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条例

弘前市協働によるまちづくり基本条例

自治体データ

自治体名 弘前市 自治体コード 02202
都道府県名 青森県 都道府県コード 00002
人口(2015年国勢調査) 168,466人

条例データ

条例本文

弘前市協働によるまちづくり基本条例
平成27年3月19日
弘前市条例第4号

目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 まちづくりの主体とその役割等
第1節 まちづくりの主体(第7条)
第2節 主体の役割等(第8条―第14条)
第3章 協働の推進(第15条)
第4章 まちづくりの仕組み
第1節 行政運営(第16条―第28条)
第2節 住民投票(第29条)
第3節 市外の人々、国等との連携(第30条―第32条)
第5章 条例の実効性の確保(第33条)
附則

本市は、歴史・文化資源を数多く有するとともに、緑豊かな自然環境に恵まれています。
また、学都として教育も充実し、地域のコミュニティによる活動も根付いているなど、自然との共生を図りながら、地域ならではの文化・生活が営まれてきました。
先人たちが築き上げてきたこの住みよいまちは、今後も時代に応じ、新たなものを取り入れながらしっかりと育て、次代を担う子どもたちへ継承していかなければなりません。
この住みよいまち、「あずましい ふるさと」を笑顔でつないでいくためには、弘前を愛する心を育み、まちづくりの担い手を育成するとともに、協働によるまちづくりを行っていく必要があります。
したがって、市民の主体性を尊重するというまちづくりの基本理念や市民、議会及び執行機関の役割、それらによる協働のあり方を具体化したまちづくりの仕組みなどを明らかにし、その仕組みに基づく継続的な取組により、市民の幸せな暮らしを実現するために、本市のまちづくりの基本とする弘前市協働によるまちづくり基本条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、その基本的な事項を定めることにより、協働による継続的なまちづくりの進展を図り、市民の幸せな暮らしを実現することを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによるものとします。
(1) 協働 まちづくりにおいて、市民等、議会及び執行機関が相互に補完し、及び特性を尊重するとともに、それぞれの役割に応じて取り組むことをいいます。
(2) まちづくり 市民の幸せな暮らしを実現するために行う公共的な活動をいいます。
(3) 市民 市内に居住する全ての者をいいます。
(4) 学生 市内に居住し高等教育機関に在学する者又は市内に存する高等教育機関に在学する者をいいます。
(5) 子ども 市内に居住する義務教育諸学校の児童若しくは生徒又は高等学校等の生徒をいいます。
(6) コミュニティ 市内に事務局を置き、営利を目的とせず、かつ、複数のものの利益の増進に寄与することを主たる目的として活動する団体をいいます。
(7) 事業者 市内に事務所、営業所等を有し、営利を目的として活動することを主たる目的とするものをいいます。
(8) 市民等 市民、学生、子ども、コミュニティ及び事業者をいいます。
(9) 議会 議員によって組織する合議制の機関及びそれを補助する議会事務局の職員をいいます。
(10) 執行機関 市長及び行政委員会並びにそれらを補助する職員をいいます。
(11) 市 地方公共団体としての本市をいいます。
(12) 市外の人々 市外に在住し、市内に通勤、通学等をし、又は本市の出身であるなど、本市に関わりがある人々をいいます。
(条例の位置付け)
第3条 この条例は、本市のまちづくりの基本として位置付けるものとします。
2 市民等は、まちづくりに参加するに当たり、この条例の趣旨を尊重するよう努めるものとします。
3 議会及び執行機関は、他の条例、規則等の制定及び改廃、各種計画の策定及び変更等に当たり、この条例の趣旨を尊重するものとします。
4 前項の規定は、この条例の趣旨を尊重する余地がないもの又は尊重することにより、他の法令等の趣旨を損なうおそれがあるものについては、適用しないものとします。
(条例の適用除外)
第4条 次に掲げる活動については、この条例の規定は、適用しないものとします。
(1) 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的としない活動
(2) 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動
(3) 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動
(4) 特定の公職(衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の職をいいます。以下同じです。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含みます。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動
(5) 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある活動
(基本理念)
第5条 本市のまちづくりは、平和及び人権が尊重され、市民が幸せに暮らすため、市民の主体性を尊重するとともに、協働によることを基本的な考え方とします。
(基本原則)
第6条 本市のまちづくりは、次の各号に掲げる原則に応じ、当該各号に定める決まりに基づき、進めるものとします。
(1) 協働の原則 協働によること。
(2) 住民自治の原則 市民等は、一人一人が自分や自分たちに関することを自らの責任において取り組む意識を持ち、公共の福祉の増進に向けて、主体的に取り組むこと。
(3) 情報共有の原則 議会及び執行機関は、市民等の知る権利を保障するとともに、市民参加を促進するため、積極的に情報公開及び情報提供を行い、全ての主体がまちづくりの情報を共有できるように努めなければならないこと。
(4) 参加・環境づくりの原則 次に掲げる主体の区分に応じ、それぞれに定めること。
ア 市民等 それぞれの環境に応じ、主体的にまちづくりに参加するように努めること。
イ 議会 まちづくりに参加する機会を設けるとともに、それに参加しやすい環境づくりに努めること。
ウ 執行機関 イに定めること及び必要に応じ、市民等が主体的にまちづくりに参加するための支援を行うこと。

第2章 まちづくりの主体とその役割等
第1節 まちづくりの主体
(まちづくりの主体)
第7条 本市のまちづくりの主体は、次に掲げるものとします。
(1) 市民
(2) 学生
(3) 子ども
(4) コミュニティ
(5) 事業者
(6) 議会
(7) 執行機関
第2節 主体の役割等
(市民の役割)
第8条 市民は、まちづくりにおいて、次に掲げる役割を担うものとします。
(1) まちづくりの主体であることを認識すること。
(2) 市民力の向上に努めること。
(3) 地域において安心安全に暮らしていけるように、自らがその環境づくりに取り組むよう努めること。
(学生の役割)
第9条 学生は、まちづくりにおいて、特性を生かした新鮮味のある提案をし、又は実践をするなど、学生力を発揮するよう努めるものとします。
(子どもの権利等)
第10条 子どもは、まちづくりにおいて、次に掲げる権利を有するものとします。
(1) まちづくりに参加する権利
(2) まちへの愛着心及び主体的に考える力を育む機会を与えられる権利
2 子どもは、前項の権利を有することを基本として、自信を持って、まちづくりに関わり、その経験を積む役割を担うものとします。
(コミュニティの役割)
第11条 コミュニティは、まちづくりにおいて、次の各号に掲げるコミュニティの区分に応じ、当該各号に定める役割を担うものとします。
(1) 町会その他の地縁を基盤とした団体 担い手の育成に努め、その組織、活動等の充実を図り、それらを継承していくこと。
(2) 市民活動団体その他のテーマで結び付いた団体 当該団体相互の連携に配慮するとともに、専門性を生かした取組をすること。
(事業者の役割)
第12条 事業者は、まちづくりにおいて、次に掲げる役割を担うものとします。
(1) まちづくりの重要な担い手として、一層の社会貢献に努めること。
(2) 安心して暮らせるまちをつくる一翼を担うこと。
(3) 休暇制度の充実等当該事業者の従業員がまちづくりに参加しやすい環境づくりに配慮すること。
(議会の役割)
第13条 議会は、まちづくりにおいて、次に掲げる役割を担うものとします。
(1) 審議・議決機関としての機能を果たすこと。
(2) 法令等に基づき行うことができる行為を有効に活用すること。
(3) 市民等に対して、議会の活動内容に関する情報を積極的に提供し、説明責任を果たすこと。
2 議員は、まちづくりにおいて、次に掲げる役割を担うものとします。
(1) まち全体の発展を考え、そのための活動をすること。
(2) 政策の提案及び議案の提出を行うこと。
(3) 議案の賛否を明らかにし、その理由を説明すること。
3 議会事務局の職員は、まちづくりにおいて、議会の役割が全うされるよう全力を挙げて職務を遂行する役割を担うものとします。
(執行機関の役割)
第14条 執行機関は、まちづくりにおいて、次に掲げる役割を担うものとします。
(1) 市民の生命、身体及び財産を守るとともに、福祉の向上を図ること。
(2) 法令、条例等を遵守し、及びこの条例の基本理念等を十分に認識し、誠実公正に事務を管理し、及び執行すること。
(3) 市民等のまちづくりを支援すること。
(4) 市民にとって分かりやすい組織とすること。
2 執行機関の職員は、まちづくりにおいて、執行機関の方針、この条例の基本理念等を十分に認識し、忠実かつ着実に職務を遂行するとともに、市民の立場に立って、懇切丁寧に職務を遂行する役割を担うものとします。

第3章 協働の推進
(協働の推進)
第15条 市民等、議会及び執行機関は、協働のあり方を具体化したまちづくりの仕組みを形式的に用いるだけでなく、第5条に規定する基本理念等に定める協働の趣旨を十分に認識し、及び尊重するよう努めるものとします。

第4章 まちづくりの仕組み
第1節 行政運営
(総合計画)
第16条 市は、本市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための計画(以下「総合計画」といいます。)を策定しなければならないものとします。
2 市は、総合計画を策定するに当たっては、市民参加及び専門的な視点による検討を求めるとともに、あらかじめ総合計画案を公表し広く意見を求め、市民との協働によるものとします。
(財政運営)
第17条 市は、財政運営を行うに当たっては、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないものとします。
2 市長は、継続的かつ安定的な行政サービスを提供するため、中期的な財政収支の推計を示す計画を作成し、それに基づき限られた財源の効率的な運用を図るなど、健全な財政運営を維持しなければならないものとします。
3 市長は、予算及び決算の要領、歳入歳出予算の執行状況並びに財産の現在高その他財政状況について、市民にとって分かりやすい内容で公表しなければならないものとします。
(評価)
第18条 執行機関は、総合計画、政策、施策、事務事業等の達成度、執行状況の妥当性等を明確にするため、それらの評価を実施するものとします。
2 執行機関は、前項の規定に基づく評価の結果について、市民に分かりやすく公表するとともに、総合計画等の進化及び成長につなげるため、その結果を基に改善策を検討するものとします。
3 執行機関は、第1項に規定する評価の実施及び前項に規定する改善策の検討に当たっては、市民も含めた第三者の参加を求めなければならないものとします。
4 市は、第1項の達成度、妥当性等を評価するために特に必要があると認めたときは、別に定めるところにより、外部監査契約に基づく監査を求めることができるものとします。
(意見等への応答義務)
第19条 議会及び執行機関は、まちづくりに関する意見、要望、苦情等の応答に当たっては、速やかに事実関係を調査し、誠実に受け答えするなど、誠意を持って臨まなければならないものとします。
(危機管理体制の確立)
第20条 議会及び執行機関は、市民の生命、身体及び財産を守るため、市民等及び関係機関と連携し、災害等に対する危機管理体制の確立に努めなければならないものとします。
2 市民は、自らの生命、身体及び財産を守るため、日頃から安全確保に努めるとともに、市民相互の連携・協力体制の充実を図るよう努めるものとします。
(市民力等の推進)
第21条 執行機関は、市民力、学生力及び地域力を高める取組を後押しし、主体性の向上を図るため、次に掲げる措置を講じるものとします。
(1) 市民力及び学生力を発揮して取り組むまちづくりを行う者に対し、その円滑な実施のために必要な援助をするように努めること。
(2) 地域活動への協力、様々な情報提供等を行う職員を各地域へ配置するなど、地域との情報の共有化を図ること。
(説明責任)
第22条 議会及び執行機関は、行政運営の透明性の向上を図るため、各種計画、財政、条例、事業評価等の内容及び決定に至る過程について、市民に理解されるように分かりやすく説明しなければならないものとします。
2 議会は、第13条第1項第3号に規定する役割及び前項に規定する説明責任を果たすための取組の一環として、会議の原則公開に努めるとともに、議決の経過及び結果の説明等をするものとします。
3 執行機関は、第1項に規定する説明責任を果たすための取組の一環として、市の施策について分かりやすく公表する仕組みの創造に努めるほか、市長と市民等がまちづくりに関して、直接意見交換を行う機会を設けるものとします。
(情報公開)
第23条 議会及び執行機関は、説明責任を全うするとともに、他の主体との信頼関係を深めるため、別に定めるところにより、その保有する情報の一層の公開を図るものとします。
2 市が出資する法人のうち実施機関が定める法人は、その保有する情報について、別に定めるものを除き、積極的な姿勢で開示に努めなければならないものとします。
(情報提供)
第24条 議会及び執行機関は、情報提供をするに当たり、新しい媒体の活用を検討する姿勢を継続するとともに、分かりやすく、かつ、効果的な方法及び内容で行わなければならないものとします。
(情報共有)
第25条 議会及び執行機関は、市民等と情報共有を図るため、市以外の者から収集した公益的な情報を広く市民等に提供するものとします。
(個人情報保護)
第26条 議会及び執行機関は、個人の権利利益を保護するため、個人情報の保護に関する法令、条例等の趣旨にのっとり、個人情報を適正に取り扱うものとします。
2 市民等は、個人情報の保護の重要性を認識し、その適正な取扱いに配慮するよう努めるものとします。
(意見聴取手続)
第27条 執行機関は、重要な施策を決定するに当たっては、その過程において広く市民の意見を聴取し、その結果を公表するものとします。
2 執行機関は、前項の規定による意見聴取を行うときは、職員が積極的に地域へ出掛けるなど、あらゆる方法を講じるよう努めるとともに、その前提となる説明、質問の内容等について、市民にとって分かりやすく行うものとします。
(附属機関の運営)
第28条 執行機関は、附属機関の委員を選任するに当たっては、市民参加を促進するとともに、公平性を確保するため、公募の実施、年齢及び性別の均衡等に配慮し、多様な分野、幅広い年齢層から適切な人材を選任するものとします。
2 附属機関の会議は、運営の透明性を図るため、公開することを原則としなければならないものとします。
第2節 住民投票
(住民投票)
第29条 議員、議会及び市長は、まちづくりに関する重要事項について、直接、住民(第3項の条例で定める者をいいます。)の意見を確認するため、住民投票に係る条例案を議会に提出することができるものとします。
2 議会及び執行機関は、住民投票の結果を尊重するものとします。
3 前2項に定めるもののほか、住民投票の実施に関し必要な事項は、その都度、別に条例で定めるものとします。
第3節 市外の人々、国等との連携
(市外の人々との連携等)
第30条 市民等及び執行機関は、まちづくりにおいて、必要に応じ、市外の人々の参加を得て、連携し、及び協力しながら進めるとともに、市外の人々の意見、知恵、工夫等を活用するよう努めるものとします。
(国等との連携)
第31条 議会及び執行機関は、自らの公共課題を効果的及び効率的に解決するため、その状況に応じ、国、県、近隣市町村等と連携しながら取り組むものとします。
(国際社会との交流及び連携)
第32条 議会及び執行機関は、まちづくりにおける国際社会とのつながりの重要性を認識し、国際社会との交流及び連携に努めるものとします。

第5章 条例の実効性の確保
(条例の実効性の確保)
第33条 市長は、この条例に基づくまちづくりを着実に実行するとともに、社会環境の変化に的確に対応し、進化し、及び成長するまちづくりを協働により推進することにより、平和及び人権の尊重並びに市民の幸せな暮らしを実現するため、弘前市協働によるまちづくり推進審議会(以下「審議会」といいます。)を設置するものとします。
2 審議会の担任する事務、委員の構成、定数及び任期は、次の表のとおりとします。

担任する事務 委員の構成 定数 任期
(1) この条例と各種計画、事業等の整合性に関すること。
(2) この条例の見直しに関すること。
(3) 事業遂行等の改善に関すること。
(1) 知識経験のある者
(2) 公共的団体等の推薦を受けた者
(3) 公募による市民
(4) その他市長が必要と認める者
15人以内 3年

3 市長は、審議会に対して、少なくとも毎年度1回、諮問をするものとします。ただし、担任する事務について、複数年度にわたり審議等を行う必要がある場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りではありません。
4 前3項に定めるもののほか、審議会の運営等に関し必要な事項は、規則で定めるものとします。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成27年4月1日から施行します。ただし、第33条第3項の規定は、平成28年4月1日から施行します。
(弘前市議員報酬、費用弁償等の額及びその支給方法条例の一部改正)
2 弘前市議員報酬、費用弁償等の額及びその支給方法条例(平成18年弘前市条例第36号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)
(弘前市附属機関設置条例の一部改正)
3 弘前市附属機関設置条例(平成26年弘前市条例第2号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)