土佐清水市みんなでまちづくり条例
自治体データ
自治体名 | 土佐清水市 | 自治体コード | 39209 |
都道府県名 | 高知県 | 都道府県コード | 00039 |
人口(2015年国勢調査) | 12,388人 |
条例データ
制定年 | 2016年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 審議会委員の市民公募 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.tosashimizu.kochi.jp/reiki/H428901010010/H428901010010_j.html |
条例本文
○土佐清水市みんなでまちづくり条例
(平成28年3月28日条例第10号)
目次
第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 基本理念(第4条・第5条)
第3章 それぞれの役割(第6条-第11条)
第4章 行政運営(第12条-第16条)
第5章 参画(第17条・第18条)
第6章 危機管理(第19条)
第7章 環境保全(第20条)
第8章 改善及び見直し(第21条・第22条)
附則
前文
私たちが暮らす土佐清水市は,昭和29(1954)年に下ノ加江町,清水町,三崎町,下川口町の合併により誕生し,半世紀以上が経過しました。
私たちの土佐清水市は,足摺宇和海国立公園を有し,日本で最初に黒潮が接岸する地であり,雄大な景観と豊富な地域資源に恵まれた,農林水産業と観光業を中心とする美しいまちです。
しかし,基幹産業である農林水産業や観光業の衰退とともに,少子高齢化,人口流出に歯止めがかからず,人口減少が加速度的に進展し,地域の担い手不足により,集落活動の維持が困難な状況に陥っています。
また,自主財源が乏しい土佐清水市では,山積しているさまざまな課題への対応も求められていることから,これまでの「行政主導のまちづくり」から,市民が自ら主体的に行動のできる,いわゆる市民自治を確立した「みんなのまちづくり」へと変えていく必要があります。
そのために,市民の参画をうたった,土佐清水市の最高規範としての土佐清水市みんなでまちづくり条例を制定します。
そして,先人たちが幾多の試練を乗り越え,守り育て,築いてきたこの大自然,歴史,文化に誇りと責任を持ちます。さらに,郷土の偉人であるジョン万次郎の精神を引き継ぎ,将来にわたって平和で豊かな心を育てます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,市政運営における基本理念を定めるとともに,市民,市議会及び市の役割,責務等を明らかにし,市民の知恵や力を活かすことにより,持続可能な真に自立したまちづくりをめざします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は,土佐清水市の最高規範であり,市民,市議会及び市は,この条例の趣旨を尊重します。
2 市は,他の条例及び規則等の制定,改廃及び運用,各種計画の策定に当たっては,この条例との整合を図ります。
(定義)
第3条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるものとします。
(1) 市民 市内に住所を有する人,市内で働く人,市内で学ぶ人,市内で活動する人及び団体並びに市内で事業を営む人をいいます。
(2) 自治会 一定の地域において,その住民によって組織される親睦,共通の利益の促進,地域自治のための任意団体をいいます。
(3) 事業者 市内で事業を営む企業及び事業者をいいます。
(4) 市 市長及びその他の執行機関をいいます。
(5) 参画 市民が市政及び地域のまちづくりに主体的に参加し,行動することをいいます。
(6) 協働 市民,市議会及び市が,互いを理解し,尊重し,対等な立場で連携して課題に取り組むことをいいます。
(7) まちづくり 一人ひとりの知恵や力を合わせて,住みよい豊かな地域社会をつくるための取り組み及び活動のことをいいます。
第2章 基本理念
(市民憲章)
第4条 市の基本理念を象徴するものとして,この条例に次の市民憲章を位置付けます。
わたくしたちは,ふるさと土佐清水市が好きです。黒潮が岸をあらい,あおい海としたたるみどり,そぼくな人情がそのままにあります。
わたくしたちは,愛と自然にみちた活力あるまちづくりをめざし,さらにひらけゆく土佐清水市をきずくために,この市民憲章をさだめます。
1 この海は わしらの海です みんなで守りましょう
1 未来をになうこどもです みんなで育てましょう
1 働くことは日々のよろこびです みんなで励みましょう
1 豊かな文化は市民のねがいです みんなで高めましょう
1 かけがえのないいのちです みんなで大切にしましょう
(めざすまちの姿)
第5条 市民,市議会及び市は,次の各号に掲げるまちを実現するよう努めます。
(1) 互いの役割と責任のもと,協働によってともにつくるまち
(2) みんながまちづくりや市政に参画できるまち
(3) 次世代を担う子どもたちが夢と希望を抱き,すこやかに成長できるまち
(4) 地域,歴史,文化,産業に誇りを持ち,これらを守り発展させながら将来へ継承していくまち
(5) 命を大切にし,あらゆる差別を許さない,人権・平和を守るやさしいまち
(6) 自助,互助,共助,公助により,みんなが住み慣れた地域で安心・安全に暮らし続けられるまち
(7) 地域の財産である自然を大切にし,自然と調和したまち
第3章 それぞれの役割
(市民の役割)
第6条 市民は,自治及び地域づくりの担い手として,知恵や力をまちづくりのために発揮します。
(自治会の役割)
第7条 自治会は,地域における自治の主体として,地域のよりよい生活環境の充実を図ります。
(事業者の役割)
第8条 事業者は,地域社会の一員として,地域社会との調和を図り,まちづくりに協力します。
(市議会の役割)
第9条 市議会は,土佐清水市議会基本条例(平成23年条例第13号)に則り,市民の意見,要望を的確に把握するとともに,市政の調査及び監視機能を果たし,政策提言活動を行います。
[土佐清水市議会基本条例(平成23年条例第13号)]
(市長及び市の役割)
第10条 市長は,市民の信託に応え,市政の代表者として,この条例の理念に基づいたまちづくりを進めるとともに,市民の福祉向上に努めます。
2 市は,広く市民の意見を聴き,透明性の高い行政運営を行うとともに,公正かつ効率的で質の高い行政サービスの提供に努めます。
(市職員の役割)
第11条 市職員は,まちづくりの一員としての役割を果たすとともに,法令及び条例等を守り,誠実かつ公正に,市民のための職務遂行に努めます。
第4章 行政運営
(総合振興計画)
第12条 市は,総合的かつ計画的な市政運営を図るために,基本構想及びこれを具体化するための計画(以下「総合振興計画」という。)を策定します。
(行政評価)
第13条 市は,効率的かつ効果的な市政運営を行うため,総合振興計画に基づく事務事業について,行政評価等を行い,施策の見直し及び予算の編成に反映するとともに,その結果の公表と市民の意見を直接聴く機会を設けるよう努めます。
(財政運営)
第14条 市は,財源を効率的かつ効果的に活用し,財政の健全性を確保するとともに,持続可能な財政運営に努めます。
2 市は,予算の内容や財政状況を市民に公表し,透明性の確保に努めます。
(情報の公開及び共有)
第15条 市は,市民参加を推進するため,土佐清水市情報公開条例(平成11年条例第2号)で定めるところにより,保有する情報を公開するとともに,市民に必要な情報を積極的に提供します。
[土佐清水市情報公開条例(平成11年条例第2号)]
2 市民,市議会及び市は,市政に関する情報の共有に努めます。
(個人情報の保護)
第16条 市は,土佐清水市個人情報保護条例(平成15年条例第28号)に基づき,個人の権利や利益が侵害されることのないよう,保有する個人情報について,適切に保護します。
[土佐清水市個人情報保護条例(平成15年条例第28号)]
第5章 参画
(参画の保障)
第17条 市は,市民が総合振興計画及びその他の諸計画の策定,実施並びに評価の各段階に参画する権利を保障するため,審議会等への市民委員の公募,内容の公開,意見公募等の実施に努めます。
(住民投票)
第18条 市長は,市政に関わる重要な事項について,市民の意思を確認するため,住民投票を実施することができます。
2 市民,市議会及び市長は,住民投票の結果を尊重するものとします。
3 市は,住民投票に参加できる者の資格,その他の住民投票の実施に必要な事項は,それぞれの事案に応じ,別に定めます。
第6章 危機管理
(危機管理)
第19条 市は,災害等から市民の生命,身体及び財産を守るために,市民,関係機関との連携・協力及び相互支援による危機管理体制の構築に努めます。
2 市民は,災害等の発生において,自分たちの生命は自分たちで守ることを基本に,自分たちの果たす役割を認識し,ともに協力して,災害に強い地域づくりに努めます。
第7章 環境保全
(環境保全)
第20条 市民,市議会及び市は,この美しい自然環境を将来にわたって引き継いでいくことができるよう,環境保護や景観の保全に努めます。
2 事業者は,関係する法令及び条例等を守り,景観の保全と自然との調和を図るとともに,市が実施する施策に積極的に協力するものとします。
第8章 改善及び見直し
(継続的な改善)
第21条 市は,この条例の目的を達成するため,運用状況の調査及び検討を行い,その結果を公表し,継続した改善を行い,よりよいまちづくりに努めます。
(条例の見直し)
第22条 市は,社会,経済等の情勢の変化によって,この条例を改正する必要が生じた場合は,この条例の理念を踏まえ,市民の意見を反映しながら見直しを行います。
附 則
この条例は,平成28年4月1日から施行します。