鹿追町まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 鹿追町 | 自治体コード | 01634 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 5,266人 |
条例データ
制定年 | 2010年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 委員公募 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.town.shikaoi.lg.jp/gyosei/seisaku_keikaku/gyosei_keikaku/machizukuri/ |
条例本文
鹿追町まちづくり基本条例
平成22年3月31日条例第1号
前文
私たちのまち鹿追町は、北海道のきびしい自然環境のなか、大雪山の麓から広がる豊かな大地の恵みを受けて、先人たちが健康でたくましい開拓精神のもと、未来に輝く「活力と魅力あるまちづくり」を目指して、鹿追町の歴史を刻んできました。
私たち町民は、先人の英知とたゆまぬ努力により築き上げられた、安心・安全な食糧の生産基地、大雪山の大自然と調和した観光と花の町、文化の香る教育と福祉の町を、かけがえのない財産として継承し、時代の変化に応じた創意工夫を加えながら、未来を担う子どもたちに引き継いでいかなければなりません。
今日、社会、経済情勢は大きく変化し、今までに経験しなかつた困難な課題も生まれてきています。私たちは、町民共通の願いである地域環境を守り、地域の資源を有効に活用して、豊かで快適なふるさと鹿追を実現しなければなりません。そのためには、町民一人ひとりがまちづくりの情報を共有し、互いに手を取り合い、知恵と力を出し合つてまちづくりを進めることが必要です。
私たちは、ここに鹿追町のまちづくりの参加と行動の基本的なあり方を、鹿追町民憲章にそつて明らかにし、町民一人ひとりが「うるおいとよろこび」を実感でき、住んでよかつたと思える町、誇りを持てる町をつくるために、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、鹿追町のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、町民、議会及び町のそれぞれの役割や責任を明確にし、協働で取り組むまちづくりのために必要な事項を定め、町民自らの意思に基づいたまちづくりの実現を図ることを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、次のとおりです。
(1) 町民 町内に居住する人のほか、町内で働く人、学ぶ人及び町内で事業活動その他の活動を行う団体をいいます。
(2) 町 町長等及び議会で構成された地方公共団体をいいます。
(3) 町長等 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会の執行機関をいいます。
(4) 協働 町民と町又は町民相互が目的を共有して、それぞれ自らの果たすべき役割及び責任を自覚して、自主性を相互に尊重しながら協力して取り組むことをいいます。
(5) まちづくり 町民が心身ともに健康に生活できる地域社会を形成するための空間や暮らしの創造をいいます。
(6) コミュニティ 地域住民が自主的に参加し、その総意及び協力により住みよい地域社会をつくることを目的として結ばれた行政区やボランティア団体等の組織及び団体をいいます。
(まちづくりの基本理念)
第3条 町民、議会及び町は、町民主体のまちづくりを実現するため、互いの立場を尊重し、平等の認識のもとに、主体性と責任をもつて、協働で進めることを基本とします。
2 町民、議会及び町は、まちづくりに関する情報を互いに共有することを基本とします。
3 町民一人ひとりの自主的な参加のもとで、まちづくりを進めることを基本とします。
第2章 情報共有の推進
(情報を知る権利)
第4条 町が保有する情報は町民の財産であり、町民はそれらの提供を受け、自ら知る権利を有します。
(意思決定過程の明確化)
第5条 町は、まちづくりに関する施策等について、意思決定までの経過を明らかにし、町の事務事業の企画立案、実施内容が町民に理解されるようにします。
(情報の共有)
第6条 町は、町民の知る権利を保障し、まちづくりに関する情報を積極的に分かりやすく町民に提供します。
(情報収集及び管理)
第7条 町は、まちづくりに関する情報を正確で適正に収集し、町民に速やかにこれを提供できるよう整理、保存し、適正な管理をします。
(個人情報の保護)
第8条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、個人情報の収集、利用、提供、管理等に関して適正な措置を講じ、個人情報の保護について必要な事項は、別に条例で定めます。
第3章 町民の参加
(まちづくりに参加する権利)
第9条 まちづくりの主体は町民であることから、すべての町民はそれぞれの立場にふさわしい方法で、まちづくりに参加する権利を有します。
(まちづくりにおける町民の責任)
第10条 町民は、互いに尊重、協力してまちづくりを推進する責任があります。また、まちづくり活動においては、自らの発言と行動等に責任があります。
(まちづくり活動への積極参加)
第11条 町民は、自らのまちづくり活動への参加がこの条例の基本理念を実現するものであることを認識し、積極的に参加します。
第4章 コミュニティ
(コミュニティにおける町民の役割)
第12条 町民は、コミュニティの役割を尊重し、良好なコミュニティを守り、育て、地域のまちづくりに参加します。
(相互の連携)
第13条 それぞれのコミュニティは、必要に応じて連携・協力し、相互の活動の支援を図ります。
(町とコミュニティのかかわり)
第14条 町は、コミュニティ活動を促進するため、コミュニティの自主性及び自立性を尊重しながら、必要に応じて支援します。
第5章 議会の役割と責任
(議会の設置)
第15条 町民の信託に基づき、町民の代表機関として議会を設置します。
(議会の役割と責任)
第16条 議会は、町民を代表する議事・議決機関として、町政の重要事項等について慎重に審議し、合議制によつて町政の執行を決定します。
2 議会は、町政執行が民主的、効率的に行われているか監視するとともに、必要に応じて町政に対する検査及び監査請求を行い、その結果を町民に公表します。
3 議会は、町民へ議会活動の報告を行うとともに情報の提供と共有を図り、開かれた議会運営を行います。
4 議会は、町民との意見交換会等の機会を設け、常に議会改革を心掛けた町民参加の議会づくりを行います。
(議員の役割と責任)
第17条 議員は、次に掲げる責任を有した活動をします。
(1) 議会の構成員として、一部の団体及び地域の代表にとどまらず、町民全体の福祉の増進を目指して活動します。
(2) 町政全般についての課題、町民の意見及び要望等を的確に把握し、また、自己の能力を高めるために不断の研鑽に努め、町民の代表としてふさわしい活動をします。
(3) 議会が言論の府、合議制の機関であることと議員同士は平等、対等であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじた建設的な議会及び議員活動を行います。
(議会基本条例の制定)
第18条 町民、町長等、議会とが連携、協働の下、住みよい発展していくまちづくりのために、それぞれが役割を果たすときに議会は常に諸情勢に即応した議会運営のため、鹿追町議会基本条例を制定します。
2 鹿追町議会基本条例は、議会及び議員活動の指針、規範であり、常にこれを遵守するとともに議会改革と活性化を行い、町民からの評価を得る議会活動の充実を図るため適宜、改正及び改善を行います。
第6章 町の役割と責任
(町長の責任)
第19条 町長は、基本理念を守り、町民に開かれた町政運営を誠実に行います。
2 町長は、執行機関が基本理念に基づきまちづくりを推進するよう調整し、統轄します。
3 町長は、多様なニーズに適切に対応したまちづくりを推進するため、職員の能力向上を図ります。
(執行機関の責任)
第20条 町の執行機関は、その権限と責任において、基本理念に基づき、公正で誠実に職務を行います。
(職員の責任)
第21条 町の職員は、この条例の理念を実現するため、誠実で公正に職務を遂行するとともに、効率的な職務を行います。
2 町の職員は、職務を行うにあたつて、必要な知識や技術などの能力開発及び自己啓発を行うとともに、前例にとらわれることなく、柔軟な発想のもとに創意工夫を図ります。
3 町の職員は、自らも地域の一員であることを認識し、日頃から町民との信頼関係づくりを図ります。
(政策法務の推進)
第22条 町は、地域の特色を生かしたまちづくりを行うため自主的に法令を解釈し、その運用とともに必要な条例の制定を行います。
(出資団体等)
第23条 町は、町が出資や補助、事務事業の委託をしている団体に関し、毎年度、町からの支出について、情報の公開を行います。
(町の組織)
第24条 町の組織は、簡素で機能的なものとして、社会や財政状況の変化に迅速に対応するよう編成します。
(人事・職員政策)
第25条 町は、適切な数の職員によつて効率的で効果的に職務を行うため、定員適正化計画を策定し、人事政策を進めます。
2 定員適正化計画は、次に掲げる事項を考慮して、定期的な見直しを行います。
(1) 町の財政状況とその将来推計
(2) 政策課題の将来の方向性及びこれに伴う行政組織の変化
(3) 職員の年齢構成の適正化
3 町は、職員の政策能力の向上のため、研修体制の充実を図ります。
(審議会等への参加)
第26条 町は、各種委員会、審議会、協議会等の委員を任命しようとするときは、一部委員の公募を行います。
(説明・応答の責任)
第27条 町は、まちづくりに関する施策等の経過について、町民にわかりやすく説明します。
2 町は、町民からの町政に関する要望、質問等に対して、速やかに事実を調査し対応します。
(行政手続の法制化)
第28条 条例及び規則に基づき町が行う処分、行政指導ならびに町に対する届出に関する手続き等、必要な事項は別に条例で定めます。
(危機管理体制の整備)
第29条 町は、町民の生命、財産及び暮らしの安全を確保するとともに、緊急時に総合的で機能的な活動を行うことができるよう、危機管理の体制整備を図ります。
2 町は、町民、事業者及び関係機関等との連携、協力を図りながら、災害時に備えます。
第7章 住民投票制度
(住民投票の実施)
第30条 町は、まちづくりに関する重要事項について、直接町民の意思を確認することを目的とした住民投票制度を設けることができます。
2 住民投票に参加できる町民の資格、その他住民投票の実施に関する必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。
3 町長は、住民投票を行うときは、住民投票結果の取扱いを事前に明らかにします。
第8章 計画策定等の手続き
(計画策定における原則)
第31条 町長等は、町の将来のあるべき姿を明らかにする基本構想及びこれを実現するための計画(以下「総合計画」という。)を、広く町民の参加の下に、この条例の目的及び理念に基づき策定します。
2 総合計画を具体的に実施するにあたり、実施計画を策定します。
3 実施計画は、財政状況や行政評価を踏まえて策定します。
4 実施計画において実施する政策は、町民に分かりやすく公表します。
5 総合計画以外に特定の政策分野における基本的な方向性を明らかにする個別計画等を策定する場合は、総合計画との整合性を図ります。
(計画策定過程への参加)
第32条 町長等は、各種計画の策定、実施、評価等の各過程において、町民の参加を求め、総合計画などの重要な計画の策定に着手しようとするときには、あらかじめ次に掲げる事項を公表し、意見を求めます。
(1) 計画の概要
(2) 計画策定の日程
(3) 予定する町民参加の手法
(4) その他必要とされる事項
第9章 財政
(総則)
第33条 町長等は、総合計画を踏まえて予算編成及び執行を行い、最小の経費で最大の効果が発揮できるよう財政運営は常に健全財政となることを目指します。
(予算編成)
第34条 町長等は、予算編成にあたつて、財政状況を理解した上で、町民の意向を踏まえて予算編成をするとともに、予算に関する内容説明の充実を図り情報の提供を行います。
2 前項の規定による情報提供は、予算の編成過程や財政計画が明らかになるようわかりやすい方法によるものとします。
(予算執行)
第35条 町長等は、予算化した事務事業の予定及び進行状況等が明らかになるよう公表します。
(決算)
第36条 町長等は、決算にかかる主要な事務事業の成果を説明する書類、その他決算に関する書類を作成し、これらの書類が政策評価に役立つものとなるよう公表します。
(財産管理)
第37条 町長等は、財産の適正な管理及び効率的な運用を図るため、その保有状況を明らかにし、資産の適正な活用を図ります。
(財政状況の公表)
第38条 町長等は、予算の執行状況、財産、地方債、一時借入金の現在高、その他財産に関する状況を公表します。
第10章 連携・協力
(国及び北海道との関係)
第39条 町は、国及び北海道と対等、協力の関係にあることを踏まえ、適切な役割分担によるまちづくりの確立を図ります。
(他の地方公共団体及び関係機関との関係)
第40条 町は、他の地方公共団体及び関係機関との共通課題又は広域的課題に対して、情報共有と相互理解の下で連携し、協力し合いながら解決にあたります。
(国際的な連携)
第41条 町は、積極的に姉妹都市等との連携を図り、国際感覚豊かな人材を育成します。
(他の地域の人々との連携)
第42条 町民は、様々な分野に関する取組を通じて、他の地域の人々との交流を図り、その経験をまちづくりに活用します。
2 町は、前項の活動に対する支援をします。
第11章 まちづくり基本条例の位置付け及び見直し
(この条例の位置付け)
第43条 この条例は、鹿追町のまちづくりの基本となるものであり、町及び議会は、この条例を最大限に尊重し、他の条例及び規則等の制定・改廃、並びに町政運営や施策の実現に向けた基本的な制度の整備をします。
(この条例の検討及び見直し)
第44条 町は、この条例が鹿追町にふさわしいものであり続けているかを常に検討し、社会情勢の変化等によりこの条例の見直しの必要性が生じた場合は、速やかに条例の改正を行います。
附 則
この条例は、平成22年4月1日から施行する。