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条例

安平町まちづくり基本条例

自治体データ

自治体名 安平町 自治体コード 01585
都道府県名 北海道 都道府県コード 00001
人口(2015年国勢調査) 7,340人

条例データ

条例本文

安平町まちづくり基本条例

平成25年12月27日安平町条例第32号
安平町まちづくり基本条例

目次
前文
第1章 総則(第1条-第4条)
第2章 情報の公開と共有(第5条―第10条)
第3章 町民参画の推進(第11条―第15条)
第4章 協働と連携協力(第16条―第22条)
第5章 政策活動の推進(第23条―第27条)
第6章 行政組織と職員(第28条―第30条)
第7章 議会の役割(第31条・第32条)
第8章 町民、町長及び職員の責務(第33条―第36条)
第9章 町民自治推進委員会と実行性の確保(第37条・第38条)
附則

私たちは、北から南へと清流あびら川に沿い、広大な自然と実り豊かな大地に抱かれ、農業・酪農・鉄道が融合したまちとして発展し、住み良い自然環境と交通の利便性を享受しながら、健康的で快適な暮らしを営んでいる安平町の町民です。
私たちは、先人の弛まぬ努力と英知によって開墾し興した生業の地に歴史を刻み、培われた風土と文化を受け継ぎ、新しい時代の進路を切り拓き、いつまでも住み続けられる自立した地域として、次の世代へと引き継いでいかなければなりません。
そのため、私たちが自治の主役として、自らの責任において主体的に考え積極的に行政に参加するとともに、「町民一人ひとりが夢を育むまち」、「明るく笑顔が広がる安全安心なまち」、「すべての福祉のために支え合うまち」、「生涯学習を推進し人権を尊重するまち」、「文化を育み心豊かに暮らすまち」、「のどかな住環境を未来のこどもに引継ぐまち」を目指していきます。
私たちは、こうしたまちづくりを実現するため、町民の権利と義務を明らかにし、すべての町民が互いに力を合わせ自分の役割を果たすための最高規範として「安平町まちづくり基本条例」を制定します。

 第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、安平町におけるまちづくりの基本原則を明らかにするとともに、町民、議会、町及び職員の責務並びに町政運営の基本的事項を定めることにより、町民自ら考え行動する町民自治の実現を目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、町政運営における最高規範であり、町及び議会は、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、整合性を図ります。
(定義)
第3条 この条例の用語の意義は、次のとおりとします。
(1) 町民 町内に住所を有する人、町内で働く人、学ぶ人、活動する人、町内で事業を営むものをいいます。
(2) 町 町の執行機関となる町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会をいいます。
(3) コミュニティ 自主性と責任を自覚した人々が、問題意識を共有するもの同士で自発的に結びつき、ニーズや課題に能動的に対応する人と人のつながりの総体をいいます。
(4) 参画 町の政策の企画、立案、実施及び評価の各段階に、町民が主体的に参加して関わることをいいます。
(5) 協働 町民、議会、町がお互いの信頼関係に基づき、それぞれ果たすべき役割と責任を持って、対等の立場で公共を支えあい、地域社会の発展に取り組むことをいいます。
(まちづくりの基本理念と基本原則)
第4条 私たちのまちづくりは、次に掲げる基本理念と基本原則に基づいて推進します。
(1) 町民が暮らしやすいまちにするため、情報の公開と情報の共有を図ります。
(2) 町民の行動や団体の活動を活発にするため、町民参画の権利と責任を明らかにします。
(3) 人と人の絆を育てるため、協働と連携の仕組みを築いていきます。
(4) 次世代にまちづくりを引継いでいくため、行政の政策活動の透明化とともに、議会の役割と責務、町民、町長及び職員の責務を明らかにします。
(5) 子どもから高齢者まで全ての町民が安心して暮らせるとともに、人々が健康で活き活きと輝いた人生を送ることができる生涯学習社会の実現を図ります。

 第2章 情報の公開と共有
(情報公開)
第5条 町は、町民の知る権利を保障し、参画と協働によるまちづくりを推進するため、別に条例で定めるところにより、町政に関する情報を公開し、提供することにより、町民との情報の共有を図ります。
(情報提供と情報発信)
第6条 町は、町の保有する情報が町民の共有財産であることを認識し、適切な方法で町民に分かりやすく提供するよう努めます。
2 町は、まちづくりに関し町民の理解を得るため、様々な手段を活用した情報提供の充実に努めます。
3 町は、情報発信手段の充実に努め、町の魅力を広く町内外へ発信します。
(説明責任)
第7条 町は、町の仕事の企画、立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果等を町民に明らかにし、分かりやすく説明する責務を有します。
(選挙)
第8条 町長及び町議会議員の候補者は、選挙にあたり、町政に関する自らの考え方を町民に示すよう努めます。
(会議の公開)
第9条 町は、町政に対する信頼性と透明性を高めるため、別に条例で定めるところにより、原則として町民に会議を公開します。
(個人情報の保護)
第10条 町は、個人の権利利益が侵害されることのないよう、別に条例で定めるところにより、町が保有する個人情報を適正に取り扱います。

 第3章 町民参画の推進
(町民参画の権利と責任)
第11条 町民は、まちづくりに関する情報を知る権利、まちづくりに参画し意見を述べる権利を有します。
2 町民は、まちづくりへの参画に関して自らが主役としての責任と役割を担い、積極的に参画することに努めます。
3 町民は、いつまでも安心して住み続けられるまちづくりのため、地域環境に配慮しながら、人々のつながりを大切にして、地域発展に資する活動や多角的な国際交流活動に心がけます。
(参画機会と広聴制度)
第12条 町は、町政の基本的な事項を定める重要施策等の策定において、町民参画を基本に進めます。
2 町は、町民の意見を政策に反映させるため、重要施策等の策定にあたっては事前に説明の機会を設けることに努めます。
3 町は、町民からの提案、意見、相談、苦情、照会を聴取するための広聴制度を確立し、政策に反映させるための幅広い意見聴取に努めます。
4 町民の町政参画については、別に条例で定めます。
(住民投票制度)
第13条 町長は、町に関わる重要事項について、直接、住民(町内に住所を有する人。以下同じ。)の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 住民投票は、住民、議会からの請求又は町長の発議があったときに実施します。
3 町民、議会、町長は、住民投票の結果を尊重するものとします。
4 住民投票の実施に関する手続、その他必要な事項については、別に条例で定めます。
(行政手続)
第14条 町は、町民の権利利益保護を図るとともに、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ります。
2 前項に関して行う処分、行政指導と届出に関する手続については、別に条例で定めます。
(パブリックコメント)
第15条 町は、重要施策等の策定にあたっては、町民の意見を政策に反映させるため、パブリックコメント制度を推進します。
2 前項のパブリックコメント制度に関する必要な事項については、別に条例で定めます。
第4章 協働と連携協力
(コミュニティにおける町民の役割)
第16条 町民は、コミュニティのつながりを大切にするとともに、地域課題の解決と困っている人を支え合う活動に積極的に参加する役割を担います。
2 町民は、豊かな暮らしの実現のために、文化、芸術、スポーツ等を媒体として、お互いに理解し合う姿勢で協力し合い、活気あふれるまちをつくります。
(参加と協働)
第17条 町長は、まちづくりにおけるコミュニティの役割を認識し、地域の課題解決のため、地域住民との情報を共有し、安心して暮らすことができる持続可能な地域づくりに努めます。
2 町は、コミュニティ施策の基本的な考え方及び町民の組織的活動の進め方について、別に定めます。
3 職員は、地域住民とのコミュニケーションを図るため、地域活動に積極的に参加し地域課題の収集に努めます。
4 職員は、自治の可能性を広げるための研鑚を積み、地域活動に際して地域が望む役割を担うことに努めます。
5 町内で事業を営むものは、地域の環境に配慮し地域社会との調和を図り、安心して暮らせるまちづくりに寄与できるよう努めます。また、まちづくりに関する様々な地域活動に参加するなど、協働のまちづくりの一翼を担うことに努めます。
(担い手づくり)
第18条 町は、協働のまちづくりを進めるため、担い手の育成に努めるとともに、町が目指す生涯学習社会の実現と教育目標を達成するため、生涯学習計画を策定します。
2 町は、協働のまちづくりと生涯学習社会の実現を図るため、家庭教育・地域教育・学校教育・社会教育における各種事業の実施とともに、福祉、農業、住環境などあらゆる分野の人材育成、団体育成、担い手の発掘に努めます。
3 町は、協働によるまちづくりを推進するため、生涯学習及び社会教育活動の拠点となる公民館の整備と公民館活動の推進に努めるとともに、学校をはじめとする教育・文化スポーツ施設及び町内の公共施設が地域に開かれ、有効利用されるよう整備に努めます。
4 前3項を推進するにあたり、協働のまちづくりを進めるための仕組みづくりに主眼を置きながら、個人が学習し得られた知が地域社会の中で循環し、さらなる創造を生み出す生涯学習社会の実現を目指します。
5 町は、次世代を担う子どもの成長過程における保護と支援の必要性を認識し、子どもが健やかに育つ環境の整備に努めます。
(町と自治会、町内会との連携)
第19条 町は、自治会及び町内会(以下「自治会等」という。)との連携を図るため、職員の自主性に基づき、職員が自治会等をサポートすることに努めます。
2 前項に規定する地域をサポートする職員は、行政と地域とをつなぐ役割を担います。
3 地域をサポートする制度について必要な事項は、別に定めます。
(地域活動団体との連携)
第20条 町は、地域課題の解決及び地域の活性化のために行われる公益的な団体活動の支援に努めます。
2 町は、コミュニティ活動の自主性と自立性を尊重し、その公益的な活動の積極的な支援に努めます。
(地域間連携)
第21条 町は、町内各地域の連携を図るため、地域の自主性を尊重し、様々な地域間交流が行われるように努めます。
(国、北海道及び他の市町村との連携)
第22条 町は、地域の共通する課題を解決するため、国や北海道、他の市町村との連携を図るとともに、協力体制を確立し、町の課題解決に向けて情報交換を積極的に行うように努めます。
2 町は、他の市町村との交流を図り、友好関係の構築に努めるとともに、まちづくり施策を強く打ち出し、交流人口、定住人口の増加に向けて努力します。

 第5章 政策活動の推進
(総合計画の策定)
第23条 町は、まちづくりを総合的かつ計画的に推進するための基本構想及び基本計画(以下、これらを「総合計画」という。)を、この条例の理念に基づき策定します。
(計画の体系化)
第24条 町は、基本となる各種計画の策定においては、前条に規定する総合計画との整合性を図ります。
2 町が行う政策、施策や事業は、法令の規定によるものや緊急を要するものを除き、総合計画に根拠を置くものとします。
(財政運営等)
第25条 町は、効率的で効果的な財政運営を図るため、総合計画に基づく財政計画を策定します。
2 町は、保有する財産の適正な管理に努めるとともに、財政運営の状況を分かりやすく公表します。
3 町は、必要に応じ専門性と独立性を有する外部監査人による財務事情及び特定の事業等に関する監査を実施するものとします。
(行財政改革)
第26条 町は、安定した行財政運営のため、その基本的な考え方と具体的な改革事項に関する計画を策定し、常に行財政改革を進めます。
(行政評価)
第27条 町は、重要な施策等について行政評価を実施し、その結果を町民に分かりやすく公表するとともに、施策等への反映に努めるものとします。
2 町は、行政評価を実施するにあたっては、町民意見を反映し、客観的な手法を用いるように努めるものとします。
3 前2項に定めるもののほか、行政評価に関して必要な事項は、別に定めます。

 第6章 行政組織と職員
(行政組織の編成)
第28条 町は、社会情勢の変化に迅速に対応するため、機能的で横断的な連携を図ることのできる組織体制を確立し、円滑な行政運営に努めます。
2 町は、行政組織の新設、統廃合を行う際には、職員数の推移を考慮し、長期的な視点に立った機構改革に努めます。
(危機管理体制)
第29条 町は、災害等の緊急事態から町民の生命、身体及び財産を守るため、総合的かつ機能的な危機管理体制を整備します。
2 町は、町民及び関係機関との協力及び連携を図り、防災訓練を行うなど災害等に備えます。
3 町民は、災害等の発生時は、自らを守る努力をするとともに、自らの果たす役割を認識し、地域で支え合う仕組みに参加協力します。
(職員政策)
第30条 町は、多様化する町民の行政需要に対応できる知識や能力を持った職員の人材育成に努めます。
2 町は、政策形成能力、説明能力等を高めるため自己研鑚を図る職員に対し、多様な研究機会の保障に努めます。
3 町は、職員を町の貴重な人的資源として捉え、職員の計画的な採用及び将来を見据えた適正な人事配置に努めます。

 第7章 議会の役割
(議会の役割と責務)
第31条 議会は、町の意思決定機関であり、行政との緊張を保持しながら適正に監視するとともに、立法等の町の重要な政策を決定する役割を果たします。
2 議会は、議会の活動の全体を通して、町政や政策等の論点を広く明らかにします。
3 議会は、政策提言と政策立案の強化を図るため、調査活動と立法活動の充実を図ります。
4 議会は、言論の府としての議会の本質に基づき、議員相互の自由な討議を重んじて運営します。
5 前各項に規定するもののほか必要な事項は、別に条例で定めます。
(議員の役割と責務)
第32条 議員は、地域の発展と教育文化及び町民全体の福祉の向上を目指して活動する役割を果たします。
2 議員は、町政に対する町民の意見等を把握するとともに、自己の能力を高めるために自己研鑚により、町民の信託に応えます。
3 議員は、町民の信託を受けた町民の代表であることを認識し、その倫理性を自覚して公正に活動します。

 第8章 町民、町長及び職員の責務
(町民の責務)
第33条 町民は、まちづくりの主体であることを認識するとともに、互いに尊重し、協力してまちづくりの推進に努めます。
2 町民は、まちづくりに参画するにあたっては、自らの発言及び行動に責任を持つものとします。
3 町民は、地域における人と人との触れ合いが、個人の人間形成や、安全安心な住環境、地域文化の継承などに大きな役割を果たしていることを認識し、地域の絆を深めるように努めます。
4 町民は、行政サービスに伴う負担を分担する責務を有します。
(町長の責務)
第34条 町長は、この条例の基本理念に基づき、町民の信託にこたえるため、町の代表者として公正かつ誠実にまちづくりを進めます。
2 町長は、この条例の基本理念を実現するため、町民に潜在する優れた知恵や能力を掘り起こし、協働のまちづくりを進めます。
3 町長は、職員を適切に指揮監督するとともに、自ら先頭に立ち協働のまちづくりを進めます。
(職員の責務)
第35条 職員は、その職責が町民の信託に基づくものであることを自覚し、常に町民の視点に立ち、公正かつ誠実に職務を遂行します。
2 職員は、まちづくりの専門職として、職務に必要な知識、技能等の能力向上のため、常に自己の研鑚に努めます。
3 職員は、自らも地域の一員であることを認識し、町民との信頼関係を深め、まちづくりにおける町民相互の連携が図られるよう努めます。
(意見、要望、苦情等への応答責任)
第36条 町は、町民から意見、要望、苦情等があったときは、速やかに事実関係を調査し、誠実かつ的確に応答します。
2 町は、前項の応答に際してその意見、要望、苦情等に関わる権利を守るための仕組み等について説明するとともに、その対応記録を作成します。

 第9章 町民自治推進委員会と実行性の確保
(町民自治推進委員会の設置)
第37条 町長の諮問に応じ、町民の視点に立って、この条例に基づくまちづくりを推進するため、町民自治推進委員会(以下「委員会」という。)を設置します。
2 委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定めます。
(条例の見直し)
第38条 町長は、社会情勢などの変化に対応するため、この条例の施行の日から5年を超えない期間ごとに見直し、及び検証を行い、将来にわたりこの条例を育て発展させていきます。

附 則
この条例は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日から施行します。