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条例

川崎市市民オンブズマン条例

自治体データ

自治体名 川崎市 自治体コード 14130
都道府県名 神奈川県 都道府県コード 00014
人口(2015年国勢調査) 1,538,262人

条例データ

条例本文

平成2年7月11日条例第22号

目次
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 責務(第4条~第6条)
第3章 市民オンブズマンの組織等(第7条~第10条)
第4章 苦情の処理等(第11条~第20条)
第5章 補則(第21条~第23条)
附則

第1章 総則

(目的及び設置)
第1条 市民主権の理念に基づき、市民の市政に関する苦情を簡易迅速に処理し、市政を監視し非違の是正等の措置を講ずるよう勧告するとともに、制度の改善を求めるための意見を表明することにより、市民の権利利益の保護を図り、もって開かれた市政の一層の進展と市政に対する市民の信頼の確保に資することを目的として、本市に川崎市市民オンブズマン(以下「市民オンブズマン」という。)を置く。

(管轄)
第2条 市民オンブズマンの管轄は、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為とする。ただし、次の各号に掲げる事項については、市民オンブズマンの管轄としない。
(1)判決,裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2)議会に関する事項
(3)川崎市個人情報保護条例(昭和60年川崎市条例第26号)第24条に規定する個人情報保護委員の職務に関する事項
(4)川崎市人権オンブズパーソン(以下「人権オンブズパーソン」という。)に救済を申し立てた事項
(5)職員の自己の勤務内容に関する事項
(6)市民オンブズマン又は人権オンブズパーソンの行為に関する事項

(市民オンブズマンの職務)
第3条 市民オンブズマンは,次の職務を行う。
(1)市民の市政に関する苦情を調査し、簡易迅速に処理すること。
(2)自己の発意に基づき、事案を取り上げ調査すること。
(3)市政を監視し非違の是正等の措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるよう勧告すること。
(4)制度の改善を求めるための意見を表明すること。
(5)勧告,意見表明の内容を公表すること。

第2章 責務

(市民オンブズマンの責務)
第4条 市民オンブズマンは、市民の権利利益の擁護者として、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 市民オンブズマンは、その職務の遂行に当たっては、人権オンブズパーソンその他市の機関と有機的な連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 市民オンブズマンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。

(市の機関の責務)
第5条 市の機関は、市民オンブズマンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重しなければならない。
2 市の機関は、市民オンブズマンの職務の遂行に関し、積極的な協力援助に努めなければならない。

(市民の責務)
第6条  市民は、この条例の目的を達成するため、この制度の適正かつ円滑な運営に努めなければならない。

第3章 市民オンブスマンの組織等

(市民オンブズマンの組織等)
第7条 市民オンブズマンの定数は2人とし、そのうち1人を代表市民オンブズマンとする。
2 市民オンブズマンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。
3 市民オンブズマンは、任期を3年とし、1期に限り再任されることができる。
4 市民オンブズマンは、別に定めるところにより、相当額の報酬を受ける。

(秘密を守る義務)
第8条 市民オンブズマンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また,同様とする。

(解嘱)
第9条 市長は、市民オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は職務上の義務違反その他市民オンブズマンたるにふさわしくない非行があると認める場合は、議会の同意を得て解嘱することができる。

(兼職等の禁止)
第10条 市民オンブズマンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。
2 市民オンブズマンは、本市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。

第4章 苦情の処理等

(苦情の申立て)
第11条 何人も,市民オンブズマンに対し、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為について苦情を申し立てることができる。

(苦情の申立手続)
第12条 苦情を申し立てようとする者は、市民オンブズマンに対し、次の各号に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、書面によることができない場合は、口頭により申し立てることができる。
(1)苦情を申し立てようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2)苦情の申立ての趣旨及び理由並びに苦情の申立ての原因となった事実のあった年月日
(3)その他規則で定める事項
2 苦情の申立ては、代理人により行うことができる。

(苦情の調査等)
第13条 市民オンブズマンは、苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認める場合は、当該苦情を調査しない。
(1)第2条ただし書の規定に該当するとき。
(2)苦情を申し立てた者(以下「苦情申立人」という。)が苦情の申立ての原因となった事実について苦情申立人自身の利害を有しないとき。
(3)苦情の内容が、当該苦情に係る事実のあった日から1年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
(4)虚偽その他正当な理由がないと認められるとき。
(5)その他調査することが相当でないと認められるとき。
2 市民オンブズマンは、前項の規定により苦情を調査しない場合は、その旨を理由を付して苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(関係する市の機関への通知等)
第14条 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)を調査する場合は、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2 市民オンブズマンは、苦情等の調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止し、又は打ち切ることができる。
3 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査を中止し、又は打ち切ったときは、その旨を理由を付して苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(調査の方法)
第15条 市民オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し説明を求め、その保有する帳簿、書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査をすることができる。
2 市民オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し質問し、事情を聴取し、又は実地調査をすることについて協力を求めることができる。
3 市民オンブズマンは、必要があると認めるときは、専門的技術的事項について、専門的機関に対し、調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。

(苦情申立人への通知)
第16条 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査の結果について、苦情申立人に速やかに通知するものとする。ただし、第19条第3項の規定により通知する場合は、この限りでない。

(勧告及び意見表明)
第17条 市民オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。
2 市民オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し制度の改善を求めるための意見を表明することができる。
3 市民オンブズマンは、第1項の規定による勧告又は前項の規定による意見表明を行う場合において、必要があると認めるときは、人権オンブズパーソンに対し、共同で行うよう求めることができる。

(勧告又は意見表明の尊重)
第18条 前条の規定による勧告又は意見表明を受けた市の機関は、当該勧告又は意見表明を尊重しなければならない。

(報告等)
第19条 市民オンブズマンは、第17条第1項の規定により勧告したときは、市の機関に対し是正等の措置について報告を求めるものとする。
2 前項の規定により報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日から60日以内に、市民オンブズマンに対し是正等の措置について報告するものとする。
3 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情について第17条の規定により勧告し、若しくは意見を表明したとき、又は前項の規定による報告があったときは、その旨を苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(公表)
第20条 市民オンブズマンは、第17条の規定による勧告若しくは意見表明又は前条第2項の規定による報告の内容を公表する。
2 市民オンブズマンは、前項の規定による勧告、意見表明及び報告の内容を公表するに当たっては、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。

第5章 補則

(事務局)
第21条 市民オンブズマンに関する事務を処理するため、事務局を置く。
2 市民オンブズマンの職務に関する事項を調査する専門調査員を置くものとする。

(運営状況の報告等)
第22条 市民オンブズマンは、毎年、この条例の運営状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表する。

(委任)
第23条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

附則

(施行期日)
1 この条例の施行期日は、市長が定める。
(平成2年10月16日規則第76号で平成2年11月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の1年前の日から施行日までの間にあった事実に係る苦情についても適用し、当該1年前の日前にあった事実に係る苦情については、適用しない。

附則 (平成13年6月29日条例第19号) 抄
(施行期日)
1 この条例の施行期日は、市長が定める。
(平成14年3月29日規則第44号で平成14年4月1日から施行。ただし、第17条に1項を加える改正規定は同年5月1日から施行)
附則 (平成14年10月8日条例第38号)
この条例は、平成14年11月1日から施行する。
附則 (平成16年12月22日条例第53号) 抄
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。