池田町まちづくり条例
自治体データ
自治体名 | 池田町 | 自治体コード | 21404 |
都道府県名 | 岐阜県 | 都道府県コード | 00021 |
人口(2015年国勢調査) | 23,360人 |
条例データ
制定年 | 2012年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 パブリックコメント 委員の市民公募 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | 第26条で「青少年と子どものまちづくり参画」の権利を定めているのは本条例の特徴といえよう。 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.town.gifu-ikeda.lg.jp//0000000017.html |
条例本文
○池田町まちづくり条例
平成24年3月5日
条例第3号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第10条)
第2章 まちづくりに関する基本的施策等
第1節 町民参画の促進(第11条―第15条)
第2節 総合的、効率的かつ効果的なまちづくりの推進(第16条―第21条)
第3節 町民の権利と利益の保護(第22条―第24条)
第4節 町民との協働の推進(第25条―第28条)
第3章 関係団体との連携(第29条)
第4章 最高規範と見直し
第1節 条例の最高規範性(第30条)
第2節 条例の改正(第31条)
附則
池田町は、木曽三川によって形成された広大な濃尾平野の北西部に位置し、自然環境豊かな気候風土のもと、発展してきました。
今、日本は人口減少と少子高齢化というかつて経験したことのない状況下にあり、これらの変化と課題に的確に対応し、町民がいきいきとつながり夢が持てる池田町を次世代につなげていかなければなりません。
そのためには、町民から信託を受けた議会と町は自らの判断と責任で、地域に合った行政を進めることと、町民も自ら地域のことを考えて行政に参画し、協働のまちづくりを推進することが求められています。
ここに、池田町のまちづくりの基本理念である協働のまちづくりを推進するため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、池田町のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、町民、議会及び町との協働によるまちづくりを一層推進するための基本的な原則を定め、個性豊かで自立した活力のある地域社会の発展を図ることを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例における用語の定義は、次のとおりとします。
(1) 町民 町内に在住、在勤又は在学する個人及び町内に事務所又は事業所を有する法人その他の団体をいいます。
(2) 町 町長及びその他の執行機関(教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会)をいいます。
(3) 議会 町議会及びその議員をいいます。
(4) 参画 町政の計画、実施、評価及び改善のそれぞれの過程において、町民が町に対し積極的に意見等を表明し、主体的に参加することをいいます。
(5) 協働 町民、議会及び町が、まちづくりに果たすべき役割と責任を自覚し、それぞれの立場及び特性を尊重しながら、対等の立場で相互に補完し、協力して行動することをいいます。
(6) まちづくり 自治活動、ボランティア活動等で、よりよい地域社会の実現及び向上に役立つ活動をいいます。
(7) コミュニティ 町民が住みよいまちや豊かな地域社会をつくるための地域、共通の関心による町民同士の多様なつながり、組織及び集団をいいます。
(基本理念及び基本原則)
第3条 地方自治における主権は、町民にあり、次に掲げる事項を基本原則として、まちづくりを推進します。
(1) 町民、議会及び町は、情報を共有するとともに、それぞれ適切に役割を分担し、相互の信頼関係に基づく協働による施策を実施します。
(2) 町民は、自治の担い手として、地域社会のあり方に関心を持ち、個性や能力を積極的に発揮して地域の特性を生かします。
(3) 議会及び町は、人権が尊重され、公正、公平かつ平等な社会の実現に努め、町民の参画の機会を保障します。
(町民の権利及び役割)
第4条 町民は、まちづくりに関して知る権利及び参画する権利を有します。
2 町民は、まちづくりの主体であることを自覚し、自治活動やボランティア活動等に積極的に参加するように努めます。
3 町民は、まちづくりに参画する場合、池田町全体の利益を考慮することを基本とし、自らの発言と行動に責任を持ち、多様な価値観を認め、支え合い、連携するように努めます。
4 町民は、前3項の規定を遵守するとともに、行政サービスを受ける範囲で支援します。(議会の基本)
第5条 議会は、池田町の議決機関として議論を尽くし、町民に開かれ、信頼される議会を運営し、町民主権の自治の充実に努めます。
(議会の役割及び責務)
第6条 議会は、池田町にふさわしい条例の制定等に努めるとともに、町民の意思を的確に町政に反映し、適正に運営されているか町民の視点で監視し、けん制する役割を果たします。
2 議会は、町民との情報共有のため、保有する情報を積極的に公開及び提供し、施策立案強化のため、不断の研さんに努め、新たに生ずる町政の課題に適切かつ迅速に対応するため、議会改革に取り組みます。
3 議会は、公正かつ透明性を確保し、町民の多様な意見を的確に把握し町政に反映させ、町民に開かれた議会を目指します。
4 議会は、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能充実に努めます。
(議員の役割及び責務)
第7条 議員は、議会が言論の府であり意思決定機関であることを十分理解し、自由な討議を重んじます。
2 議員は、一部団体及び地域の個別的な事案の解決だけでなく、まちづくりの向上の支援をします。
3 議員は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その信託にこたえるため、政治倫理の確立に努めます。
(町の役割及び責務)
第8条 町は、常にまちづくりの主体は町民であることを意識し、町民の参画の機会を確保し、町民との情報の共有及び協働を図りながら、責任を持ってまちづくりを支援し推進します。
2 町は、まちづくりの意義について共に理解を深め、環境及び基盤の整備に努めます。
3 町は、効率的かつ効果的なまちづくりを行うため、職員の意識改革や資質の向上を図ります。
(町長の役割及び責務)
第9条 町長は、町民との協働に努め、公正、公平かつ誠実にまちづくりを推進し、町民主体の自治を推進します。
2 町長は、町民の信託に応えるため、町職員を適切に指揮監督し、効率的な組織整備を図り、まちづくりの運営に努めます。
(町職員の役割及び責務)
第10条 職員は、法令を順守し、町民との信頼関係づくりに努め、全体の奉仕者として、誠実かつ公正に職務を遂行します。
2 職員は、この条例の基本理念を理解し、職務を遂行するための知識の習得及び資質の向上に努めます。
第2章 まちづくりに関する基本的施策等
第1節 町民参画の促進
(コミュニティの役割)
第11条 コミュニティは、地域住民のつながりを強くするとともに、地域の問題の解決に向けて計画的に取り組み、安全で安心な地域づくりに努めます。
2 議会と町は、協働のまちづくりを進めるために、コミュニティ活動を尊重するとともに必要に応じて支援を行います。
(情報公開の推進)
第12条 議会と町は、町民とまちづくりに関する情報を共有するため、公文書の開示を適正に行うとともに、情報の積極的な提供に努めます。
2 情報公開制度に関して必要事項は、別に条例で定めます。
3 議会と町は、多様な広報手段を活用することにより、町民が議会と町政に関心を持つよう広報活動に努めます。
(意見公募)
第13条 町は、まちづくりの基本的な方針やその他の重要な事項を定める計画及び条例の立案に当たっては、その内容や必要な情報を公表し、原則として、パブリックコメント(意見公募)を実施するものとします。
2 町は、前項の意見を考慮し、意思決定を行うとともに、その施策の決定内容を公表します。
(町民参画・協働推進会議)
第14条 町は、町民等の参加による町政運営の推進と町民の公益活動の拡大を図るため、池田町町民参画・協働推進会議(以下「推進会議」という。)を設置します。
2 推進会議は、自治運営に係る町民等による参加の推進状況の把握と、その結果の公表並びに必要な事項についての調査、研究及び審議するものとします。
3 推進会議の組織と運営については、この条例の基本理念に基づき、町長が規則で別に定めます。
(審議会等の運営)
第15条 町は、地方自治法(昭和22年法律第67号)に基づく附属機関やその他のまちづくりに関する合議制の諮問機関(以下「附属機関等」という。)の委員を任命する場合は、適正な構成及びその一部に町民からの公募による委員の任命に努めます。
2 町は、附属機関等の会議の公開に努めます。
第2節 総合的、効率的かつ効果的なまちづくりの推進
(総合計画)
第16条 町は、基本構想など町の施策の基本的な方向を総合的に示す計画(以下「総合計画」という。)の策定に当たっては、町民の意向を反映するため、町民の参画する機会の提供に努めます。
2 町は、総合計画に基づき、効率的かつ効果的に施策を推進するとともに、その状況を公表します。
3 町は、各政策分野における施策の策定及び推進については、総合計画との整合性に留意して、基本的な方向等を明らかにします。
(財政運営)
第17条 町は、総合計画に基づき中長期的な展望に立った予算を編成し、自主的かつ健全な財政運営を行います。
2 町は、毎年度の予算及び決算その他財政に関する事項を町民に公表します。
(効率的な組織体制)
第18条 町は、社会経済情勢の変化及び多様化する課題に柔軟に対応するため、町民との協働により効率的な執行体制の整備に努めます。
(施策評価)
第19条 町は、まちづくりを推進するため、施策評価を実施し、これに関する情報を町民に公表します。
2 町は、施策に関する町民の意見等に基づき、適切に施策評価を行い、予算編成及び総合計画の推進管理等への反映に努めます。
(政策法務)
第20条 町は、地域の実情に合わせ特色あるまちづくりの実現のため、政策の法務能力向上に努め、条例及び規則等の整備を積極的に行います。
(説明責任)
第21条 町は、公正で開かれた町政推進のため、施策の推進状況や意思決定の過程について、町民に説明します。
第3節 町民の権利と利益の保護
(公正な行政手続の確保)
第22条 町は、町民の権利と利益の保護を図るため、処分、行政指導及び届け出に関する手続に関し、公正かつ透明性の向上を図ります。
(個人情報保護)
第23条 町は、個人の権利と利益を保護するため、池田町個人情報保護条例(平成15年池田町条例第17号)に基づき、個人に関する情報の収集、利用、提供及び管理を適正に行います。
(意見や要望等への対応)
第24条 町は、町民からの意見や要望等があったときは、速やかに事実関係の調査をし、公正かつ迅速に対応します。
第4節 町民との協働の推進
(協働の推進)
第25条 議会と町は、公益事業等の充実を図るため、町民の自主的な活動を尊重し、町民との協働を積極的に推進します。
2 議会は、議会主催の会議を設置するなどし、町民が議会活動に参加できるよう努めます。
3 町は、町民が町政に参加する機会を提供し、誰もが参加しやすい工夫と環境づくりに努めます。
(青少年と子どものまちづくり参画)
第26条 青少年と子どもは、まちづくりの一員としてそれぞれの年齢段階に応じ、まちづくりに参画する権利を持ちます。
2 青少年と子どもは、まちづくりに参画する一員として自覚を持ちます。
(まちづくり協定)
第27条 町は、積極的に一体的なまちづくりを進める必要があると認められる相当規模の地区内における、建築物その他の工作物の新築及びその他のまちづくりに関する行為について、町民による協定が締結されたときは、これを尊重するものとします。
(住民投票制度)
第28条 町は、町政の重要な事項について、住民の意思を把握するため町民、議会又は町長の発意に基づき、議会の議決を経て住民投票を実施することができます。
2 町民、議会及び町は、住民投票が実施された場合は、その結果を尊重するものとします。
3 前2項に規定する住民投票の発意、投票参加資格その他実施に関して必要な事項は、それぞれの案件に応じ別に条例で定めるものとします。
第3章 関係団体との連携
(国、県等との連携)
第29条 町は、基礎自治体として、国、岐阜県等(以下「国等」という。)との適切な関係の確立が図られるよう、国等に対して制度及び施策等の改善に向けた取組を積極的に行うものとします。
第4章 最高規範と見直し
第1節 条例の最高規範性
(条例の最高規範性)
第30条 この条例は、町が定める最高規範であり、議会と町は、他の条例、規則等の制定及び改廃に当たっては、この条例の内容を尊重し、整合を図ります。
第2節 条例の改正
(条例の改正)
第31条 町は、この条例の施行後、常に町民の意見及び社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、所要の措置を講ずるものとします。
附 則
この条例は、平成24年4月1日から施行します。
附 則(平成24年9月3日条例第16号)
この条例は、公布の日から施行する。