条例

下野市自治基本条例

自治体データ

自治体名 下野市 自治体コード 09216
都道府県名 栃木県 都道府県コード 09
人口(2015年国勢調査) 59444人

条例データ

条例本文

○下野市自治基本条例
平成26年3月20日
条例第1号

 目次
前文
第1章 総則
第2章 自治の基本理念及び基本原則
第3章 市民及びコミュニティ組織
第4章 議会
第5章 行政
第6章 参加及び協働
第7章 連携及び交流
第8章 条例の実効性の確保
附則

わたしたちのまち下野市は、良好な住環境をもつ市街地と、緑豊かな農村集落が共存するまちです。
遠方に雄大な日光連山や筑波山を望み、南北には姿川、田川、鬼怒川が悠久の流れをたたえ、広大な平地が育まれてきました。風や光は空の広い大地に降り注ぎ、関東平野の豊かな土壌や、河川や地下水などの豊かな水資源が生産量日本一を誇るかんぴょうなど農産物を実らせます。
下野市広域に築造された古墳群、奈良時代に建立された下野薬師寺戒壇院及び下野国分寺・国分尼寺跡、中世に築造された児山城・薬師寺城・箕輪城跡などの歴史的遺産が先人たちの英知とたゆまぬ努力により脈々と受け継がれてきました。
また、古くは東山道、近世には日光街道の宿場町として栄えたほか、近代には国道や鉄道がいち早く敷設されるなど、下野市は、古来交通の要衝として発展し、物資や人びとの交流が行われてきました。こうした文化は、現代にも息づき、歴史・文化などを共有する国内外の都市との交流が盛んに行われています。
更に、近年は、自治医科大学を中心に医療体制や研究機関が充実し、安全・安心なまちとして発展を続けています。
しかし、地方制度・行財政に関する国の制度改革、平成の市町村大合併、少子高齢化・人口減少などの時代背景や社会変化による影響をわたしたち市民も受けています。
そうした中、下野市は、平成18年1月10日、明治期以来の郡を越境した3町の対等合併により誕生したことから、三つのそのためには、市民、議会及び市がそれぞれの責任と役割を自覚し、「人権尊重」、「情報共有」、「市民参画」を基本原則とし、協働の精神のもと共に力を合わせて、明日の下野市を創造するための仕組みが必要です。地域を越えた新市の自治体運営やまちの在り方を、市民一体となって創り出していかなければなりません。
また、わたしたちは、平成23年3月11日の東日本大震災を教訓として、非常時に備えた防災体制の強化だけでなく、平常時からの多様なコミュニティづくりなど、自治の基礎づくりの大切さを学びました。
これからは、自然・歴史・文化などの恵まれた下野市の特性を更にいかし、人びとの営みを次世代へ引き継がなければなりません。そして、多様な世代が生き生きと暮らし、自律した市民による自立したまち、故郷として誇れるまちを目指し、下野市民憲章にうたうまちづくりを進める必要があります。
そのためには、市民、議会及び市がそれぞれの責任と役割を自覚し、「人権尊重」、「情報共有」、「市民参画」を基本原則とし、協働の精神のもと共に力を合わせて、明日の下野市を創造するための仕組みが必要です。
ここにわたしたちは、下野市の自治の理念である「市民が主役のまちづくり」を推進するため、下野市における自治の最高規範として、下野市自治基本条例を定めます。

 第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市における自治の基本理念を明らかにするとともに、市民、議会及び市の役割及び責務並びに自治の基本原則を定めることにより、地方自治の本旨に基づくまちづくりを実現することを目的とする。
(位置付け及び最高規範性)
第2条 この条例は、市政の基本事項について本市が定める最高規範であり、他の条例、規則等の制定改廃に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、整合性を図るものとする。
2 市民、議会及び市は、この条例を遵守しなければならない。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住む人、働く人、学ぶ人及び事業者をいう。
(2) 議会 議会及び議員をいう。
(3) 市 市長及び市の執行機関をいう。
(4) 参画 まちづくりに主体的に参加し、行動することをいう。
(5) 協働 市民、議会及び市が共通課題を解決するためにそれぞれの役割及び責任を対等な立場で、協力して活動することをいう。

 第2章 自治の基本理念及び基本原則
(自治の基本理念)
第4条 市民が主役のまちづくりを推進することを基本理念とする。
2 市民、議会及び市が協働によるまちづくりを推進することを基本理念とする。
(基本原則)
第5条 第1条の目的を達成するため、市民、議会及び市は、次に掲げる基本原則に基づき、まちづくりを推進するものとする。
(1) 市民、議会及び市は、一人ひとりの基本的人権を尊重する。
(2) 市民、議会及び市は、互いに市政に関する情報を共有する。
(3) 市政に市民の参画の機会が保障されており、また、その参画を図るための取組を議会及び市は、積極的に推進する。
(情報提供)
第6条 議会及び市は、その保有する情報について市民との共有財産であるとの認識に立ち、積極的に、かつ、分かりやすく市民への情報提供に努めるものとする。
(情報公開)
第7条 議会及び市は、市民の情報公開請求に対して、市民の知る権利を保障し、適切に情報を公開するものとする。
2 前項に規定する情報公開に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(個人情報の適正な取扱い)
第8条 議会及び市は、保有する個人情報を適正に取扱い、個人の権利及び利益を保護しなければならない。
2 前項に規定する個人情報の保護に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(参画)
第9条 市は、市民がまちづくり及び市政に参画する機会を保障しなければならない。
2 市民は、まちづくり及び市政に関心や問題意識を持ち、積極的な参画に努めるものとする。
(協働)
第10条 市民、議会及び市は、まちづくりを推進するために、それぞれの立場を理解し、目的を共有し、相互に依存することなく力を合わせて、その実現に努めるものとする。
2 市は、市民の自主的なまちづくり活動を促進するために、必要な支援を行わなければならない。
(子どもの参画)
第11条 市民、議会及び市は、子どもを下野市の未来を担う地域の宝として育てるとともに、子どもがまちづくりに参画する機会を積極的につくり、その意見を尊重するものとする。

 第3章 市民及びコミュニティ組織
(市民の権利)
第12条 市民は、次に掲げる権利を保障されるものとする。
(1) 安全かつ安心な生活を営むことができること。
(2) よりよい行政サービスを享受することができること。
(3) 議会及び市に関する情報を知ることができること。
(4) 議会及び市に対し意見及び提案を表明することができること。
(5) まちづくり及び市政に参画する機会を得ることができること。
(市民の責務)
第13条 市民は、次に掲げる責務を有するものとする。
(1) まちづくりの参画に当たり、自らの発言及び行動に責任を持つこと。
(2) 人権を尊重し、他の個人としての尊厳を侵さないこと。
(3) 自らがまちづくりの主体であることを自覚し、実践すること。
(コミュニティ組織の責務及び支援)
第14条 コミュニティ組織(市民活動団体を含む。)は、適正な団体運営を行うとともに、自らの責任のもと、市民活動を推進し、その活動が広く市民に理解されるよう努めるものとする。
2 コミュニティ組織は、まちづくりの主体としての役割を認識し、協働のまちづくりへの理解及び協力に努めるものとする。
3 市は、コミュニティ組織による活動について、公益性及び公平性に配慮して、その自主性及び自立性を損なうことのないよう、支援するものとする。
(事業者の権利及び責務)
第15条 事業者は、地域社会を構成する一員として、社会的責任を認識し、自然環境及び市民生活に配慮した事業活動を推進するとともに、公益的な活動への積極的な参加及び地域社会づくりに寄与するものとする。

 第4章 議会
(議会の役割、責務、運営等)
第16条 議会は、重要な政策の意思決定をし、政策を立案し、及び提言し、市政運営を監視するなど、その権能を十分に発揮しなければならない。
2 議会は、前項の権限を行使するに当たり、市民の意思を適切に把握し、かつ、議員間の討議を尽くすよう努めなければならない。
3 議会は、市民の信頼に応え、公平性及び透明性を確保し、常に説明責任を果たすものとする。
4 議会の役割、責務、運営等に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(議員の責務)
第17条 議員は、市民全体の代表者として、公正かつ誠実に議員活動を行い、市民の信頼に応えなければならない。
2 議員は、市政の適切な監視及び評価並びに政策提案のため、常に研さんに努めなければならない。
3 議員の責務に関し必要な事項は、別に条例で定める。

 第5章 行政
(市長の責務)
第18条 市長は、市の代表として、公正かつ誠実に市政を運営し、自治の基本理念に応えるよう指導力を発揮しなければならない。
2 市長は、地域社会、市民生活等の実態、変化等を中長期的かつ広域的に把握して、市政に反映するよう、努めなければならない。
(職員の責務)
第19条 職員は、市民全体の奉仕者であり、市長の補助機関の一員として、自治の基本理念の実現のために公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 職員は、職務の遂行に当たって、必要な知識の習得及び能力の向上に努めなければならない。
(総合計画)
第20条 市長は、総合的かつ計画的に市政を運営するために、市の最上位計画である総合計画を市民参画の下に策定し、かつ、定められた範囲で見直しを行うものとする。
2 総合計画の基本構想及び基本計画は、議会の議決により定めなければならない。
3 市は、個別政策分野に係る計画を策定し、変更し、又は廃止するときは、総合計画との整合を図るものとする。
(行政評価)
第21条 市は、効率的かつ効果的で透明性の高い市政運営のため、行政評価を実施するものとする。
2 市は、行政評価の実施に際しては、市民参画を図り、その評価内容及び結果を分かりやすく公表するとともに、市政運営に反映させるものとする。
(行政組織)
第22条 市は、多様化する行政課題に的確に対応し、効率的な業務の執行を進めるため、機能的な組織体制づくりに努めるものとする。
(財政及び財務)
第23条 市は、持続可能な財政運営を行っていくために財政計画を策定し、財政の健全化を図るものとする。
2 市は、財政状況を分かりやすく市民に公表するものとする。
(出資団体等)
第24条 市は、市が出資、補助、事務の委託又は職員の派遣を行っている団体に対して、必要に応じ、当該団体の業務及び財務に関する情報の開示を求めなければならない。
2 市は、前項の団体に対して、市の出資等の目的が効果的かつ効率的に達成されるよう要請するとともに、公益上特に必要な場合には、必要な支援を行わなければならない。
(行政手続)
第25条 市は、処分、行政指導、届出等に関する手続について、公正の確保、透明性の向上及び手続の迅速化を図らなければならない。
2 前項に規定する行政手続に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(法務)
第26条 市は、政策を実現し、又は地域の課題を解決するため、法令の解釈及び運用並びに条例、規則等の制定改廃に積極的に努めなければならない。
(説明責任)
第27条 市は、まちづくりの基本となる施策の立案、決定及び評価に至るまでの過程について、市民に対する情報提供に努めるとともに、市民に分かりやすく説明しなければならない。
(提案、要望、意見等への対応)
第28条 市は、市民から提案、要望、意見等があったときには、速やかに事実関係を調査し、対応しなければならない。この場合において、必要に応じ、積極的にそれらを施策に反映させるように努めなければならない。
(公益通報)
第29条 職員は、市政の適法かつ公正な運営を妨げ、かつ、市政に対する市民の信頼を損なうような行為のあることを知ったときは、速やかにその事実を公益通報に関する機関に通報しなければならない。
2 市は、法令の定めるところにより、職員から行われる公益通報を受ける体制を整備するとともに、通報者が通報により不利益を受けないよう適切な処置を講じなければならない。
(危機管理)
第30条 市は、市民の生命及び財産を守るために、災害等の緊急時を想定した危機管理体制の構築に努めなければならない。
2 市民及び市は、災害等の緊急時には、協力して対応しなければならない。
3 市は、災害等の緊急時における市民との連携が有効に機能するように、定期的に市民及び議会と協議して役割分担、仕組みづくり及び環境づくりについての見直しに努めなければならない。
4 市民は、災害等の緊急時には、まず自助及び共助ができるように、日頃から地域内の連携を図るものとする。

 第6章 参加及び協働
(意見募集)
第31条 市は、次に掲げる事項のうち、市民生活に広く影響を与えるものについて、市民に情報提供を行い、広く意見を求めるものとする。
(1) 条例の制定又は改廃
(2) 計画の策定、変更又は廃止
(3) 施策の実施、変更又は廃止
2 市は、前項の規定による意見を十分考慮し、意思決定を行うものとする。この場合において、市は、当該意見及び意見に対する市の考え方を公表しなければならない。
(委員の公募及び審議会等の公開等)
第32条 市は、市が設置する審議会等(以下「審議会等」という。)の委員の選任に当たっては、原則として公募による委員を含めなければならない。
2 市は、委員の選任に当たっては、透明性及び公平性を保ち、審議会等の設置目的に応じて、地域、年齢及び性別その他必要な要件に配慮しなければならない。
3 市は、審議会等の会議を原則として公開しなければならない。
4 市は、審議会等の開催情報、会議結果等を公表しなければならない。
(住民投票)
第33条 市長は、市政に関する重要事項について、住民(住民投票を行う主体をいう。)の意思を確認するため、住民投票を実施することができる。
2 住民投票は、当該重要事項に関する情報が住民に提供され、熟議を経た上で行われなければならない。
3 住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に関して必要な事項は、事案ごとに別に条例で定める。
4 議会及び市は、住民投票の結果の公表に努め、当該結果を尊重しなければならない。
(人材及び組織の育成)
第34条 市民、議会及び市は、市民が主役のまちづくりを推進するため、自発的なまちづくりの担い手及び自律的なまちづくり組織が育つよう支援を行い、その学習環境及び拠点の整備に努めるものとする。

 第7章 連携及び交流
(広域連携)
第35条 市は、広域化する行政課題に対して、近隣及びその他の市町村、県及び国との連携を積極的に図り、広域的なまちづくりを推進するものとする。
(国内交流)
第36条 市は、歴史及び文化等を共有する他の市町村との交流を積極的に図り、歴史及び文化等を大切にするまちづくりを推進するものとする。
2 前項に規定する交流のほか、市は、災害等の緊急時に備え、他の市町村との相互支援を積極的に推進するものとする。
(国際交流)
第37条 市は、国際交流の文化を大切にするとともに、市民の国際交流活動の支援に努めるものとする。
2 市民及び市は、多文化共生社会の視点に立ち、敬愛と相互理解と学び合いの精神を持って、国際交流活動に努めるものとする。

 第8章 条例の実効性の確保
(見直し)
第38条 市長は、この条例の施行後5年を超えない期間ごとに、市政がこの条例に基づいて行われているかどうかを市民参画の下に検証を行い、その結果を踏まえ、条例の見直し及び市民が主役のまちづくりに関する政策について、必要な措置を講ずるものとする。
2 市長は、前項に規定する条例の検証を行うための機関を設置するものとする。
3 前項に規定する機関に関し、必要な事項は、別に定める。

 附 則
この条例は、平成26年4月1日から施行する。