南九州市みんなのまちづくり参加条例
自治体データ
自治体名 | 南九州市 | 自治体コード | 46223 |
都道府県名 | 鹿児島県 | 都道府県コード | 00046 |
人口(2015年国勢調査) | 33,080人 |
条例データ
制定年 | 2013年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 公聴会 アンケート 市民会議 意見交換会 その他 |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.minamikyushu.lg.jp/jyouhou/kurashi/machizukuri/shiminsankaku/sankajore/index.html |
条例本文
南九州市みんなのまちづくり参加条例
○南九州市みんなのまちづくり参加条例
平成25年3月22日
条例第20号
私たちの住む南九州市は,緑豊かな自然環境と魅力ある景観を有する美しい町であり,茶,さつまいも,水稲及び畜産などの第一次産業を中心に発展し,日本の食料供給基地として多くの人々の安心・安全な食を支えています。
また,歴史と文化を大切にし,戦史に深く関わった歴史的経緯から,平和を希求する思いを訴えています。
こうしたこれまでの歩みとともに,人と人のつながりが深く,人情味豊かで心温かい人柄は,私たち「市民の誇り」でもあります。
平成19年の旧頴娃町,旧知覧町及び旧川辺町の合併以降,私たちは,旧町のそれぞれの良さを生かしながら一歩ずつ新しい南九州市を創り上げてきております。
今後さらにもう一歩進んだ取組を行っていくために,「このまちをよりよくする」という思いを新たに,市民が主体的に新たな創造と活力にあふれる“南九州市”を目指していくことが不可欠となります。
ここに,すべての市民が南九州市のまちづくりに参加する権利を有することを改めて認識し,市民一人ひとりがその権利を行使することができるよう,この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は,南九州市のまちづくりにおける市民参加に関する基本的事項を定めることにより,市民と市の協働による活力に満ちたまちづくりを推進することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「市民」とは,次に掲げるものをいう。
(1) 本市に住所を有する者
(2) 本市に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
(3) 本市に存する事務所又は事業所に勤務する者
(4) 本市に存する学校に在学する者
(5) 本市に対して納税義務を有するもの
(6) 前各号に掲げるもののほか,本市において活動を行うもの
2 この条例において「市の機関」とは,市長(水道事業管理者の職務を含む。以下同じ。),教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
3 この条例において「市民参加」とは,市の機関の政策等の立案及び決定する意思形成過程から評価の段階に至るまで,市民が様々な形で市政に積極的に参加することをいう。
4 この条例において「協働」とは,市民と市がそれぞれの果たすべき役割と責務を自覚することにより,相互に補完し,及び協力することをいう。
(市民の役割)
第3条 市民は,まちづくりに対する積極的な姿勢を持ち,自主的に市民参加に取り組むよう努めるものとする。
2 市民は,市民参加のために進んで学ぶ意識を持ち,責任を持って行動し,及び発言するよう努めるものとする。
3 市民は,市民参加が継続的に行われていくために,性別及び年齢にかかわりなく,平等に人の意見に耳を傾け,互いに声を掛け合う温かい地域づくりに努めるものとする。
4 市民は,市民全体の利益の実現を考慮し,個々が持つ能力を発揮しながら,社会的な役割を担うよう努めるものとする。
(市の責務)
第4条 市は,積極的に市民参加の機会拡充に努めなければならない。
2 市は,市民に対し,市政に関する分かりやすい情報提供及び説明を積極的に行い,市民の関心を得られるよう努めなければならない。
3 市は,市民参加が継続的に行われるよう,男女共同参画社会の実現及び次世代のリーダー育成に努めなければならない。
4 市は,市民参加のまちづくりに強い意欲を持つ職員の育成に努めなければならない。
5 市は,高齢者,障害者等にも配慮し,すべての市民がまちづくりに参加できるよう努めなければならない。
(市民参加の対象等)
第5条 市民参加の対象となる政策等(以下「対象事項」という。)は,次に掲げるものとする。
(1) 市の総合計画及び各分野の基本的な事項を定める計画等の策定又は改廃
(2) 市政に関する基本方針を定める条例及び市民に義務を課し,権利を制限する条例の制定又は改廃
(3) 市民の生活に重大な影響を与える制度の導入又は改廃
(4) 公共施設の設置に係る計画等の策定又は変更
(5) その他市の機関が市民参加の必要があると認めるもの
2 前項の規定にかかわらず,次の各号のいずれかに該当するものについて市民参加を求めないことができる。
(1) 改正又は変更が軽易なもの
(2) 緊急を要するもの
(3) 法令の規定により実施の基準が定められており,その基準に基づき行うもの
(4) 市の機関内部の事務処理に関するもの
(5) 市税の賦課徴収(地方税法(昭和25年法律第226号)第5条第3項又は第7項の規定により別に税目を起こす場合を除く。)その他金銭の徴収に関するもの
3 前項第2号に掲げる要件に該当することを理由に市民参加を求めなかった場合においては,事後速やかにその理由及び当該対象事項の内容等を公表するものとする。
(市民参加の方法)
第6条 市の機関は,前条第1項の規定に基づき市民参加を求めるときは,次の各号に掲げる方法(以下「市民参加手続」という。)により実施するものとする。
(1) パブリックコメント 市の機関が対象事項を実施するにあたって,あらかじめ案を広く公表し,市民から意見の提出を受け,提出された意見を考慮して対象事項を定めることをいう。
(2) 審議会等 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定するもの及び要綱等に基づいて設置する附属機関をいう。
(3) 市民会議 設置要綱に基づき,市民が主体となり原案から時間をかけて作り上げていく会議をいう。
(4) ワークショップ 参加者が自発的に作業又は発言を行える環境を整え,参加者同士の自由な議論により,意見集約又は合意形成を図るための会合をいう。
(5) 次に掲げる各種会合
ア 公聴会 特定の対象事項に対して,利害関係人や一般の意見を聴取するための会合をいう。
イ 説明会 市の機関が対象事項の案及びそれに関する方針について説明し,理解を求め,それに対する市民と市の機関の意見交換及び質疑応答を通して市民の意見を得るための集会をいう。
ウ 意見交換会 市の機関が対象事項の趣旨や内容等を説明し,それに対する市民と市の機関の意見交換を通して,市民の意見等を聴取するための集会をいう。
(6) アンケート 複数の人に対し,同じ質問をすることで,比較できる意見を集める調査を行うことをいう。
(7) その他市の機関が適切と認める方法
2 市の機関は,前項第2号に掲げる審議会等には,市民委員の公募枠を積極的に設けるよう努めなければならない。
3 市の機関は,市民参加手続を実施しようとするときは,適切と認める一つ以上の市民参加手続を実施するものとし,積極的に複数の方法を併用するよう努めなければならない。
4 市の機関は,対象事項のうち,特に市民への影響が大きいと認めるものを実施しようとするときは,第1項第2号又は第3号に掲げる方法のいずれかの市民参加手続のほか,一つ以上の市民参加手続を実施しなければならない。
5 第1項各号の規定により実施される市民参加手続は,政策形成等のできる限り早い段階で,適切な時期に行うものとする。
(市民政策提案制度)
第7条 市民は,その10人以上の連署をもって,市民政策提案(市民が具体的な政策等(第5条第2項に掲げるもののいずれかに該当する政策等を除く。)を提案することをいう。以下同じ。)を行うことができる。
2 市の機関は,市民政策提案の内容の検討を終えた場合は,提案者代表に対し,その提案の内容を検討した結果及びその理由を回答するものとする。
3 市の機関は,前項の回答を終えた場合は,次に掲げる事項を公表するものとする。
(1) 市民政策提案の内容
(2) 市民政策提案の内容を検討した結果及びその理由
4 第2項の回答及び前項の公表は,市民政策提案を受けた日から90日以内に行わなければならない。ただし,90日以内に回答及び公表をすることができないやむを得ない理由があるときは,この限りでない。
(南九州市市民参加推進会議)
第8条 この条例に基づく市民参加を推進するため,南九州市市民参加推進会議(以下「推進会議」という。)を設置する。
2 推進会議は,次に掲げる事項について審議するものとする。
(1) 市民参加に関する事項
(2) この条例に基づく市民参加の実施及び運用状況の評価に関する事項
(3) この条例の見直しに関する事項
3 推進会議は,委員12人以内で組織する。
4 委員は,次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 公募による市民
(2) 公共的団体等を代表する者
(3) 学識経験を有する者
(4) その他市長が必要と認める者
5 市長は,委員を選考するにあたり,前項第1号の委員を積極的に登用するよう努めなければならない。
6 委員の任期は,2年とする。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
7 委員は,再任されることができる。
(市民参加手続の実施状況等の公表)
第9条 市長は,毎年度当初に,市民参加手続の前年度の実施状況及び当年度の実施予定を取りまとめ,その概要を公表するものとする。
2 市長は,当年度の実施予定の公表後において,新たな対象事項が生じたときは,速やかに実施内容を公表するものとする。
(条例の見直し)
第10条 市長は,この条例の施行後5年を超えない期間ごとに,推進会議における審議の結果,実効性の確保等の観点から見直しの必要があると認めるときは,条例の改正その他必要な措置を講じるものとする。
(委任)
第11条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は,平成25年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際,既に着手し,又は着手のための準備を進めている対象事項であって,時間的な制約その他正当な理由により市民参加手続を実施することが困難であると市の機関が認めるものについては,第5条の規定にかかわらず,市民参加を求めないことができるものとする。