栗山町自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 栗山町 | 自治体コード | 01429 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 11,272人 |
条例データ
制定年 | 2013年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/soshiki/31/627.html |
条例本文
栗山町自治基本条例
平成25年3月19日条例第20号
栗山町自治基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 基本原則(第4条・第5条)
第3章 町民(第6条―第9条)
第4章 議会(第10条・第11条)
第5章 行政(第12条―第15条)
第6章 情報の共有(第16条―第20条)
第7章 町民参加の推進(第21条・第22条)
第8章 住民投票(第23条)
第9章 地域コミュニティ(第24条)
第10章 総合計画(第25条)
第11章 行政運営(第26条―第31条)
第12章 町民生活の安全確保(第32条)
第13章 連携等(第33条―第36条)
第14章 条例の見直し(第37条)
附則
栗山町は、明治21年(1888年)に開拓の鍬がおろされてから今日まで、先人の英知と情熱により幾多の困難を乗り越え、尊い歴史を刻みながら発展してきました。
その先人が守り育てた歴史、文化、伝統を引き継ぎ、「ふるさとは栗山です。」と町民誰もが誇りを持ち、いつまでも住み続けたいと思うことができるまちとするため、栗山町民憲章の理念を尊重し、新たな自治の歩みを進めていかなければなりません。
地方分権の時代を迎え、自治体の自主的な決定と責任の範囲が広がるとともに、少子高齢化と人口減少の進展や、厳しさを増す地方行財政など、本町を取り巻く社会経済情勢が刻々と変化し、自治の在り方が問われています。
時代に対応し、持続可能な地域社会をつくるためには、町民一人ひとりが自治の主体であることを認識し、自ら考え、行動するとともに、町民、議会、行政がそれぞれの役割を尊重し、相互に補完し合い、協力して町政を進めていかなければなりません。
主権者である町民の参加による自律したまちづくりの推進を、町民、議会、行政が共有する基本理念とし、実現のための仕組みを定め、これを守り育てていくため、ここに栗山町自治基本条例を定めます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、栗山町の自治の基本的な原則と制度を定め、町民の権利と役割、議会と行政の役割と責務を明らかにすることにより、町民自治の推進を図ることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、次の各号に掲げるとおりとします。
(1) 町民 町内に住所を有する人(以下「住民」といいます。)、町内で働き又は学ぶ人、事業活動その他の活動を営む人又は法人もしくは団体をいいます。
(2) 町 議会と行政をいいます。
(3) 町政 町が行う自治の活動をいいます。
(4) 行政 町長(地方公営企業の管理者の権限を有する町長を含む。)とその他執行機関をいいます。
(条例の位置付け)
第3条 この条例は、栗山町の自治に関する最高規範であり、町民、議会、行政はこの条例を遵守しなければなりません。
2 町は、他の条例、規則等の制定又は改廃に当たっては、この条例に定める内容を最大限に尊重し、整合を図ります。
3 町は、法令等を解釈し、運用する場合においても、この条例に照らして、適正に判断します。
第2章 基本原則
(情報共有の原則)
第4条 町民、議会、行政は、情報を共有します。
(町民参加の原則)
第5条 議会と行政は、町民参加のもとに町政を推進します。
第3章 町民
(町民の権利)
第6条 町民には、町政に関する情報を知る権利があります。
2 町民には、町政に参加する権利があります。
3 町民は、町政への参加又は不参加を理由として、不利益を受けることはありません。
(子どもの権利)
第7条 次代を担う子どもには、年齢に応じた方法により、町政に関する情報を知る権利と、町政に参加する権利があります。
2 町は、前項の権利を保障するため、子どもの主体性を尊重した参加機会の充実を図ります。
(町民の役割)
第8条 町民は、町政に関する情報を取得し、町政に参加するよう努めます。
2 町民は、町政への参加に当たっては、自らの発言や行動に責任を持ち、お互いを尊重し、協力し合うよう努めます。
(事業者の役割)
第9条 事業者は、社会的責任を認識し、地域との調和を図るとともに、暮らしやすい地域社会づくりに参加するよう努めます。
第4章 議会
(議会の役割と責務)
第10条 議会は、行政との緊張を保持し、適正に監視するとともに、必要な政策を提案する役割を果たします。
2 議会は、議会の活動の全体を通して、町政や政策等の論点と争点を広く明らかにします。
3 議会は、議会の活動を町民に報告するとともに、町民が議会の活動に参加できるよう適切な措置を講じます。
4 議会は、議会の政策能力を強化するため、調査活動と立法活動の充実を図ります。
5 議会は、議員相互の自由な討議を重んじて運営します。
6 前各項に規定するもののほか必要な事項は、栗山町議会基本条例(平成18年条例第17号)に定めます。
(議員の役割と責務)
第11条 議員は、町民全体の福祉の向上を目指して活動します。
2 議員は、町政に対する町民の意見等を把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんにより、町民の信託に応えます。
3 議員は、町民の代表として、その倫理性を自覚し、公正に活動します。
第5章 行政
(行政の役割と責務)
第12条 行政は、政策等を適切に執行する役割を果たします。
2 行政は、町政に関する情報を公開し、町民に対し説明責任を果たします。
3 行政は、町民の意見等を尊重した行政運営を行うため、町民の参加機会の充実を図ります。
(町長の役割と責務)
第13条 町長は、栗山町の代表として、町民の信託に応え、町民全体の福祉の向上のため、公平、公正かつ誠実に町政を執行する役割を果たします。
2 町長は、自己の研さんに努めるとともに、職員を適切に指揮監督し、効果的な行政運営を行います。
3 町長は、政策課題に的確に対応できる能力を持った職員を育成するとともに、効率的かつ機能的な組織を編成します。
(就任時の宣誓)
第14条 町長は、就任に当たり、この条例の基本理念の実現のため、公平、公正かつ誠実に職務を執行することを宣誓します。
(職員の役割と責務)
第15条 職員は、町民全体の福祉の向上を目指して、公平、公正かつ誠実に職務を遂行する役割を果たします。
2 職員は、自己研さんにより職務能力を向上させるとともに、所属を超えて連携を図り、政策課題に迅速かつ的確に対応します。
3 職員は、町民との信頼関係づくりに努めるとともに、町民と連携して職務を遂行します。
第6章 情報の共有
(情報の提供)
第16条 町は、町政に関する情報を適切な方法で町民に提供するとともに、情報提供に関する制度の充実を図ります。
2 町は、第21条第1項各号に規定する事項を実施するときは、政策形成の過程を明らかにするとともに、その検討段階から町民に必要な情報を提供します。
(情報公開制度)
第17条 町は、町政に関する情報の公開を求められたときは、栗山町情報公開条例(平成14年条例第32号)で定めるところにより、情報を公開します。
(個人情報の保護)
第18条 町は、個人の権利と利益が侵害されることのないよう、個人情報を適正に保護します。
2 町民は、町が保有する個人情報について、栗山町個人情報保護条例(平成8年条例第10号)で定めるところにより、開示、訂正及び利用停止を求めることができます。
(会議の公開)
第19条 議会は本会議のほか、常任委員会と特別委員会を原則公開とします。
2 行政は、審議会などの附属機関とこれに類するもの(以下「審議会等」といいます。)の会議を原則公開します。
3 町は、前2項で規定する会議を公開することが適当でないと認められるときは、非公開とすることができます。
(情報の収集と管理)
第20条 町は、町政に関する情報を正確かつ適正に収集し、速やかに町民に提供できるよう統一した基準により管理し、保存します。
第7章 町民参加の推進
(町民参加の保障)
第21条 町は、次の各号に掲げる事項を実施するときは、その検討段階から適切な方法で町民の参加機会を提供します。
(1) 総合計画と各政策分野の基本的な計画を策定又は改定するとき。
(2) 町民生活に影響を及ぼす条例等を制定又は改廃するとき。
(3) 広く町民が利用する施設の新設、改良、廃止をするとき。
(4) 町民生活に大きな影響を及ぼす政策等の決定をするとき。
2 町は、前項に規定する参加機会において出された意見等について総合的に検討し、その結果と理由を公表します。
3 町は、第1項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するときは、町民参加を求めないことができます。
(1) 緊急を要するもの
(2) 法令の規定によるもの
(審議会等の委員の選任)
第22条 町は、審議会等の委員の選任について、次の各号に掲げる事項に配慮します。
(1) 原則として、公募により選任された町民の委員を含むこと。
(2) 地域、年齢、性別等に偏りのないようにすること。
(3) 他の審議会等との重複を必要最小限にすること。
第8章 住民投票
(住民投票)
第23条 町長は、町政に関する重要事項について、住民の意思を確認する必要があるときは、議会の議決を経て、住民投票を実施することができます。
2 住民投票に参加できる者の資格その他の住民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。
3 町は、投票の結果を尊重します。
第9章 地域コミュニティ
(地域コミュニティ)
第24条 町民は、自治の担い手となる地域コミュニティの重要性を認識し、その活動に参加するよう努めます。
2 町は、地域コミュニティの自主性を尊重し、連携を図るとともに、その活動を必要に応じて支援します。
第10章 総合計画
(総合計画)
第25条 町は、町政の目指す方向を明らかにし、総合的かつ計画的に町政を運営するため、情報の共有と町民参加を踏まえて、最上位の計画として総合計画を策定します。
2 町が進める政策等は、総合計画に根拠を置きます。
3 総合計画は、計画期間を原則8年とする基本構想、基本計画、進行管理計画により構成し、このうち基本構想と基本計画については、議会の議決の対象とします。
4 基本計画は、計画期間中の4年目に、議会の議決により改定します。
5 総合計画は、第28条第2項に規定する行財政改革大綱に基づく推進計画等との整合性に留意して策定します。
6 行政は、毎年度、基本計画に基づく事業の進行管理を行い、その情報を公表します。
7 町は、各政策分野の基本的な計画の策定又は改定に当たっては、総合計画との整合性を図ります。
8 前各項に規定するもののほか必要な事項は、栗山町総合計画の策定と運用に関する条例(平成25年条例第21号)に定めます。
第11章 行政運営
(財政運営)
第26条 行政は、自律的な財政基盤の強化を図るとともに、財政健全化の指標を定めた中長期の財政見通しのもと、健全な財政運営を行います。
2 行政は、総合計画等を踏まえて予算を編成し、執行します。
3 行政は、予算、決算、財政状況等を、毎年度、町民に公表します。
(政策評価)
第27条 行政は、効果的かつ効率的な行政運営を行うため、行政活動を点検し、改善する評価の仕組みを確立します。
2 行政は、前項における評価の結果を予算編成に反映させるとともに、町民に公表します。
3 行政は、第1項の評価に当たっては、町民参加により行います。
(行財政改革)
第28条 行政は、行政運営の在り方を見直すとともに、その効率化を図るため、町民の参加を経て行財政改革大綱を策定します。
2 行政は、行財政改革大綱に基づく推進計画等を策定し、その進行管理を行うとともに、進捗状況を公表します。
(行政手続)
第29条 行政は、処分、行政指導及び届出に関する手続を定め、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ります。
2 前項に規定するもののほか必要な事項は、栗山町行政手続条例(平成8年条例第14号)に定めます。
(町民の意見等への対応)
第30条 行政は、町民からの意見、提言、要望等があったときは、その情報を共有し、迅速かつ誠実に対応します。
(法務原則)
第31条 行政は、政策課題に的確に対応するため、条例、規則等の制定又は改廃を適切に行うとともに、法務の充実を図ります。
2 行政は、自らの責任において法令を適正に解釈し、運用します。
第12章 町民生活の安全確保
(町民生活の安全確保)
第32条 町は、町民の生命、身体、財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれのある緊急の事態等に的確に対応するための体制等を整備し、町民生活の安全確保を図ります。
2 町民は、緊急の事態等の発生時に、自らの安全確保を図るとともに、町民相互の連携に努めます。
第13章 連携等
(地域内の連携)
第33条 町民、議会、行政は、より良い地域社会をつくるため、それぞれの活動において連携を図ります。
(国、北海道との連携)
第34条 町は、国、北海道とそれぞれ適切な役割分担のもと、対等な関係で相互に連携を図ります。
(他の市町村との連携)
第35条 町は、効率的な町政運営や共通する課題の解決のため、他の市町村との連携を図ります。
(国際交流)
第36条 町は、各種分野における国際的な交流と連携に努め、その成果を町民に公表します。
第14章 条例の見直し
(条例の見直し)
第37条 町は、この条例の施行の日から4年を超えない期間ごとに、必要な見直しを行います。
2 町は、前項の見直しに当たっては、町民が参加できるよう必要な措置を講じます。
附 則
この条例は、平成25年4月1日から施行します。