条例

静岡市自治基本条例

自治体データ

自治体名 静岡市 自治体コード 22100
都道府県名 静岡県 都道府県コード 00022
人口(2015年国勢調査) 693,389人

条例データ

条例本文

○静岡市自治基本条例

平成17年3月15日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 まちづくりの基本理念(第4条―第7条)

第3章 市民の権利及び義務(第8条―第10条)

第4章 市政運営の基本原則(第11条―第16条)

第5章 市議会の役割及び責務(第17条・第18条)

第6章 市の執行機関の役割及び責務(第19条―第24条)

第7章 住民投票(第25条・第26条)

第8章 静岡市市民自治推進審議会(第27条)

第9章 雑則(第28条)

附則

静岡市は、北は南アルプスの雄大な山々が連なり、南は穏やかな駿河湾に臨み、東に霊峰富士を仰ぐなど、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた快適な環境を有しているとともに、今川氏、徳川氏の時代から政治、経済、文化及び交通の要所として国内外の拠点都市という役割を担い、重みある歴史と伝統とともに発展してきました。

このまちには、先人たちが人と人とのつながりを大切にしながらはぐくんだほのぼのとした心豊かなまちという、これまでの大都市とは趣の異なる特色が備わっており、また大切な財産として受け継がれています。

私たちは、このまちを心から愛しており、誇りにも思っています。そして私たちは、このまちの豊かな風土を大切に守り育てつつ、高度な都市機能と融合させることによって、より一層心豊かで快適に暮らせる生活環境と安心して活動できる安全な地域社会を築き上げ、未来を担う子供たちへ引き継がなければなりません。

そのためには、地域のことは、地域で考え、地域で実行するという地域主権の精神に基づき、私たちが自ら考え、自らの責任の下に自ら行動して、この地域の個性や財産を生かした市民自治によるまちづくりを行うことが必要です。

そこで、主権者である私たちは、まちづくりの主体であることを強く自覚し、自立した市民として、私たち自身で、又は私たちが信託した市議会と市の執行機関と協働して、私たちとこのまちを共に成長させながら、世界に誇れる自立した静岡市を創造することを誓い、ここに静岡市のまちづくりにおける最高規範として、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、静岡市のまちづくりの基本理念及び市政運営の基本原則を明らかにするとともに、まちづくりに関する市民の権利及び義務並びに市議会及び市の執行機関の役割及び責務を定めることにより、市民自治によるまちづくりを実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住し、通学し、又は通勤する個人及び市内において事業を行い、又は活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。

(2) まちづくり 心豊かに、かつ、快適に暮らせる生活環境及び安心して活動することのできる安全な地域社会を創るために行う公共的な活動をいう。

(3) 協働 市民、市議会及び市の執行機関が、それぞれ自らの果たすべき役割及び責務を自覚して、自主性を相互に尊重しながら、協力し合い、又は補完し合うことをいう。

(この条例の位置付け)

第3条 市民及び市は、まちづくりに関する全ての活動において、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。

2 市は、市の条例、規則等の制定改廃及びまちづくりに関する計画の策定又は変更に当たっては、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。

(平28条例26・一部改正)

第2章 まちづくりの基本理念

(市民主体のまちづくり)

第4条 まちづくりの主体である市民は、自主的に、又は市と協働して、静岡市の現在及び未来に責任を負うことのできるまちづくりを行うものとする。

2 市民は、積極的にまちづくりに参画し、まちづくりの推進に努めるものとする。

(情報の共有)

第5条 市民及び市は、協働によるまちづくりを推進するため、それぞれが保有するまちづくりに関する情報を共有するものとする。

(人と人との連携)

第6条 市民及び市は、人と人との相互のつながりを大切にすることがまちづくりにとって重要であるとの認識の下に、まちづくりを行うものとする。

2 市民及び市は、まちづくりに関する情報を広く国内はもとより海外にも発信するとともに、広範な範囲の人々の知恵、意見等を積極的に取り入れ、まちづくりを行うものとする。

3 市民及び市は、世界中の様々な人々や文化が共存共生し、新たな価値を生み出すまちづくりを行うものとする。

(人づくり)

第7条 市民及び市は、市民主体のまちづくりを推進するため、市民の自立性をはぐくむ環境を積極的に整備するものとする。

第3章 市民の権利及び義務

(まちづくりに関する権利及び義務)

第8条 市民は、まちづくりに参画し、その結果を享受する権利を有する。

2 まちづくりに参画する市民は、人種、信条、性別、年齢及び社会的・身体的状況等にかかわらず、互いが平等であることを認識し、互いの人権を尊重しなければならない。

3 まちづくりに参画する市民は、公共の利益を念頭において、発言し、行動しなければならない。

4 市民は、まちづくりに要する負担を自主的に分任しなければならない。

(情報公開請求権)

第9条 市民は、知る権利の理念に基づき、別に条例で定めるところにより、市政に関する情報の公開を自ら請求する権利を有する。

(市政への参画権)

第10条 市民は、市政に関する施策の立案、実施及び評価の各段階において、別に条例で定めるところにより、これらに参画する権利を有する。

2 市政に参画する市民は、総合的な視点に立って、発言し、行動しなければならない。

第4章 市政運営の基本原則

(市民と協働して行う市政運営)

第11条 市は、市政に関する施策の立案、実施及び評価の各段階において、市民の参画を促進し、市民と協働して市政運営を行わなければならない。

(情報の提供及び会議の公開)

第12条 市は、市政に関する情報を積極的に市民に提供しなければならない。

2 市は、市政に関する審議会等の会議を積極的に公開しなければならない。

(個人情報の保護)

第13条 市は、別に条例で定めるところにより、その保有する個人情報を厳正かつ適正に取り扱い、個人の権利利益を不当に害することのないようにしなければならない。

(各行政分野の基本方針等を定める条例の制定)

第14条 市は、この条例の目的及び理念に基づき、各行政分野の基本方針等を定める条例の制定に努めなければならない。

(総合計画の策定)

第15条 市は、この条例の目的及び理念に基づくまちづくりの具体化のため、基本構想、基本計画及び実施計画から構成される総合計画(以下「総合計画」という。)を策定しなければならない。

2 総合計画は、社会経済状況の変化及び新たな行政需要に対応できるよう常に検討を加えられなければならない。

3 各行政分野の計画は、総合計画に即して策定されなければならない。

(国及び他の地方公共団体との関係)

第16条 市は、まちづくりに関する国及び静岡県の政策又は施策に対して、積極的に意見、要望等を述べるよう努めなければならない。

2 市は、まちづくりを推進するため、国及び他の地方公共団体と相互に連携し、協力するよう努めなければならない。

第5章 市議会の役割及び責務

(市議会の役割及び責務)

第17条 市議会は、市の議決機関であるとともに、市の執行機関に対する監視機関として、その責任を認識し、その機能を十分に果たすよう運営しなければならない。

2 市議会は、市民に開かれた議会運営を図り、市議会に対する市民の関心を高めるとともに、市民の意見をまちづくりに反映させるよう努めなければならない。

(市議会議員の役割及び責務)

第18条 市議会議員は、市議会の役割及び責務の十分な認識の下に、総合的な視点に立って、公正かつ誠実に職務を遂行し、市民の信託にこたえなければならない。

2 市議会議員は、市民自治によるまちづくりの推進のため、政策立案能力の一層の向上に努めなければならない。

第6章 市の執行機関の役割及び責務

(市長の役割及び責務)

第19条 市長は、市の代表者として、公正かつ誠実に市政を運営しなければならない。

2 市長は、まちづくりの基本理念に基づき、市民自治によるまちづくりを推進し、市民の信託にこたえなければならない。

3 市長は、市民自治によるまちづくりの推進及び市政の運営に必要な財源の確保を図るとともに、地域の資源を最大限に活用して、最少の経費で最大の効果を挙げる行財政運営を行わなければならない。

(職員の責務)

第20条 職員は、この条例に定める事項を自覚し、市民の視点に立って、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

2 職員は、まちづくりに関する専門的な知識を十分に発揮するとともに、法令等を遵守することはもとより法令等を活用して、まちづくりに積極的に取り組まなければならない。

3 職員は、市民自治によるまちづくりの推進及び市政の運営に必要な能力の向上に絶えず努めなければならない。

(市民意見の聴取)

第21条 市の執行機関は、まちづくりに関する重要な政策又は施策の決定、市の条例、規則等の制定改廃及び計画の策定又は変更に当たっては、別に条例で定めるところにより、市民から意見を聴かなければならない。

(市民からの提案等)

第22条 市の執行機関は、まちづくりに関する市民からの提案、意見、要望等をその施策に反映させるよう努めなければならない。

(説明責任)

第23条 市の執行機関は、市政に関する施策について、その立案、実施及び評価の各段階において、市民に分かりやすく説明しなければならない。

2 市の執行機関は、市民からの市政に関する質問、意見、要望等に対し、速やかに、かつ、誠実にこたえるよう努めなければならない。

(行政評価)

第24条 市の執行機関は、その実施する政策、施策及び事務事業の成果、達成度等を明らかにするため、行政評価を実施し、その結果を公表しなければならない。

2 市の執行機関は、行政評価の結果を政策、施策及び事務事業に適切に反映させなければならない。

第7章 住民投票

(住民投票の実施)

第25条 市長は、市政の特に重要な事項について、広く住民の総意を把握するため、条例で定めるところにより、住民投票を実施することができる。

2 前項の条例は、それぞれの事案に応じ、投票に付すべき事項、投票の手続、投票資格要件その他住民投票の実施に必要な事項を定めるものとする。

(住民投票の請求及び市議会への付議)

第26条 本市に住所を有する年齢18歳以上の者(永住外国人を含む。)は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から市長に対して前条の住民投票の実施を請求することができる。

2 市長は、前項に規定する請求があった場合は、これに意見を付し、市議会に付議するものとする。

3 前2項に定めるもののほか、第1項に規定する請求及び当該請求に対する処置等に関し必要な事項は、別に条例で定める。

(平28条例26・一部改正)

第8章 静岡市市民自治推進審議会

(静岡市市民自治推進審議会の設置)

第27条 市長は、この条例を守り育て、適切なまちづくりの推進を図るため、静岡市市民自治推進審議会(以下「推進審議会」という。)を置く。

2 推進審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を審議し、その結果を答申する。

(1) まちづくりの推進に関する重要事項に関すること。

(2) この条例の適切な運用に関すること。

(3) この条例の見直しに関すること。

(4) 前3号に定めるもののほか、まちづくりの推進のため、市長が必要があると認める事項に関すること。

第9章 雑則

(この条例の見直し)

第28条 市長は、この条例の見直しに当たっては、推進審議会に諮問しなければならない。

附 則

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

附 則(平成28年3月18日条例第26号)

この条例は、平成28年6月19日から施行する。