三鷹市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 三鷹市 | 自治体コード | 13204 |
都道府県名 | 東京都 | 都道府県コード | 00013 |
人口(2015年国勢調査) | 195,391人 |
条例データ
制定年 | 2005年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント オンブズマン/オンブズパーソン 市民会議 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_categories/index05009002001.html |
条例本文
三鷹市自治基本条例
平成17年10月1日条例第17号
改正
平成19年3月12日条例第3号
三鷹市自治基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市民及び市民自治(第4条―第6条)
第3章 市議会(第7条・第8条)
第4章 執行機関(第9条―第11条)
第5章 市政運営(第12条―第28条)
第6章 参加及び協働(第29条―第35条)
第7章 政府間関係(第36条―第38条)
附則
主権者である市民の信託に基づく三鷹市政は、参加と協働を基本とし、市民のために行われるものでなければならない。
市民にとって最も身近な政府である三鷹市は、市民の期待に応え、市民のためのまちづくりを進めるとともに、まちづくりを担う多くの人々が、参加し、助け合い、そして共に責任を担い合う協働のまちづくりを進めることを基調とし、魅力と個性のあふれるまち三鷹を創ることを目指すものである。
三鷹市は、文人たちも愛した緑と水の豊かなまちであり、これまでの歩みの中でも市民生活の向上に積極的に取り組むなど、常に先駆的なまちづくりを進めてきた。
私たち市民は、郷土三鷹を愛し、自然と文化、歴史を大切にし、誇りに思える地域社会を築くとともに、世界平和への寄与、基本的人権の尊重、協働とコミュニティに根ざした市民自治を確かなものとし、日本国憲法に掲げる地方自治の本旨をこの三鷹において実現するために、三鷹市の最高規範として、ここにこの条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、三鷹市における自治の基本理念と基本原則及び自治機構と自治運営の基本的な仕組みを定め、市民の信託に基づく市議会及び市長等の役割と責任を明らかにするとともに、市民自治による協働のまちづくりを推進し、もって日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住み、又は市内で働き、学び、若しくは活動する人をいう。
(2) 事業者等 市内において、営利又は非営利の活動、公共的活動その他の活動を営む団体をいう。
(3) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(4) 市 基礎自治体としての三鷹市をいう。
(条例の最高規範性等)
第3条 この条例は、市政運営における最高規範であり、市は、他の条例、規則等の制定並びに法令、条例、規則等の解釈及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合性を図らなければならない。
2 市民及び市は、地方自治の推進に向けた取組を通してこの条例の不断の見直し及び検証を行い、将来にわたりこの条例を発展させるものとする。
第2章 市民及び市民自治
(地域における市民の権利、責務等)
第4条 市民は、地域における自治活動、コミュニティ活動、ボランティア活動等の社会貢献活動その他の自主的な活動を推進するために主体的に組織等を作り、他の何人からも干渉されず、自由に自立した活動を営むことができる。
2 市民は、地域の諸課題の解決に向けて自ら行動し、市民自治を実現するため、まちづくりを主体的に行うことができる。
3 市民は、前2項の活動を行うときに、自らの発言及び行動に責任を持つとともに、市民相互の連帯及び責任に基づき、互いの意見及び行動を尊重しなければならない。
(市政における市民の権利、責務等)
第5条 市民は、市政の主権者であり、市政に参加する権利を有する。この場合において、市政に参加しないことによって不利益な扱いを受けない。
2 市民は、市政情報に関し知る権利を有するとともに、自己に係る個人情報の開示及び適正な措置を請求する権利を有する。
3 市民は、法令又は条例の定めるところにより納税の義務を負うとともに、適正な行政サービスを受ける権利を有する。
(事業者等の権利、責務等)
第6条 事業者等は、自由に自立した活動を営むとともに、市民及び市と相互に連携及び協力を図り、協働の担い手としてまちづくりに参加する権利を有する。
2 事業者等は、法令又は条例に定める責務を遵守するとともに、市民とともに地域社会を構成するものとしての社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、安全でうるおいのある快適な環境の実現及びまちづくりの推進に寄与するよう努めなければならない。
第3章 市議会
(市議会の役割、責務等)
第7条 市議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)の規定に基づき、市民の直接選挙により信託を受けた議員によって構成される意思決定機関であり、市民の信託に応えるため、事案の決定、市政の監視及びけん制を行うものとする。
2 市議会は、市民への情報提供を積極的に推進するとともに、市民に開かれた議会運営に努めなければならない。
3 市議会は、前2項の役割、責務等を果たすため、市議会の持つ権能を最大限に発揮して活動するものとする。
(市議会の立法活動、調査活動等)
第8条 市議会は、議会の活性化に努めるとともに、独自の政策提言及び政策立案の強化を図るため、立法活動、調査活動等を積極的に行うものとする。
第4章 執行機関
(市長の責務)
第9条 市長は、その地位が市民の信託によるものであることを認識し、市政の代表者として市民の信託に応え、市民自治の理念を実現するため、公正かつ誠実に市政運営に当たらなければならない。
2 市長は、毎年度、市政運営の方針を明確に定めるとともに、その達成状況を市民及び市議会に説明しなければならない。
(執行機関の連携及び協力)
第10条 市の各々の執行機関は、所掌事務について、自らの判断及び責任においてこれを公正かつ誠実に処理するとともに、市長の総合的な調整のもと、執行機関相互の連携及び協力を図りながら、一体として行政機能を発揮しなければならない。
(補佐職の設置等)
第11条 市長は、副市長等の常勤の特別職に加えて、市長の業務を補佐し、専門的な助言を行うため、補佐職等を設置することができる。
一部改正〔平成19年条例3号〕
第5章 市政運営
(市の率先行動の基本原則)
第12条 市は、国が批准した国際規約等で確認されている人間の尊厳、自由、平等及び持続可能な発展を実現するため、市の役割と責任を明確にし、率先して行動するよう努めるものとする。
(基本構想及び基本計画の位置付け等)
第13条 市長等は、総合的、計画的な市政運営を行うため、市の最上位計画として市議会の議決を経て基本構想を定めるとともに、基本構想の実現を図るため、基本計画を策定するものとする。
2 基本構想及び基本計画に基づき策定する個別計画は、基本構想及び基本計画との整合及び連動が図られるようにしなければならない。
(情報公開等)
第14条 市は、市の保有する情報が市民の共有財産であり、すべての人の知る権利の実効的保障が、市民参加及び公正かつ民主的な市政運営の推進のために極めて重要であることを認識し、開かれた自治体として積極的な情報公開及び情報提供を行わなければならない。
(個人情報の保護)
第15条 市は、市民の基本的人権を守るため、個人情報の適正な保護を行うとともに、何人に対しても、自己に係る個人情報の開示と適正な措置を請求する権利を保障するため、必要な措置を講じなければならない。
(パブリックコメント)
第16条 市長等は、重要な条例及び計画の策定等に当たり、市民の意見を反映させるために事前に案を公表し、市民の意見を聴取するとともに、これに対する市長等の考え方を公表しなければならない。ただし、特に緊急を要する場合は、この限りでない。
(説明責任)
第17条 市長等は、政策決定の理由を説明する責任を有するとともに、計画の策定及び事業の実施に当たって掲げた目標について、達成の有無及び達成状況等の結果を市民に分かりやすく説明しなければならない。
(要望、苦情等への対応)
第18条 市長等は、市政に関する市民の要望、苦情等に誠実、迅速かつ的確に対応するとともに、その結果について速やかに市民に回答しなければならない。
2 市長等は、市民から苦情として寄せられた事案について、その原因を追求し、再発防止、未然防止等の適正な対応に努めなければならない。
3 市長等は、毎年度、市民の要望、苦情等への対応状況について年次報告を取りまとめ、これを公表する。
(オンブズマン)
第19条 市長は、市民の市政に関する苦情を公正かつ中立な立場で迅速に処理することにより、市民の権利利益を擁護し、市政に対する市民の信頼性を高め、公正かつ透明な市政の推進を図るため、三鷹市総合オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)を設置する。
2 オンブズマンは、市民の申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案について、市長等に対して意見を述べ、若しくは是正等の措置を講ずるよう勧告し、又は苦情等の原因が制度そのものに起因するときは当該制度の改善に関する提言を行うことができる。
3 市長等は、オンブズマンの職務の遂行に関しその独立性を尊重し、積極的な協力援助を行うとともに、オンブズマンから勧告又は提言を受けたときは、これを尊重し、誠実かつ適切に処理しなければならない。
(職員及び組織)
第20条 市は、広く人材を求め、公正かつ有能な職員の任用に努めるとともに、適材適所の人事配置、効果的な人材育成並びに適切な人事評価及び処遇を行うことにより、職員及び組織の能力が最大限に発揮されるよう努めなければならない。
2 職員は、その職責が市民の信託に由来し、市民全体の奉仕者であることを自覚し、法令、条例等及び任命権者の指示に従い、誠実、公正かつ能率的に職務を行うとともに、創意をもって自治の充実に努めなければならない。
3 市の組織は、市民に分かりやすく、効率的かつ機能的なものであるとともに、社会経済情勢の変化及び市民のニーズに的確に対応するよう編成されなければならない。
(適法・公正な市政運営)
第21条 市政運営に携わる者は、市政に違法又は不当な事実があった場合は、これを放置し、又は隠してはならず、組織の自浄作用により市政の透明性を高め、市政を常に適法かつ公正なものにしなければならない。
(政策法務)
第22条 市は、市民のニーズや市の行政課題に対応した主体的な政策活動を推進するため、自治立法権と自治解釈権を活用した積極的な法務行政を推進しなければならない。
2 市は、この条例並びに第13条第1項に規定する基本構想及び基本計画の目的を達成するため、分野別の基本条例、総合条例等を整備するものとする。
(行政サービス提供の基本原則)
第23条 市長等は、行政サービスに関する情報を分かりやすく市民に公表するとともに、公平かつ効率的で、質の高い行政サービスの提供を図り、市民満足度の向上に努めなければならない。
(自治体経営)
第24条 市長等は、事業の実施に当たり、最少の経費で最大の効果を上げるよう努め、地域における資源を最大限に活用した事業の戦略的な展開を図るとともに、市民満足度の向上及び成果重視の観点を踏まえた自治体経営を推進しなければならない。
2 市長は、健全な財政運営に努めるとともに、市の財政、財務等に関する資料を作成して公表することにより、市の経営状況を的確かつ分かりやすく市民に伝えなければならない。
3 市長は、他の執行機関と連携を図りながら、各種の行政サービスを受ける市民間の負担の適正化及び社会資本整備等における世代間の負担の公平化が図られるよう、適切な財政政策を進めなければならない。
(行政評価)
第25条 市長等は、効果的かつ効率的な市政運営を図るため、適切な目標設定に基づく行政評価を実施し、評価結果を施策等に速やかに反映させるよう努めるとともに、行政評価に関する情報を分かりやすく市民に公表するものとする。
(監査)
第26条 監査委員は、市の財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理の監査並びに市の事務の執行の監査をするに当たっては、事務事業の適法性及び妥当性のほか、経済性、効率性及び有効性の評価等を踏まえて行うものとする。
(出資団体等)
第27条 市長等は、市の出資団体に対して、適切な情報公開及び個人情報の保護が行われるとともに、市の出資した目的が効果的かつ効率的に達成できるよう、必要な支援及び要請を行うことができる。
2 市長等は、他の団体に出資又は業務の委託を行う場合は、必要な範囲で、当該団体の業務及び財務に関する情報の開示を求めることができる。
3 市長等は、補助金の交付を行った団体等による公共的なサービスの提供に関する市民の苦情を受けた場合は、当該団体等の協力を得て、その苦情の内容を調査し、必要と認めるときは、当該団体等に対して意見、助言等を述べることができる。
(危機管理)
第28条 市は、緊急時に備え、市民の身体、生命及び財産の安全性の確保及び向上に努めるとともに、総合的かつ機動的な危機管理の体制を強化するため、市民、事業者等、関係機関との協力、連携及び相互支援を図らなければならない。
第6章 参加及び協働
(計画の策定過程等)
第29条 市長等は、基本構想、基本計画その他の重要な個別計画(以下「計画等」という。)の策定に当たっては、市民の多様な参加を保障するとともに、市民の検討に必要な情報を取りまとめた資料集等の作成を行うものとする。
2 市長等は、計画等の進捗状況の管理及び達成状況の把握を適切に行い、これを公表するとともに、社会情勢等の変化に弾力的に対応した計画等の改定を行うものとする。
(市民会議等の設置及び運営)
第30条 市長等は、市民、学識者等の意見を市政に反映させるため、市民会議、審議会等(以下「市民会議等」という。)を設置することができる。
2 市長等は、前項の規定により市民会議等を設置するときは、設置目的等に応じて委員の公募を行うとともに、委員の男女の比率、年齢構成及び選出区分が著しく不均衡にならないように留意し、同一の委員が著しく長期にわたって就任し、又は同時期に多数の市民会議等の委員に就任することのないように努めなければならない。
3 市長等は、法令、条例等に特別の定めがあるものを除き、原則として市民会議等の会議を公開しなければならない。ただし、市民会議等は、特別な理由があるときは、会議に諮り、その会議の全部又は一部を非公開とすることができる。
(コミュニティ活動)
第31条 市長等は、市民の自発的な地域における自治活動及びコミュニティ活動が推進されるよう、活動拠点となるコミュニティ・センター及び地区公会堂(以下「コミュニティ施設」という。)の環境整備及び必要な支援を行うとともに、市民と連携したまちづくりを進めるものとする。
2 コミュニティ施設は、市民の、市民による、市民のための施設として、市民の自由及び責任を基調とした管理運営が行われなければならない。
(協働のまちづくり)
第32条 市長等は、市、市民及び事業者等の多様な主体が相互に連携協力し、まちづくり及び公共的なサービス提供の担い手となる協働のまちづくりを推進するため、市民協働センターの環境整備を行うとともに、必要な支援を行うものとする。
2 市長等は、協働のまちづくりの推進において、多様な主体が情報を共有し、意見を交換し、積極的な参加及び意思形成が図られるよう、多様で開かれた場と機会の創設に努めなければならない。
3 市民、事業者等及び市長等は、計画の策定及び実施の過程において、市民参加の実効性を確保し、協働のまちづくりを推進するため、各々の役割、責務等を定めたパートナーシップの推進に関する協定を締結することができる。
(学校と地域との連携協力)
第33条 教育委員会は、地域と連携協力し、保護者、地域住民等の学校運営への参加を積極的に進めることにより、地域の力を活かし、創意工夫と特色ある学校づくりを行うものとする。
2 教育委員会は、地域及び市長と連携協力し、学校を核としたコミュニティづくりを進めるものとする。
(出資団体及び他の官公庁との連携等)
第34条 市長等は、市の出資団体及び他の官公庁と連携し、総合的なまちづくりの推進を図るとともに、必要に応じ、協議会等を設置し、まちづくりの推進に関する協定等を締結することができる。
(住民投票)
第35条 市内に住所を有する年齢満18歳以上の者で別に定めるものは、市の権限に属する市政の重要事項について、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、条例案を添え、その代表者から市長に対して住民投票の実施を請求することができる。
2 前項の条例案において、投票に付すべき事項、投票の手続、投票資格要件その他住民投票の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
3 市長は、第1項の請求を受理した日から20日以内に市議会を招集し、意見を付けてこれを市議会に付議し、その結果を同項の代表者に通知するとともに、これを公表しなければならない。
4 前3項に掲げるもののほか、第1項による住民投票の請求の処置等に関しては、地方自治法第74条第2項、第4項及び第6項から第8項まで、第74条の2第1項から第6項まで並びに第74条の3第1項から第3項までの規定の例による。
第7章 政府間関係
(国、東京都等との政府間関係)
第36条 市は、基礎自治体である市町村優先の原則に基づき、国、東京都等(以下「国等」という。)との適切な政府間関係の確立が図られるよう、国等に対し制度、政策等の改善に向けた取組を積極的に行うとともに、関係団体、市民及び事業者等と連携協力し、自治基盤の強化に努めなければならない。
(他の自治体等との連携)
第37条 市は、他の自治体等と連携して、行政サービス、施設の相互利用、共通する課題への広域的対応等を行うことにより、市民サービスの向上を図り、効果的かつ効率的な市政運営を行わなければならない。
(海外の自治体等との連携及び国際交流の推進)
第38条 市は、海外の自治体、研究機関、市民活動団体等との連携、交流及び協力を推進するとともに、市民による公共的な国際活動への支援を行うことにより、相互理解の推進、共通する都市問題への取組及び平和、人権、環境等の地球規模の諸問題への取組を行うものとする。
附 則
この条例は、公布の日から起算して6月を経過した日から施行する。
附 則(平成19年3月12日条例第3号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。(後略)