条例

逗子市市民参加条例

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都道府県名 都道府県コード
人口(2015年国勢調査)

条例データ

条例本文

○逗子市市民参加条例

平成17年12月19日
逗子市条例第27号

前文
わたしたち逗子市民は、今日まで築き上げてきた歴史や文化を踏まえ、将来にわたって逗子市が豊かで住みやすいまちになることを望んでいます。
その実現のためには、わたしたち市民一人ひとりが責任を持って市政に参加することで、市民の意見を踏まえた市政の運営がなされていく必要があると考えています。
特に逗子市では、池子米軍家族住宅建設に関してさまざまな市民参加が行われてきた歴史もあり、自分たちのまちは自分たちで守り、創り上げるという強い思いを持っています。
これまでにもさまざまな場面でさまざまな市民参加が行われてきていますが、ここにあらためて市政への参加が逗子市民の権利であることを確認し、どのような場面でどのような参加ができるのかといった逗子市の市民参加に関するルールとして市民参加条例を制定します。

(目的)
第1条 この条例は、市の行政活動における市民参加の対象、方法等を定め、市民参加を適正に運営することにより、市民の望む豊かで住みやすいまちを目指すことを目的とします。
(基本理念)
第2条 市民参加の基本理念は、市民一人ひとりが権利と役割を自覚し、積極的かつ主体的に生活に根付いた考えを市政に活かすことで市民自治を実現させることをいいます。
(用語の意義)
第3条 この条例において「市民参加」とは、市が意思決定をする過程において市民が意見を述べ、又は提案することにより行政活動に参加し、市政を推進することをいいます。この場合において、市の執行機関は、市民参加の機会を保障するとともに、自らの最終的な判断のもとに事業を執行するものとします。
2 この条例において「市の執行機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、固定資産評価審査委員会をいいます。
(市民の権利)
第4条 市民は、行政活動に参加する権利を持ちます。
2 市民は、市の行政活動に参加すること又は参加しないことで不利益な取扱いを受けないものとします。
(市民の役割)
第5条 市民は、市民参加をするときは、自らの行動と発言に責任を持ち、他の市民の参加の権利に配慮し、良識を踏まえて行動するものとします。
2 市民は、自由に意見を表明するとともに、必要に応じて相互の意見や利害に配慮し、合意形成を進めるものとします。
(市の執行機関の役割)
第6条 市の執行機関は、市民に対して市政に関する情報を積極的に提供するものとします。
2 市の執行機関は、市民参加の機会を積極的に確保するものとします。
3 市の執行機関は、行政活動の適切な段階で市民参加を実施しなければならないものとします。
4 市の執行機関は、市民参加を実施する場合は、できるだけ多くの市民の参加を得るよう努めるものとします。
5 市の執行機関は、市政について市民参加の手続を経て提言された意見を尊重し、当該施策に反映させるものとします。
6 市の執行機関は、市民に対して説明責任を果たすものとします。
(市民参加の対象)
第7条 市民参加の対象となる事項(以下「対象事項」といいます。)は、次のとおりとします。
(1) 市の基本構想、基本計画その他市政の基本的な事項を定める計画若しくは基本方針の策定又は変更
(2) 市民に権利を与え、又は義務を課し、若しくは市民の権利を制限する条例の制定及び改廃
(3) 市民生活に重大な影響を与える制度の導入及び改廃
(4) 主に市民が使用する公共施設の設置に係る計画等の策定又は変更
(5) その他市の執行機関が必要と認める行政活動
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するものは、対象事項としないものとします。
(1) 緊急を要するもの
(2) 実施基準が法令に規定されているもの
(3) 軽微なもの
(4) 予算の調製及び執行、市の人事その他市の執行機関の内部事務処理に関するもの
3 市の執行機関は、対象事項については、事前に第12条の市民参加制度審査会に実施する市民参加の方法、その時期等について諮るものとします。ただし、やむを得ない理由により事前に諮ることができなかった対象事項については、その理由及び対象事項の内容について市民参加制度審査会に報告するものとします。
4 市の執行機関は、第2項第1号に該当することを理由に市民参加の手続が実施されなかった場合は、その理由及び対象事項の内容について速やかに公表するとともに、第12条の市民参加制度審査会に報告するものとします。
(市民参加の方法)
第8条 市の執行機関は、対象事項について次に掲げる市民参加の方法から当該施策に適切であるものを複数選択して実施しなければならないものとします。
(1) パブリックコメント(事前に案を広く市民に説明し、それに対する市民の意見を十分に聴くことをいいます。)
(2) 審議会等(構成員に公募により選考された者を含むものに限ります。)
(3) ワークショップ等(市民と市の執行機関の職員が案を作り上げていく会合のことをいいます。)
(4) 公聴会等(市の執行機関が広く市民の意見を聴取するための会合のことをいいます。)
(5) 前各号に掲げるもののほか市の執行機関が適当と認める方法
(パブリックコメントの公表等)
第9条 市の執行機関は、第7条第1項第1号から第4号までに該当する事項については、パブリックコメントを行わなければならないものとします。
2 市の執行機関は、パブリックコメントにより意見を求めたときは、市民意見の採否及びその理由について公表しなければならないものとします。
(審議会等)
第10条 市の執行機関は、審議会等を設置しようとする場合は、原則として市民の公募委員を加えるものとします。
2 審議会等の会議は、事前にその会議の開催について公表し、逗子市情報公開条例(平成13年逗子市条例第3号)第20条の規定により公開するものとします。
(住民投票の実施)
第11条 市長は、市政の重要事項に係る意思決定について、市民に直接問う必要があるときは、住民投票を実施することができます。
2 市長は、市政の重要事項に係る事案について逗子市住民投票条例(平成18年逗子市条例第1号)第4条に規定する住民投票の請求があるときは、住民投票を実施しなければならないものとします。
3 その他住民投票の実施について必要な事項については、逗子市住民投票条例で定めます。
(市民参加制度審査会の設置)
第12条 市民参加を適正に運営するため、市民参加制度審査会(以下「審査会」といいます。)を設置します。
2 審査会の所掌事務は、次に掲げるとおりとします。
(1) 第7条第3項の規定により諮られた実施する市民参加の方法等について審査すること。
(2) 市の執行機関が実施する市民参加について市民からの苦情を受け付け、それについて審議し、必要に応じて市長に勧告等を提出すること。
(3) 次条の規定による市民参加の実施状況等の報告について評価すること。
(4) 社会情勢の変化等による新しい市民参加の方法等を研究すること。
(5) 市の執行機関からの市民参加に関する諮問(第7条第3項の規定によるものを除きます。)に応じること。
(6) その他市民参加の適正な運営に関し審議すること。
(実施状況等の報告)
第13条 市長は、毎年度において市民参加の実施状況や結果を取りまとめて公表し、前条の審査会に報告するものとします。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。

附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行します。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、既に着手され、又は着手のための準備が進められている対象事項であって、時間的な制約その他正当な理由により市民参加を求めることが難しいものについては、この条例の規定は、適用しません。