益子町まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 益子町 | 自治体コード | 09342 |
都道府県名 | 栃木県 | 都道府県コード | 00009 |
人口(2015年国勢調査) | 21,898人 |
条例データ
制定年 | 2014年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.town.mashiko.tochigi.jp/reiki_int/reiki_honbun/e122RG00000667.html |
条例本文
○益子町まちづくり基本条例
平成26年3月17日
条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 権利と責務(第5条―第7条)
第3章 まちづくり(第8条―第15条)
第4章 情報共有(第16条―第18条)
第5章 行政運営(第19条―第21条)
第6章 住民投票(第22条)
第7章 危機管理(第23条)
第8章 条例の見直し(第24条)
附則
前文
益子町は、四季折々の豊かな自然の恩恵を受け、八溝山系の里山にいだかれた穏やかなまちです。世界に誇れる益子焼や古き良き伝統文化、広く人々を受け入れる気質、郷土を愛する心など、これらは先人たちが築き継承してきた財産です。私たちは、この風土・文化・人とともに生きていることに感謝し、次の世代へとつないでいきます。
私たちは、このまちが将来にわたって輝き続けるためにともに知恵を出し合い、笑顔と活力に満ちあふれるまちをつくっていきます。そのために、一人一人がまちづくりに参加する意識を高く持ち、自ら考え、互いを思いやり支え合い、人と地域のつながりを大切にし、心と力をあわせて行動していきます。
このような思いに基づき、私たちは、主体的なまちづくり、そして協働のまちづくりにより「子どもからお年寄りまで笑顔で暮らしていけるまち」を築くため、この益子町まちづくり基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、益子町のまちづくりに関する基本的な事項を定め、私たちが協働し、誰もが笑顔で暮らしていけるまちを築くことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 私たち 町民、町議会及び町をいう。
(2) 町民 町内に居住している者及び通勤し、又は通学している者並びに町内に事務所を有する法人その他の団体をいう。
(3) 町 町長及び町の執行機関をいう。
(4) 協働 町民、町議会及び町が互いの役割と責任のもと、まちづくりのためにともに考え、協力し、行動することをいう。
(5) コミュニティ 町民が互いに助け合い、心豊かな生活を送ることを目的として結ばれた自治会、ボランティア等の組織及び集団をいう。
(6) まちづくり 誰もが笑顔で暮らしていけるまちを目指す公益的な活動をいう。
(基本原則)
第3条 私たちは、まちづくりにおいて、互いに尊重し、認め合い、協働することを基本とする。
(最高規範性)
第4条 この条例は、益子町におけるまちづくりの最高規範であって、まちづくりは、この条例の規定に基づいて実施されなければならない。
2 町は、条例、規則等の制定改廃並びに総合振興計画、その他の計画及び施策(以下「総合振興計画等」という。)の策定又は変更にあたり、この条例の規定に即し、かつ、適合させなければならない。
第2章 権利と責務
(町民の権利と責務)
第5条 町民は、まちづくりに参加する権利を有する。
2 町民は、町議会及び町の保有する情報を知る権利を有する。
3 町民は、まちづくりの主体としての意識と責任を持ち、町やコミュニティのまちづくりに参加するよう努めなければならない。
4 町民は、まちづくりへの参加、不参加を理由に不利益を受けない。
(町議会の責務)
第6条 町議会は、町民の代表から構成される町の意思決定機関であり、適正な町政運営の監視を行うものとする。
2 町議会は、町民の声を反映した政策の提言及び立案を行うものとする。
(町の責務)
第7条 町長は、町民の意向の把握に努め、町政の代表者としてこの条例を遵守し、前文の趣旨を実現するため、まちづくりを推進しなければならない。
2 町長は、まちづくりの推進のため、人材の育成に努め、効率的かつ効果的に組織運営を行わなければならない。
3 町の執行機関は、その権限と責任において、前項と同様に取り組まなければならない。
4 町職員は、前文の趣旨を実現するため、常に自己の資質向上に努めなければならない。
第3章 まちづくり
(コミュニティ)
第8条 コミュニティは、自主的及び自律的な運営を行い、まちづくりに参加するとともに、地域や社会の課題解決に努めるものとする。
2 町は、コミュミティの自主性を尊重し、必要に応じて支援を行わなければならない。
3 町民は、コミュニティの形成に努めるものとする。
(産業と観光)
第9条 私たちは、活力あるまちを実現するため、産業の振興と風土に根付いた地場産業の継承発展に取り組むよう努めなければならない。
2 私たちは、自然、文化財、芸術、伝統文化などを活かし、魅力ある観光地づくりを行い、町内外に発信し、かつ交流を図るよう努めなければならない。
(環境)
第10条 私たちは、自然と人間との共生を願い、自然環境及び生物多様性の保全、景観の維持を図り、後世に引き継ぐよう努めなければならない。
2 私たちは、持続可能な社会及び循環型社会の実現を目指して、創意工夫に努めなければならない。
(文化)
第11条 私たちは、文化財の重要性を認識し保護に努め、培われてきた伝統文化を継承するよう努めなければならない。
2 私たちは、文化活動の担い手として、又は支援者として関わることにより、芸術文化の振興に努めなければならない。
(教育と学習)
第12条 私たちは、将来を担う子どもたちに、風土・文化・人の恵みを受けて今があることを教え育てるよう努めなければならない。
2 私たちは、互いを尊重し合い、社会の一員として生涯にわたって学ぶよう努めなければならない。
3 私たちは、社会教育を推進し、まちづくりに参加できる担い手を育成するよう努めなければならない。
(福祉)
第13条 私たちは、一人一人の人間性や個性を尊重し、豊かな社会の実現に努めなければならない。
2 私たちは、違いを認め合う社会の実現を目指して、お互いを思いやり、助け合い、誰もが安心して暮らしていけるよう努めなければならない。
(健康)
第14条 私たちは、健やかな生活を営む上で欠くことのできない健康づくりに努めなければならない。
(連携及び交流)
第15条 私たちは、他の地域との連携及び交流を図るよう努めなければならない。
2 私たちは、国際感覚豊かな人材を育成するとともに、国際交流に努めなければならない。
第4章 情報共有
(情報共有)
第16条 町は、まちづくりに必要な情報を町民に提供し、共有しなければならない。
2 町は、条例の制定及び施策の実施については、それぞれの過程において必要に応じ町民から広く意見を聴かなければならない。
3 町民は、まちづくりに関し、必要な情報を開示し、まちづくりに寄与するよう努めなければならない。
(説明責任)
第17条 町は、町の実施する施策について、町民にわかりやすく説明しなければならない。
2 町は、町民からの意見や質問に対し、速やかに対応しなければならない。
(個人情報の保護)
第18条 私たちは、個人の権利及び利益を守るため、個人に関する情報を保護しなければならない。
第5章 行政運営
(総合振興計画)
第19条 町は、総合的かつ計画的な町政運営を図るために基本構想及びこれを具体化するための計画(以下「総合振興計画」という。)を策定しなければならない。
2 町は、総合振興計画の策定にあたり、町民が参加する機会をつくらなければならない。
(財政運営)
第20条 町は、健全な財政運営をしなければならない。
2 町は、予算編成にあたり、財源を効率的かつ効果的に活用しなければならない。
3 町は、財政状況並びに予算及び決算の内容をわかりやすく公表しなければならない。
(評価)
第21条 町は、総合振興計画等がこの条例の趣旨に沿って実施されているかについて評価し公表しなければならない。
第6章 住民投票
(住民投票)
第22条 町は、町政に関する重要な事項について、直接、住民の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができる。
2 住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に関し必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定める。
3 町長は、前項の規定による住民投票に関し定める条例に基づき住民投票を行うときは、その目的及び投票結果の取扱いを事前に明らかにしなければならない。
第7章 危機管理
(危機管理)
第23条 町は、不測の事態に備えて、災害等から町民の生命、身体及び財産を保護するため、災害対策を総合的かつ計画的に推進し、町民、他の市町村、県、国及びその他関係機関と連携しながら防災活動を行わなければならない。
2 町民は、自ら災害等に備えるための手段を講ずるとともに、自発的に防災活動へ参加するなど防災に寄与するよう努めるものとする。
第8章 条例の見直し
(条例の見直し)
第24条 町は、この条例が益子町にふさわしいものであるかを検証するとともに、必要に応じて見直さなければならない。
附 則
この条例は、平成26年4月1日から施行する。