おいらせ町自治基本条例
自治体データ
自治体名 | おいらせ町 | 自治体コード | 02412 |
都道府県名 | 青森県 | 都道府県コード | 00002 |
人口(2015年国勢調査) | 24,273人 |
条例データ
制定年 | 2008年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 直接対話を重視 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.town.oirase.aomori.jp/reiki/reiki_honbun/r235RG00000644.html |
条例本文
○おいらせ町自治基本条例
平成20年3月17日
条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 町民の権利(第4条―第7条)
第3章 町民の役割と責任(第8条―第12条)
第4章 行政の役割と責任(第13条―第18条)
第5章 議会の役割と責任(第19条―第21条)
第6章 まちづくりの基本原則(第22条―第27条)
第7章 まちづくりのしくみ(第28条―第36条)
第8章 まちづくり組織(第37条・第38条)
第9章 施行後の検証と見直し(第39条・第40条)
第10章 補則(第41条)
附則
前文
おいらせ町は、太平洋にそそぐ奥入瀬の清流と八甲田をのぞむ緑の平野に育まれた自然豊かな町です。私たちは、この地で先人の築いた歴史と伝統を大切にし、産業を発展させながら暮らしてきました。
社会環境が大きく変化するなかで、私たちはまわりに流されることなく物事の本質を見る目を養い、これまでに守り、培ってきた歴史と伝統、文化、産業、そして豊かな自然環境を未来に伝えていかなければなりません。
そのためには、「地域のことは地域が主体となって考え、行動する」という自治の原点に立ち、町民・行政・議会がともに手をとり合ってまちづくりを進める必要があります。
私たちは、自然の恵みに感謝し、心と体を鍛え、子どもたちを健やかに育て、働く喜びを知り、思いやりと誇りを持って、心ふれあう「おいらせ町」づくりに努力します。その思いを共有し、協力して自治に取り組むため、ここに自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(条例制定の目的)
第1条 この条例は、おいらせ町が守る町民の権利、そのための町民、行政及び議会の役割と責任を明らかにするなど、おいらせ町の自治の原則としくみに関する基本的な事柄を定め、前文に掲げたまちづくりの理念の実現を図ることを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は以下の各号に定めるものとします。
(1) 町民 おいらせ町内に住所を有する人、町内で働く人、町内で学ぶ人、又は町内で事業活動その他の活動を行う人若しくは団体をいいます。
(2) 町政 町の行政、政治及び公益活動を総称していいます。
(3) 行政 町長等及び町職員をいいます。
(4) 町長等 町の執行機関としての町長、委員会及び委員をいいます。
(5) 協働 町民、行政及び議会が共通の目的を実現するために、それぞれの責任と役割を認識し、お互いの立場を尊重しながら、対等な関係に立って協力して行動することをいいます。
(6) 参加 町民が理想の地域社会を実現するために、町政とその評価に主体的に関わり、行動することをいいます。
(7) 町又はおいらせ町 町民、行政及び議会を包括していいます。
(条例の位置づけ)
第3条 この条例は、おいらせ町の自治の根本を担う最高規範であり、町民、行政及び議会はこれを遵守しなければなりません。町政運営にあたってはこの条例の趣旨を尊重し、整合性を図らなければなりません。
第2章 町民の権利
(生活に関する権利)
第4条 おいらせ町民には、生活に関する以下の権利があります。
(1) 生涯にわたり心身ともに健康で安全な生活を送る権利
(2) 豊かな自然環境のもとで生活を送る権利
(3) 経済的に不安なく、人間らしい生活を送る権利
(4) 外出を希望する限り、徒歩、自家用車、公共交通などの手段により、自由に移動する権利
(5) 子どもから高齢者まで誰もが、生涯にわたり自由に学ぶ権利
(子どもの権利)
第5条 おいらせ町で生活する子どもは、みな健やかに成長する権利があります。
(個人情報)
第6条 おいらせ町民には個人情報やプライバシーを尊重される権利があります。
(参加に関する権利)
第7条 おいらせ町民には、まちづくりの主体として、参加に関する以下の権利があります。
(1) 行政、議会及び地域の状況を知る権利
(2) 政策の形成、実施及び評価に参加する権利
(3) 政策の形成、実施及び評価並びにまちづくり活動において、自由に意思を表明し、そのことにより不利益を受けない権利
第3章 町民の役割と責任
(自立と自律)
第8条 おいらせ町民は、まちづくりの主体として、自立の精神に則り、自己責任意識と危機管理意識を持ち、自ら解決できる問題は自ら解決しなければなりません。
2 町民は、自律の精神に則り、自らの発言と行動に責任を持たなければなりません。
(まちづくりへの参加)
第9条 おいらせ町民には、地域活動、公益活動、ボランティア活動などの自主的な活動により、暮らしやすい地域社会をつくる役割があります。
(町民、行政及び議会との協働)
第10条 おいらせ町民には、行政と議会について学び、理解することにより、暮らしやすい地域社会をつくる役割があります。
2 町民には、町民同士、行政及び議会と協働でまちをつくる役割があります。
(互いの権利を守る責任)
第11条 おいらせ町民は、お互いに協力して子どもを守り育て、障がい者、お年寄りなど手助けを必要としている人を思いやり、町民の幸福を実現するために努力しなければなりません。
(ふるさとと地球を守る責任)
第12条 おいらせ町民は、ふるさとの歴史を重んじ、伝統と文化、自然を次代に伝えるために努力しなければなりません。
2 町民は、水や空気の汚染を防ぎ、エネルギーの浪費を抑え、資源を節約して美しい地球を次代に引き継ぐために努力しなければなりません。
第4章 行政の役割と責任
(役割と責任)
第13条 おいらせ町長は、町の代表者として、町民の権利を守り、この条例の理念を実現するため、公正かつ誠実に職務にあたらなければなりません。
2 おいらせ町職員は、町民のために働く者として町長等を補助し、町民の権利を守り、この条例の理念を実現するため、公正かつ誠実に職務にあたらなければなりません。
(行政の執行)
第14条 おいらせ町長等及び町職員は、町民のために働く者として、健全な財政運営のため、効率的な予算編成と、開かれた予算執行を行わなければなりません。
2 町長等及び町職員は、職務への創意工夫、学習により自らの資質を向上させるよう努力しなければなりません。
3 町長等及び町職員は、行政内部で情報を共有し、総合的に職務にあたらなければなりません。
(町民との関係)
第15条 おいらせ町長等及び町職員は、町民と同じ視点に立って総合的に職務にあたらなければなりません。
(苦情・相談への対応)
第16条 行政は、町民から苦情や相談を受けたときは、これを尊重し、速やかにかつ誠実に対処しなければなりません。
(情報公開と説明責任)
第17条 行政は、町の行政に関する事柄について、情報の公開と提供に努めるとともに、町民に分かりやすく説明しなければなりません。
(危機管理)
第18条 行政は、町民の生命及び財産を守るため、常に適切な対応ができるよう、努めなければなりません。
第5章 議会の役割と責任
(議会の役割と責任)
第19条 おいらせ町議会は、行政運営が正しく行われているかを監視するとともに、政策形成機能を果たす役割を持っています。
2 議会は、町民の代表として、町民の意思を尊重しなければなりません。
(議会の運営)
第20条 おいらせ町議会は、健全な予算執行により、効率的な運営を行わなければなりません。
2 議会は、その活動を町民に公開し、開かれた運営を進めなければなりません。
(議員の責任)
第21条 おいらせ町議会議員は、全町民の代表として公正かつ誠実に職務にあたらなければなりません。
2 議員は、職務に関する調査、研究及び学習により自らの資質を向上させなければなりません。
第6章 まちづくりの基本原則
(自己決定と連携)
第22条 おいらせ町は、地方自治の理念に則り、国及び青森県と対等な立場で相互に協力してまちづくりにあたります。
2 町は、他の自治体との相互理解のもと、共通の課題に対しては積極的に連携してその解決に努めます。
(地域経営の原則)
第23条 おいらせ町は、持続可能な地域社会を実現するため、地域経営の視点から、地域資源を活用し最少の経費で最大の効果を上げるよう努めます。
(知る権利と情報共有)
第24条 おいらせ町は、町民の知る権利を尊重し、町民、行政及び議会の保有する情報を可能な限り共有します。
(個人情報の尊重)
第25条 おいらせ町は、町民の個人情報とプライバシーを尊重します。
(参加の保障と協働)
第26条 おいらせ町は、町民のまちづくりに参加する機会を保障します。
2 町は、町民が地域活動、公益活動、ボランティア活動などの自主的な活動に参加しやすい環境を整備し、町民、行政及び議会の協働によるまちづくりを進めます。
(住民投票)
第27条 おいらせ町の重要事項については、おいらせ町の住民、町長又は議会の発議により、住民投票を行うことができます。
第7章 まちづくりのしくみ
(総合計画)
第28条 行政は、計画的な行政運営を行うため、定められた期間ごとに総合計画を策定して事業を実施します。
2 総合計画の策定にあたっては、当初から町民との協働により進めなければなりません。
(財政運営)
第29条 行政は、効率的で健全な財政運営を図るため、財政計画を策定します。
2 行政は、町民に理解しやすい予算説明書を作成し、決算においては費用対効果を検証して、これを公表します。
(行政評価)
第30条 行政は、効率的な行政運営を行うため、計画、予算及び執行を評価して事業を進めます。
2 行政評価にあたっては、可能な限り町民との協働により進め、結果を公表して施策の見直し、改善に反映します。
(情報公開・情報共有)
第31条 行政は、行政に関する情報を可能な限り公開し、これを町民と共有します。町民に求められた情報は、個人情報などを除き可能な限り提供しなければなりません。
2 行政は、町民からの苦情や相談に対処した結果を、町民の不利益にならない方法により行政内部で共有するとともに、可能な限りこれを公開し、行政運営に生かします。
(附属機関等における委員の公募)
第32条 附属機関やその他の懇談会等の委員には、町民から公募により選ばれた委員が含まれることを原則とします。
(参加の保障)
第33条 行政は、行政と町民との相互理解を深めるため、直接対話による情報共有の機会を設けます。
2 行政は、町民の生活に関わる政策の策定にあたって、町民が直接意見を提出することができる機会を設けます。
(行政監視)
第34条 おいらせ町は、行政運営が適法かつ公正に行われているかについて監視し、改善に関する提言をする第三者による機関を設けます。
(開かれた議会)
第35条 おいらせ町議会は、町民に開かれた議会とするため、工夫してその公開を進めます。
(選挙における情報共有)
第36条 おいらせ町は、住民が参加しやすい選挙を実施するため、工夫して候補者と住民の情報共有の機会を設けます。
第8章 まちづくり組織
(まちづくり組織)
第37条 おいらせ町は、安心して心豊かに暮らせる地域社会を実現するため、一定のまとまりにある地域において、地域の課題解決のために自主的に活動するまちづくり組織を作ることができます。
(まちづくり組織とおいらせ町)
第38条 おいらせ町は、まちづくり組織の自主性と自立性を尊重し、その活動に協力します。
2 行政は、まちづくり組織が活動しやすいよう、必要な施策を講じ、まちづくり組織の意思を可能な限り町政に反映させるよう努めます。
第9章 施行後の検証と見直し
(運用状況の検証)
第39条 おいらせ町は、この条例の運用状況を毎年検証し、これを公表します。
2 条例の運用状況を検証するための組織は別に設置します。
(条例の見直し)
第40条 この条例は5年を越えない期間ごとに見直します。
2 条例の見直しにあたっては、広く町民の意見を聴かなければなりません。
第10章 補則
(委任)
第41条 この条例に定めるもののほか、この施行にあたり必要な事項は、別に定めます。
附 則
この条例は、平成21年4月1日から施行します。
附 則(平成27年12月18日条例第31号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、平成28年4月1日から施行する。