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条例

佐用町まちづくり基本条例

自治体データ

自治体名 佐用町  自治体コード 28501
都道府県名 兵庫県 都道府県コード 00028
人口(2015年国勢調査) 15,863人

条例データ

条例本文

○佐用町まちづくり基本条例
平成25年3月29日条例第8号
佐用町まちづくり基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 まちづくりの主体
第1節 町民等(第4条・第5条)
第2節 町議会(第6条~第8条)
第3節 行政機関(第9条・第10条)
第3章 参画と協働のしくみ
第1節 町政への町民参画(第11条~第13条)
第2節 協働のまちづくり(第14条~第17条)
第3節 まちづくりに必要な情報の共有(第18条~第21条)
第4章 行政運営(第22条~第28条)
第5章 国及び他の地方公共団体との関係(第29条)
第6章 条例の位置付け及び検証(第30条・第31条)
附則
わたしたちのまち佐用町は、全国名水百選に選ばれた清流千種川とその支流の佐用川などが南北に流れ、大撫山の山頂から眺める雲海や夜空に輝く満天の星など豊かな自然に恵まれています。また、古くは出雲街道と因幡街道が交わる交通の要衝として宿場町が栄えていました。さらに、利神城跡、上月城跡、熊見城跡、三日月陣屋跡など多くの歴史文化遺産を有しています。
わたしたちは、先人のたゆまぬ努力と営みによって大切に守り育てられてきたこれらの財産や自然を大切にして未来に引き継ぐとともに、安心に暮らせるまち、人を思いやり、人と人との絆が豊かな、夢や希望の持てる優しさのあふれるまちづくりを目指します。
そのためには、「地域のことは地域が主体となって考え、行動する」という自治の原点に立ち、町民等一人ひとりがまちづくりの担い手として参画し課題に取り組むことが必要です。
さらに、町民等、議会、行政がともに手を取り合い、協働してそれぞれの役割と責務を果たすことがよりよい佐用町の自治につながります。佐用町が希望と笑顔で活力あるまちとなることを望み、ここに佐用町まちづくり基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、佐用町におけるまちづくりの基本的な事項を定め、町民等の権利と役割並びに町議会及び町長等の権限と責任を明確にすることにより、町民自治による参画と協働のまちづくりを推進し、町民等が幸せを感じることができるまちを目指すことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 町民 町内に住所を有する個人
(2) 町民等 町民及び町内で働き又は学ぶ者又は町内において事業活動又は町民活動を行う者若しくは団体をいう。
(3) 町長等 町長その他の執行機関(教育委員会、監査委員、選挙管理委員会、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会)をいう。
(4) 町 町議会及び町長等によって構成される基礎自治体としての佐用町をいう。
(5) 参画 町の政策等の重要な決定について、計画段階から町民が主体的に関わっていくことをいう。
(6) 協働 町民等と町、町民等同士が果たすべき役割と責任を自覚し、対等の立場で相互に補完し協力することをいう。
(7) まちづくり 快適な生活環境の確保や地域社会での安全安心の推進など、住みよい町をつくるための公共的な活動をいう。
(まちづくりの基本原則)
第3条 町民等及び町は、次に掲げる事項を基本原則として、まちづくりを推進するものとする。
(1) 参画の原則 町民等は、まちづくりへの参画の機会が保障されること。
(2) 協働の原則 町民等と町、町民等同士は、お互いを尊重しながら相互協力のもとまちづくりに取り組むこと。
(3) 情報の共有 町民等と町がまちづくりを推進するために、互いに保有する情報を共有し合うこと。
第2章 まちづくりの主体
第1節 町民等
(町民等の権利及び役割)
第4条 町民等は、まちづくりのための主体的な活動を自由に行う権利を有する。
2 町民等は、町民等同士や町と協働したまちづくりのため、まちづくりに関する情報を知る権利を有する。
3 町民等は、まちづくりに関心を持ち、積極的に参画、協働するよう努めるものとする。
4 町民等は、お互いを尊重し合い、自らの発言と行動に責任を持ち、まちづくりにおいて互いの意見及び行動を尊重し合うものとする。
5 町民等は、参画又は協働しないことによって不利益な取扱いを受けない。
(防災への取り組み)
第5条 町民等及び町は、自助、共助、公助の考え方に基づきそれぞれの責務と役割のもと、相互に連携して安全で安心して暮らすことができる佐用町を築くよう努力する。
2 町は、町民等の財産と生命を災害から守るため防災体制の整備を図り、国、県、関係市町との連絡調整及び町民等、防災関係機関等との連携や協力体制の構築に努める。
3 町民等は、自己及び家族の安全確保と、町民等相互の連携により地域の安全確保に努めるとともに、町の防災事業への協力と地域における防災対策活動への参加に努める。
第2節 町議会
(町議会の権限)
第6条 町議会は、町民の信託を受けた意思決定機関として、町政の重要事項について議決する権限及び町政運営を監視し、けん制する役割を有する。
(町議会の責務)
第7条 町議会は、町民の信託を受けた意思決定機関として、町政の重要事項を決定するとともに、町政に対する監視及び調査を的確に行い、適正な執行を確保しなければならない。
2 町議会は、町民の意思や地域の実情を的確に把握し、政策の立案又は提言に努めるものとする。
3 町議会は、議会活動に関する情報を町民等に提供し、町民等に開かれた議会運営に努めなければならない。
(町議会議員の責務)
第8条 町議会議員は、町民の代表者として、町民全体の利益を優先して行動し、町民福祉の増進に寄与するとともに、自己の研鑽に努め、誠実に職務を遂行しなければならない。
2 町議会及び町議会議員は、町民等への情報提供に務めるとともに、町民等の意見及び地域の課題を把握する等、情報収集に努めるものとする。
第3節 行政機関
(町長等の権限及び責務)
第9条 町長は、町民の信託を受けた執行者として町を統轄し、町政を代表する。
2 町長等は、自らの判断と責任において、その所管する職務を公正かつ誠実に町政運営を行わなければならない。
(職員の責務)
第10条 職員は、全体の奉仕者であり、法令を遵守し、町民等に対して丁寧で分かりやすい説明に努め、公正かつ誠実に、その職務を遂行しなければならない。
2 職員は、自らも地域社会の一員であることを認識し、積極的に町民等と連携し、まちづくりの推進に取り組まなければならない。
第3章 参画と協働のしくみ
第1節 町政への町民参画
(参画と協働の推進)
第11条 町議会及び町長等は、町民等の参画と協働を推進するため、政策等の立案、実施、評価及び改善過程において、多様な手段による参画の機会を設けるよう努めなければならない。
2 町議会及び町長等は、参画と協働の推進に当たって、町民等の自主性を尊重するよう努めなければならない。
(意見公募制度)
第12条 町長等は、町民生活に重要な影響を及ぼす施策及び計画等に当たっては、町民等に情報を提供し、意見又は提案を求めるための必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(審議会等の運営)
第13条 町長等は審議会等の委員の選任に当たっては、広く町民の参画に配慮した委員構成にするとともに、原則として委員の全部又は一部を町民から公募するよう努めなければならない。
2 町長等は審議会等の会議及び会議録を原則として公開するよう努めなければならない。
第2節 協働のまちづくり
(コミュニティの形成)
第14条 町民等は、地域のなかで安心して暮らし続けることができるよう、コミュニティの役割を認識し、守り育てるよう努めるものとする。
(地域づくり協議会の設置)
第15条 町民等は、多岐にわたる課題等に総合的に対応するため、一定のまとまりのある地域(概ね小学校区)において、コミュニティ活動を行う組織としての地域づくり協議会を設置することができる。
2 地域づくり協議会は、地域の総意が反映され、民主的で透明性を保ち、地域内の誰もが希望に応じて運営に参加できるものとする。また、地域の課題を共有し、その解決に向けて取り組み、地域のまちづくりの目標、活動方針等を定めたまちづくり計画の策定に努める。
(まちづくり活動への支援)
第16条 町長等は、町民等がお互いに助け合い、地域の課題の解決に向けて自発的に活動することを促進するため、前条に規定する地域づくり協議会及びその他のまちづくり活動を行う団体に対して必要な支援を行うことができる。
(生涯学習の推進)
第17条 町民等は、自ら生涯を通じてさまざまな学習を重ね、豊かな人間性を育むよう努めるものとする。
2 町長等は、町民等のまちづくりに繋がる学習の機会を提供し、まちづくり活動への参加を促すよう努めなければならない。
第3節 まちづくりに必要な情報の共有
(情報の共有における町長等の責務)
第18条 町長等は、町民等が必要とする情報を適正に収集、保存するとともに、佐用町情報公開条例に則り、情報公開及び情報提供のための措置を積極的に講じるよう努めるものとする。
2 町長等は、適切な時期に、町民等にわかりやすい方法で情報公開及び情報提供するよう努めるものとする。
(個人情報の保護)
第19条 町長等は、情報の共有に当たっては、佐用町個人情報の保護に関する条例で定めるところにより、個人の権利と利益が侵害されることのないように、個人情報を保護しなければならない。
(町民等と町長等との情報共有)
第20条 町民等は、町長等に対して積極的に必要な情報の公開若しくは提供を求め、又は町民等は、地域の情報を積極的に町長等に提供し、情報の共有に努めるものとする。
(町民等同士の情報の共有)
第21条 町民等は、互いに個人情報の保護には十分配慮した上で、積極的に情報の交換を行い、情報の共有に努めるものとする。
第4章 行政運営
(総合計画等)
第22条 町長は、町政を総合的かつ計画的に運営していくための基本となる計画(以下「総合計画」という。)の策定に当たっては、町民の参画を図る。又は意見を求めるものとする。
2 町長は、町民等と共にまちづくりを進めていくため、地域づくり協議会が策定した地域のまちづくり計画について、総合計画及び予算に反映するよう努めるものとする。
3 町長は、総合計画に定めるまちづくりの目標を実現するため、具体的な施策、事業について個別の計画を定めるとともに、実行していくための計画を策定し、達成目標等を示すものとする。
4 町長は、総合計画及び前項に規定する計画(以下「総合計画等」という。)に基づくまちづくりを推進していくため、評価に基づいた進行管理を行い、事業の進捗状況を町民及び町議会に公表し、町民参画のもと柔軟に見直しを行うものとする。
(財政運営)
第23条 町長は、総合計画等に基づき、又は事業等の評価を踏まえ、計画的な財政運営を行い、予算を編成しなければならない。
2 町長は、財源の確保及び効果的で効率的な経費支出に配慮することにより、健全で持続可能な財政運営に努めなければならない。
3 町長は、予算の執行状況並びに財産、町債等その他財政に関する状況について町民に分かりやすく公表しなければならない。
(政策法務)
第24条 町長等は、町民等の要望や地域課題に対応するため、自ら責任を持って法令を解釈し、条例、規則等の整備を進めるなど積極的な法務行政を推進するよう努めなければならない。
(行政評価)
第25条 町長等は、総合計画等重要な計画、予算、決算及び実施する事業等の行政評価の実施に当たって町民参画のもと、その結果を公表するよう努めるものとする。
2 町長等は、前項の評価の結果を、総合計画等、財政運営、予算編成及び個別の事業等に反映させるよう努めるものとする。
(行政組織)
第26条 町長等は、町民等に分かりやすく、効率的かつ機能的な行政組織を編成しなければならない。
2 町長等は、町民等の声又は社会経済情勢の変化に的確に対応できるよう行政組織の整備、充実を図るとともに、必要に応じて行政組織の見直しに努める。
(行政手続)
第27条 町長等は、町政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって町民の権利利益の保護に資するため、佐用町行政手続条例で定めるところにより、行政手続を適正に行わなければならない。
(危機管理)
第28条 町長等は、町民等の安全と安心を確保するため、出来る限り危険を予測し、その対策を講じるとともに、緊急事態に適切に対処できる体制の充実及び強化に努めなければならない。
2 町長等は、町民等及び関係機関と相互に連携、協力しながら、町民等の安全と安心の推進に取り組まなければならない。また、災害時においては、速やかに状況を把握し、必要な対策を講じなければならない。
3 町民等は、一人ひとりが「自らの命は自ら守る(自助)」「自分たちの地域は自分たちで守る(共助)」ということを基本に、平時から地域、家庭、職場等で防災への積極的な取組を行うよう努めなければならない。
第5章 国及び他の地方公共団体との関係
(国及び他の地方公共団体との関係)
第29条 町長等は、国及び他の地方公共団体と対等の関係にあることを踏まえ、自立した地方自治を目指すとともに、共通の課題又は広域的課題を解決するため、国及び他の地方公共団体と相互に連携し、協力するよう努めるものとする。
第6章 条例の位置付け及び検証
(条例の位置付け)
第30条 この条例は、まちづくりの基本を定めるものであり、町は、他の条例、規則等の制定改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し整合性を図るものとする。
(条例の検証及び見直し)
第31条 町長等は、必要に応じて、この条例の策定後内容が本町にふさわしく、社会情勢に適合しているかどうか、町民参画のもと検証し、その結果を踏まえ、必要な見直しを行うものとする。
附 則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。