遠別町自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 遠別町 | 自治体コード | 01486 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 2,520人 |
条例データ
制定年 | 2006年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.town.embetsu.hokkaido.jp/_files/00003179/jitikihonjyourei.pdf |
条例本文
遠別町自治基本条例
平成18年3月17日条例第1号
遠別町自治基本条例
前文 わたしたちのまち遠別町は、北海道の北西部に位置し、先人たちのすばらしい開拓精神で、厳しい風雪に耐え、緑豊かな山野に北限の稲作を生み、日本海の幸に恵まれ第1次産業を基幹産業として発展してきました。
わたしたち町民は、先人が築いた自然豊かな遠別町を守り・育て、郷土愛と助け合いの心を育み、現在と将来の町民が健康でいきいきと支えあって暮らせるまちを目指します。
まちづくりは、町民一人ひとりが自ら考え行動することによる「自治」が基本です。
わたしたち町民は、情報の共有や町民自らの権利と責任において、誰もがまちづくりに参画し、町と一体になって協働のまちづくりを進めるため、この条例を制定します。
第1章 目的
(目的)
第1条 この条例は、遠別町のまちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、わたしたち町民が自らの権利と責任においてまちづくりに参加する仕組みを確立することにより創造力と活力に満ちた自治の実現を図ることを目的とする。
第2章 まちづくりの基本原則
(参加原則)
第2条 まちづくりは、町の仕事の企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、町民の参加が基本とされなければならない。
(情報共有の原則)
第3条 まちづくりは、町民と町が一体となって進められるものであるから、まちづくりに関する情報を共有しながら進めていくこととする。
(説明責任)
第4条 町は、まちづくりの企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果及び手続きを町民に明らかにし、分かりやすく説明しなければならない。
(計画の策定等における原則)
第5条 まちづくりを総合的かつ計画的に進めていくための総合計画は、この条例に沿って策定されるとともに、新たな課題に対応できるように検討が加えられなければならない。
2 町は、前項の総合計画の策定に当たっては、町民の意見が反映できるように、広く町民の参画を得て策定しなければならない。
3 町は、次に掲げる計画を策定しようとするときは、総合計画との整合性に配慮し、計画相互間の体系化に努めなければならない。
(1) 法令又は条例に規定する計画
(2) 国又は他の自治体の仕事と関連する計画
4 町は、第1項及び第3項の計画に次に掲げる事項を明示するとともに、その計画の実施に当たってはこれらの事項に配慮した進行管理に努めなければならない。
(1) 計画の目標及びこれを達成するための町の仕事の内容
(2) 前号の仕事に要すると見込まれる費用及び期間
第3章 町民の権利と責務
(まちづくりに参加する権利)
第6条 町民は、まちづくりの主体であり、個人、団体、職域、地域等の各種の立場からまちづくりに参加する権利を有する。
(まちづくりに参加する権利の保障)
第7条 この条例に定めるまちづくりに参加する権利は、まちづくりに関係する全ての者に対して等しく保障する。
(満20歳未満の町民のまちづくりに参加する権利)
第8条 満20歳未満の青少年及び子供は、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加する権利を有する。
(まちづくりにおける町民の責務)
第9条 わたしたち町民は、まちづくりの主体であることを認識し、総合的視点に立ち、まちづくりの活動において自らの発言と行動に責任を持たなければならない。
(情報を得る権利)
第10条 わたしたち町民は、町の仕事について必要な情報の提供を受け、自ら取得する権利を有する。
(学ぶ権利)
第11条 わたしたち町民は、生涯にわたり学習機会を選択して学ぶ権利を有する。
(災害等における町民の責務)
第12条 わたしたち町民は、災害発生時には自らの被災防止に努めるとともに、互いに助け合い可能な限り避難・復旧活動に参加するよう努めるものとする。
2 わたしたち町民は、安全で快適な生活を実現するため常に交通安全及び防犯意識の高揚を図り、交通事故防止等に関する町の施策に参加するとともに自らも事故防止に努めなければならない。
(自然環境の保護)
第13条 わたしたち町民は、自然豊かな郷土を守り、育てるためそれぞれの責任において省エネルギー・リサイクル等の推進を図り、環境の保護に努めるものとする。
第4章 評価
(評価の実施)
第14条 町は、まちづくりの施策、事業等の行政運営における妥当性の有無を明らかにし、施策、事業等の再編又は活性化を図るため、評価を実施する。
2 まちづくりの施策の評価は、行政運営の循環(計画、実施及び評価が一連のものとして繰り返されることをいう。)の中で、最もふさわしい方法により継続して行わなければならない。
第5章 住民投票制度
(住民投票の実施)
第15条 町は、遠別町にかかわる重要事項について、直接、町民の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができる。
(住民投票の条例化)
第16条 住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定める。
2 前項に定める条例に基づき住民投票を行うとき、町長は住民投票結果の取扱をあらかじめ明らかにしなければならない。
第6章 町の役割と責務
第1節 総則
(町の責務)
第17条 町は、この条例で定めるところにより、まちづくりに関する必要な制度を確立し、各種のまちづくり施策を定め、これを誠実に実施する責務を負う。
(意思決定の明確化)
第18条 町は、町政に関する意思決定の過程を明らかにすることにより、町の仕事の内容が町民に理解されるよう努めなければならない。
(町民の健康、福祉に寄与する責務)
第19条 町は、少子・高齢化社会の中で町民が健康で豊かな生活がおくれるよう医療・福祉の充実に努めなければならない。
(安全・安心なまちづくりの推進)
第20条 町は、災害が発生したときは、速やかに町民の安全を確保するよう努めなければならない。
2 町は、町民を交通事故及び犯罪から守るため関係機関と連携し交通安全対策並びに防犯対策を推進するものとする。
(生涯学習の推進)
第21条 町は、町民の自立を支援し、その社会参加を促進するために生涯学習の機会を確保しなければならない。
(委員の公募)
第22条 町は、審査会、審議会、調査会その他の附属機関及びこれに類するものの委員には、公募の委員を加えるよう努めなければならない。
(組織の構成)
第23条 町の組織は、町民に分かりやすく機能的であると同時に、町の仕事を実施するに当たって相互の連携が保たれるよう柔軟に編成されなければならない。
(行政手続)
第24条 町の機関が行った処分及び行政指導並びに町に対する届出に関する手続について必要な事項は、条例で定める。
第2節 町長等の責務
(町長の責務)
第25条 町長は、町民の信託に応え、町政の代表者としてこの条例の理念を実現するため、公正かつ誠実に町政の執行に当たり、まちづくりの推進に努めなければならない。
(執行機関の責務)
第26条 町の執行機関は、それぞれの管理に属する事務について、その権限と責任において、公正かつ誠実に職務の執行に当たらなければならない。
(町職員の責務)
第27条 町職員は、誠実かつ効率的に職務を遂行するとともに、自らも地域の一員であることを認識して町民との信頼関係づくりに努めなければならない。
第3節 議会の役割
(議会の責務)
第28条 議会は、町民の代表として選ばれた議員によって組織された遠別町における最高意思決定機関であり、町民の意思が町政に反映されることを念頭において活動しなければならない。
(議会の情報公開)
第29条 議会は、議会活動に関する情報を町民にわかりやすく説明する責任を有するとともに、情報公開請求に関しては誠実に応えるよう努めなければならない。
(議会の住民参加制度)
第30条 議会は、町民が提出する請願及び陳情等を審議するに当たっては、提案者等が意見を述べる機会を設けるよう努めるものとする。
(議会・議員の自由討議)
第31条 議会の会議は、討論を基本とし、会議における自由な討議の機会を拡充するよう努めなければならない。
第7章 情報共有の推進
(情報の公開)
第32条 町は、まちづくりに関する情報を町民に対して積極的に提供するとともに、町が保有する文書その他の記録を請求に基づき公開し、情報を共有するよう施策の充実に努め、そのための必要な措置をとらなければならない。
(審議会等の公開)
第33条 町は、審議会等の会議を、原則として公開する。
(情報の収集及び管理)
第34条 町は、まちづくりに関する情報を正確かつ適正に収集し、速やかにこれを提供できるように整理し、保存しなければならない。
(個人情報の保護)
第35条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないよう個人情報の収集、利用、提供、管理等について必要な措置をとらなければならない。
第8章 財政
(予算編成及び執行)
第36条 町長は、町の予算編成及び執行に当たっては、総合計画に即して行うとともに、その内容が町民に分かりやすい方法で公表していくよう努めなければならない。
(決算)
第37条 町長は、決算にかかわる町の主要な施策・事業等の成果を説明する書類その他決算に関する書類を作成しようとするときは、これらの書類が施策・事業等の評価に役立つものとなるよう配慮しなければならない。
第9章 コミュニティ
(まちづくり活動への支援)
第38条 町は、町民自身による自発的、自律的なまちづくりを促進するために、まちづくり活動を行う団体に対して、必要な支援を行うことができる。
(活動団体の連携)
第39条 まちづくりの活動団体は、必要に応じて連携、協力し、互いの活動の支援に努めるものとする。
(コミュニティの充実)
第40条 町民及び町は、地域に根ざしたコミュニティの役割を認識し、守り、育てるように努めるものとする。
第10章 連携
(他の自治体等との連携)
第41条 町は、他の自治体等の情報を収集し相互理解のもと、連携してまちづくりを推進するものとする。
2 町民及び町は、町外の人々にも情報を発信しながら交流を深め、その知恵や意見をまちづくりに活用するよう努めるものとする。
(国際交流及び国内交流)
第42条 町は、町民のまちづくりに対する視野を広めるため、国際交流及び国内交流の推進及び連携に努めるものとする。
第11章 基本条例の位置付け等
(この条例の位置付け)
第43条 他の条例、規則その他の規程によりまちづくりの制度を設け、又は実施しようとする場合においては、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。
(条例等の体系化)
第44条 町は、この条例に定める内容に即して、他の条例、規則その他の規程の体系化を図るものとする。
第12章 この条例の検討見直し
(この条例の検討及び見直し)
第45条 町は、この条例の施行後5年を超えない期間ごとに、この条例が遠別町にふさわしいもので有り続けているかどうか等を検討するものとする。
2 町は、前項の規定による検討の結果を踏まえ、この条例及びまちづくりの諸制度について見直す等必要な措置をとるものとする。
附 則
この条例は、平成18年4月1日から施行する。