むかわ町まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | むかわ町 | 自治体コード | 01586 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 7,651人 |
条例データ
制定年 | 2012年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 住民投票 アンケート 意見交換会 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.town.mukawa.lg.jp/3095.htm |
条例本文
むかわ町まちづくり基本条例
平成24年12月17日
条例第23号
前文
むかわ町は、広大な森林と大地が広がり、清流鵡川が雄大な太平洋にそそぐ、豊かな自然につつまれたまちです。
私たちは、先人のたゆまぬ努力によって培われてきた歴史と伝統、自然を大切にし、その恵みを財産として守り続け、未来を担う子ども達が誇りと夢を持って心豊かに育つふるさとを築き、次世代に引き継いでいかなければなりません。
そのために、私たちは、地域の課題を解決し、まちを豊かにするのは私たち自身であるという強い意思をもって、自ら考え、行動し、協働の精神のもと共に力を合わせ、人も自然も輝き、まち全体が健康であるまちづくりを進めていきます。
ここに、まちづくりを進めるための自治の姿を確立するため、むかわ町まちづくり基本条例を定めます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、むかわ町のまちづくりに関する基本理念及び基本原則を定めるとともに、協働によるまちづくりを推進するため、町民、議会及び行政の役割と責務を明らかにし、町民主体によるまちづくりを実現することを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例において使用する用語の定義は次のとおりとします。
(1) 町民 町内に住所を有する人(以下「住民」という。)、町内で働く人、学ぶ人及び町内で事業活動その他の活動を営む人並びに団体をいいます。
(2) 議会 選挙で選ばれた町議会議員によって構成する議事機関をいいます。
(3) 行政 町長及びその他執行機関をいいます。
(4) 町政 議会と行政が担う自治の領域をいいます。
(5) 自治 私たち自身が課題や問題を自主的な判断で決めて、自らの責任において行動し、そしてその結果に責任を持つことをいいます。
(6) まちづくり 住みよいむかわ町をつくるための公共的な活動をいいます。
(7) 協働 町民、議会及び行政がそれぞれ役割分担をするとともに互いに知恵と力を合わせ、同じ目的に向かって協力し、行動することをいいます。
(8) まちづくり計画 むかわ町の長期的な発展の方向として基本理念と将来像を明らかにし、その目標達成のために必要な施策の実施方法を示し、具体化するための総合的な計画をいいます。
(基本理念)
第3条 私たちは、次に掲げる事項によってまちづくりを進めることを基本とします。
(1) 私たちは、まちづくりの主体は町民であるということを踏まえて、自らの手で自らのまちを創造する意思を明確にし、考え、行動し、互いに支え合い、安心して暮らせる住みよいむかわ町の実現を目指します。
(2) 私たちは、協働の精神を大切にして、課題を見いだし、解決に努め、常に進歩するまちづくりを目指します。
(3) 私たちは、まちづくりを次世代に引き継いでいく持続可能なむかわ町の創造を目指します。
(基本原則)
第4条 私たちは、次に掲げる原則に基づきまちづくりを推進します。
(1) 町民主体の原則 町民は、まちづくりの主体であり、まちづくりの一部を議会及び行政へ信託します。
(2) 情報共有の原則 私たちは、まちづくりに関する情報を共有します。
(3) 町民参加と協働の原則 まちづくりは、町民の主体的な参加の下に行われることを基本とし、私たちは、お互いを理解し、それぞれの役割と責任において、協働によるまちづくりを行います。
第2章 情報共有
(情報共有の基本)
第5条 私たちは、互いにまちづくりに関する情報を伝え合い、情報の共有が町民主体のまちづくりの根源であることを認識することを基本とします。
(情報提供)
第6条 議会及び行政は、この条例の基本理念の実現を図るため、町政に関する情報を適切な時期に適切な方法で、町民にわかりやすく伝えます。
2 町民は、まちづくりに必要な情報を議会及び行政へ積極的に伝えます。
(説明責任)
第7条 議会及び行政は、町政に関する情報を町民にわかりやすく説明し、町民から説明を求められた場合には、誠実に対応します。
(情報公開)
第8条 議会及び行政は、町民から町政に関する情報の開示を求められたときは、別に条例の定めるところにより、情報を公開します。
(個人情報の保護)
第9条 議会及び行政は、個人の権利や利益が侵害されないよう、その保有する個人情報について、別に条例の定めるところにより、適正に取り扱うこととします。
(町民の意見等)
第10条 行政は、まちづくりに関する町民の意見、提言及び要望等(以下「意見等」という。)を総合的に検討し、迅速かつ誠実に対応するとともに町政への反映に努めます。
2 行政は、意見等の検討を終えたときは、速やかに次の事項を公表します。ただし、別に条例の定めるところにより公表することが適当でないと認められるときは、この限りではありません。
(1) 意見等の内容
(2) 意見等の検討結果及びその理由
3 行政は、意見等への対処経過についての記録を共有し、適切に管理するための制度の整備に努めます。
第3章 町民参加と協働
(町民参加の基本)
第11条 町民は、まちづくりの主体として、自主的・自発的にまちづくりに参加することを基本とします。
2 議会及び行政は、広く町民の意見を求め、町政に町民の意思を反映することを基本とします。
3 議会及び行政は、町政へ広く町民が参加する機会を保障します。
4 議会及び行政は、町民が町政への参加又は不参加を理由として不利益を受けないよう配慮します。
5 次世代の担い手である満20歳未満の青少年及び子どもは、それぞれの年齢にふさわしい方法により町政に参加できます。
(町民参加の推進)
第12条 行政は、次の事項を実施するときは、町民の参加を推進し、町民の意思を尊重します。
(1) まちづくり計画及び分野別の基本的な計画の策定又は見直し
(2) 町民に義務を課し、又は町民の権利を制限することを内容とする条例の制定、改正又は廃止
(3) 広く町民が利用する公の施設の新設又は廃止、利用方法に関する事項
(4) 行政が行う事務及び事業を効果的かつ効率的に推進するための行政評価
(5) 町民の生活に大きな影響を及ぼす施策の決定
(6) 前各号のほか、町民参加が有効と認められる事項
2 行政は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するときは、町民参加を求めないことができます。
(1) 災害対応等、緊急に行わなければならないもの
(2) 法令の規定により実施の基準が定められており、その基準に基づき行うもの
(町民参加の方法)
第13条 行政は、前条第1項に規定する事項を実施するときは、次の各号のいずれか又は複数の方法によるものとします。
(1) 審議会等の開催
(2) 意見交換会の実施
(3) 町民意見の公募
(4) アンケート調査の実施
(5) その他適切な方法
(審議会等の委員の選任)
第14条 行政は、町政に公平かつ広く町民の意見が反映されるよう審議会等の委員の選任について、次の事項に配慮します。
(1) 委員の構成は、性別及び年代の別等に配慮し、多面的な審議が確保されるよう留意します。
(2) 正当な理由があるときを除き、委員の一部を公募します。
(3) 幅広く人材を確保するため、委員の就任期間又は他の審議会等との重複を避けるよう配慮します。
(協働の推進)
第15条 私たちは、まちづくりにおける課題を解決するため、相互理解と信頼関係のもと、協働の推進に努めます。
2 行政は、町民との協働を推進するために、町民の自主性及び自立性を損なわないよう配慮するとともに、協働の推進に必要な支援と制度の整備に努めます。
第4章 住民投票
(住民投票)
第16条 住民投票は、住民、議会及び町長の発議により、まちづくりに極めて重大な影響を及ぼす重要事項について、直接住民の意思を確認するため、議会の議決を経て実施することができます。
2 住民投票に参加できる者の資格及びその他住民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。
3 町民、議会及び行政は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。
(住民投票の請求及び発議)
第17条 選挙権を有する住民は、法律の定めるところにより、住民投票条例の制定を町長に請求することができます。
2 議会の議員は、法律の定めるところにより、住民投票条例の制定を議会に発議することができます。
3 町長は、第16条第1項の規定により、必要があると判断したとき、住民投票条例の制定を議案として議会に提出することができます。
第5章 町民
(町民の権利)
第18条 町民は、町政に参加する権利を有します。
2 町民は、町政に関する情報について開示を求め、知る権利を有します。
3 町民は、町政について、意見を表明し、提案することができます。
4 町民は、行政サービスを等しく受ける権利を有します。
5 町民は、まちづくりへの参加又は不参加を理由に不利益な扱いを受けません。
(町民の役割と責務)
第19条 町民は、まちづくりの主体として自ら考え行動し、積極的に町政及び地域活動に参加するよう努めます。
2 町民は、互いの自由と人格を尊重し合い、公共のきまりを守り、連携し、協力してまちづくりに努めます。
3 町民は、まちづくりに関して、自らの知識や技術を積極的に発揮するとともに、発言及び行動に責任を持つよう努めます。
4 町民は、互いに助け合い、行動できるよう日頃から防災等に対する意識の高揚を図り、行政と一体となった協力体制の整備に努めます。
5 町民は、まちづくりを推進するために必要な負担を負うこととします。
6 町民は、関係する機関、団体等と連携して、子どもの安全の確保と教育の充実に努め、次代を担う子どもたちの健やかな成長を支えるため、町民ぐるみの子育ての推進に努めます。
(事業者の役割)
第20条 事業者とは、その本拠の有無に関わらず、町内で事業活動を行う者をいいます。
2 事業者は、事業活動を行うにあたり、自然環境及び生活環境に配慮するよう努めます。
3 事業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を認識し、従業員の行う地域活動にも配慮して、町民が行うまちづくり活動を尊重するとともに地域社会との調和を図り、住みよい地域社会の実現に寄与するよう努めます。
第6章 コミュニティ
(コミュニティの定義)
第21条 コミュニティとは、町民が互いに助け合い、心豊かな生活を送ることを目的として、自主的に結ばれた多様な組織及び集団をいいます。
(コミュニティの役割)
第22条 コミュニティは地域社会において自らできることを考え、行動し、地域の課題の解決に向けて取り組むよう努めます。
2 コミュニティは、町民相互のつながりを大切にし、多くの町民が参加しやすい環境づくりに努めます。
3 コミュニティは、地域の課題解決のためコミュニティ相互の連携や行政と協働し、活動の充実に努めます。
(町民とコミュニティ)
第23条 町民は、互いに助け合い、安全で安心して心豊かに暮らすことのできる地域社会の実現のため、コミュニティの役割を認識するとともに、積極的に参加し、コミュニティを守り育てるよう努めます。
(行政とコミュニティ)
第24条 行政は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重して連携を図るとともに、コミュニティ活動を推進するために必要な支援を行います。
第7章 議会
(議会の設置)
第25条 町民の信託に基づき、法の定めるところにより、町民の代表機関として、議会を置きます。
(議会の役割)
第26条 議会は、討論を基本とし、会議における活発にして自由な討議をする機会の拡充に努めます。
2 議会は、議決による意思決定の過程及び妥当性を町民に明示します。
(議会の権限)
第27条 議会は、むかわ町の条例、予算、決算、財産及び町政運営の基本的な事項に関わる意思決定を行う権限を有します。
2 議会は、行政の事務に関する監査請求や調査等の監視の権限を有します。
(議会の責務)
第28条 議会は、この条例の基本理念、基本原則及び制度を遵守し、将来に向けたまちづくりの展望をもって、課題を的確に把握し、活動する責務を有します。
2 議会は、広く町民の意見を聴取し、議会運営について町民に説明する責務を有します。
(議員の責務)
第29条 議員は、この条例の基本理念、基本原則及び制度を遵守し、町民の信託に対する自らの責任を果たす責務を有します。
2 議員は、まちづくりの推進と町民の生活向上を目指し、常に政策の提案に努めます。
3 議員は、政策立案能力、自治立法能力及び審議能力等を高めるため、常に自己研鑽に努めます。
4 議員は、政治倫理に基づいた公正かつ誠実な活動に努めます。
5 議員は、むかわ町全体のまちづくりの視点をもって、的確な判断、活動を行うよう努めます。
(議会運営)
第30条 議会は、情報共有及び町民参加を図り、開かれた議会を目指します。
2 議会の会議は、公開とします。ただし、公開することが適当でないときは、非公開とすることができます。
3 議会は、会期外においても町民の意思の反映を図るため、町民との対話の機会を設けるよう努めます。
第8章 行政
(行政の基本)
第31条 行政は、この条例の基本理念、基本原則に基づき、協働によるまちづくりを推進するため、情報の共有と町民参加を図り、町民及び議会と連携協力して町政を執行することを基本とします。
(行政の役割と責務)
第32条 行政は、条例、予算及びその他議会の議決に基づく事務並びに法令等に基づく事務を適正に管理し、執行します。
2 行政は自らの判断と責任において、効果的かつ効率的に町政を執行します。
(町長の設置)
第33条 町民の信託に基づき、法の定めるところにより、むかわ町の代表機関として、町長を置きます。
(町長の責務)
第34条 町長は、この条例の基本原則を遵守し、基本理念を実現するため、町民の信託に応え、公正かつ誠実にまちづくりを推進する責務を有します。
2 町長は、常に職員を適切に指揮監督し、町民の意向や政策課題に的確に対応できる知識と能力を持った人材の育成を図り、効率的な組織体制を整備する責務を有します。
(行政職員の責務)
第35条 行政の職員は、この条例の基本理念、基本原則を遵守し、常に町民の視点に立ち、公正かつ適正に職務を遂行する責務を有します。
2 行政の職員は、自らも町民の一員であることを認識し、職務を遂行します。
3 行政の職員は、まちづくりの課題に対応するため、互いに職場内の連携を図るとともに、町民の意向や政策課題に的確に対応するため、自ら政策形成能力の向上に努めます。
第9章 行財政運営の原則
(まちづくり計画)
第36条 行政は、むかわ町の目指す将来の姿を明らかにし、その実現に向けた総合的かつ計画的なまちづくりを推進するため、議会の議決を経て、まちづくり計画を策定します。
2 行政は、まちづくり計画を最上位の計画と位置付け、行政が行う施策は法令の規定によるもの及び緊急を要するものを除き、まちづくり計画に基づいて実施します。
3 行政は、各分野の施策を実現するために策定する計画及び実施にあたっては、まちづくり計画との整合を図ります。
(財政運営)
第37条 行政は、まちづくり計画に基づいて予算を編成し、中長期的な財政見通しに留意しながら計画的かつ健全な財政運営を行います。
2 行政は、予算及び決算並びに財政状況について、わかりやすく適切な方法により、公表します。
(行政評価)
第38条 行政は、効果的かつ効率的な町政を進めるため、行政が行う事務事業について点検を行い、まちづくり計画に掲げた将来像の実現と住民サービスの向上を図ります。
2 行政は、町民参加による行政評価を実施するとともに、評価結果に関する情報をわかりやすく公表し、その結果を予算、事務事業へ反映します。
(行政手続)
第39条 行政は、町民の権利利益の保護を図るため、処分、行政指導及び届出に関する手続を明らかにし、公正の確保と透明性の向上を図ります。
2 前項に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
(政策法務)
第40条 行政は、むかわ町の振興及び特定の課題を解決するため、必要に応じて条例を整備し、運用します。
(危機管理)
第41条 行政は、町民の生命及び財産等を守り、暮らしの安全を確保するとともに、災害等の緊急時において総合的かつ機能的な活動が図れるよう危機管理体制を整備します。
2 行政は、災害時において町民及び関係機関等と連携し、速やかに状況を把握するとともに必要な措置を講じます。
3 町民と行政は、あらゆる危機へ対応するため、常に連携及び協力をしていきます。
第10章 交流・連携
(町外の様々な人々との連携及び協力)
第42条 私たちは、社会、経済、観光、環境、教育等様々な分野において、町外の様々な人々との連携及び協力をしていきます。
2 私たちは、町外の様々な人々との交流を深め、その活動によってもたらされる経験、知識及び情報等をまちづくりに活かすよう努めます。
(国及び北海道との連携と協力)
第43条 議会及び行政は、国及び北海道と対等の関係にあることを踏まえ、互いの役割分担を明確にし、課題の解決を図るため連携及び協力をしていきます。
(他の市町村との連携と協力)
第44条 議会及び行政は、効率的な町政の推進や共通する課題を解決するため、他の市町村との広域的な連携の体制及び相互の信頼関係を確立し、互いの自主性を尊重しながら連携及び協力をしていきます。
第11章 条例の見直し
(条例の見直し)
第45条 町長は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、この条例がむかわ町にふさわしく、社会情勢に適合しているかを検討します。
2 町長は、前項に規定する検討にあたっては、むかわ町まちづくり委員会に必要な意見を求めます。
3 町長は、前2項に規定する検討の結果を踏まえ、この条例とこの条例に基づく制度の見直しが適当であると判断したときは必要な措置を講じます。
第12章 最高規範
(最高規範)
第46条 この条例は、むかわ町における自治の基本的事項を定める最高規範として位置づけます。
2 私たちは、まちづくりに関する全ての活動において、この条例を誠実に遵守しなければなりません。
3 議会及び行政は、他の条例及び規則等の制定改廃並びにまちづくりに関する計画の策定又は変更を行うときは、この条例の趣旨を尊重しなければなりません。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(むかわ町まちづくり計画の議会の議決に関する条例の廃止)
2 むかわ町まちづくり計画の議会の議決に関する条例(平成23年むかわ町条例第25号)は、廃止する。