条例

平塚市自治基本条例

自治体データ

自治体名 平塚市 自治体コード 14203
都道府県名 神奈川県 都道府県コード 00014
人口(2015年国勢調査) 258,422人

条例データ

条例本文

○平塚市自治基本条例
平成18年10月1日
条例第32号

目次
前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 自治の基本理念(第4条)
第3章 自治の基本原則(第5条~第7条)
第4章 まちづくりの指針(第8条)
第5章 自治の担い手
第1節 市民(第9条~第13条)
第2節 議会及び議員(第14条・第15条)
第3節 市長及び市の執行機関(第16条~第18条)
第6章 行政運営(第19条~第25条)
第7章 住民投票制度(第26条)
附則

私たちのまち平塚は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、先人の英知と努力により、平和で活力に満ちた住みよいまちとして発展してきました。
しかしながら、地方分権の進展や少子高齢・人口減少社会の到来など、成長と拡大を基調とした社会構造そのものが転換期を迎えた今日、私たち市民には、恒久平和の実現と基本的人権の尊重を基に、先人が守り育てた文化や自然などの地域財産をいかしながら、市政への参加と議会及び行政との協働により、市民が幸せに暮らすことのできる新たなまちづくりが求められています。
こうした認識のもと、私たち市民は、自治の基本理念とまちづくりの指針を明らかにし、市民、議会及び行政の役割など、自治の基本を定める規範として、ここに、平塚市自治基本条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、自治の基本理念を明らかにするとともに、市民の権利及び責務、議会、市長及び市の執行機関の責務等自治に関する基本事項を定めることにより、自治の推進を図ることを目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、平塚市(以下「市」といいます。)の自治の基本を定める規範であり、市の他の条例、規則その他の規程の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図ります。
(用語)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意味は、当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 市の区域内において居住する人、働く人、学ぶ人、事業を営む者、活動する団体等をいいます。
(2) 参加 市民が、議会及び市の執行機関による政策の立案、実施及び評価の各過程において、意見を表明し、行動し、又は参画することをいいます。
(3) 協働 市民、議会及び市の執行機関が、それぞれの役割及び責任のもと、自主性を尊重し、対等な立場で連携し、協力してまちづくりをすすめることをいいます。
(4) まちづくり 市民が幸せに暮らすまちとしていくための、あらゆる活動及び事業をいいます。
第2章 自治の基本理念
(自治の基本理念)
第4条 市民は、まちづくりの主体です。
2 市政は、主権を有する市民の信託によるもので、議会及び市長はその信託にこたえます。
3 市は、国及び他の自治体と対等な立場で連携し、協力して共通する課題及び広域的な課題の解決を図ります。
第3章 自治の基本原則
(情報共有の原則)
第5条 市民、議会及び市の執行機関は、まちづくりに関する情報を互いに提供し、共有することを原則とします。
(参加の原則)
第6条 市民は、市政に参加をすることを原則とします。
(協働の原則)
第7条 市民、議会及び市の執行機関は、それぞれの役割及び責任のもと、自主性を尊重し、対等な立場で連携し、協力してまちづくりをすすめることを原則とします。
第4章 まちづくりの指針
(まちづくりの指針)
第8条 市は、次に掲げる指針により、市民が幸せに暮らすまちを目指します。
(1) 世界の人々と相互理解を深め、多様な文化が共生し、人々が平和に共存するまちにします。
(2) 豊かな人間性と文化をはぐくみ、基本的人権を擁護するまちにします。
(3) 互いに支え合い、誰もが安心して、安全に暮らすまちにします。
(4) 自然環境と都市基盤が調和し、自然と人が共生するまちにします。
(5) 産業を培い、活力とにぎわいのあるまちにします。
第5章 自治の担い手
第1節 市民
(市民の権利)
第9条 市民は、人として尊重され、平和な中で自己実現を図り、幸福を追求する権利を有します。
2 市民は、議会及び市の執行機関に対して、まちづくりに関する次に掲げる権利を有します。
(1) 情報を知る権利
(2) 参加をする権利
(3) 協働をする権利
3 市民は、自己の権利利益が損なわれないように、自己の個人情報について、保護される権利及び開示、誤りの訂正、削除等を求める権利を有します。
(市民の責務)
第10条 市民は、互いの自由及び人格を尊重します。
2 市民は、責任を持って参加をします。
3 市民は、市政運営に伴う負担を分担します。
(子どものまちづくりへのかかわり)
第11条 子どもは、社会の一員として尊重され、まちづくりにかかわることができます。
(事業者のまちづくりへのかかわり)
第12条 事業者は、次に掲げるところに配慮して事業活動を行い、まちづくりに寄与します。
(1) まちづくりに関する情報の提供に努めます。
(2) 環境の保全及び創造に努めます。
(3) 地域の文化及び伝統を守り、社会的活動への貢献に努めます。
(コミュニティの尊重)
第13条 議会及び市の執行機関は、まちづくりの担い手として、コミュニティ(まちづくりに関する課題に取り組む自治会等の地域の自治組織、市民活動団体等をいいます。以下同じです。)の自主性及び自立性を尊重します。
第2節 議会及び議員
(議会の責務)
第14条 議会は、市民の多様な意見を踏まえ、将来を見通し、主権を有する市民を代表して、市の重要な意思決定を行います。
2 議会は、行政運営が適正かつ効率的に行われているかを調査し、監視します。
3 議会は、議会活動に関する情報を市民にわかりやすく提供し、開かれた議会運営を行います。
4 議会は、審議、政策立案等に当たり、必要に応じて市民の意見を求めます。
(議員の責務)
第15条 議員は、議会がその権限を適切に行使できるように、地域の課題及び市民の意見を把握するとともに、市政全体の観点から判断を行います。
第3節 市長及び市の執行機関
(市長の責務)
第16条 市長は、憲法、法律及びこの条例に基づき、誠実に職務を執行します。
2 市長は、公正で透明な市政運営に当たります。
3 市長は、市民が幸せに暮らすまちを目指して、市民の権利を擁護し、生命及び財産を守ります。
4 市長は、市政の課題に的確に対応することができる効率的かつ効果的な組織運営を行います。
(市の執行機関の責務)
第17条 市の執行機関は、まちづくりに関する情報をわかりやすく提供します。
2 市の執行機関は、多様な方法による参加及び協働の機会を提供します。
3 市の執行機関は、個人情報を保護し、個人情報に関する権利を保障します。
4 市の執行機関は、政策の立案、実施及び評価の各過程において、説明責任を果たします。
5 市の執行機関は、組織間の連携及び調整により、総合的な行政サービスを提供します。
6 市の執行機関は、市政の課題に的確に対応することができる知識及び能力を持った市の職員を育成します。
(市の職員の責務)
第18条 市の職員は、参加及び協働の視点に立つとともに、次に掲げるところにより、誠実に職務を行い、市民との信頼関係を築きます。
(1) 法令を遵守します。
(2) 職務に必要な知識、技能等を修得します。
(3) 相互に研鑽けんさんし、能力を発揮します。
(4) 相互に連携を図り、協力します。
第6章 行政運営
(総合計画等)
第19条 市は、この条例の趣旨に基づき、総合的かつ計画的な市政運営の基本となる計画(以下「総合計画」といいます。)を策定します。
2 市の執行機関は、総合計画の進行管理を行い、その状況をわかりやすく公表します。
3 市の執行機関は、行政分野ごとの計画の策定に当たっては、総合計画との整合を図ります。
(法令解釈等)
第20条 市の執行機関は、この条例の趣旨を尊重して、法令を解釈し、運用するよう努めます。
2 市の執行機関は、この条例の趣旨を尊重して、条例を策定し、規則その他の規程を制定し、改廃します。
(財政運営)
第21条 市の執行機関は、最少の経費で最大の効果を挙げるため、次に掲げるところにより、中長期的な展望に立った財政運営を行います。
(1) 適切な収入を確保するとともに、効率的かつ効果的な執行を行います。
(2) 総合計画及び行政評価の結果を踏まえ、予算を編成します。
(3) 予算の編成及び執行並びに決算に関する情報をわかりやすく公表します。
(4) 市の保有する財産を適正に管理し、効率的かつ効果的に運用します。
(市民の意見等に対する手続)
第22条 市の執行機関は、パブリックコメント手続(まちづくりに関する重要な政策等の策定等に当たり、事前にその案を市民に公表し、市民の意見を募り、当該意見及び当該意見に対する考え方等を公表する手続をいいます。)、意識調査等の方法により、市民が意見を表明し、提案をする権利を保障します。
2 市の執行機関は、行政処分、行政指導(これらの基準等を定める行為を含みます。)及び届出に関する手続について、公正の確保及び透明性の向上を図ります。
3 市の執行機関は、市民の意見、不服申立て等に対して、迅速かつ適切に対応します。
(コミュニティの支援)
第23条 市の執行機関は、まちづくりの担い手として、コミュニティを支援します。
(審議会等)
第24条 市の執行機関は、次に掲げるところにより、審議会、審査会、調査会その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議会等」といいます。)の運営に当たります。
(1) 審議会等の構成員は、公募による市民を含めるよう努めます。
(2) 審議会等の会議は、正当な理由のない限り市民に公開します。
2 審議会等は、必要に応じて市民の意見を求めることができます。
(行政評価)
第25条 市の執行機関は、数値を用いる等客観的な行政評価を実施し、その結果をわかりやすく公表します。
2 行政評価の結果は、行政運営に適切に反映します。
第7章 住民投票制度
(住民投票制度)
第26条 市は、市政に関する重要事項について、住民の意思を直接問う必要があると認めるときは、当該重要事項ごとに、別に条例で定めるところにより、住民投票の制度を設けることができます。
2 議会及び市長は、住民投票の結果を尊重します。
3 市長は、住民投票の実施に当たっては、住民が当該重要事項について判断できるように、必要な情報の提供、時間の確保等に配慮します。

附 則
この条例は、公布の日から施行します。