富士河口湖町自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 富士河口湖町 | 自治体コード | 19430 |
都道府県名 | 山梨県 | 都道府県コード | 00019 |
人口(2015年国勢調査) | 26,082人 |
条例データ
制定年 | 2013年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 パブリックコメント |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.town.fujikawaguchiko.lg.jp/ka/info.php?if_id=2358 |
条例本文
○富士河口湖町自治基本条例
平成25年3月22日
条例第5号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 町民等(第5条―第9条)
第3章 議会(第10条・第11条)
第4章 町長等(第12条―第15条)
第5章 町政運営(第16条―第26条)
第6章 町民参画、協働(第27条―第30条)
第7章 住民投票(第31条)
第8章 その他(第32条―第36条)
附則
私たちのまち富士河口湖町は、自然の宝庫であり、世界文化遺産の富士山に代表される緑豊かな自然と清らかな水に恵まれた地域です。また、富士五湖のうち、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖を持つ「湖水地方」として、富士山と高原と湖が織りなす四季折々の魅力ある自然景観に恵まれた国内屈指の国際観光地として発展してきました。
先人が築きあげてきた歴史や文化・伝統、そして、愛し守り育ててきた自然などのかけがえのない財産を、まちの次代を担う子どもたちに引き継いでいくために、私たち町民は、自らができることは自ら行い、ともに支え合いながら、知恵を結集し、地域の問題の解決にあたらなければなりません。
そのためには、町民及び町(議会及び執行機関)がそれぞれの役割と責任を自覚し、互いが対等な立場で協働し、より一層連携を深めていくことで、町民が文化と自然を享受し合い、こころ豊かに暮らせる、住んで良し、訪れて良しのまちづくりを進めていく必要があります。
私たちは、こうした認識のもと、町民が主体のまちづくりの実現を目指し、富士河口湖町のまちづくりの最高規範として、ここに、富士河口湖町自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、富士河口湖町におけるまちづくりの基本となる理念と原則及び町政運営に関する仕組みなどを定め、町民及び町の果たすべき役割と責任を明らかにするとともに、町民自らがまちづくりに参画し、協働することにより、町民自治の実現を図ることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1) まちづくりとは、地域社会やそこで暮らす町民の生活などに密接に関連する活動、町の施策、その他あらゆる取り組みのことをいいます。
(2) 住民とは、町内に住所を有する者をいいます。
(3) 町民とは、住民、町内に在勤する者、町内に在学する者、町内で活動するものをいいます。
(4) 事業者とは、町内で事業活動を行うものをいいます。
(5) 町とは、議会及び執行機関をいいます。
(6) 執行機関とは、町長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会、監査委員、水道事業管理者をいいます。
(7) 町民自治とは、町民が主体的に地域課題の解決に向けて、ともに考え行動することをいいます。
(8) 参画とは、町民が町の政策立案、実施、評価の過程において、責任を持って、主体的に参加することをいいます。
(9) 協働とは、町民及び町が、自主性を尊重し、対等な立場で相互に補完し、協力することをいいます。
(基本となる理念)
第3条 町民及び町は、次に掲げる基本理念に基づき、まちづくりに取り組みます。
(1) 町民一人ひとりを尊重し、町民が主体のまちづくりを進めます。
(2) 町民及び町は、それぞれの役割と責任を果たすとともに、互いに連携し、協働でまちづくりを進めます。
(基本となる原則)
第4条 前条に規定する基本理念を実現するため、富士河口湖町のまちづくりは、次に掲げる基本原則に即して行われなければなりません。
(1) 町民主体の原則 町民は、互いを尊重しながら、自らの発言と行動に責任を持ち、町民主体のまちづくりを進めます。
(2) 参画協働の原則 町民及び町は、互いの独立性と対等性を尊重しながら、参画と協働を推進します。
(3) 人権尊重の原則 町民及び町は、性別、年齢、心身の状態、国籍、民族等にかかわらず、町民一人ひとりの人権が尊重され、それぞれの個性や能力を最大限に発揮できるまちづくりを進めます。
(4) 情報共有の原則 町民及び町は、まちづくりに関する情報を共有します。
(5) 説明責任の原則 町は、町の政策の立案、実施、評価のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果などについて町民に分かりやすく説明します。
第2章 町民等
(町民の権利)
第5条 町民は、まちづくりの主体として、まちづくりに関する情報を知る権利を有するとともに、まちづくりに参加及び参画する権利があります。
2 町民は、個人として尊重され、安全で安心な生活を営む権利があります。
3 町民は、公正な行政サービスを受ける権利があります。
4 町民は、まちづくりへ参画しないことにより、不利益な扱いを受けません。
(町民の責務)
第6条 町民は、一人ひとりがまちづくりの主体であることを認識し、自らの行動と発言に責任を持ち、積極的にまちづくりに参加及び参画するよう努めなければなりません。
2 町民は、町と協働し、連携し合いながら、安全で安心に暮らせる地域づくりに取り組まなければなりません。
3 町民は、行政サービスに伴う負担を分かち合わなければなりません。
(子どもの権利)
第7条 子ども(未成年の町民をいいます。以下同じ。)は、地域社会の一員として尊重され、健やかに育つ権利を有し、まちづくりに参加及び参画することができます。
2 町民及び町は、子どもがまちづくりに参加及び参画するための環境づくりに努めなければなりません。
3 町民及び町は、子どもが健やかに育つ環境づくりに努めなければなりません。
(高齢者の役割と権利)
第8条 高齢者は、これまでに培った知恵と経験を活かし、その活動を通じて地域社会の発展に貢献しながら、いきいきと心豊かな生活を送り、まちづくりに参加及び参画することができます。
2 町民及び町は、高齢者がまちづくりに参加及び参画するための環境づくりに努めなければなりません。
(事業者の役割と責務)
第9条 事業者は、地域社会の一員として、地域社会との調和を図り、安心して暮らせるまちづくりに寄与するよう努めなければなりません。
2 事業者は、事業活動を行うに当たり、自然環境及び生活環境に配慮しなければなりません。
第3章 議会
(議会の役割と責務)
第10条 議会は、住民を代表する議事機関として、条例の制定及び改廃、予算の決定、決算の認定などのまちづくりに関する重要事項について町の意思決定を行います。
2 議会は、町民の意思が町政運営に適切に反映されるとともに、町政運営が適正かつ効率的に行われているか監視します。
3 議会は、議会活動に関する情報を積極的に提供し、町民に分かりやすく、開かれた議会運営に努めます。
4 議会は、その役割及び責務を遂行するため、政策提言及び立法活動の強化に努めます。
(議員の責務)
第11条 議員は、住民の代表として、常に町民全体の利益と町の発展を行動の指針とし、公正かつ誠実に職務の遂行に努めます。
2 議員は、議会の役割及び責務を遂行するため、自己研さんに努めます。
第4章 町長等
(町長の役割と責務)
第12条 町長は、住民の代表として、この条例の理念に基づき、町民のために公正かつ誠実に町政運営を行います。
2 町長は、リーダーシップを発揮して、まちづくりの課題に対応します。
3 町長は、職員を適切に指揮監督し、その人材の育成に努めます。
4 町長は、富士河口湖町の魅力や情報を、あらゆる機会を通じて、主体的かつ積極的に発信するよう努めます。
(就任時の宣誓)
第13条 町長は、就任に当たっては、日本国憲法により保障された地方自治の一層の充実を目指し、この条例の理念を実現するため、富士河口湖町の代表として公正かつ誠実に職務を遂行することを宣誓します。
(執行機関の役割と責務)
第14条 執行機関は、その権限と責任において、公正かつ誠実に職務を執行します。
2 執行機関は、執行機関相互に連携及び協力をしながら、最小の経費で最大の効果をあげるように努めます。
3 執行機関は、職務の遂行に当たり、多様な方法により、積極的に町民の参加及び参画を促すよう努めます。
(職員の役割と責務)
第15条 職員は、法令及び条例などを遵守するとともに、町民全体のために働く者として、公正かつ誠実に職務を遂行します。
2 職員は、職務の遂行に必要な知識、技術などの向上に努めます。
3 職員は、自らも地域社会の一員であることを自覚し、町民との信頼の構築に努めます。
第5章 町政運営
(総合計画)
第16条 町長は、総合的かつ計画的な町政運営を行うため、この条例に定める基本理念に基づき、町の最上位計画として議会の議決を経て基本構想を定めるとともに、これを実現するための基本計画及び実施計画(以下「総合計画」といいます。)を策定します。
2 町長は、総合計画に基づき策定及び変更する個別計画について、総合計画との整合性を図ります。
3 町長は、総合計画について、適切な進行管理を行い、その進捗状況を町民に分かりやすく公表します。
4 町長は、総合計画について、社会経済情勢の変化に対応できるよう常に検討を加え、必要に応じて見直しを行います。
(組織・機構)
第17条 執行機関は、社会経済情勢の変化及び町民の要望に的確に対応するため、効率的かつ機能的で町民に分かりやすい組織を編成します。
(行政評価)
第18条 執行機関は、総合計画に基づき行われる事業などについて評価を行い、その結果を公表します。
2 執行機関は、前項の評価の結果に基づき、総合計画の進行管理などに反映させるよう努めます。
3 執行機関は、必要に応じて、町民、専門家などの意見を聴く機会を設けることができます。
(財政運営)
第19条 町長は、総合計画及び行政評価の結果を踏まえ、健全で持続可能な財政運営を行います。
2 執行機関は、予算、決算その他の財政状況に関する情報を町民に分かりやすく公表します。
(意見・要望・苦情等への応答)
第20条 町は、まちづくりに関する意見、要望、提案などに対して、迅速かつ誠実に応答するよう努めます。
(情報の公開及び提供)
第21条 町は、協働によるまちづくりを推進するため、保有する情報の積極的な公開及び提供に努めます。
2 前項に規定する情報の公開について必要な事項は、別に条例で定めます。
(個人情報の保護)
第22条 町は、個人の権利及び利益を守るため、保有する個人に関する情報の保護について必要な措置を講じます。
2 前項に規定する個人に関する情報の保護について必要な事項は、別に条例で定めます。
(行政手続)
第23条 執行機関は、町民の権利及び利益を保護するため、処分、行政指導、法令に基づく届出に関する手続について、透明性を確保し、公正かつ迅速に行います。
2 前項に規定する手続について必要な事項は、別に条例で定めます。
(政策法務)
第24条 町は、町民の要望や地域の課題に沿ったまちづくりを推進するため、自治立法権、自治解釈権の適正かつ効果的な活用に努めます。
(公益通報)
第25条 執行機関は、適法かつ公正な町政運営を確保するため、その運営に関する違法な行為について、職員からの通報を受ける体制を整備します。
2 執行機関は、前項の通報を行った職員が、当該通報によって不利益を受けることがないよう適切な措置を講じます。
3 前2項に規定する通報について必要な事項は、別に条例で定めます。
(危機管理)
第26条 町は、災害発生などの不測の事態に備え、町民及び観光客の生命、身体及び財産を守るため、総合的かつ機動的な危機管理体制を整備します。
2 町は、前項の危機管理体制を強化するため、町民、関係機関及び他の自治体と連携し、協力します。
3 町民は、自ら災害などに備え、緊急時には地域で相互に助け合わなければなりません。
第6章 町民参画、協働
(コミュニティ活動の推進)
第27条 町は、まちづくりに自主的、自立的に取り組んでいる町民のコミュニティがまちづくりの推進に大きな役割を果たすことを認識し、その活動を尊重します。
2 町は、コミュニティの自主性、自立性に配慮しながら、コミュニティ活動の推進に必要な地域情報の提供その他の支援に努めます。
3 町民は、コミュニティの活動を推進していくため、互いに情報提供を行い、活動に参加するよう努めなければなりません。
(パブリックコメント)
第28条 執行機関は、重要な条例及び計画の策定などに当たり、事前に案を公表し、広く町民から意見を聴き反映するよう努めます。
2 執行機関は、町民から提出された意見に対する執行機関の考え方を公表します。
3 パブリックコメントの実施について必要な事項は、別に定めます。
(附属機関等)
第29条 執行機関は、町長が設置する審議会、審査会その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「附属機関等」といいます。)の委員を選任する場合は、公募の委員を加えるよう努めます。
2 附属機関等の会議は、公開を原則とします。
(男女共同参画の推進)
第30条 町は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために、総合的な施策を講じるものとします。
2 前項の男女共同参画の総合的かつ計画的な推進に必要な事項は、別に条例で定めます。
第7章 住民投票
(住民投票)
第31条 町長は、まちづくりに関する重要な事項について、住民の意思を直接確認する必要があると認めるときは、住民投票を実施することができます。
2 前項の住民投票の実施について必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。
3 町民及び町は、住民投票の結果を尊重します。
第8章 その他
(国際観光地を意識したまちづくり)
第32条 町民及び町は、世界文化遺産のまちとして、豊かな自然環境の保全に努めるとともに、国際観光地であることを認識し、おもてなしの心にあふれるまちづくりに努めます。
(平25条例29・一部改正)
(他の自治体等との連携)
第33条 町は、共通する課題を解決するため、他の自治体等と相互に連携し、協力するよう努めます。
2 町民は、様々な活動や交流を通じて、町外の人々の知恵や意見を取り入れ、まちづくりに活用するよう努めます。
(条例の位置付け)
第34条 この条例は、富士河口湖町のまちづくりの最高規範であり、町民及び町は、この条例及びその趣旨を最大限に尊重しなければなりません。
2 町は、他の条例、規則などの制定及び改廃に当たっては、この条例との整合を図ります。
(条例の見直し)
第35条 町長は、この条例の内容について、施行後4年を超えない期間ごとに検討を加え、その結果に基づいて見直しを行います。
(委任)
第36条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定めます。
附 則
この条例は、平成25年4月1日から施行します。
附 則(平成25年条例第29号)
この条例は、公布の日から施行する。