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条例

姫路市まちづくりと自治の条例

自治体データ

自治体名 姫路市 自治体コード 28201
都道府県名 兵庫県 都道府県コード 00028
人口(2015年国勢調査) 530,495人

条例データ

条例本文

○姫路市まちづくりと自治の条例
平成25年12月20日
条例第51号

 目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 住民等・議会・市長等
第1節 住民等(第6条・第7条)
第2節 議会(第8条・第9条)
第3節 市長等(第10条・第11条)
第3章 行政運営の基本原則(第12条―第21条)
第4章 参画と協働
第1節 情報共有等(第22条―第24条)
第2節 参画(第25条―第28条)
第3節 協働(第29条)
第5章 国、他の地方公共団体等との連携・協力(第30条・第31条)
第6章 条例の見直し(第32条)
附則

姫路市は、播磨平野のほぼ中央に位置し、北部には森林丘陵地帯や田園地が広がり、南の播磨灘には大小40余りの島々が点在し、豊かな自然環境に恵まれています。
この姫路の地は、7世紀に播磨国の国府が置かれるなど、古くから交通の要衝として栄え、近世以降、世界文化遺産・姫路城が築城されるなど、城下町としても繁栄してきました。
そして、明治22年の市制施行に伴い、姫路市が誕生し、数次の合併を行うとともに、播磨灘に面した臨海部を中心としたものづくりに支えられ、市勢が発展してきました。
また、その歴史の中で、市内の各地域においては、個性豊かな祭り等の伝統行事が育まれるとともに、豊かな大地と海の恩恵を受けて培われた食文化が暮らしに根付いています。
私たちは、先人から受け継いだこの素晴らしいまちを、豊かな自然環境を守りながら、誰もが希望と誇りを持って安全で安心して暮らすことができるまちに発展させるとともに、家庭や地域社会の中で次代を担う子どもたちの豊かな人間性を育み、未来に引き継いでいかなければなりません。
このためには、私たち一人ひとりがまちづくりの担い手であることを自覚し、自治会をはじめ、地域の諸団体による地域コミュニティ活動等を通じて、まちづくりに積極的に関わるとともに、住民等、議会及び行政が適切に役割を分担し、まちづくりに取り組んでいかなければなりません。
ここに、日本国憲法で保障された地方自治の本旨である団体自治と住民自治に基づいて、「ふるさと・ひめじ」を皆で築いていくために、姫路市まちづくりと自治の条例を制定します。

 第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、姫路市におけるまちづくりと自治の基本理念を明らかにするとともに、住民等の権利及び責務、議会及び市長等の責務、行政運営の基本原則並びに参画と協働の基本的事項等を定めることにより、住民等がまちづくりの主体となる都市の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 住民 市内に住所を有する者をいう。
(2) 住民等 次に掲げるものをいう。
ア 住民
イ 自治会その他の地域団体(以下「自治会等」という。)
ウ 市内でまちづくりに係る活動に取り組む個人又は法人その他の団体
エ 市内で事業を行う個人又は法人その他の団体(以下「事業者」という。)
オ 市内へ通勤又は通学をする者
(3) 市長等 執行機関である市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(4) 参画 住民自治の下、住民がまちづくりに主体的に参加すること、また、住民等がまちづくりに関わることをいう。
(5) 協働 市と住民等又は住民等同士が、まちづくりにおいて、共通の目的を効果的に達成するため、相互に理解し、それぞれの役割及び責任を踏まえ、協力することをいう。
(条例の位置付け)
第3条 市及び住民等は、この条例の規定を最大限に尊重するものとする。
2 市は、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例との整合を図るものとする。
(基本理念)
第4条 まちづくりと自治の基本理念は、次に定めるとおりとする。
(1) 住民の福祉の増進を図ること。
(2) 個人を尊重し、かつ、法の下の平等を保障するとともに、地域の特性及び自立性を尊重したまちづくりを推進すること。
(3) 住民等の信頼に基づく公正で開かれた市政を推進すること。
(基本原則)
第5条 住民等がまちづくりの主体となるための基本原則は、次に定めるとおりとする。
(1) 情報共有の原則 市及び住民等は、まちづくりに関する情報を共有すること。
(2) 参画の原則 市は、まちづくりへの参画を推進し、住民等は、まちづくりに参画すること。
(3) 協働の原則 市及び住民等は、まちづくりにおいて、協働すること。

 第2章 住民等・議会・市長等
第1節 住民等
(住民等の権利)
第6条 住民等は、次に掲げる権利を有する。ただし、これを濫用してはならず、公共の福祉のために行使するものとする。
(1) 市政に関する情報を知る権利
(2) 参画する権利
(住民等の責務)
第7条 住民等は、次に掲げる責務を果たすものとする。
(1) 公共的な視点に立ち、自らの発言と行動に責任を持って参画すること。
(2) 参画に当たって、効果的に目的を達成できると判断した場合には、協働すること。
(3) まちづくりに関する負担を分任すること。
2 地域コミュニティ活動、NPO活動又はボランティア活動を通じてまちづくりに係る活動に取り組む自治会等及び市内で活動する法人その他の団体は、その活動に努めるものとする。
3 事業者は、地域社会を構成する一員として、社会的責任を認識し、地域社会との調和を図るとともに、社会貢献活動に努めるものとする。
第2節 議会
(議会の責務)
第8条 議会は、姫路市議会基本条例(平成23年姫路市条例第50号)に基づき、その役割と責務を果たすため、透明性を確保し、開かれた議会運営を行うよう努めるものとする。
(議員の責務)
第9条 議員は、姫路市議会基本条例に基づき、公正かつ誠実に活動するよう努めるものとする。
第3節 市長等
(市長等の責務)
第10条 市長等は、その権限に属する事務を公正かつ誠実に執行するとともに、執行機関相互の連携を図りながら、一体として行政機能を発揮するものとする。
2 市長等は、参画と協働を推進するとともに、まちづくりに係る活動を支援するものとする。
3 市長は、本市の代表者として、公正かつ誠実に行政運営を行うものとする。
4 市長は、行政サービスの質の向上等に必要な政策、施策及び事業(以下これらを「政策等」という。)を実施するものとする。
(職員の責務)
第11条 職員は、全体の奉仕者として、法令、条例、規則等を遵守し、公正かつ誠実に、全力で職務に専念するものとする。
2 職員は、職務の遂行に当たっては、自らも住民等の視点を持ち、市政運営に携わるものとする。

 第3章 行政運営の基本原則
(総合的かつ計画的な行政運営)
第12条 市長等は、総合的かつ計画的な行政運営を行うことを目的に、基本構想その他の行政分野全般に係る政策等に関する計画(以下これらを「総合計画」という。)を策定するものとする。
2 市長等は、総合計画の策定に当たり、多様な意見の反映に努めるものとする。
3 市長等は、総合計画を効果的かつ着実に推進するため、進行管理を行うものとする。
4 市長等は、総合計画が社会経済情勢の変化や新たな行政需要に対応できるよう常に検討を加えるものとする。
5 市長等は、各行政分野の計画について、総合計画の趣旨を踏まえて策定するものとする。
(効率的かつ効果的な行政運営)
第13条 市長等は、効率的かつ効果的に行政運営を行うため、事業の継続的な評価及び見直しを行い、不断の行財政改革に取り組むものとする。
2 市長等は、評価及び見直しの結果を政策等に反映し、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(危機管理)
第14条 市長等は、住民等の生命、身体及び財産を保護するための体制を整備するとともに、災害等による緊急事態の対応に当たっては、住民等及び関係機関と連携及び協力をし、相互に支援を行うものとする。
(財政及び財務)
第15条 市長等は、行政運営に当たっては、財政及び財務の規律の遵守に注力し、健全な財政に努めるものとする。
2 市長等は、市の財政状況を正確に、かつ、分かりやすく公表するものとする。
(行政組織)
第16条 市は、社会経済情勢の変化や新たな行政需要に対応する組織を構築するものとする。
2 市は、機能的かつ効率的に組織の構築を行うものとする。
3 市長等は、外郭団体と連携し、各外郭団体の設置目的を効率的かつ効果的に達成するよう努めるとともに、各外郭団体に対し、その設置目的が社会経済情勢の変化等に適応し、適正かつ健全に運営が行われるよう助言及び指導を行うものとする。
(法務)
第17条 市長等は、政策等の立案及び実施並びに行政課題の解決に当たり、適正に法令を解釈するとともに、条例、規則等の整備を積極的に行うものとする。
(行政手続)
第18条 市長等は、姫路市行政手続条例(平成9年姫路市条例第2号)で定めるところにより、処分、行政指導及び届出に関する行政手続に関し、共通する事項を明らかにし、行政運営における公正の確保及び透明性の向上を図るものとする。
(公益通報)
第19条 市長は、行政運営に係る法令違反等について、職員からの通報を受ける体制を整備するものとする。
2 市は、通報を行った職員が通報を行ったことによる不利益を受けることがないよう必要な措置を講ずるものとする。
(説明責任)
第20条 市長等は、政策等の立案、実施及び評価に関する情報を、各過程において分かりやすく説明するものとする。
(意見等への対応)
第21条 市長等は、行政運営に対する意見、要望等(以下これらを「意見等」という。)に対して誠実かつ迅速に対応し、その内容を事業の改善に反映するよう努めるものとする。
2 市長等は、意見等への対応に当たり、職員の公正な職務の遂行を確保するため、別に定めるところにより、必要な措置を講ずるものとする。

 第4章 参画と協働
第1節 情報共有等
(情報の提供と共有)
第22条 市は、参画と協働を推進するため、市政に関する情報を住民等に積極的に提供するよう努めるものとする。なお、当該情報の提供に当たっては、正確かつ迅速に、分かりやすく行うとともに、子どもに対しては、市政に関心を抱くよう配慮するものとする。
2 市及び住民等は、まちづくりに関する情報の交換を図り、その共有に努めるものとする。
(情報の公開)
第23条 市は、姫路市情報公開条例(平成14年姫路市条例第3号)で定めるところにより、公文書を公開するものとする。
(個人情報保護)
第24条 市は、個人の権利利益を保護するため、姫路市個人情報保護条例(平成17年姫路市条例第78号)で定めるところにより、個人情報の公正かつ適正な取扱いを確保するものとする。
第2節 参画
(参画の機会確保と推進)
第25条 市長等は、住民等がまちづくりに参画することができる機会の確保に努めるとともに、政策等の立案、実施及び評価の各過程において、参画の推進に努めるものとする。
(意見の聴取)
第26条 市長等は、市の重要な計画の策定時等には、案件を事前に公表し、住民等の意見の聴取に努めるものとする。
(附属機関等への参加等)
第27条 市長等は、附属機関、懇談会等(以下これらを「附属機関等」という。)に住民等の参加を求め、その審議等に住民等の意見を反映させるものとする。
2 市長等が設置する附属機関等の会議は、原則として公開するものとする。
(住民投票)
第28条 市長は、市政に関し、特に重要な事案について広く住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができる。
2 前項の住民投票を実施しようとする場合にあっては、投票資格要件その他の実施に必要な事項は、事案ごとに条例で定めるものとする。
3 市長は、住民投票の結果を尊重するものとする。
第3節 協働
(協働の推進)
第29条 市長等は、協働するための仕組みを整備するとともに、多様な担い手による協働を推進するものとする。
2 市長等は、協働の推進に当たっては、住民等の自主性及び自発性を損なわないよう配慮するものとする。
第5章 国、他の地方公共団体等との連携・協力
(国や他の地方公共団体との関係)
第30条 市は、国及び県との適切な役割分担の下、対等な立場で相互に協力し、共通する課題の解決に努めるものとする。
2 市は、他の地方公共団体と共通する市政の課題及び広域的な課題について、積極的に連携及び協力を図り、その解決に努めるものとする。
(国際交流)
第31条 市は、国際社会における役割を果たすため、国外の都市等との交流、連携及び協力を図るとともに、これらを通じて得られた情報を市政に生かすよう努めるものとする。

 第6章 条例の見直し
(条例の見直し)
第32条 市長は、住民等の意見、社会情勢の変化等を踏まえ、この条例について検討し、必要な措置を講ずるに当たっては、姫路市まちづくりと自治の条例審議会(以下「審議会」という。)に諮問し、その意見を聴くものとする。
2 前項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。

 附 則
この条例は、公布の日から施行する。