4) 町は、まちづくりについて町民に説明する責任があります。
(5) 町は、まちづくりの評価を行い、効果的にまちづくりを進めなければなりません。
第2章 情報の共有
(情報への権利)
第5条 町民は、町が保有するまちづくりに関する情報について、その提供を受け、又は自ら取得することができます。
(情報の公開)
第6条 町は、まちづくりに関する情報を積極的に、かつわかりやすく公開しなければなりません。
(会議の公開)
第7条 町は、まちづくりに関する会議を、原則として公開しなければなりません。
(意思決定の透明化)
第8条 町は、町の政策や施策の意思決定の過程を明らかにするよう努めなければなりません。
(個人情報の保護)
第9条 町民と町は、情報の共有を推進するに当たって、個人の権利及び利益が侵害されることのないように個人情報の保護に努めます。
第3章 参加及び協働
(参加する権利)
第10条 町民は、まちづくりに参加することができます。
(参加機会の確保)
第11条 町は、まちづくりの企画立案、実施及びその評価のそれぞれの過程において、町民が広く参加できる機会を確保しなければなりません。
(青少年及び子供の参加)
第12条 町は、満20歳未満の青少年及び子供が、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加できるように努めなければなりません。
(審議会等への参加)
第13条 町は、審議会、審査会、調査会、その他の附属機関及びこれに類するものの委員については、公募による委員を選考するように努めなければなりません。
(計画策定への参加)
第14条 町は、まちづくりに関する計画を策定するときは、広く町民の参加を得て策定しなければなりません。
(事前提言による参加)
第15条 町は、まちづくりに関する重要な事項について決定するときは、事前に提言を受け、町民の意見を十分に反映しなければなりません。
(コミュニティ活動の推進)
第16条 町は、コミュニティ及び企業等のまちづくりに寄与する自主的な活動を尊重し、協働してまちづくりを進めなければなりません。
2 町民と町は、まちづくりの重要な担い手となりうるコミュニティの役割を認識し、そのコミュニティを守り育てるよう努めます。
(住民投票)
第17条 町は、まちづくりに関し直接住民の意思を確認する必要があるときは、住民投票を行うことができます。
2 町は、住民投票の実施に関し必要な事項について、それぞれの事案に応じ別に条例で定めなければなりません。
3 町民及び町長は、住民投票の結果を尊重します。
第4章 説明責任
(計画の説明)
第18条 町は、まちづくりに関する計画について、計画の目的や内容をわかりやすく説明しなければなりません。
(仕事の説明)
第19条 町は、まちづくりの企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程で、その経過、内容等について町民にわかりやすく説明しなければなりません。
(財政の説明)
第20条 町は、町民に財政状況、予算、決算等について、わかりやすい方法で説明しなければなりません。
(意見・要望・苦情等への対応)
第21条 町は、町民からの意見、要望、苦情等に対しては、誠実で速やかな対応をしなければなりません。
第5章 行政評価
(行政評価の実施)
第22条 町は、町政に対する町民の意見、要望を反映させ、地域の実情に即したまちづくりを効果的に進めるため、町民参加で行政評価を実施しなければなりません。
2 町は、行政評価の結果を町政運営に反映させるとともに、わかりやすく公表しなければなりません。
第6章 町民の役割と町・議会の責務
(町民の役割)
第23条 町民は、まちづくりの主体であることを認識し、自主的にまちづくりに参加するよう努めます。
2 町民は、きまりを守り町と協働してまちづくりを進めます。
(町の責務)
第24条 町長は、公正かつ誠実に町政の執行にあたり、町民主体のまちづくりを推進しなければなりません。
2 町の執行機関は、公正かつ効率的に行政運営を行い、町民主体のまちづくりを推進しなければなりません。
3 町の職員は、全体の奉仕者として誠実かつ効率的に職務を執行し、自らも地域の一員であることを認識し、町民主体のまちづくりを積極的に推進しなければなりません。
(議会の責務)
第25条 議会は、その機能を発揮し、まちづくりの推進に努めなければなりません。
2 議員は、町民の意見がまちづくりに反映されるよう努めなければなりません。
第7章 条例の見直し
(条例の見直し)
第26条 町は、この条例が、町民主体のまちづくりを推進するにふさわしいものであり続けるため、必要に応じて見直します。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(西郷町まちづくり基本条例の廃止)
2 西郷町まちづくり基本条例(平成16年西郷町条例第32号)は、廃止する。