条例

中頓別町自治基本条例

自治体データ

自治体名 中頓別町 自治体コード 01513
都道府県名 北海道 都道府県コード 00001
人口(2015年国勢調査) 1,637人

条例データ

条例本文

○中頓別町自治基本条例
平成23年3月22日条例第2号
中頓別町自治基本条例

目次
前文
第1章 目的及び基本理念(第1条―第3条)
第2章 基本原則(第4条―第6条)
第3章 町民(第7条―第10条)
第4章 議会(第11条―第13条)
第5章 行政運営(第14条―第26条)
第6章 連携及び交流(第27条―第29条)
第7章 公正と信頼の確保(第30条)
第8章 住民投票(第31条)
第9章 条例の位置付け及び最高規範性(第32条・第33条)
(前文)
私たちの中頓別町は、明治の末期に一片の砂金が発見されたことをきっかけに町がつくられました。
先人たちは、道北の厳しい自然条件にもめげず荒野を切り拓き、自給自足と助け合いによって互いの絆を強め、共生の道を歩んできました。
その開拓の労苦から一世紀を経て、深い緑の森と豊かな清流に抱かれた町には、農林業を基本産業に、平和とやすらぎに満ちた地域社会が築かれています。
21世紀を迎え、町を取り巻く社会情勢が大きく変わろうとしている今、まちの良さを最大限に生かし、町民一人ひとりが主体となってまちづくりを進めていくことが求められています。
私たちは、先人から受け継いだ豊かな自然環境と伝統文化を守り育て、未来を担う子ども達に引継ぐとともに、町民福祉の増進と自主自律の自治を実践していくまちを目指します。
町民一人ひとりの幸せの追求が、そのまま町民全体の幸せ「住んでよかった、いつまでも住み続けることのできる」まちづくりにつながることを願い、ここに町の憲法として中頓別町自治基本条例を制定します。
第1章 目的及び基本理念
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、町政運営の基本理念及び基本原則を定めるとともに、町民、議会及び行政が互いに連携し、町民が主役となる新しい公共社会の実現・自治の確立を目指していくための仕組みを定めることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例が適切に運用され続けるために必要な基本的な用語を次のとおり定義します。
(1) 町民 町内に住所を有する人をいいます。
(2) 町 町長をはじめとする執行機関並びに町議会で構成される地方公共団体(以下「自治体」という。)としての中頓別町をいいます。
(3) 執行機関 町長、教育委員会、農業委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員及び固定資産評価審査委員会をいいます。
(基本理念)
第3条 町は、情報公開及び住民参加を基本に町政を運営します。
2 町は、自己決定及び自己責任で住民自治を確立し、まちづくりを進めます。
3 町民、議会及び行政は、ともに学び、ともに支え合うまちづくりを推進し、自治の発展を目指します。
第2章 基本原則
(情報の共有)
第4条 町政に関する情報は、町民の財産であり、町民及び町が互いに共有します。
(情報の公開)
第5条 町は、透明度の高い開かれた町政を実現するため、町が保有する情報を町民に丁寧で分かりやすいものにして積極的に公開します。
2 町は、町政に関する情報の公開に関して、必要な事項を別に条例で定めます。
(町民参加)
第6条 町政は、子どもからお年寄りまで、すべての町民の参加を基本に進めます。
2 町は、町の基本的な事項を定める計画、条例の立案等、町民が政策決定に参加する機会を保障するとともに、町民の多様な意向を的確に把握し、町政に反映させます。
第3章 町民
(知る権利)
第7条 町民は、町政に関する情報を知る権利があります。
2 町民は、町政に関する情報を理解するため、分かりやすく説明を求める権利があります。
(参加する権利)
第8条 町民は、一人ひとりが町政の主役であり、町政に参加する権利があります。
2 子どもにも、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加する権利があります。
3 町外に住所を有する人で、町内で働いている人や町内で事業を営む法人、町内で活動する住民組織等についても、町政に参加する権利があります。
(町民の役割)
第9条 町民は、一人ひとりがまちづくりの担い手であることを自覚し、自らの発言と行動に責任を持って主体的な発意と創造力をいかし町政に参画します。
(町民活動)
第10条 町民は、自治会、ボランティア団体等の活動を通じて、自治活動やその他の町民活動(以下「町民活動」という。)に積極的に参加するよう努めます。
2 町民活動を行う団体は、互いを尊重するとともに、活動推進のため交流及び連携するよう努めます。
3 町民活動を行う団体は、自らの活動を進めるために必要な情報提供、相談、支援等を町に求めることができます。
第4章 議会
(議会の責務)
第11条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分果たします。
2 議会は、町の意思決定機関として、町政を監視するとともに、政策立案に努めます。
(議員の責務)
第12条 議員は、町民の代表者としての責任を自覚し、町民全体の利益のために誠実に職務を遂行します。
2 議員は、町民の信託に応え、政策立案能力はもとよりその他必要な能力の向上に努めます。
(議会の運営)
第13条 議会は、次の点を考慮し、開かれた議会運営を推進します。
(1) すべての会議は、原則町民に公開します。
(2) 議会は、町民の多様な意見を把握し、議会活動に反映するとともに、町民の議会活動に参加する機会を確保します。
第5章 行政運営
(執行機関の責務)
第14条 執行機関は、町民から信託を受けた機関として、法令遵守及び説明責任を基本に行政運営に当たります。
2 執行機関は、所掌事務を公正かつ誠実に処理するとともに、町長の総合的な調整の下、執行機関相互の連携及び協力を図りながら、一体として行政機能を発揮していかなければなりません。
(町長の責務)
第15条 町長は、町の代表者として、町民の信託に応え、誠実かつ公正で民主的な町政運営に努めます
(職員の責務)
第16条 職員は、町民が主権者であることを常に認識するとともに、全体の奉仕者として公正かつ適正に職務を遂行します。
2 職員は、自ら、町の課題に対応する政策立案能力と町民の求め望むことに的確に対応できる職務遂行能力の向上に努めます。
(組織体制)
第17条 執行機関は、社会情勢の変化に迅速に対応するため、機能的で効率的かつ横断的な連携及び調整を図ることができる組織体制を確立し、円滑な行政運営を進めます。
2 各執行機関の代表は、円滑な行政運営を進めるため、職員の人材育成や政策能力の向上を図り、行政の政策活動を活性化します。
(行政運営の基本原則)
第18条 町は、総合的かつ計画的に町政を推進するとともにより豊かで住みよいまちづくりを実現するため、議会の議決を経て総合計画を定めます。
2 執行機関は、総合計画を政策の最上位計画と位置付け、行政運営に当たります。
(総合計画)
第19条 総合計画は、町の目指す将来の姿を明らかにするとともに、地域資源を最大限活用した計画として策定します。
2 総合計画は、次の要件を満たして策定されるよう努めなければなりません。
(1) 争点となる政策課題等があらかじめ情報提供されていること。
(2) 策定の過程が情報公開されていること。
(3) 町民参加で策定されていること。
(4) すべての政策分野別の計画を含んでいること。
(5) 各政策の財源及び達成目標を数値で示していること。
3 執行機関が行う政策、施策及び事業は、法令の規定によるもの又は緊急を要するもののほかは、総合計画に根拠を置かなければなりません。
4 総合計画は、その進捗状況が点検されるとともに、政策、施策及び各事業について評価されなければなりません。
(行政評価)
第20条 町は、政策の立案、決定及び評価という政策の循環過程を確立し、町政の透明性を高めるとともに、限りある財源、人員等の政策資源を効果的に活用し、政策の合理的な選択と質の向上を図ります。
2 執行機関は、総合計画を基本に政策、施策及び各事業を評価します。
3 行政評価は、町政運営の基本原則にのっとり情報公開及び住民参加で実施します。
4 行政評価の結果は、政策立案、予算編成及び機構改革等に反映させます。
(政策法務)
第21条 町は、自主的で質の高い政策を実行するため、法務に関する体制の充実及び強化をしなければなりません。
2 町長は、すべての職員の法務能力の向上に努めるとともに、法制専門職等の配置に努めなければなりません。
(財政運営)
第22条 町は、町の財政状況を総合的に把握して的確に分析を行い、明確な方針の下に最小の経費で最大の効果を上げる健全な財政運営を行います。
2 町長は、町民が町の財政を診断できるために必要なあらゆる財政情報を分かりやすく作成し、提供しなければなりません。
3 町の予算は、総合計画及び行政評価等を踏まえて編成されなければなりません。
(財産管理)
第23条 町が保有する財産は、町民の共有財産であり、町長は、財産の適正な管理及び効率的な運用を図らなければなりません。
2 町が保有する財産は、資産価値、取得及び処分の経緯、用途、管理の状況その他必要な事項を明らかにして公開します。
(行政改革)
第24条 執行機関は、効率的かつ効果的な行政運営を行うため、行政改革大綱を定め、政策、施策及び事業、組織、職員等に関する見直しを行います。
2 行政改革大綱とその進捗状況は、町民参加で行い、その情報を公開します。
(危機管理)
第25条 町は、町民の生命、身体及び財産に重大な被害を及ぼす事態又は及ぼすおそれがある事態に備えて、日ごろから危機管理体制の確立に努めます。
2 執行機関は、前項の事態に備えて、町民、町民組織、周辺自治体及び関係機関と迅速に協力し、連携を図れるよう防災訓練等を実施して被害の防止と軽減に努めます。
(安全安心なまちづくり)
第26条 町は、子どもからお年寄りまで安全で安心な地域社会をつくるため事故及び犯罪の防止に努めるとともに、医療、福祉等の必要な措置を講じて町民の暮らしを守るよう努めます。
2 町は、このような目的のため、町民相互のつながりで助け合う地域を作っていくとともに、町民及び町民組織の活動を支援します。
第6章 連携及び交流
(広域連携)
第27条 町は、広域連合、一部事務組合等を活用し、他の自治体との連携を積極的に進め、効率的な町政運営及び町民サービスの向上に努めます。
(補完協力)
第28条 町は、国及び道と対等な立場であることを踏まえ、地域において無駄のない合理的な自治を実現するため補完協力関係を築くように努めます。
(交流及び情報交換)
第29条 町は、姉妹町をはじめ、国内外の自治体との様々な交流及び情報の交換を通じ、町政に関する智恵及び発想を吸収するよう努めます。
第7章 公正と信頼の確保
(行政手続)
第30条 執行機関は、町民の権利と利益を守るため、処分、不利益処分、行政指導及び届出等に関する手続に関し公正の確保と透明性の向上を図ります。
2 町は、意見公募手続を定め、必要な場合、政策の決定、条例の制定や改廃について町民から意見を公募しなければなりません。
3 行政手続に関し必要な事項は、条例で定めます。
第8章 住民投票
第31条 町は、町政の重要な課題について、住民の意思を確認し、町政運営の方向性を定めるため、住民投票の制度を設けることができます。
2 町は、住民投票の結果を尊重します。
3 住民投票に参加できる投票資格その他住民投票の実施に当たり必要な事項は、投票に付すべき事案に応じ、別に条例で定めます。
第9章 条例の位置付け及び最高規範性
(最高規範性)
第32条 町は、この条例を中頓別町の最高規範と位置付け、この条例を遵守して町政を進めます。
(条例の改正)
第33条 町は、この条例が町政を推進する上で有効に機能しているかどうかについて、町民の意向を絶えず点検するとともに、必要に応じ見直しを行わなければなりません。

附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 ただし、この条例の見直しは、第33条の規定にかかわらず公布の日から5年以内に行うものとする。