釧路市まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 釧路市 | 自治体コード | 01206 |
都道府県名 | 北海道 | 都道府県コード | 00001 |
人口(2015年国勢調査) | 165,077人 |
条例データ
制定年 | 2015年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 意見提出 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.kushiro.lg.jp/machi/kyoudou/1006016/1006018.html |
条例本文
○釧路市まちづくり基本条例
平成27年3月20日
釧路市条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 権利及び責務(第6条―第11条)
第3章 コミュニティ(第12条)
第4章 情報共有(第13条―第15条)
第5章 市民参加及び協働(第16条―第22条)
第6章 行政運営(第23条―第28条)
第7章 この条例の見直し(第29条)
附則
釧路市は、原始の様相を今に伝える釧路湿原、母なる釧路川、特別天然記念物のマリモが生育する阿寒湖をはじめとする大小の湖沼、広大な森林などの厳しくも豊かな自然の恵みのもと、その自然と共生してきたアイヌの人たちや開拓のために移り住んだ人たちなどの長年の労苦と努力によって、東北海道の中核都市へと発展を遂げてきました。
私たち釧路市民は、「広野に丹頂が舞い、夕焼けが太平洋を染める釧路の市民です」とうたい出され、「生産都市を誇りとして、健康で明るく、豊かで文化の香り高いまち」を築くことを目指した釧路市民憲章を胸に、あすの釧路市がより輝くよう、次世代に引き継いでいく責任があります。
私たちは、皆で築き上げてきた歴史を誇りとして、まちづくりを自ら担う気概を持ち、まちづくりの主体としての役割を果たしていかなければなりません。
ともに考え、互いに認め合い、力を合わせてまちづくりに取り組み続けることで、人と人との 絆きずな や支え合う心をより確かなものにし、喜びとやりがいを感じながら、安全で安心な心豊かに暮らせるまち釧路を築いていくために、まちづくりの規範として、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市のまちづくりに関し、基本理念及び基本原則を定め、並びに市民の権利及び責務並びに市の責務を明らかにするとともに、まちづくりの基本的事項を定めることにより、市民を主体とするまちづくりの実現を図ることを目的とする。
(この条例の位置付け)
第2条 この条例は、本市のまちづくりの基本であり、市民及び市は、まちづくりの推進に当たり、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。
2 市は、総合的かつ計画的な行政運営を図るための基本的な構想及び計画(以下「基本構想等」という。)その他のまちづくりに関する計画の策定及び変更並びにまちづくりに関する条例、規則等の制定及び改廃に当たっては、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 住民 市内に住所を有する者をいう。
(2) 市民 住民又は市内で働き、若しくは学ぶ者若しくは事業者(市内で事業活動その他の活動を行う者又は団体をいう。以下同じ。)をいう。
(3) 市 議会及び市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)をいう。
(4) まちづくり 釧路市における公共の福祉の増進を目的とする全ての活動をいう。
(5) 市政 まちづくりのうち、市が担うものをいう。
(6) 協働 市民及び市がまちづくりにおけるそれぞれの責務を果たしながら、協力し合うことをいう。
(7) コミュニティ 町内会をはじめとする居住等の地域によって形成された市民の集まり及び共通の目的、関心等によって形成された市民の集まりであって、まちづくりを行うものをいう。
(基本理念)
第4条 まちづくりの主体は、市民であることを基本とする。
2 市政は、市民の信託に基づき行われるものであることを基本とする。
(基本原則)
第5条 市民及び市は、次に掲げる基本原則に基づき、まちづくりを行うものとする。
(1) 情報共有の原則 市民及び市は、まちづくりに関する情報を共有すること。
(2) 市民参加の原則 市民は、まちづくりの主体として、まちづくりへの参加を進め、市は、その機会を保障すること。
(3) 協働の原則 市民及び市は、相互理解のもと協働すること。
第2章 権利及び責務
(市民の権利)
第6条 市民は、まちづくりに参加することができる。
2 市民は、市政に関する情報について、公開又は提供を求めることができる。
3 市民は、まちづくりへの参加又は不参加を理由に不利益を受けない。
(市民の責務)
第7条 市民は、まちづくりの主体であることを認識するとともに、まちづくりに参加するよう努めなければならない。
2 市民は、まちづくりに参加するに当たっては、自らの発言と行動に責任を持つものとする。
(事業者の責務)
第8条 事業者は、地域社会との調和を図り、暮らしやすい地域社会の実現に寄与するよう努めなければならない。
(市長の責務)
第9条 市長は、選挙によって選ばれた本市の代表者として、公正かつ誠実に行政運営を行わなければならない。
2 市長は、市民の意思を把握し、市政に反映させるよう努めなければならない。
3 市長は、市職員を適切に指揮監督するとともに、市政の課題に的確に対応できる人材の育成に努め、効率的かつ効果的に組織運営を行わなければならない。
4 市長は、市政において、人種、宗教、信条、性別、社会的身分、障がいの有無、経済状況等によって市民が不当に不利益を受けないようにしなければならない。
(市職員の責務)
第10条 市職員は、全体の奉仕者として公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 市職員は、職務の遂行に必要な能力の向上に努めなければならない。
(議会及び議員の責務)
第11条 議会は、本市の意思決定機関並びに市長等の監視及び評価機関として、公正かつ透明で市民に分かりやすい開かれた議会運営に努めなければならない。
2 議員は、市政全般に関する課題、市民の意見等を的確に把握し、市政に反映させるよう努めなければならない。
第3章 コミュニティ
第12条 市民及び市は、コミュニティの重要性を認識し、コミュニティを守り、育てるよう努めなければならない。
2 市民は、自らが地域社会の一員であることを認識し、自主的にコミュニティに参加することを通じて、まちづくりに主体的に取り組むよう努めなければならない。
3 市は、コミュニティの自主性及び自律性を尊重しながら、その活動を支援するよう努めなければならない。
第4章 情報共有
(情報共有)
第13条 市は、まちづくりに必要な情報を適切かつ分かりやすい形で市民に提供し、市民との情報の共有に努めなければならない。
2 市民は、まちづくりに対する関心を高め、まちづくりに関する情報の収集に努めるとともに、他の市民や市との情報の共有に努めなければならない。
(情報公開)
第14条 市は、市政の諸活動を市民に説明する責務を全うするため、公文書の公開について必要な措置を講じるとともに、情報の公開に努めなければならない。
(個人情報保護)
第15条 市は、個人の権利利益の保護及び公正で民主的な市政の実現を図るため、市が保有する個人情報を適正に取り扱わなければならない。
第5章 市民参加及び協働
(市民参加)
第16条 市は、まちづくりへの市民参加を推進するものとし、そのための制度の充実に努めなければならない。
(協働)
第17条 市は、協働によるまちづくりを推進するための施策を策定し、及び実施するとともに、協働の実効性を高めるよう努めなければならない。
2 市は、前項に規定する施策を実施するに当たっては、市民の自主性及び主体性を尊重しなければならない。
(子どものまちづくりへの参加)
第18条 市民及び市は、子どもがその年齢にふさわしい形でまちづくりに参加する機会を確保するよう努めなければならない。
(男女平等参画)
第19条 市民及び市は、まちづくりにおいて男女平等参画を推進するよう努めなければならない。
(危機管理)
第20条 市民及び市は、災害その他非常の事態の発生時において、協働により迅速かつ適切に対処することができる態勢の確立に努めなければならない。
(住民投票)
第21条 市は、市政に関する重要事項について、直接、住民の意思を確認するため、必要に応じて住民投票を行うことができる。
2 市長及び市議会議員の選挙権を有する者は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条に定めるところにより、住民投票を規定した条例の制定を市長に請求することができる。
3 住民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めるものとする。
4 市は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
(市民意見提出手続)
第22条 市長等は、市の基本的な政策等の策定、改定、廃止等(以下「政策策定等」という。)に当たっては、政策策定等の趣旨、目的、内容等を広く公表し、市民からの意見及び情報の提出を受け、これらに対する市長等の考え方等を公表しなければならない。
第6章 行政運営
(基本構想等)
第23条 市長は、基本構想等を策定するものとする。
2 市長は、基本構想等の策定に当たっては、市民の意見を広く反映させるため、市民が参加する機会の充実に努めなければならない。
3 市長は、基本構想等の進捗状況を適切に管理し、その結果を市民に分かりやすく提供するものとする。
(財政運営)
第24条 市長は、財政の状況を的確に把握し、中期的な見通しに立った健全な財政運営を図るよう努めなければならない。
2 市長は、予算編成に当たっては、基本構想等の進捗状況及び行政評価の結果を踏まえ、財源の効率的かつ効果的な活用に努めなければならない。
3 市長は、財政状況並びに予算及び決算の内容を市民に分かりやすく公表し、財政運営の透明性を確保するよう努めなければならない。
(行政運営)
第25条 市長等は、効率的で公正かつ透明性の高い行政運営を行わなければならない。
(行政評価)
第26条 市長等は、効果的かつ効率的な行政運営を図るため、行政評価を実施し、その結果を市民に分かりやすく公表するとともに、行政運営や施策等に反映させるよう努めなければならない。
2 市長等は、行政評価の実施に当たっては、市民による評価の仕組みを整備するよう努めなければならない。
(行政手続)
第27条 市長等は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、処分、行政指導及び届出に係る手続を適切に行い、市民の権利利益の保護に努めなければならない。
(国及び他の自治体との連携)
第28条 市長等は、まちづくりに関し、国及び北海道と本市との関係が対等であるという認識の下、それぞれの役割分担を踏まえ、連携及び協力に努めなければならない。
2 市長等は、行政運営を効果的かつ効率的に行い、及び行政課題に的確に対応するため、近隣自治体その他の国内外の自治体との交流、連携及び協力に努めなければならない。
第7章 この条例の見直し
第29条 市長は、この条例の施行の日から5年を超えない期間ごとに、社会情勢の変化等を勘案し、この条例の見直しについて検討することが必要であると認めるときは、この条例の見直しを検討する組織を設置する等の必要な措置を講じるものとする。
附 則
この条例は、平成27年10月1日から施行する。